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2025年04月12日

「ポールの道」#698「THE BEATLES BLACK VOX」
#007「ALTERNATE MASTERS」

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有名な米国キャピトル盤「YESTERDAY AND TODAY」の回収ジャケット(通称・ブッチャー・カヴァー)を元にしたジャケットは、ブートレグでは定番で、逆に改定後の「トランク・カヴァー」を使った方がレアになった程に多いのです。ビートルズの公式盤からレア音源を集めたパイレート盤でも、アナログ盤時代からあった「CASUALTIES」でも「ブッチャー・カヴァー」が使われています。今回紹介するのは、前回に紹介した「THE WORLD'S BEST」の姉妹編とも云うべき「ALTERNATE MASTERS」で、やはり「ブッチャー・カヴァー」を元にしたデザインのジャケットです。内容は、1「TWIST AND SHOUT」、2「PLEASE PLEASE ME」、3「THANK YOU GIRL」、4「I'LL GET YOU」、5「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」、6「THIS BOY」、7「KOMM, GIB MIE DEINE HAND」、8「SIE LIEBT DICH」、9「I CALL YOUR NAME」、10「I'LL CRY INSTEAD」、11「IF I FELL」、12「AND I LOVE HER」、13「ANYTIME AT ALL」、14「WHEN I GET HOME」、15「SHE'S A WOMAN」、16「I FEEL FINE」、17「KANSAS CITY / HEY, HEY, HEY, HEY」、18「BAD BOY」、19「YES IT IS」、20「DIZZY MISS LIZZY」、21「I'M LOOKING THROUGH YOU」、22「THINK FOR YOURSELF」、23「THE WORD」、24「DRIVE MY CAR」、25「AND YOUR BIRD CAN SING」、26「DR. ROBERT」、27「PAPERBACK WRITER」、28「TAXMAN」、29「I'M ONLY SLEEPING」、30「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」の、全30曲入りです。

前回に紹介した「THE WORLD'S BEST」と同様に、裏ジャケットには「THIS COPILATION USED OFFICIAL SOURCE ONLY」と記してあり、つまりは公式盤からのコピーでパイレート盤だと云うわけです。「THE WORLD'S BEST」は1963年から1982年がソースだったものの、こちらは1967年縛りを意識したのか、1963年から1966年までのレア音源集となっております。2004年と2006年の箱「THE CAPITOL ALBUMS」や、2009年のステレオとモノラルのリマスター盤などがリリースされた現在では、特に珍しくはなくなった音源もあるものの、前回の「THE WORLD'S BEST」と、この「ALTERNATE MASTERS」は、「FAB GEAR」と云うメーカーから1994年に出ていて、当時はかなりマニアックで「ミックス違い」の泥沼にハマるには充分の音源集でした。まず、「TWIST AND SHOUT」は、1976年のコンピレーション・アルバム「ROCK'N'ROLL MUSIC」の米国キャピトル盤でサー・ジョージ・マーティンが「こんな音質では出せない!」と、ノーギャラでリミックスしたステレオ・リミックスです。そのアルバム「ROCK'N'ROLL MUSIC」は、公式盤ではCD化されていないので、そのパイレート盤も何れ紹介します。「PLEASE PLEASE ME」と「THANK YOU GIRL」は1963年のステレオ・ミックスで、現在では普通に聴けますが、当時は未CD化でした。「I'LL GET YOU」は1964年のキャピトル・疑似ステレオ・ミックスで、「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」は1976年の編集アルバム「ROCK'N'ROLL MUSIC」からのステレオ・リミックスです。

つづいて「THIS BOY」は1965年のキャピトル・疑似ステレオ・ミックスで、「KOMM, GIB MIE DEINE HAND」と「SIE LIEBT DICH」はドイツ語で1964年のドイツ盤ステレオ・ミックスですが、現在では2009年のリマスター盤「PAST MASTERS」で聴けます。「I CALL YOUR NAME」は1964年のキャピトル・ステレオ・ミックスで、「I'LL CRY INSTEAD」は1964年のキャピトル・モノラル・ミックスで、両方共に現在では「THE CAPITOL ALBUMS」で聴けます。「IF I FELL」は1964年のユナイテッド・アーティスツからのサントラ盤に収録されたモノラル・ミックスで、歌い出しがシングル・トラックです。「AND I LOVE HER」は1964年にユナイテッド・アーティスツ盤とキャピトル盤に収録されたモノラル・ミックスで、ポールのヴォーカルがシングル・トラックです。「ANYTIME AT ALL」と「WHEN I GET HOME」は1964年のキャピトル・モノラル・ミックスで、現在では「THE CAPITOL ALBUMS」で聴けます。「SHE'S A WOMAN」は1964年のキャピトル・疑似ステレオ・ミックスで、深いエコーがかかっていて、現在では「THE CAPITOL ALBUMS」で聴けます。「I FEEL FINE」は1965年のオランダ盤ステレオ・ミックスでエンディングが長く、「KANSAS CITY / HEY, HEY, HEY, HEY」は1976年の編集アルバム「ROCK'N'ROLL MUSIC」からのステレオ・リミックスで、「BAD BOY」は英国盤ベスト・アルバム「A COLLECTION OF BEATLES OLDIES」と米国キャピトル盤「BEATLES Y」に収録されたモノラル・ミックスですが、現在では箱「THE CAPITOL ALBUMS」や箱「THE BEATLES IN MONO」で聴けます。

更に、「YES IT IS」は1965年の米国キャピトル盤「BEATLES Y」に収録された疑似ステレオ・ミックスで、現在では箱「THE CAPITOL ALBUMS」で聴けます。「DIZZY MISS LIZZY」は1965年のオリジナル・ステレオ・ミックスで、現在では箱「THE BEATLES IN MONO」に収録されたアルバム「HELP!」で聴けます。アルバム「HELP!」とアルバム「RUBBER SOUL」はCD化の際にサー・ジョージ・マーティンが「こんな音じゃ出せない!」とリミックスしているのですけれど、箱「THE BEATLES IN MONO」にオリジナル・ステレオ・ミックスが全曲収録されました。「I'M LOOKING THROUGH YOU」は1965年のキャピトル・ステレオ・ミックスで、最初にギターを弾き間違えるのですけれど、現在では箱「THE CAPITOL ALBUMS」で聴けます。「THINK FOR YOURSELF」と「DRIVE MY CAR」は1965年のドイツ盤・ステレオ・ミックスで、音が中央寄りになっています。「THE WORD」は1965年のキャピトル・ステレオ・ミックスで、定位がかなり違っていますが、現在では「THE CAPITOL ALBUMS」で聴けます。「AND YOUR BIRD CAN SING」は1966年のキャピトル盤アルバム「YESTERDAY AND TODAY」の疑似ステレオ・ミックスで、「I'M ONLY SLEEPING」は1966年のキャピトル盤アルバム「YESTERDAY AND TODAY」のエンディングでジョンが呟くモノラル・ミックスです。米国キャピトル編集盤「YESTERDAY AND TODAY」には、アルバム「REVOLVER」からジョンが主導して書いたレノン=マッカートニー作品3曲(「I'M ONLY SLEEPING」、「AND YOUR BIRD CAN SING」、「DR. ROBERT」)が先出しされて、それぞれモノラルと疑似ステレオとステレオの別ミックスがあります。

そして、「PAPERBACK WRITER」は1966年の日本盤EPの疑似ステレオ・ミックスで、「TAXMAN」は1966年のフランス盤EPからのイントロのカウントをカットしたモノラル・ミックスで、「I'M ONLY SLEEPING」は1966年の逆回転ギターが異なるステレオ・ミックスで、「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」は1976年の編集盤アルバム「ROCK'N'ROLL MUSIC」のステレオ・リミックスです。米国キャピトル盤からの音源に関しては、前述の通り、箱の「THE CAPITOL ALBUMS」がCD化されて、それぞれのアルバムがステレオ・ミックスとモノラル・ミックスの「2in1」で収録されているので、公式盤でも聴ける様にはなりました。しかしながら、「THE CAPITOL ALBUMS」は1964年のアルバム「MEET THE BEATLES」から1965年のアルバム米国盤「RUBBER SOUL」までの8作で打ち止めになってしまったのです。それで1966年の編集盤アルバム「YESTERDAY AND TODAY」と1970年の編集盤アルバム「HEY JUDE」は聴けないわけですよ。それで、2014年にCD13枚組の箱「THE U.S. ALBUMS」が出たのですけれど、中味が2009年リマスター音源に差し替えられていてですね、そう云う事を公式盤がやらかすから、パイレート盤やブートレグはなくならないんですよ。何にしろ「THE WORLD'S BEST」や「ALTERNATE MASTERS」は、基本中の基本であるミックス違いを集めているので、入門編としてはお手軽で、便利な2枚となっております。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」

劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル 超完全版 (2枚組) [DVD]


日本映画専門チャンネル 7:30〜9:40

2010年公開作品

片瀬那奈 AS 杉尾園子

(公開:2010年5月8日、撮影:2009年11月頃、栃木県佐野市にてロケ)

「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」の今年早くも7回目の放送ですが、「20世紀少年」とバッティングしています。那奈ちゃんが演じたのは、インチキ霊能力者の杉尾園子で、ほとんど出オチです。キャスティングも無駄に豪華な映画で、皆さん熱演しているものの、ギャグなのかシリアスなのか分からない作風なので、正に宝の持ち腐れですなあ。


(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 07:30| ACTRESS | 更新情報をチェックする

「20世紀少年」3部作一挙放送

20世紀少年 BDセット (本編BD3枚+特典DVD1枚)※初回生産限定 [Blu-ray]


WOWOWシネマ 6:45〜14:30

2008年、2009年公開作品

片瀬那奈 AS 敷島ミカ

映画「20世紀少年」の今年だけでも7回目の放送ですが、「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」とバッティングしています。どちらも堤幸彦監督作品ですけれど、どちらも個人的にはつまらない映画です。那奈ちゃんの出番が多いのは「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」の方ですし、ダラダラと3作もつづく「20世紀少年」よりはマシです。


(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 06:45| ACTRESS | 更新情報をチェックする