ケガレシア様を求めて彷徨い込んだみんな、那奈ちゃんの記事ばっかで、正直すまんかったっ!(初出時の「アゲン」に於ける検索語句で圧倒的に首位を爆走中だったのは「ケガレシア」です。)
ま、那奈ちゃん尽くしの日々を送る「単なる那奈ヲタ」の世迷い言が書いて在るだけですので、何卒ご勘弁下さいませ。
其れで、那奈ちゃんに逢った興奮から眠れなくなっちゃってTVを流してたら「キレ芸」大会みたいなのが映っていたんですよ。ま、今は自動的に「サラリーマンNEO」に変わっちゃいましたけどね。
でね、突然キレる!って云えば、あーた、プロレスですよっ。
「キレてないれしゅよ」なんて云う長州は、三代目なんです。初代は「力道山」です。あたくしも、流石に「力道山」先生は後追いなんですけど、兎に角、彼は何の脈略もなく、唐突に「キレる」のでした。
伝説の木村戦なんかも、引き分けのアングルだったはずなのに、突然に力がキレてガチになってしまったらしいのですよ。木村だって、グレイシーをサクの半世紀も前に破った漢ですから、初めからガチならリキも危なかったでしょう。まあ、普通のプロレスでも、別にシャープ兄弟とかが卑劣な反則行為をしたタイミングとかじゃなくって、リキはいきなりキレたのです。突然、怒涛の空手チョップの乱れ撃ちで外人をやっつけちゃうんですよ。カリスマとは、そーゆーもんなのでしょう。
さて、二代目は云わずと知れた「アントニオ猪木」です。猪木は酷いです。必殺技の半分くらいは「反則」なんですよ。純情可憐な永遠の不良少年「アキラ」が、「猪木なら何をやっても許されるのかっ」と叫びましたが、残念ながら許されたのです。
「キラー猪木」の名勝負と謳われている「グレート・アントニオ」戦とか「ラッシャー木村」戦などは、猪木が突然キレてしまい、相手に何もさせず一方的に叩き潰す試合です。ラッシャーは何度も対戦したので、報われた部分も在ったとは思えますが、グレート・アントニオは「何故、俺様がこんな目に逢わなきゃなんないんだっ!」と、心底、猪木を憎んだと思います。
最近、見返した試合で「こりゃひでぇ」って思ったのは「U」とのイルミネーション・マッチです。結果的に、其れまで地味な職人レスラーでしかなかった木戸をスターにするきっかけになった試合でした。最後に残ったのは猪木と木戸です。まさか、木戸が最後の相手になるとは予想が付かない展開でした。木戸だけ残った時点で、「ああ、猪木の楽勝じゃん」と思われた時でした。ところが、木戸は長年隠し持って居た刀を抜き、師匠である猪木を一方的に「U」系な危険な技で攻め込んだのです。
「木戸の大金星かっ!」と東京体育館が揺れた、其の時、
猪木は木戸の喉仏に、矢の様な反則パンチを放ったのだよっ!
ひでぇ〜っ!木戸サンは全身全霊を込めて師匠を「愛で殺そうとしていた」のに、猪木は其の弟子のピュアなハートを明らかな反則パンチで打ち砕いたのです。
やっぱ、猪木ってすげぇ。
ちなみに「長州力」ってリングネームは、一般公募で決まった事になっていますが、実際には猪木が「師匠:力道山」にちなんで、勝手につけてしまった「猪木命名」なのでした。一生懸命に投書したファンの気持ちなんぞ、猪木の前では「只の紙くず」だったのです。
初出:「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)