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2025年04月23日

「ポールの道」#709「THE BEATLES BLACK VOX」
#018「LOVE SONGS」US&UK

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1976年2月に、英国EMIと米国キャピトルは、ビートルズの既発音源を使用してコンピレーション・アルバムを出せる契約を交わしました。それでですね、まずは1976年6月にLP2枚組の全28曲入りでロックンロール集の「ROCK'N'ROLL MUSIC」をリリースして、内容は1973年4月にリリースしたオールタイム・ベスト・アルバム「THE BEATLES 1962-1966(赤盤)」と「THE BEATLES 1967-1970(青盤)」に収録されたLP4枚で全54曲とは4曲しかダブリがなく、非常に親切な選曲ではあったのです。が、しかし、つまりは、ビートルズにはベスト・アルバムから弾かれた楽曲がほとんどでも、立派に2枚組全28曲入りのコンピレーション・アルバムを出せると云う証明にもなったのです。アルバム「ROCK'N'ROLL MUSIC」は、単なる既発音源を並べただけなのに、全米2位・全英11位と大ヒットしました。そして、そのアルバム「ROCK'N'ROLL MUSIC」は、米国と英国では異なるミックスで収録されると云う副産物も生んだのです。勢いに乗った米国キャピトルと英国パーロフォンは、翌1977年5月にはビートルズの唯一の公式ライヴ・アルバム「THE BEATLES AT THE HOLLYWOOD BOWL」をリリースしました。そのライヴ音源は、1964年と1965年のハリウッド・ボウルでのライヴ・レコーディングをサー・ジョージ・マーティンとジェフ・エメリックがリミックスしたのですけれど、全英首位!・全米2位・日本首位!と大ヒットしました。リリースした時点でも、既に10年以上も前の音源が、バカ売れしたのです。

それどころか、2016年になって、サー・ジョージ・マーティンの息子で後継者のジャイルズ・マーティンと、サム・オケルがリミックスして「THE BEATLES LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL」と改題してCD化したら、50年以上も前の音源なのにも関わらず、全英3位・全米7位・日本3位と、またしても売れに売れたのですから、本当に、ビートルズは化物です。話を1977年に戻すと、ロックンロール集も売れたし、ライヴ盤も売れたので、今度はラヴ・バラード集を出そうとなりました。アルバム「ROCK'N'ROLL MUSIC」と同様に、日本の東芝EMIのリクエストがあったらしく、選曲も最初は東芝EMIが行ったものの、米国キャピトルでは「LOVE SONGS」と云うタイトルに沿って「愛の歌」を選曲し直す事になったのです。おそらく、東芝EMIは「HEY JUDE」や「LET IT BE」なども選んでいたのでしょう。そうして出来上がった編集盤「LOVE SONGS」は、1977年10月21日(米国キャピトル)・同年11月5日(日本オデオン)・同年11月19日(英国パーロフォン)に、アナログ盤LP2枚組全25曲入りでリリースされました。結果から申しあげますと、全米24位・全英7位・日本9位と云う成績で、特に米国では期待外れな売り上げとなっております。とは云え、米国だけで300万セットも売れていて、トリプル・プラチナ認定を受けています。米国キャピトルは、当初は「GIRL / YOU'RE GOING TO LOSE THAT GIRL」をシングル・カットする予定も、取り止めています。

内容は、A面が、1「YESTERDAY」、2「I'LL FOLLOW THE SUN」、3「I NEED YOU」、4「GIRL」、5「IN MY LIFE」、6「WORDS OF LOVE」、7「HERE, THERE AND EVERYWHERE」で、B面が、1「SOMETHING」、2「AND I LOVE HER」、3「IF I FELL」、4「I'LL BE BACK」、5「TELL ME WHAT YOU SEE」、6「YES IT IS」で、C面が、1「MICHELLE」、2「IT'S ONLY LOVE」、3「YOU'RE GOING TO LOSE THAT GIRL」、4「EVERY LITTLE THING」、5「FOR NO ONE」、6「SHE'S LEAVING HOME」で、D面が、1「THE LONG AND WINDING ROAD」、2「THIS BOY」、3「NORWEGIAN WOOD(THIS BIRD HAS FLOWN)」、4「YOU'VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY」、5「I WILL」、6「P.S. I LOVE YOU」の、全25曲入りです。オールタイム・ベスト・アルバム「THE BEATLES 1962-1966(赤盤)」と「THE BEATLES 1967-1970(青盤)」とは、9曲がダブっていて、曲数も編集盤「ROCK'N'ROLL MUSIC」の全28曲入りよりも少なく、2枚組でも60分弱しかありません。リード・ヴォーカルは、ポール・マッカートニーが10曲、ジョン・レノンが7曲、ジョージ・ハリスンが2曲、ジョンとポールが4曲、ジョンとポールとジョージが2曲、リンゴ・スターはなしです。ポールの曲が多いし、全体的に甘ったるい印象があります。注目の「THIS BOY」と「YES IT IS」が疑似ステレオだったのも、ガッカリ・ポイントでした。

このコンピレーション・アルバム「LOVE SONGS」も、多くの編集盤と同様に未CD化です。曲としては公式CDで全て聴けるので、問題はないと思われるでしょうけれど、これまた、編集盤「ROCK'N'ROLL MUSIC」と同様に、いや、もしかしたらアレ以上に、問題がある音源なのです。そこで、パイレート盤CDの登場となります。あたくしは編集盤「LOVE SONGS」のCDを3種類持っているので、今回はその内の2種類を紹介して、もうひとつは次回で紹介します。まずは、パイレート盤では定評がある「SWEET ZAPPLE」からのアルバム「LOVE SONGS」です。ジャケットも公式盤と同じで、CD1枚の全29曲入りです。このCDには、英国盤「LOVE SONGS」の全25曲に加えて、米国盤「LOVE SONGS」から「GIRL」、「IN MY LIFE」、「MICHELLE」、「NORWEGIAN WOOD(THIS BIRD HAS FLOWN)」の4曲が収録されています。英国盤の「LOVE SONGS」は、左右のチャンネルが逆になっているミックスで、アルバム「RUBBER SOUL」からの4曲がセンター寄りのリミックスで、それは昔から知られていたので、「SWEET ZAPPLE」としては英国盤をメインにしたのでしょう。そして、米国盤の「LOVE SONGS」は、上記したアルバム「RUBBER SOUL」からの4曲が、ヴォーカルがセンターになっていて、演奏もセンター寄りになっている別リミックスなので、ボーナス・トラックとして加えたのでしょう。「SWEET ZAPPLE」盤は、2000年のリリースなので、当時はそれで良かったのです。

ところが、時は流れて、米国盤の「LOVE SONGS」も全体的にリミックスされていた事が明らかになったのです。それで、二つ目に紹介するのが「dap」から2020年にリリースされた「LOVE SONGS」です。こちらもジャケットは公式盤と同じですが、CD2枚組で、全50曲入りとなっております。内容は、CD1が「ORIGINAL US ALBUM STEREO REMIX」全25曲入りで、CD2が「ORIGINAL UK ALBUM STEREO MIX」全25曲入りの、全50曲入りです。つまり、編集盤「LOVE SONGS」の米国盤と英国盤の両方が丸ごとコピーされているだけの2枚組CDなのです。編集盤「LOVE SONGS」自体が未CD化なので、それのパイレート盤にはニーズがあるわけですけれど、だからと云って、同じ曲を同じ曲順で並べただけでは商品価値はありません。実は、米国盤の「LOVE SONGS」は、アルバム「RUBBER SOUL」からの曲だけではなく、全体的にリミックスされていたと判明したので、丸ごと入れて、英国盤はそもそも左右のチャンネルが逆のミックスになっていたので、それも丸ごと入れたわけです。実は、編集盤「LOVE SONGS」のパイレート盤は、あたくしは持っていませんが、CD2枚組にDVD1枚のセットでも出ていて、米国盤と英国盤に加えて、DVDにはMV集と、オリジナル・ステレオ・ミックスを収録していて、3種類のミックス違いを楽しめる仕様になっています。問題は、これらのリミックスが誰によって行われたかで、編集盤「ROCK'N'ROLL MUSIC」の様に「サー・ジョージ・マーティンがやった」とは明言されていないので、謎なのです。

(小島イコ)

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「雲霧仁左衛門3」第四回(再)で内山理名ちゃん

Collection of His Greatest Hits


時代劇専門チャンネル 7:00〜8:00

第四回「忘れ形見」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門3」第四回の、今年2回目の再放送です。第四回での雲霧一党の標的は、丸子屋です。早速、お千代姐さんが内偵に入ります。今回も、七化けぶりを魅せてくれました。別の盗賊も丸子屋を狙っていて、雲霧一党は難を逃れます。裏をかいてまんまと大金をせしめました。おなみが殺される以外は、雲霧仁左衛門の思惑通りでした。

本放送:2017年1月27日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

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