nana.812.png

2025年02月10日

「ポールの道」#642「LENNON SONGS」#067 「SURPRISE, SURPRISE(SWEET BIRD OF PARADOX)」

surprise.jpg


ジョン・レノンは、1973年の秋から1975年2月までヨーコさんと別居していて、ヨーコさんに命令されてジョンの愛人になった私設秘書のメイ・パンと行動を共にしていました。故に、1974年9月26日(米国)・同年10月4日(英国)にアップルからリリースした4作目のソロ・アルバム「WALLS AND BRIDGES(心の壁、愛の橋)」と、1975年2月17日(米国)・同年2月21日(英国)にアップルからリリースしたカヴァー・アルバム「ROCK'N'ROLL」の制作中には、ヨーコさんは一切関係していません。そのジョンが「失われた週末」と名付けた18か月は、かつて「ジョン・レノン・ミュージアム」では廃墟の様な展示物になっていて、それはその期間のジョンの事をヨーコさんが知らないからです。近年ではメイ・パンの視点で描かれた映画が制作されていて、その18か月間に何があったのかが分かってきています。ジョンはアルバム「WALLS AND BRIDGES」のB面1曲目に前回に紹介した「#9 DREAM(夢の夢)」を収録していて、それはジョンが夢の中で二人の女性に呼びかけられた事を曲にしているのですけれど、ヨーコさんとメイ・パンなのでしょう。途中でジョンを呼ぶ声は、明らかにメイ・パンだと思うのですけれど、ヨーコさんは自分の声だと云っています。それだと時系列がおかしくなってしまうので、やっぱりメイ・パンの声でしょう。

アルバム「WALLS AND BRIDGES」のB面2曲目に収録されているのが、「SURPRISE, SURPRISE(SWEET BIRD OF PARADOX)(予期せぬ驚き)」です。こちらは、ヨーコさんが何を云おうとも、間違いなくジョンがメイ・パンに捧げた楽曲です。レコーディング・メンバーは、ジョン・レノン(ヴォーカル)、エルトン・ジョン(ハーモニー・ヴォーカル)、ジェシ・エド・デイヴィス(ギター)、クラウス・フォアマン(ベース)、ジム・ケルトナー(ドラムス)、エディ・モトー(アコースティック・ギター)、ニッキー・ホプキンス(ピアノ)、ケン・アッシャー(クラビネット)、アーサー・ジェンキンス(パーカッション)、リトル・ビッグ・ホーンズ(ホーン)の、「プラスティック・オノ・ニュークリア・バンド」です。エルトン・ジョンは、この楽曲でも大ヒットした「WHATEVER GETS YOU THRU THE NIGHT(真夜中を突っ走れ)」の様にジョンとデュエットする予定で何度か試みたのですけれど、ジョンの独特な歌い回しに合わせる事が困難で、結局はミドルエイトにエルトン・ジョンのハーモニーをダビングしています。エルトン・ジョンほどの上手い歌手でもジョン・レノンに合わせるのが困難だった事実は、つまりはビートルズ時代にジョンと楽々とハモっていたポール・マッカートニーや、ジョンとポールと3声コーラスを難なくやっていたジョージ・ハリスンの凄さが分かります。エルトン・ジョンのハーモニーが入っていない別テイクは、1998年の箱「JOHN LENNON ANTHOLOGY」に収録されています。

この「SURPRISE, SURPRISE(SWEET BIRD OF PARADOX)」は、アルバム「WALLS AND BRIDGES」の中では異質な、歌詞の内容も明るい楽曲で、それは当時の愛人だったメイ・パンとの関係性が決して悪くはなかった事を証明しています。なんだかんだ云っても、メイ・パンと一緒だったからこそ、ジョンはアルバム「WALLS AND BRIDGES」とカヴァー・アルバム「ROCK'N'ROLL」を制作出来たし、ミック・ジャガーやニルソンをプロデュースしたり、リンゴ・スターやキース・ムーンに曲を書いたり、エルトン・ジョンやデヴィッド・ボウイと共演したり、ジュリアン・レノンと再会し親子共演したり、ポール・マッカートニーと和解出来たのです。この「SURPRISE, SURPRISE(SWEET BIRD OF PARADOX)」では、エンディングで1965年のビートルズのアルバム「RUBBER SOUL」のA面1曲目に収録されたレノン=マッカートニー作品「DRIVE MY CAR」をパロディ化したヴォーカルまで聴けるわけで、かつて「ビートルズを信じない」と云い切ったはずのジョンの心境の変化も伺えます。この時期には、エルトン・ジョンがカヴァーした「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」や、デヴィッド・ボウイがカヴァーした「ACROSS THE UNIVERSE」と、ビートルズ時代の楽曲のカヴァーにもジョン自身が参加していますし、エルトン・ジョンのライヴでは、ポールが主導で書いたマッカートニー=レノン作品「I SAW HER STANDING THERE」まで歌っているのですから、予期せぬ驚きでした。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

「離婚弁護士U〜ハンサムウーマン〜」第8話、第9話(再)

離婚弁護士II~ハンサムウーマン~ DVDBOX


フジテレビ 13:50〜15:45

片瀬那奈 AS 緒方亜紀

第8話「鉄の女、号泣!!」
第9話「え!?不倫弁護士」

「離婚弁護士U〜ハンサムウーマン〜」第8話と第9話の、今年初めての再放送で、今回は地上波での放送ですが、「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」とバッティングしています。このドラマが本放送された当時に、那奈ちゃんは「結婚して子どもが生まれたら引退します」と公言していたのですが、いつの間にか「結婚したくらいで引退はしません」と考えを改めていました。が、しかし、現在は「引退状態」と云ってもよろしいでしょう。こうして出演作の再放送が途切れないのは、それだけ多くの作品に出ていたからです。それなのに研音を辞めて以来、全く誰からもオファーがないって、那奈ちゃんが云う様に「とばっちりを受けた」だけなのであれば、芸能界は恐ろしいですなあ。

本放送:2005年6月7日、6月14日(フジテレビ)

(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 13:50| ACTRESS | 更新情報をチェックする

「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」(再)

必殺!!主題歌ベストセレクション~裏稼業の哀歌たち~ CD


BSテレ東 12:56〜14:56

片瀬那奈 AS 夏目理恵子

(撮影:2007年5月/京都、奈良ロケ)

「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」の、今年2回目の再放送ですが、「離婚弁護士U〜ハンサムウーマン〜」とバッティングしています。とは云え、こちらは一昨日の土曜日にも再放送されたばかりです。那奈ちゃんが演じた夏目理恵子さんは、新人弁護士で、藤田まことさんが演じた猪狩弁護士と共に冤罪事件の裁判に挑みます。奇跡の初舞台と云われた舞台「僕たちの好きだった革命」の直後に、京都と奈良でのロケで、おそらく撮影時期が被っていたドラマ「地獄の沙汰もヨメ次第」があったので、東京と関西を何往復もして撮影されています。

本放送:2007年11月18日(BSジャパン)、2007年11月21日(テレビ東京)

(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 12:56| ACTRESS | 更新情報をチェックする