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2025年03月12日

「ポールの道」#672「LENNON SONGS」#097 「DAKOTA」

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1976年1月に、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人が、ビートルズ時代の1967年にEMI・キャピトルと交わした9年間の契約が終了しました。それによって、1968年リリースのビートルズのシングル「HEY JUDE / REVOLUTION」とアルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」から始まった「アップル・レコード」も終焉を迎えました。アップルはその後、1990年代になって、所属ミュージシャンのリイシュー盤やビートルズの未発表音源集などをリリースして復活しますけれど、事実上では1976年11月に勝手にリリースされたジョージ・ハリスンのベスト盤「THE BEST OF GEORGE HARRISON」で終了しています。ジョージのアップルでのベスト盤は、A面がビートルズ時代のジョージの曲で、B面がジョージのソロ、と云う屈辱的な選曲をされていて、それはジョージがEMI・キャピトルとの契約が切れてからリリースされたので、そんな選曲になったのです。ジョンは1975年10月にベスト盤「SHAVED FISH」を、リンゴは1975年11月にベスト盤「BLAST FROM YOUR PAST」を、それぞれソロになってからの曲だけでリリース出来たのは、まだEMI・キャピトルとの契約が残っている内に出したからでしょう。ポールは、後述の理由で1978年までベスト盤は出していません。

EMI・キャピトルとの契約を終えた元・ビートルズの4人は、それぞれ別の契約を結びました。まず、当時ウイングスで絶好調だったポールは、EMI・キャピトルとの契約を継続しました。故に、まとめに入るベスト盤をこの時期には出していません。ジョージは、既に1974年に自身のレーベル「ダーク・ホース」をA&Mの傘下で作っていて、満を持してジョージも移籍する事となったのですけれど、ジョージがEMI・キャピトルとの契約が切れてから半年以内にA&Mでソロ・アルバムをリリースする約束を守れず、違約金を肩代わりするカタチでレーベルごとワーナーへ移籍しました。リンゴは、すんなりとポリドール(英国、日本)とアトランティック(米国、カナダ)に移籍しました。そして、ジョンはどことも契約せずに、主夫になってしまったのです。つまり、ジョンは1976年に引退したわけで、1974年9月のオリジナル・アルバム「WALLS AND BRIDGES(心の壁、愛の橋)」と、1975年2月のカヴァー・アルバム「ROCK'N'ROLL」と、同年10月のベスト盤「SHAVED FISH」と、ハイ・ペースでアルバムをリリースしていたジョンの音楽活動は、突然パタリと音沙汰なしとなったのです。そして、1980年10月にシングル「(JUST LIKE)STARTING OVER」で復活するまで、長い沈黙となったのでした。

その間にジョンが行った音楽活動は、1976年9月にリリースされたリンゴのアルバム「RINGO'S ROTOGRAVURE」に収録されたジョンの提供曲でピアノを弾いている「COOKIN'(IN THE KITCHEN OF LOVE)」のみで、当時の音楽評論家は「ジョンは曲が書けなくなったからアルバムを出せない」などと出鱈目な事を云っていました。そもそもレコード会社と契約していないのですから、アルバムを出せるわけがなかったのです。そして、ジョンの死後になって、大量の未発表音源が、まずはラジオ番組で1988年から1992年にかけて「THE LOST LENNON TAPES」としてオンエアされて、それを元にしたブートレグが登場して、1998年にCD4枚組で全94トラック入りの箱「JOHN LENNON ANTHOLOGY」がリリースされました。それ以前に、1986年には未発表ライヴ盤「LIVE IN NEW YORK CITY」と、未発表音源集のアルバム「MENLOVE AVE.」がリリースされていて、1988年のサントラ盤「IMAGINE」で、ジョンのソロでの「REAL LOVE」が収録されています。そこで注目すべきなのが、CD4「DAKOTA」です。そこにはアルバム「DOUBLE FANTASY」や遺稿集「MILK AND HONEY」に収録された曲の別テイクと共に、ボブ・ディランを揶揄した「SERVE YOURSELF」や、ジョージを揶揄した「THE RISHI KESH SONG」や、「MY LIFE」、「LIFE BEGINS AT 40」、「DEAR JOHN」、「IT'S REAL」と云った楽曲が収録されています。つまり、ジョンは、主夫時代にも多くの楽曲を書いていたわけで、音楽評論家の云う事は遠い神代の昔から無責任なのです。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

空想格闘メタフィクション

「千秋万歳」第2部第1章 COME AND GET IT

其の二 ワインカラーの少女(下)



「第壱回・片瀬那奈・怪優グランプリ」のつづきの
「千秋万歳」序章のつづきの


西暦 2025年 西豪寺ホール:
西豪寺エレナと小島イコの会話


イコ:確かにファンの間で西豪寺エレナ様最強説はありますけれど、客観的に観て、美月うららくんと大久保千秋くんの二人とは実力的に拮抗していますよ。

エレナ:だから、その二人だけウチのリングに再上陸させればいいじゃない。

イコ:いえ、そこはやはり他の5人を先に上がらせてですね、抗争を繰り広げてですね、オチで美月うららくんと大久保千秋くんが来るって流れがよろしいかと思いますよ。いきなり大将二人が来たのでは勿体ないし、エレナちゃんがアノ二人に拘るんだったらですね、まずはタッグのベルトを賭けてやってから、シングル王座とね、少し溜めて、ファンの飢餓感を煽ってからやった方が、興行としても旨味があるわけでね。

エレナ:どっちにしろ、私が本気を出したなら無敵で最強なんだから、何の心配もないわね。

イコ:先手必勝ですから、次にMZGの選手とやる時には、絶対にエレナ様に勝って頂かないと困りますよ。相手が誰であれ、そこでポカは許されません。変なスケベ心で負けたりしたら、お先真っ暗になりますよ。

エレナ:じゃあ、ドラゴンスクリューからの足四の字固めで勝てばいいのね。

イコ:ハイキック一発KOとかでもいいですよ。魔性のスリーパーで落とすとか、圧倒的な強さを魅せる衝撃的な勝ち方でいきましょう。

エレナ:私が寝るって云うブックでもよくってよ。よゆーよ、よゆー。

イコ:それはダメです。兎に角、初戦だけは完勝してもらわないといけません。ファンは初戦のインパクトを忘れませんから、1勝1敗の星のやり取りにするにしろ、初戦はエレナ様の勝ちブックです。まあ、本気になったら西豪寺エレナ様に勝てる見込みがあるのは、やはり美月うららくんと大久保千秋くん位のものでしょうけれど、やはり、そこは万全を期して、大久保千秋くんと美月うららくん以外の選手とやってもらって、ケチョンケチョンに叩き潰して下さい。相手が病院送りになる位にぶちかましてもらってですね、まあ、本当に怪我をさせたらプロ失格ですから、かすり傷程度で救急車を呼んじゃってですね、そうなれば、ファンもやはりプロレスリング・エレナが最強で王道だと思いますよ。

エレナ:あら、私が本気を出したら無敵なんじゃなかったの?美月うららさんや大久保千秋さんにだって負ける気はしませんわよ。これまでは興行を盛り上げる為に何度か負けブックで寝ただけで、それだってどれもがベストバウトだったじゃないの。

イコ:ええ、そうなんですけれどね、今や大久保千秋くんが無敵って事になっているんですよ。実際にこれまで一度も負けた事がないわけで、勿論、本当に強いんですけれどね。でも、いつかは大久保千秋くんも負ける時が来るわけですよ。ファンはその相手として、西豪寺エレナ様か美月うららくんと予想しているわけです。それを、良い意味で裏切る様な相手が現れれば、面白いんですけれどね。

エレナ:そんな小細工はいらないから、普通に美月うららさんと大久保千秋さんにセメントでやらせて、勝った方が私とやればいいじゃない。そしたら、私が勝ちます。

イコ:う〜ん、確かに、美月うららくんか西豪寺エレナ様が相手なら、名勝負にはなりますけれどね。こちらとしては、高瀬リコくんや姫様や藤田千秋くん辺りとも、まだ見ぬ強豪とも、大久保千秋くんにはもっと沢山の相手とやって、名勝負製造機になってもらいたいんですよ。

エレナ:なるべく太らせてから、パクリンコと私が美味しくいただく、って意味で合っているのかしら。

イコ:まあ、そうですね。何れはまた「西豪寺エレナ様VS大久保千秋くん」をやらなければなりませんけれど、一寸出し惜しみしてもいいでしょう。プロレスのリング上で相対するだけではなく、こうして団体が分かれて、お互いの興行合戦での抗争もアリだと思うんです。

エレナ:確かに、対抗戦はやり過ぎると飽きられるわね。

イコ:まずは、プロレスリング・エレナも、MZGも、純血興行でどれだけファンの支持を得られるかですね。MZGは、たったの7人しかいないので、純血興行では今日みたいにシングル4試合しか組めませんよね。対してプロレスリング・エレナは大所帯ですから、土下座正規軍とMZGに移籍しなかった旧・美月組と旧・マジメ軍との抗争でも充分にやってゆけます。ビッグマッチでも、プロレスリング・エレナは純血興行をやれるでしょうけれど、MZGは外敵を招聘しなければ無理でしょうね。

エレナ:結局は、MZGが私にアタマを下げて選手の貸し出しを嘆願する事になるわけね。そうしたら、檀上みきでも送りこんでやろうかしら。

イコ:今の檀上みきくんがガチンコでやったら、美月うららくんに殺されてしまいますよ。KNKGP2の決勝戦とPWE王座戦は、ドーピング疑惑で無効試合になりましたけれど、未だに美月うららくんは根に持っていますからね。

エレナ:じゃあ、やっぱり私と柏木さんが持つタッグ王座戦ね。

イコ:そう云う事になるんでしょうけれど、間違っても負けたらシャレになりませんからね。そうなるとですね、MZGのリングでやるのは危険ですよ。ブック破りしてガチンコで来るかもしれませんからね。プロレスリング・エレナの時期シリーズ最終戦のメインエベント辺りでやりましょう。相手は、大久保千秋くんと高瀬リコくんの同期生ペアでどうでしょうか。

エレナ:高瀬リコさんが大人しく寝るかしら?さっきの話だと、大久保千秋さんをいきなり上げるのも時期尚早なんじゃないの。

イコ:でしたら、姫様と藤田千秋くんのペアはどうですか?どちらも土下座正規軍にとっては裏切り者ですから、盛り上がりますよ。

エレナ:いいわね。でも、そのカードなら私と柏木さんがMZGへ乗り込んでやりたいわね。セコンドも沢山引き連れていきましょう。

イコ:何だかんだ云っても、エレナちゃんはMZGの興行を手助けしたいんですね。

エレナ:とんでもない。さっさとケチョンケチョンにして、団体を潰して、大久保千秋さんと美月うららさんをぶっ潰してやりたいだけよ。やっぱり、勝ったら敵であるMZGのリング上で、こう云うプロレスが観たかったなら、プロレスリング・エレナに来い!って云ってやりたいじゃない。

イコ:何にせよ、MZGの独立は、プロレスリング・エレナにとって甘い蜜の味ですなあ。

未亜:あのぉ、そろそろセミファイナルが始まります!

エレナ:じゃあ、後2試合をじっくりと観させてもらいますわ。

イコ:乱入とかしないで下さいね。

エレナ:あら、それもいいわね。メインエベントでエレナ様ストップ!とかね。

イコ:暴動になるから、やめて下さい。


以 下、しあわせの予感(上)につづく

DEMO 2014−9−29
MIX 2025−3−12


(小島イコ/姫川未亜)


空想格闘メタフィクション


「千秋万歳」第2部第1章 
COME AND GET IT

其の三 しあわせの予感(上)

WITH A LITTLE !

HEY EVERYBODY 
GOT BACK !

ON 2025・4・X

SINCE 2013・11・7


DE IMAGEN NO INC. A CADA*** CON AMOR

posted by 栗 at 22:00| CHIAKI | 更新情報をチェックする

「雲霧仁左衛門3」第六回(再)で内山理名ちゃん

NIAGARA MOON -40th Anniversary Edition-


時代劇専門チャンネル 17:00〜18:00

第六回「月下の誓い」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門3」第六回の、今年初めての再放送です。第六回の狙いは日本橋・松井屋です。普段は他の組織とは組まない雲霧仁左衛門ですが、押し込み先の名を聞いて囮役を引き受けます。それを安部式部に見破られ、緊迫した展開となります。お千代姐さんは、夜回りに化けたりしました。暁一等の裏切りにも遭って、雲霧一党は絶体絶命の危機となりますが、なんとか逃れました。

本放送:2017年2月10日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

posted by 栗 at 18:00| RINA | 更新情報をチェックする