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2025年03月25日

「ナイアガラ考」#113「All About Niagara 1973-2024」



2025年3月21日には、ナイアガラ50年記念として、ベスト・アルバムCD2枚組の「B-EACH TIME L-ONG 40th Anniversary Edition」と、インストゥルメンタル集CD3枚組の「Complete NIAGARA SONG BOOK」と、アナログ盤2枚組の「B-EACH TIME L-ONG 40th Anniversary Edition」の他に、書籍「All About Niagara 1973-2024」も発売されました。この書籍は、1981年12月に八曜社から初版が出ていて、「NIAGARA VOX」にも収録されていました。その後、2001年と2005年に白夜書房から増補改訂版が出版されていて、今回はリットーミュージックから、20年ぶりに改訂版が出たわけです。総760頁にも及ぶ、弁当箱みたいに分厚い本で、価格も税込み5940円と、なかなか高価な代物ですが、ナイアガラ50年の縁起物ですから、買いましたよ。これまでの「All About Niagara」には、ディスコグラフィーだけではなく、コレクティング・ガイドや、各種リストや、年譜や、マンガなども収録されていたのですけれど、今回の50周年記念本は、基本的にはディスコグラフィーと大瀧師匠が自ら執筆したリイシュー盤のライナー・ノーツ(CDを聴いている内に読み終わらない程の長文)の、ほとんど全てが収録されています。760頁のメインはディスコグラフィーで、それだけで600頁にも及ぶ大作です。ライナー・ノーツと付録の1996年のセミナーも、細かい文字で160頁もあるのです。今回オミットした年譜は、同じリットーミュージックから出ている「大滝詠一レコーディング・ダイアリー Vol.1〜Vol.3」を買え、と云う事でしょう。

ディスコグラフィーは総天然色で、まずはナイアガラ発足前の1971年から1975年までの「Pre Niagara」から始まり、1975年から1980年までの「エレック、コロムビア時代」、1981年から1994年までの「ソニー時代」、1995年から2013年までの「プロデューサー時代」、そして、2014年から2025年までの「大瀧師匠が亡くなった後」と分かれています。タイトルは「1973-2024」ですが、1971年のシングル「恋の汽車ポッポ」から、2025年の「Complete NIAGARA SONG BOOK」まで掲載されています。大瀧師匠が生前の「1995年から2013年まで」の最後には、私家版のカセットテープやDAT音源まで掲載されていて、他もレコード・ジャケットや帯やレーベルや広告に至るまで、これでもか、とばかりにカラーで掲載されています。そこで、何となく不安になるのが「私家版」のコーナーで、1984年のカセットには、今回「Complete NIAGARA SONG BOOK」に収録されている「Tシャツに口紅」と「ガラスの入江」が入っているんですよ。こうして私家版があって、そのマスターテープも当然あるとなると、今後も毎年「3.21」には何らかの未発表音源をリリースする気マンマンなのでしょうなあ。「GAVE AWAY」と題されたDAT音源のところには、のちの「DEBUT AGAIN」の元になったもの、とか書いてあるのですけれど、そりゃあ、大瀧師匠が個人的に楽しむ為に提供曲を自分で歌ったガイドヴォーカル音源を編集していただけであって、市販化する気なんかなかったでしょう。他にも未発表音源が多く記載されていて、ナイアガラの旅に終わりは見えません。

何にしろ、600頁にも及ぶディスコグラフィーは圧巻で、眺めているだけで時間を忘れてしまいます。これだけのシングルやアルバムを大瀧師匠は作り上げてきたのだと、唸らされる様な、これはもう図鑑です。が、しかし、大瀧師匠は生前にオリジナル・ソロ・アルバムを何作発表したのかと云うと、1972年の「大瀧詠一」と、1975年の「NIAGARA MOON」と、1976年の「GO! GO! NIAGARA」と、1977年の「NIAGARA CALENDAR '78」と、1981年の「A LONG VACATION」と、1984年の「EACH TIME」の、たったの6作なのです。それだけを掲載したならば、600頁になんかならず、せいぜい20頁位で収まってしまったでしょう。では、何故に600頁にもなってしまったのかと云うとですね、コンピレーション・アルバムとかプロデュース作とかもあるものの、何と云っても膨大なのが「リイシュー盤」なのです。よく、大滝詠一さんのアルバムを初心者の方が買おうとして混乱するのが、同じタイトルなのに、「スリムケース廉価盤・選書盤」とか「30周年記念盤」とか「40周年記念盤」とか、色々出ていて、一体どれを買えばいいのか分からなくなってしまうわけですよ。個人的には、まずは「スリムケース廉価盤・選書盤」で充分かと思いますし、大瀧師匠が存命中の「30周年記念盤」もオススメではありますけれど(つまり、没後に出たものはオススメ出来ません)、迷った時にはこの「All About Niagara 1973-2024」を参照するのが宜しいでしょう。6千円もするので高くて買えないよ、と云う方は、図書館に頼んで仕入れてもらって、借りて読んで下さい。でもね、借りて読んでも簡単には読み終わらないし、きっと欲しくなって、結局は買うんですよ。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| ONDO | 更新情報をチェックする

「雲霧仁左衛門4」第六回(再)で内山理名ちゃん

Back to Black by AMY WINEHOUSE (2007-12-19)


時代劇専門チャンネル 17:00〜18:00

第六回「黒幕分断」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門4」第六回の、今年2回目の再放送です。安部式部の読み通り、またしても柏屋を襲撃した雲霧一党は、理名ちゃんが演じるお千代姐さんの匂い袋から足がついて失敗します。責任を感じたお千代姐さんは雲霧仁左衛門からもらった宝物の匂い袋を燃やし、自ら志願して「男」に化けて潜入します。次回は、お千代姐さんが驚きの活躍をする最終話です。

本放送:2018年10月12日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

posted by 栗 at 18:00| RINA | 更新情報をチェックする