TBS 19:00〜20:54
# 01
「日本最後の日!1人の命か!?4万人の命か!?最凶ウイルステロの陰謀と伝説の天才ハッカーの闘いがいよいよ今夜はじまる!!」
■ キャスト
三浦 春馬:高木 藤丸
吉瀬 美智子:折原 マヤ
佐藤 健:九条 音弥
松重 豊:加納 生馬
片瀬 那奈:宝生 小百合
芦名 星:藤井 美菜
川島 海荷:高木 遥
徳永 えり:安斎真子
成宮 寛貴(特別出演):J
吉沢 悠:霧島 悟郎
中原 丈雄、嶋田 久作、田中 哲司、ほか
■スタッフ
原作:「ブラッディ・マンデイ」龍門諒×恵広史(講談社「週刊少年マガジン」連載)
脚本:蒔田光冶、渡辺雄介
音楽:井筒昭雄
音楽プロデュース:志田博英
主題歌:「Over the rain 〜ひかりの橋〜」flumpool(A-Sketch)
演出:平野俊一、波多野貴文、宮下健作
プロデューサー:蒔田光冶、神戸明、樋口優香
製作:東宝・TBS
流石は「ドラマのTBS」そして、流石は「世界の東宝」製作です。無論、片瀬那奈ちゃんが「爆笑問題・太田」に揶揄された様に、確かに米国人気TVドラマ「24」を大いに意識して作られた事が、誰にでも理解出来る演出です。されど、丁寧に作り込めば、米国TVドラマ並みの作品を地上波ドラマで実現可能だと証明してくれました。
原作を読んでいたので「デスノート」同様に「長い髪の侭」で「宝生小百合」を演じる「片瀬那奈」には、毎度ながら、「コスプレ女優」の称号は付きません。其れは「マツケン(若い方)」とは真逆の道です。あたくしは、自他共に認める「松山ケンイチ」好きでも在りますが、同じ様に「漫画俳優」で在る「片瀬那奈」と彼の方向性の違いに注目しております。
マツケンの場合、出世作となった「L/竜崎」役が幸運でありながら「不運」だったと思います。其れ以来、本人の意志とは関係無く「コスプレ男優」の道を突き進むしかなかった。更にマズイことに、彼には其の力量が在るのです。(いや、あたくしは「マツケン」が現役俳優で最も好きって公言している位、ファンなのよさ。でも、一寸、使い方がさぁ。)
僕らの愛する「片瀬那奈」ちゃんも、出演作の半数が「漫画原作」です。其れは、此処10年以上もつづく「悪しきドラマ製作」の犠牲者とも云えるでしょう。
実質的なデビュー作と云える「GTO ドラマスペシャル(1999、CX)」も、初の連ドラであった「天国のKiss(1999、EX)」も、漫画が原作でした。其の後も、歌手時代に唯一ゲスト出演した「こちら本池上署(2003、TBS)」、怪優としての地位を確立した出世作「小早川伸木の恋(2006、CX)」、初主演ドラマで「きれいなのに面白いおねえさん」振りを魅せつけた「ビバ!山田バーバラ(2006、EX)」、監督の個人的な趣味で、完全に原作を逸脱した設定と演出でヒロイン役になってしまった映画「デスノート the Last name(2006、松竹、日活、日本テレビ、集英社、ほか)」、原作ではわずか二話にしか登場しないキャラを見事にメイン・キャラにしてしまった代表作「鉄板少女アカネ!!(2006、TBS)」、そして現在絶賛上映中の映画「20世紀少年(2008、2009、東宝、日本テレビ、小学館、ほか)」など、「女優・片瀬那奈」の歴史とは「漫画原作と常に向き合って来た道」だったのです。
漫画が原作であると云う事は、視聴者にとって「既に画像でのイメージまで刷り込まれている」との「大きな重責」が在ります。「高田清美」を演じると発表されただけで、公式BBSは荒らされました。「髪を切れっ!」などと云う「見当違いな批判」を彼女はずっと真摯に受け止めたんだ。彼女は監督に「高田役なら、髪を切ります」と自ら申し出たんだよ。だけど、其れは却下されたんだ。「髪の長い片瀬那奈の侭で、出演して欲しい」と命ぜられたのだよ。映画はさ、「監督のもの」なんだぜ。おまえら、何をした?那奈ちゃんと僕たちファンを傷つけやがって、もうすっかり忘れてんだろ?悪いが、あたくしは、生涯、許さないぞ。
そして、彼女は、いつもいつだって「原作を超えた」のです。片瀬那奈は、「片瀬那奈の侭」で、漫画原作と云う「難関」に挑んで来ました。だからこそ「西豪寺エレナ様の奇跡」は起きたのです。本来なら、製作されていなかったドラマでした。ゆえに、那奈ちゃんだけでは無く、キャストの多くが「バッティング事件」を起こしてしまいました。挙げ句に「打ち切り」です。脚本も毎回変わって、滅茶苦茶でした。そんな中で、那奈ちゃんは「西豪寺エレナ」を自分自身で手塩にかけて育てたんだよ。原作を読んでみるがいい。アノ「西豪寺エレナ」なんか欠片も出て来ない。全ては、片瀬那奈だから出来た事だったのです。
果たして、今回も「女優・片瀬那奈」は、やってくれた。其処に、原作の「宝生小百合」はいなかった。演出家も「片瀬那奈」を撮っているのだよ。原作では、第一巻の最後にやっと登場する「宝生小百合」が、冒頭からいた。髪も長いまんまだった。那奈ちゃんだから出来る「サービス・カット」も飛び出した。其れでも、尚、此れは「新しい片瀬那奈」なのです。此れまで、僕らファンですら観ていない「2008年秋の那奈ちゃん」なのです。正直、原作を読んで、僕は「折原マヤ」を那奈ちゃんが演じるべきだと思っていました。でも、此れで好かったよ。彼女には「悪役」が「適役」です。でも、そうじゃない役だって出来るんです。善玉の「かっこいいおねえさん」だって、やれるんです。那奈ちゃんは、立派な「演技派女優」になりました。僕らは、其の成長をずっと見守って来たんです。此れからも、ずっと追うんです。此れは、素晴らしいことです。其れだけでも、僕らが生まれ、いつか死んでゆくことの「意味」は在る。其れだけ「片瀬那奈」ちゃんは、素晴らしい本物の「才能(タレント)」です。
此の作品は高視聴率を記録し、連ドラ終了後に「スペシャル・ドラマ」が製作され、目出度く「映画化決定!」へと進むでしょう。「デスノート」との類似性も感じられる原作作品に、おんなじ女優を起用する。此れは「冒険」です。
そして、片瀬那奈は必ずや、其の期待に応えます。
新CMとも連動して「片瀬那奈=スーツが似合うきれいなおねえさん」ってイメージ戦略も順調に進んでいます。どーですか?スーツのCMに起用しませんか?売れますよぉ。あたくしが「電通」や「博報堂」なら、プレゼンしちゃうけどナ☆
それぞれのキャラも立った、力のこもった「# 01」でした。来週からの通常版で、今回の緊張感を保ち続けられたなら、かなり良いドラマになるでしょう。大いに、期待しています。
(初回視聴率:11.4%)
(姫川未亜/小島藺子)
TBS「ブラッディ・マンデイ」公式サイト
現在、TVでは映画「フラガール」が放映されています。何度観ても感動する、素晴らしい作品です。でも、僕には「まどか先生」が「松雪泰子さん」には見えない。「紀美ちゃん」が「蒼井優ちゃん」には見えない。大好きな俳優サンである「のっぽのサリー」すら「岸部一徳さん」とは認識出来ません。
其れは、僕が今年の夏を、舞台「フラガール」に捧げたからでしょう。27回、僕は真剣に、舞台「フラガール」と向き合いました。夢の様な日々でした。毎日「女優・片瀬那奈」を体感出来たのです。最前列の真っ正面で観た日には、暫し、立ち上がれなかった。地方公演は、其れをも上回る感動の連続で、睡眠時間無しで働いていても、ちっとも苦になりませんでした。
そう、片瀬那奈ちゃんは「既に映画で絶賛された作品」の「主役」を演じたのです。幾らデビュー以来の大ファンでも、僕は「ダメなもんはダメ!」って云います。どう贔屓目に考えても、松雪さんの「まどか先生」を超えるなんて無理だって思っていました。「好いんだよ、那奈ちゃんなりの演技を魅せてくれればさ。だって、舞台だって二度目なんだし、初めての座長なんだし、少しくらい間違ったって好いじゃまいか」などと思って、初日を観劇したのでした。
「すまんっ!俺は那奈ちゃんをナメていました」
当日の感想は、地上波で全国に流されてしまったわけですが、幸せいっぱいの「未亜 & うっぴー☆」の惚け面と、夢見ごこちのコメントには、思わず苦笑してしまいます。漫画を超えるどころか、那奈ちゃんは、既に「実写」すら超えた。僕は「片瀬那奈を観て記録する為に生まれた」と揶揄されても厭わない。
「本望だよ、那奈ちゃん。」
(姫川未亜)