
テレビ朝日 23:15〜24:10
■ キャスト
大野 智:矢野 健太
木村 佳乃:真鍋 杏子
片瀬 那奈:美月 うらら
滝沢 沙織:清水 さやか
丸山 隆平:斉藤 守
吹越 満:安斉 遼二
須藤 理彩:矢野 さくら
小野 武彦:矢野 光雄
、ほか。
■ スタッフ
脚本のおねえさん:永田 優子
演出のおにいさんたち:長江 俊和、高橋 伸之、梶山 貴弘
チーフプロデューサーのおにいさん:桑田 潔(テレビ朝日)
プロデューサーのおにいさんたち:川西 琢(テレビ朝日)、壁谷 梯之(泉放送制作)
企画担当のおにいさん:大川 武広(テレビ朝日)
音楽のおにいさん:辻 陽
主題歌のおにいさん:矢野 健太「曇りのち、快晴」(ジェイ・ストーム)
制作:テレビ朝日、泉放送制作
「うらら姫、泣かせて戴きました。」
「怪優:片瀬那奈」が其の存在証明を果たしたとさえ云える「史上最強キャラ:美月うらら姫」がエピソードの主役となった第伍話は、正に圧巻でした。
「美月うらら」には、片瀬那奈ちゃんの全てが凝縮されています。
然し乍ら、第四話までは所謂ひとつの「暴走!舞台荒らし!!西豪寺エレナ様型コメデイエンヌ」としての一面が強調されていました。
片瀬クンは、若手女優には稀有な「バイプレイヤー」です。如何なる役柄も真摯に演じ、端役でも描かれてはいない「其のキャラの人生」すらも感じさせる深みが在ります。其れ故に、前期(2008年10月〜12月)には、なな、なんと1クールに連ドラ三作品に出演!(「ブラッディ・マンデイ TBS」「Room Of King CX」「小児救命 EX」)と云う快挙を成し遂げました。同時期に、映画「20世紀少年」や今期ドラマの「リセット」「朝食亭」そして「歌おね」も撮影していたのですから、正に、
「那奈つの顔の大人の女ですよっ!」なのだ。
されど、やはり彼女が輝くのは「ゴールデンタイムでのシリアスな演技」では無く、「深夜枠での箍を外した怪優振り」なのです。真夜中でなければ放送出来ない「何か」を、いや、ハッキリと云えば「狂気」を「怪優:片瀬那奈」は確かに持っている。
そんな「外基地キャラ:美月うらら姫」の隠された「シリアス面」を描いたのが、今回のエピソードでした。普通なら、シラケてしまう展開です。其れが「心に沁みる最高の一編」として成立したのは、片瀬那奈が「キャラを創り込んで来た」からです。「GTO ドラマ・スペシャル」の台本を「伝説」にしたアノ時と変わらずに、片瀬那奈は「虚構」に命を吹き込んでいます。
物語の佳境で、美月うらら姫は台本に無い暴走を始めます。「幸福とは何か?」と云う命題の答えを、彼女は見つけた。其れをカメラ越しに未来在る子供たちに語りかけます。感動的な場面です。あたくしも泣きました。
が、しかし「七つの子」を歌う彼女は「全身黒タイツでカラスの着ぐるみを被った姿」なのです。間抜け過ぎる格好です。でも、だからこそ、彼女のコトノハに僕らは感動するのです。其の恐るべきギャップこそが、片瀬那奈と云う稀代の怪優の真髄です。
「片瀬那奈は、演技派女優です。彼女は、本物です。」(キッパリ!)
(小島藺子/姫川未亜)
金曜ナイトドラマ「歌のおにいさん」テレビ朝日公式サイト
以下、「#5 おさらい」より引用。
さくら(須藤理彩)が、突然お見合いをすることになった。相手は工場のお得意さんの息子。ひそかにさくらのことが好きな克己(金児憲史)に連れられ、健太(大野智)は、お見合いの様子を探りに当日ホテルのラウンジに乗り込むことに…。
そんな健太の前に突然、うらら(片瀬那奈)が現れる! なんとうららもお見合いをしていたのだ!! だが、このままお見合いを続けたくないうららは、健太にニセの恋人役をさせ、その席をぶち壊してしまう。その場で騒ぎを起こした健太は、光雄(小野武彦)とさくらにも存在を気づかれ、結局さくらのお見合いまで、ぶち壊しに…!
やっかいなことに、そのラウンジでの出来事を洋子(永池南津子)の友人が目撃していたことが判明! たちまち健太とうららが付き合っているという噂が立ち、番組内にはビミョーな空気が流れることとなる…。真鍋にまでその出来事がバレてしまい、恋愛はご法度という『歌のお兄さん七箇条』を破ったことを叱責される健太とうらら。その一件は誤解だったとわかるが、うららは自分と母親の確執について真鍋に明かすのだった。「自分が歌のお姉さんをやっていることを、母は恥じているのです」。うららを勝ち組にしたい母と、自分のやりたいことの狭間で悩むうらら。真鍋は「あなたにとっての勝ちってなんなの?」と問いかける。
さらに、さくらのお見合いは光雄の工場を助けるためのものだったことも分かる。事情を知った健太は激怒し、光雄と大ゲンカに! 止めに入ったさくらを突き飛ばしてまで喧嘩をするふたりに、ついにさくらの怒りも爆発する。
翌朝、光雄は自分の荷物の中に健太が番組で使用するバッジを発見。しぶしぶスタジオへ届けに行くと、そこでうららに遭遇する。健太のことを「バカ息子」と連呼する光雄の様子に、うららは怪訝な顔を。自分は母親に「かわいい、かわいい」と育てられたうららは、光雄が健太をバカ呼ばわりするのを理解できないのだった。そんなうららに光雄は「かわいい」と「バカ」は同じ意味なんだ、と話す。「親っていうのは、どんな子どもだってかわいいんですよ。子どもが幸せなら親も幸せなんです」。
光雄の言葉に勇気をもらったうららは、やっと自分の幸せがなんなのかを再確認することができたのだった。そして、健太も…。