w & m:McCARTNEY / LENNON
P:ジョージ・マーティン(9/4、'63-2/25)、ロン・リチャーズ(9/11)
E:ノーマン・スミス
2E:A.B.リンカーン('63-2/25)
録音:1962年9月4日(リンゴ)、11日(アンディ)
MONO MIX:1962年9月4日(リンゴ)、11日(アンディ)
STEREO MIX:1963年2月25日(アンディ)
1962年10月5日 シングル発売(最高位17位)
パーロフォン 45-R 4949(モノ)
1963年3月22日 アルバム発売、パーロフォン PMC 1201(モノ)
1963年4月26日 ステレオ盤発売、パーロフォン PCS 3042
(「PLEASE PLEASE ME」 B-1)
さあ、満を持して始まります「ビートルズ全曲解説」の最初は、当然乍ら、記念すべき 、
ビートルズのメジャー・デビュー曲です。
彼らの楽曲には「ミックス違い」は多いのですが、明白な「テイク違い」はほとんど存在しません。あの「ACROSS THE UNIVERSE」ですら、すべて同一テイクから作られたミックス違いなのです。此の曲は、そんな彼らには珍しく2テイクが聴ける楽曲です。英国シングル初回プレスのみが、リンゴ・スターが太鼓を叩かせてもらえたヴァージョンで、其れ以後のシングルとアルバムは、セッション・ドラマー:アンディ・ホワイトが叩いています。リンゴはタンバリン担当に格下げされました。(現在では、両ヴァージョンに加え、前任のピート・ベストが叩いたヴァージョンまで容易にCDで聴けます。)よっぽど屈辱的だったのか、リンゴは40年後にソロ・アルバムで此の曲をカヴァーするのですが、何故か其の時も自分では太鼓を叩いていません。
兎も角、彼等(ジョン&ポール)が出逢い、既に、苦節五年余の下積みを経ておりました。遂に、怪物が世に出たのです。が、、、何じゃこりゃ?天下無敵のビートルズのデビュー曲にしては、些かお粗末なポール作(ジョンも多分に協力したので合作なのだけど)の「LOVE ME DO」ですが、流石の彼らも極度のプレッシャーでガチガチになっています。特にリンゴが太鼓を叩いたヴァージョンは酷い演奏です。ジョンはハモニカを吹きすぎて、投げちゃっていますよ。と云いますのも、本来、此の楽曲は無敵の「レノマカ」によるデュエットだったのです。Aメロでの決めの低音で♪LOVE ME DO〜♪と歌うのは、当然ながらジョンでした。然し乍ら、当時のバンドは「ソロ歌手と楽団」が慣例で、EMIが選んだのは社交家のポールだったわけですよ。当時、絶対的なリーダーだったジョンは「重役サン達に疎まれる存在」でした。故に、ハモニカを吹かせ楽団員の立場へと落とし込められたわけです。だから「キーが高いポール」じゃ間抜けな感じになっちゃったわけよ。ポールは「いきなりだナァ、とジョンのパートを歌わされて面食らったよ。アレはやっぱりジョンが歌うべきだった」と語っております。
ちなみに、リンゴのドラムに駄目出しをしたのは、、、
「ポール・マッカートニーですっ」
後の「ホワイト・アルバム録音時の、リンゴ脱退事件」や、近年の「ライヴ8での、リンゴいらない事件」の首謀者でも在るポールは、最初からリンゴの太鼓がお気に召さなかった御様子です。きっとポールはこう思ったのでしょう。
「俺様の方が、もっと太鼓も上手いぜ!」
後にジョージ・マーティンはリンゴに詫びて、リンゴは「オラ、そんなこたぁ気にしてないよ」と笑って済ませたらしいのですが、ポールが悪いわけじゃん。ポールが謝らなきゃイカンのに、有ろう事かリンゴを殴って脱退させ自分で太鼓を叩く暴挙までやらかすのだよ。さてさて、地味なデビュー曲がチャートで17位にまで行ったのにも「カラクリ」が在ります。敏腕マネジャーのブライアン・エプスタインは、リヴァプールの大きなレコード店で支配人をしていました。ジョンに「逢った途端にひと目惚れ」して、マネジャーに転職したのです。そうです、その通りです。彼は愛しのジョンの為に、ポケット・マネーで「LOVE ME DO」を壱萬枚買い占めたのでした。
(小島藺子)
初出:「COPY CONTROL AGAIN」2008-6-12
REMIX-1:「COPY CONTROL」2008-8-30
(and this is REMIX-2 by 小島藺子)
初出:「COPY CONTROL AGAIN」2008-6-12
REMIX-1:「COPY CONTROL」2008-8-30
(and this is REMIX-2 by 小島藺子)
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