nana.812.png

2025年02月17日

「ポールの道」#649「LENNON SONGS」#074 「(IT'S ALL DA-DA-DOWN TO)GOODNIGHT VIENNA」「ONLY YOU(AND YOU ALONE)」

Goodnight Vienna


リンゴ・スターが、1974年11月15日(英国)・同年11月18日(米国)にアップルからリリースした、4作目(リンゴ的には2作目)のソロ・アルバム「GOODNIGHT VIENNA(グッドナイト・ウィーン)」は、以前にも何度か紹介してきました。このアルバムは、ロサンゼルスで呑んだくれていたリンゴが、呑み仲間だったジョン・レノンとハリー・ニルソンが、ニルソンのアルバム「PUSSY CATS」の仕上げをする為にニューヨークに行ってしまい、ヒマになったので制作したと云われています。プロデュースは前作「RINGO」と同じリチャード・ペリーですけれど、ジョンが関わった3曲の中で「(IT'S ALL DA-DA-DOWN TO)GOODNIGHT VIENNA」と「ONLY YOU(AND YOU ALONE)」は、実質的にはジョンがプロデュースしています。もう1曲、リンゴとヴィニ・ポンシアの共作「ALL BY MYSELF」でも、ジョンはギターで参加しています。タイトル曲「(IT'S ALL DA-DA-DOWN TO)GOODNIGHT VIENNA」は、ジョンが書き下ろした新曲で、アルバムの最初と最後に収録していて、シングル・ヴァージョンはその二つを編集しているので、別ヴァージョンとなっています。ジョン・レノン(ピアノ)、ジェシ・エド・デイヴィス(ギター)、クラウス・フォアマン(ベース)、ジム・ケルトナー(ドラムス)と云う布陣は、同年にリリースしたジョンのアルバム「WALLS AND BRIDGES(心の壁、愛の橋)」と同じです。

「(IT'S ALL DA-DA-DOWN TO)GOODNIGHT VIENNA」のジョンがリード・ヴォーカルを担当したガイド・ヴォーカル音源は、1998年の箱「JOHN LENNON ANTHOLOGY」に収録されています。リンゴの前作「RINGO」には、ジョンだけではなく、ポール・マッカートニーとジョージ・ハリスンも楽曲を提供して、演奏にも参加していて、全英6位・全米2位と大ヒットして、シングル・カットした「PHOTOGRAPH(想い出のフォトグラフ)」(ジョージとリンゴの共作で、ジョージが参加)と「YOU'RE SIXTEEN」(ポールが参加)は全米首位!となっています。このアルバム「GOODNIGHT VIENNA」は、全英24位とその後の落ちぶれてゆくリンゴを予感させるものの、全米8位と大ヒットしています。ポールとジョージは参加していませんけれど、前述のジョン、ジェシ・エド・デイヴィス、クラウス・フォアマン、ジム・ケルトナー、ハリー・ニルソン、に加えて、エルトン・ジョン、ビリー・プレストン、デヴィッド・フォスター、ニッキー・ホプキンス、ドクター・ジョン、スティーヴ・クロッパー、ロビー・ロバートソン、ロン・ヴァン・イートン、ボビー・キーズなどが参加しています。「(IT'S ALL DA-DA-DOWN TO)GOODNIGHT VIENNA」は、アルバムからの米国や日本では第3弾シングルになっていて、全米31位まで上がっていますし、前述の通り別ヴァージョンです。

ジョンは「(IT'S ALL DA-DA-DOWN TO)GOODNIGHT VIENNA」を書いただけではなく、1955年のプラターズの「ONLY YOU(AND YOU ALONE)」のカヴァーを提案してアレンジして参加しています。このカヴァーは、ジョンの1975年リリースのカヴァー・アルバム「ROCK'N'ROLL」への収録を考えていたと思われる楽曲で、レコーディング・メンバーは、ジョン・レノン(アコースティック・ギター)、ハリー・ニルソン(バッキング・ヴォーカル)、ジェシ・エド・デイヴィス(ギター)、スティーヴ・クロッパー(ギター)、クラウス・フォアマン(ベース)、ジム・ケルトナー(ドラムス)のアルバム「WALLS AND BRIDGES」の面々によるベーシック・トラックに、リンゴ・スター(ヴォーカル、ドラムス)、ビリー・プレストン(エレクトリック・ピアノ)をオーバー・ダビングして完成させています。この曲にもジョンがガイド・ヴォーカルを担当しているデモ音源があって、やはり1998年の箱「JOHN LENNON ANTHOLOGY」に収録されています。聴き比べると、リンゴはジョンの大胆に歌メロを変えたガイド・ヴォーカルを、そのまんまマネして歌っていたと分かります。リンゴのヴァージョンは、アルバムからの先行シングルとなり、全米6位・全英26位のヒットとなっています。ジョンが歌ったヴァージョンは、単なるガイド・ヴォーカルとは思えない程に完成されていて、「カヴァーの帝王・ジョン・レノン、ここにあり」、を感じさせます。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

空想格闘メタフィクション

「千秋万歳」第2部第1章 COME AND GET IT

其の二 ワインカラーの少女(上)



「第壱回・片瀬那奈・怪優グランプリ」のつづきの
「千秋万歳」序章のつづきの


西暦 2025年 西豪寺ホール:
西豪寺エレナと小島イコの会話

エレナ:試合が全部で四つしかないから、2試合が終わってもう休憩時間なのね。やっぱり、たったの7人じゃ食い足りないんじゃないの。

イコ:戦力不足は仕方ないんですけれど、7人とは云え美月うららくんとカタセ四天王の5人を有するので侮れないですよ。

エレナ:前半の2試合を観た限りでは、ウチでやっていたスタイルとほとんど変わってないと思ったけど。

イコ:1試合目は美月うららくんの横綱相撲、2試合目は高瀬リコくんと藤田千秋くんによる合わせ鏡の様なカウント2.9の四天王プロレスと云ったところでしたね。

エレナ:どちらも安心して観れるレベルだったけれど、意外性がなかったわね。

イコ:問題は後半の2試合ですよ。3試合目の「姫様VS平山まどか先生」は打ち合わせアリですけれど、ブック破りも容認していますし、メインエベントの「大久保千秋くんVS美月うららくん」はブックなしなんです。

エレナ:セメントって云う意味?

イコ:いえ、あくまでもプロレスですけれどね。

エレナ:ブック破りを容認しているところが、MZGの売りみたいね。

イコ:そうなんですよ。ファンも敏感に察知しています。MZGではブックがあってもその通りには試合が決まらないケースも多々あるでしょう。そして、大久保千秋くんの試合に関しては全てブックなしで、プロレス内セメント・マッチです。大久保千秋くんがプロレスリング・エレナに書き残した「まだ見ぬ強豪」とは、そのルールの事でしょう。

エレナ:ブック破りのセメント・マッチばかりになったなら、怪我人が続出して興行が成り立たなくなるでしょう。後で移籍した7人はいまいちピリッとしないメンバーだし、旗揚げの7人が欠けたらMZGは潰れてしまうでしょうね。

イコ:その辺は、怪我をしない様に、あくまでもプロレス内セメント・マッチで、全試合がセメントとは云えないでしょうなあ。まあ、セメントは観ていてつまらない事も多いんですけれどね。

エレナ:兎に角、MZGにはプロレスリング・エレナの強力なライバル団体として盛り上がってもらわないと、わざわざ独立させた意味がないわね。

イコ:本日のメインエベントである「大久保千秋くんVS美月うららくん」の一戦が、新時代のプロレスを魅せてくれるとは思いますよ。西豪寺エレナ様と対等に渡り合えるのは、その二人くらいしかいませんからね。エレナちゃんも、プロレスリング・エレナでは敵なしになっちゃって、困っているんじゃないの?

エレナ:いえ、まだ無名の、例えば桜井玲奈さんとか、2010年代以降にデビューした新人がプロレスリング・エレナには沢山居るのですよ。上が抜けて、私と闘う機会が増える事で、彼女たちを育成出来ます。

イコ:なるほど、かつてアントニオ猪木がスタン・ハンセンやハルク・ホーガンを何度も対戦する事で育てていった様なものですね。

エレナ:プロレスリング・エレナに死角はありません。でなければ、呑気にMZGの旗揚げ戦を観戦したりしませんわ。私と柏木さんがリングサイドに映っているから、PVも売れたでしょう。

イコ:今、休憩時間なんですけれど、リング上で美月うららくんが歌を歌っているんですよ。ロビーでは大久保千秋くんたちがサイン会をやっていまして、お客さんたちは大喜びですけれど、なかなか涙ぐましいファン・サービスですなあ。

エレナ:これからメインエベントで戦うのに、そんな事をやっているの?

イコ:何せ、4試合しか組めませんからね。

エレナ:アタマを下げて頼みに来たら、後追いの7人の出場許可とか、プロレスリング・エレナ所属選手の貸し出しとかしてあげたのにね。

イコ:いや、ファンはたったの7人での旗揚げ戦に魅力を感じているんですよ。後追いの7人に関しては、本日の結果いかんでは、プロレスリング・エレナに戻る可能性もありますね。MZGとしても、事をこれ以上ややこしくしたくないでしょうし、今日は旗揚げ戦だから超満員札止めですけれど、先はどうなるか分かりませんしね。

エレナ:筋道を通せば、後追いの7人なんかくれてやるわよ。ビッグ・マッチに美月うららさんや大久保千秋さんを貸し出してくれればね。ギブ・アンド・テイクですわよ。

イコ:MZGとしても、プロレスリング・エレナへの逆上陸は視野に入れての独立でしょうね。まずは、高瀬リコくん、藤田千秋くん、姫様、と云った面々が乗り込んでくる可能性はありますなあ。

エレナ:私は、美月うららさんと大久保千秋さんだけでいいんだけど。

イコ:勿論、本日のメインエベントの勝者とは、西豪寺エレナ様とPWE王座戦をやってもらって、真のチャンピオンシップを決めなければなりません。

エレナ:どちらが来ても、負ける気は、これっぽっちもしないわね。

イコ:確かに、ファンの間でも、実は西豪寺エレナ様が最強なんじゃないのか、との意見が多いんですよ。たまに負けるけれど、興行を盛り上げる為にわざと負けているとの見方がされています。それに、西豪寺エレナ様の場合は負けた試合も全て名勝負ですからねえ。

エレナ:もっと褒めなさい。私は褒められて伸びるタイプです。

イコ:まあ、裏事情を明かせば、西豪寺エレナ様にはここぞと云う時にジョブをやっていただいて、興行を盛り上げてもらっていますわなあ。申し訳ない。でも、ファンは西豪寺エレナ様の真の実力を評価していますよ。


以 下、ワインカラーの少女(下)につづく

DEMO 2014−9−28
MIX 2025−2−17


(小島イコ/姫川未亜)


空想格闘メタフィクション


「千秋万歳」第2部第1章 
COME AND GET IT

其の二 ワインカラーの少女(下)

GO !

HEY EVERYBODY 
GOT BACK !

ON 2025・3・X

SINCE 2013・11・7


DE IMAGEN NO INC. A CADA*** CON AMOR

posted by 栗 at 22:00| CHIAKI | 更新情報をチェックする

「雲霧仁左衛門」第三回(再)で内山理名ちゃん

「雲霧仁左衛門」ブルーレイBOX [Blu-ray]


時代劇専門チャンネル 17:00〜18:00

第三回「哀しき妹」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門」第三回の、今年初めての再放送です。第三回ではサブタイトル通りに、雲霧一党の六之助の妹が登場します。しかしそれは安部式部が派遣した偽者で、正体がばれて六之助の目の前で自害してしまう哀しいお話です。悪人であるはずの雲霧仁左衛門が主役で、本来ならば正義であるはずの安部式部たち火付盗賊改方が憎まれ役になっているのですけれど、安部式部も汚い手を使うし、雲霧一党を捕まえると容赦なく激しい拷問をしたりするので敵役に見えてきます。

さて、ここで朗報です。2月21日にテレビ東京系で21時から放送されるドラマ「法廷のドラゴン」第6話に、理名ちゃんがゲスト出演します。理名ちゃんの役どころは、観光開発会社社長・宇津木桐枝です。理名ちゃんにとって、2022年の「最果てから、徒歩5分」以来、2年半ぶりのドラマ出演となります。

本放送:2013年10月18日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

posted by 栗 at 18:00| RINA | 更新情報をチェックする