w & m:LENNON / McCARTNEY
P:ジョージ・マーティン
E:ノーマン・スミス
2E:リチャード・ランガム(7/30)、ジェフ・エマリック(8/21、10/29)
録音:1963年7月30日
MONO MIX:1963年8月21日、STEREO MIX:1963年10月29日
1963年11月22日 アルバム発売(「WITH THE BEATLES」 A-1)
パーロフォン PMC 1206(モノ)、PCS 3045(ステレオ)
ビートルズは、EMIと年間2枚のアルバム契約を交わしていました。其れは、1963年から1966年までの四年に及ぶ契約だったのです。つまり、メジャー・デビューと同時に、四年で八枚ものアルバムを制作しなければならないって「トンデモ」な縛りを受けたわけです。いや、其れどころか、其の後も同じ契約でって噺だったのよさ。ライバルの「THE BEACH BOYS」なんて、もっと悲惨で、年間アルバム3枚ですよっ!きっと、大瀧師匠が「年間四枚!」なんて契約をしてしまったのは「う〜ん、僕は其れを超えたんだよ」とか云いたかったからだと思います。(いや、其れは、一寸だけ違うと思う。)「21世紀少年」には、全く理解不能な世界でしょう。だってさ、ビートルズがマトモにアルバムを出した期間って、1963年から1969年までの、
たったの「那奈年間」だったのですよっ!
ゆえに、3月に発売したデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME」が未だバカ売れしている八ヶ月後には、セカンド・アルバム「WITH THE BEATLES」を発表してしまいました。契約ですから、致し方ない事でした。時代は、彼らを休ませてくれなかった。なのにセカンド・アルバム「WITH THE BEATLES」にはシングル・ヒット曲が、一曲も収録されていません。全曲、アルバムの為の新録でした。同時期にレコーディングしていた彼らのシングルには「SHE LOVES YOU」や「I WANT TO HOLD YOUR HAND(抱きしめたい)」が在りますし、「FROM ME TO YOU」もアルバム未収録でした。そんな特大ヒット曲は勿論、其のB面すらもアルバムには入れなかったのです。そして、アルバムからのシングル・カットも頑なに拒んだのでした。彼らはファンに二度買いさせる事を嫌い、シングル曲をアルバムに入れる事を避けました。其れは、彼ら自身が熱狂的なレコード・コレクターだったからでしょう。
アルバムの一曲目は、いきなりイントロなしで怒涛の掛け合いコーラスから始まります。針を落とした途端に、性急なジョンのヴォーカルと、ポール&ジョージのコーラスが飛び出します。此れは、所謂ひとつの「ガールズ・グループ」的な3声コーラスです。彼らの魅力のひとつで在る「3声コーラス」は、ロネッツなどの「三人娘」を手本にしているのです。どっからそーゆー中性的な発想が生まれたのか分りませんが、兎も角、男子がおねえちゃんのマネをしているのですから、斬新でした。同時期の大ヒット・シングル「SHE LOVES YOU」同様に、初期の彼らの代名詞にもなった「YEAH !」が連呼され、掴みはオッケー!で忽ちアルバムの世界に引き込まれるのでした。そして、ハーフシャドウのアルバム・カヴァー。彼らのジャケットは全て美しいのですが、此のアルバムは其の中でも特に人気が高い逸品です。こーゆーのは、レコードで持ってないとダメだよ。
ジョン・レノンの単独作品と云って良い楽曲ですが、ポールとジョージによる掛け合いが大きな魅力にもなっています。レノン節炸裂!の一筋縄ではいかない展開が好いですね。彼の曲は、ほとんどが此の様に自由奔放に展開します。エンディングの甘く切ない不安定なコーラスまで、疾走するジョンが眩しいです。さて、一昨日(2009年4月那奈日)に、全世界のビーヲタ待望の衝撃の告知が「大英帝国の本家 APPLE 社」より在りました。簡潔に申しますと、20年以上も1987年に初CD化された時のまんまだった「THE BEATLES」の全作品が、今年の秋(具体的には、2009年9月)に、初めて「リマスター」されて発売されると発表されたのです。此れは、エライ事になりましたよっ。
(小島藺子)
初出:「COPY CONTROL AGAIN」2008-6-19
REMIX-1:「COPY CONTROL」2008-9-18
(and this is REMIX-2 by 小島藺子)
初出:「COPY CONTROL AGAIN」2008-6-19
REMIX-1:「COPY CONTROL」2008-9-18
(and this is REMIX-2 by 小島藺子)