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2008年07月26日

『フラガール』八日目(10/36 & 11/36)

決定版 舘ひろし


12:30開場、 13:00開演(昼の部)
17:30開場、 18:00開演(夜の部)
赤坂ACTシアター


 「朝まで踊ろう」


 舞台「フラガール」


【キャスト】
 片瀬 那奈:平山 まどか
 福田 沙紀:谷川 紀美子
 阿部 力:谷川 洋二朗
 根本 はるみ:熊野 小百合
 風間 水希:佐々木 初子
 福本 伸一:熊野 五郎
 華城 季帆:まどかの後輩:なつき&フラガールズの一員
 今井 りか:早苗
 田山 涼成:吉本 紀夫
 久世 星佳:谷川 千代
 、ほか。

【スタッフ】
 脚本:羽原大介
 演出:山田和也
 振り付け:カレイナニ早川
 テーマ音楽:ジェイク・シマブクロ
 、ほか。
 主催:TBS、TBSラジオ、朝日新聞社



(小島藺子/姫川未亜)




舞台「フラガール」レポ #10 & #11

土曜日は「昼夜公演」です。壱日中、片瀬那奈ちゃんのそばにいれる「夢の夢」です。果たして、本日の昼公演は最高の出だしで始まりました。いつも通り、赤坂に着き、ACTシアターへの階段を登っていたら、すぐ前を歩く二人の女性の後ろ姿に見覚えが在りました。

「那奈ちゃんのお母様と恩師様でした。」

余りの偶然に驚いていると、お母様は「毎日、お疲れ様です」とおっしゃいました。其れで、あたくしが「いえ、昨日は10分遅刻しちゃったんですよ、すみません」と云うと、「ええ、もう(「ゼンキロ」を)読みましたから、事情は知っていますよ。」と返されました。

「勿体ないお言葉で御座居ます!!」

其れで「すべて那奈ちゃんの御蔭です。有難う御座居ます」と応えると、恩師様が「うん、此れでまたいっぱいお金を貯めて、ネッ!」とおっしゃり、ニカッと笑われました。ええ、皆までおっしゃらなくとも分っておりますとも、ガッチリ貯めて、

「那奈ちゃんに貢ぎますよーっ!!」

昼公演は、遂に10回目の観劇になりました。いい加減に飽きるのかと云うと、信じられないでしょうが、僕は今までで一番感動し、泣きました。自分でも10回も観た舞台に何故こんなにも感動しちゃってるのか不思議なくらいに心が震えました。

僕は「わけもなく」って事を信用しません。物事にはちゃんと「理由」が在るのです。だから僕は考えました。「革命」を9回しか観れなかったからでしょうか?いや、違う。

小さい頃、未だ姉が家を出る前、僕は好きな映画があると「父母、そして姉」の三人に別々に映画館へ連れて行ってもらいました。其れは怪獣映画だったり、ディズニー映画だったりしました。つまり、三回映画館へ行ったのです。そして、当時は入れ替え制ではなかったので、三回続けて観たのです。そう、合計9回観ていたのです。

勿論、父母も姉も一回しか観ないで、買い物に行ったりして(当時の田舎の映画館はデパートの地下に在りました)三回目が終わる時間に迎えに来てくれました。でも僕は、好きな映画はもっともっと観たかったんです。9回じゃ全然満足出来なかったのです。だから、もう一度連れて行って欲しいと三人に頼んだのだけど、当然、全員に断られました。

そんな幼稚園時代の「10回目も見たい!」と云う夢が、今日、現実になったのです。しかも、此の世界で一番好きな片瀬那奈ちゃんの主演舞台で40年以上も経って叶ったのです。感無量でした。生まれて来て好かったと思いました。僕は、片瀬那奈ちゃんに出逢って、好きになって、彼女を追い続けて、初めて人間らしい感情を取り戻せたのかもしれません。

昼公演が終わり、赤坂サカス内を歩いていたら「熊サン」役の福本サンとすれ違いました。僕が会釈すると、彼は「おっ、君かぁ」と云う表情をして、にっこり笑って会釈を返して下さいました。「あれ?何で熊サンはあたくしを認識しているのだろう?」と思ったのですけど、夜公演のカーテンコールで理由が分りました。

11回目でも那奈ちゃんしか観ていない僕が、ふと視線に気付き真っ正面を一瞬だけ観たら、其処には「熊サン」が立っていました。毎日11回連続で、彼は最後に明るくなった場内の真っ正面にいる「片瀬那奈ちゃんしか観ていない観客」を目撃していたのでした。そりゃ、いやでも顔を覚えるわ。

昼夜公演は、ハードです。11回目の公演の第一幕で、那奈ちゃんは二回、台詞を言い淀みました。先日のミスはアドリブで切り抜けたので観客で気付いた片はほとんどいないでしょう。でも、今夜の言い淀みは気付かれたでしょう。

実は、直前に沙紀ちゃんが言い淀んだのです。僕は、こう思った。きっと那奈ちゃんは「あたしだってたまにはトチルんだから、沙紀ちゃん、どんまい!」とエールを送ったのだと。そんな莫迦な、と思われても構いません。でも、自分のアイドルを擁護しないファンなんていないでしょう?

夜の部のクライマックスで、僕は自分が那奈ちゃんと同時に「まどか先生」の台詞を心の中で云っていることに気付きました。11回も、僕は真剣に那奈ちゃんの演技を観続け、彼女の台詞をすべて暗記してしまったのでした。明らかに、那奈ちゃんが登場する場面での僕の目線が違います。舞台に登場する一瞬前に、僕だけが上手や下手を観ているのです。其処から那奈ちゃんが登場すると分かっているのですから、自然と目線がそっちへ向くのです。

壱日中、那奈ちゃんを観ていた今日、僕はこっそり那奈ちゃんに向かって手を合わせました。だって、僕は気付いてしまったのです。那奈ちゃんは演技中、必ず僕の指定席に僕がちゃんと座っているのかを確認していた事実を。

那奈ちゃん、ありがとう。明日は、うっぴー☆と二人で、いつもの席から観ています。


(姫川未亜/小島藺子)



posted by 栗 at 21:07| ACTRESS | 更新情報をチェックする