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2025年02月19日

「ポールの道」#651「LENNON SONGS」#076 「ANGEL BABY」

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ジョン・レノンが、1975年2月17日(米国)・同年2月21日(英国)にアップルからリリースした5作目で最後となってしまったソロ・アルバム「ROCK'N'ROLL」は、複雑な経緯で世に出た作品です。ジョンは最初に、1973年10月から12月にかけて、ロサンゼルスでアルバムのレコーディングを行いました。その時のプロデューサーはフィル・スペクターで、総勢50名近くのミュージシャンによって演奏された「1970年代版ウォール・オブ・サウンド」をバックに、ジョンがリード・ヴォーカルに専念して歌うと云う、ゴージャスなレコーディングでした。しかし、ジョンは泥酔していてマトモに歌えず、フィル・スペクターの精神状態もおかしくなっていて、何を思ったのかフィル・スペクターがマスター・テープを持ち逃げして、ジョンの元に返って来たのは半年後の1974年6月だったのです。ジョンはオリジナル・ソロ・アルバム「WALLS AND BRIDGES(心の壁、愛の橋)」のレコーディングを優先して、完成が見えた段階でフィル・スペクターとのレコーディングを聴いたら、ヘベレケ状態で歌っていて、ほとんどが使い物にならないと分かり、慌ててアルバム「WALLS AND BRIDGES」のセッション・メンバーを呼び戻して、同年10月21日から25日にかけての、たったの5日間でアルバム「ROCK'N'ROLL」に収録されたほとんどの曲を追加レコーディングして、完成させたのでした。アルバム「WALLS AND BRIDGES」のレコーディングも短期集中でしたけれど、流石はビートルズ時代にデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」のほとんど(既発シングル4曲を除く10曲)を、たったの1日でレコーディングしたジョンです。

何故にジョンがそんなに急いだのかと云うと、アルバム「ROCK'N'ROLL」は、そもそもビートルズの「COME TOGETHER」がチャック・ベリーの「YOU CAN'T CATCH ME」の盗作だと版権を持つモーリス・レヴィに訴えられて、裁判沙汰にはせずに、モーリス・レヴィが版権を持つ楽曲から3曲をジョンがカヴァーする条件で示談に持っていったからなのです。以前にも書きましたかれど、「COME TOGETHER」の作者は「レノン=マッカートニー」なのに、何故にジョンだけが訴えられたのでしょうか。ポール・マッカートニーは、ジョンが「COME TOGETHER」を書いた時に、「YOU CAN'T CATCH ME」に似ているからヤバイよ、と忠告したなどと呑気な事を云っています。しかしながら、前述の経緯でアルバム「ROCK'N'ROLL」は、一度は棚上げにされたので、モーリス・レヴィが「話が違う」と圧をかけてくる事となり、ジョンもフィル・スペクターとのレコーディングに多額の費用を費やしていたのでお蔵入りには出来ず、EMIとの契約上でもアルバムをリリースしなければならず、かと云って折角オリジナル・ソロ・アルバム「WALLS AND BRIDGES」で高評価を得た時に無様な酔っ払いのカヴァー・アルバムをリリースするわけにもいかなかったのです。それで、たったの5日間でほとんどの曲をレコーディングし直したわけですが、何せジョンはビートルズ時代から「カヴァーの帝王」だったわけで、当時から歌っていた楽曲も多く取り上げていて、内容は素晴らしいカヴァー・アルバムとなっています。ところが、ジョンが急かすモーリス・レヴィへラフ・ミックスのテープを渡したら、モーリス・レヴィは勝手にアルバム「ROOTS」をリリースしてしまったのです。

公式盤のアルバム「ROCK'N'ROLL」は全13曲(メドレーを分ければ全15曲)入りで、非公式盤のアルバム「ROOTS」は全15曲(メドレーを分ければ全17曲)入りで、ジョンが最終段階で落とした2曲は、ロージー&ジ・オリジナルズの「ANGEL BABY」と、ロネッツの「BE MY BABY」です。「ANGEL BABY」は、1960年にロージー&ジ・オリジナルズがリリースしたシングル曲で、リード・ヴォーカルのロージー・ハムリンは若干14歳でこの曲を書いて、レコーディング当時にはまだ15歳でした。この楽曲は、タツローこと山下達郎さんも愛聴していて曲(「おやすみロージー -Angel Babyへのオマージュ-」)にしています。ジョンはこうした女性ヴォーカルがオリジナルだった楽曲も、楽々と歌えてしまえるのですから、やはり「カヴァーの帝王」です。フィル・スペクターとのレコーディング曲なので、参加ミュージシャンは定かではないし、フィル・スペクターとの関係が悪化した為にアルバムから弾かれたのでしょう。「ANGEL BABY」は、非公式盤「ROOTS」でしか聴けないレア音源でしたが、ジョンの死後に1986年のアルバム「MENLOVE AVE.」に収録されて、1990年の箱「LENNON」にも収録されて、2004年のアルバム「ROCK'N'ROLL」のリミックス盤にリミックス音源が収録されて、2020年のベスト盤「GIMME SOME TRUTH.」にリミックス音源が収録されています。「ANGEL BABY」は、ジョンのお気に入りであり、メイ・パンのお気に入りでもありました。ロックンロールとは縁遠いヨーコさんとは違って、メイ・パンは幼少時代からロックンロールを聴いていたわけで、アルバム「ROCK'N'ROLL」に対する貢献度も高いと思います。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

「捜査地図の女」第6話(再)で内山理名ちゃん

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BS朝日 18:00〜19:00

第6話「京都トロッコ列車〜保津川下り魅惑の殺人ツアー!」

誘拐事件発生!身代金受け渡しは、嵐山トロッコ列車から保津川下りという、京都の秋の絶景スポットを巡るルート!珠子(真矢みき)は誘拐犯の動向を地図から推理するが…!?

内山理名 AS 河本麻里

「捜査地図の女」第6話の、今年初めての再放送です。此のドラマは全7話で、最終話の第7話は2時間スペシャルなのですが、前半と後半が全く別の事件を扱っていて、単に2話をまとめて放送した様になっております。それで今回の再放送はどうなるのか不安だったのですが、どうやら本日の第6話までで終了するみたいです。この回にはゲストで中山忍ちゃんが出ていますが、理名ちゃんとは「大奥〜華の乱〜」でも共演していて、二人共いつまでもお若いので、いつのドラマなのか分かりません。本日は「雲霧仁左衛門」から「捜査地図の女」と2時間連続で理名ちゃんが出演しますけれど、今週は何と云っても新作ドラマがあるので、楽しみです。

本放送:2012年11月29日(テレビ朝日)

(姫川未亜)

posted by 栗 at 19:00| RINA | 更新情報をチェックする

「雲霧仁左衛門」第五回(再)で内山理名ちゃん

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時代劇専門チャンネル 17:00〜18:00

第五回「絶体絶命」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門」第五回の、今年初めての再放送です。この回では、理名ちゃんが演じる七化けのお千代姐さんが、冒頭部分で怪しい動きをする三次(「24 JAPAN」の民三)を強烈にビンタして「私を見くびるんじゃないよ!」と啖呵を切ったり、雲霧仁左衛門とのラヴシーンの様な受け渡しがあったり、公家の後家に化けている事がバレそうになったりと色々な見せ場があります。岡田と云い三次と云い、女絡みで組織を裏切るどうしようもない展開です。

本放送:2013年11月1日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜/小島イコ)

posted by 栗 at 18:00| RINA | 更新情報をチェックする