♪もーすぐはーるですねぇ♪
2009年の春から初夏は「小野の季節」です。正に「春うらら」なのです。及川クンまで「うららぁーっ!」と絶叫しました。
「片瀬那奈、27歳」、勝負の「10周年」が来ました。
御存知の通り、片瀬那奈ちゃんのデビューは「片瀬那奈」としてでも「1998年」ですし、実際には「1984年」です。されど、御本人が「デビューは1999年」と公言しました。其れはつまり「女優デビュー時」を指すのでしょう。某子供番組に出た過去も、其の後のモデル活動も、華々しくお披露目された「片瀬那奈」としての伝説のショーも、彼女にとっては「大いなる助走」だったのです。
片瀬那奈は、裏方志向でした。クリエーターとしての道を模索していました。でも、あんな「才能」を単なる裏方にするわけにはいかなかった。其れでスカウトされました。其れも一度や二度では無かった。幾度もスカウトされ、固辞し、遂に根負けして「そんなにも必要としてくれるなら」と「将来の夢(ヘアメイクさん)に繋がるから」と、言わば「腰掛け気分」で芸能界に入ってしまったのです。
余談ですけど、あたくしが好きな女優サンは、ほとんどが「スカウト組」なんです。いや、一部の例外(エリカ様とか)を除けば、「オーディション組」の方々が苦手なんですよ。だってさ、彼女たちって、自分の意志で芸能界に入ったってわけでして、其れって「あたしは、なんちゃらシンデレラだ」とか「我こそは、国民的美少女だ」って自覚が在るわけじゃん。驕ってるじゃん。おそらく、ファンに冷たいんじゃまいか?「下々の輩」とか「キモヲタ」とか思ってそーじゃん。てかさ、「才能」って、まわりが決めるんですよ。「伝説」とかってさ、本人じゃなく、他人が認めて創るのよさ。
さてさて、モデルもグラビアもCMも簡単に出来てしまった「16歳の片瀬那奈」は、当然の様に「女優」へと進まされます。17歳の高校生は「簡単じゃん!」と、うっかり「女優デビュー」します。「美少女H2」の終焉間際に登場した「最後のデート」での其れは、「ズブの素人娘によるデビュー作」としてなら「驚く程に完成された演技」でした。普通なら、其れで好かった。みんな、其処から始まったんです。でも、17歳の片瀬那奈は絶望したのだよ。
「あたしは、なんてブスで酷い演技をしてるんだ?!」
と、まわりの賞賛には耳を貸さず、駄目出しをしたのです。そして、本気になった。
だから、あたくしは、彼女の本当のデビュー作は二作目の「GTO ドラマ・スペシャル」だと思います。其れからの歴史は、那奈ちゃんを愛するみんななら知っているよね。
先日、惜しまれつつ最終回を迎えた最新作での「美月うらら姫」は、「女優:片瀬那奈」の10年間の全てが込められた「史上最強キャラ」でした。「芸歴10余年のモデルやデザイナー、音楽家など多彩な才能を発揮している美人女優(きれいなおねえさん)が、全身タイツで着ぐるみを着てオペラ風に童謡を歌う。」と云う、俄に信じ難いキャラクターを、「僕たちの大好きな那奈ちゃん」は、活き活きと演じました。可愛くって綺麗で面白くって、只、観ているだけでファンでなくとも「シアワセ」な気持ちにさせられる、本当に素晴らしい役柄でした。アノ「西豪寺エレナ様」すら、軽やかに超えて魅せました。
あたくしは懺悔します。御本尊様こと「片瀬那奈ちゃん」を、僕こそが甘く見過ぎておりました。彼女の未来は、其の才能と努力は、計り知れない。あたくしは、自信を持って、彼女の現時点の最高傑作が「美月うらら姫」だと万人に喧伝します。でもね、そんなもんじゃないんだよ。今後は、最早、かつて「映画王:チャップリン」が応えたのとおんなじ事を云わざるを得ません。
「片瀬那奈ちゃんの最高傑作は、NEXT ONE です。」
初出:「COPY CONTROL」 (小島藺子/姫川未亜)