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2025年02月08日

「ポールの道」#640「LENNON SONGS」#065 「SCARED」

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ジョン・レノンが、1974年9月26日(米国)・同年10月4日(英国)にアップルからリリースした4作目のソロ・アルバム「WALLS AND BRIDGE(心の壁、愛の橋)」の、A面6曲目で最後に収録されているのが「SCARED(心のしとねは何処)」です。A面の最後に収録されていると云う事は、ジョン自身がこの楽曲を重要だと思ったからでしょう。アナログ盤時代には、A面とB面があったので、それぞれの面でひとつのストーリーを構成出来たわけで、1969年リリースのビートルズのアルバム「ABBEY ROAD」のメドレーは「B面メドレー」と呼ばれていました。アルバム「ABBEY ROAD」のA面は、ジョンが主導で書いたレノン=マッカートニー作品「I WANT YOU(SHE'S SO HEAVY)」で終わっていて、最後がいきなりカットアウトされているのは、アナログ盤でこそ味わえる演出でした。CDになって、すぐにB面1曲目だった「HERE COMES THE SUN」が爽やかに始まってしまうのは、些か味気ない感じがします。サー・ジョージ・マーティンも、アルバム「ABBEY ROAD」は、A面をジョンの好きな感じにして、B面はポールの発案のメドレーを中心にしたと云っていて、明らかにA面とB面を活かした構成にしていました。さて、前曲である哀しい程に美しい「BLESS YOU(果てしなき愛)」が終わった途端に、狼の遠吠えが鳴り響いて始まる「SCARED」は、アルバムの中でも特にヘヴィーな内容です。

「SCARED」のレコーディング・メンバーは、ジョン・レノン(ヴォーカル)、クラウス・フォアマン(ベース)、ジム・ケルトナー(ドラムス)、ハワード・ジョンソン(バリトン・サックス)、リトル・ビッグ・ホーンズ(ホーン)、エディ・モトー(アコースティック・ギター)、ジェシ・エド・デイヴィス(エレクトリック・ギター)、ケン・アッシャー(エレクトリック・ピアノ)、アーサー・ジェンキンス(パーカッション)、ニッキー・ホプキンス(ピアノ)の「プラスティック・オノ・ニュークリア・バンド」で、ピアノに加わったメル・トーメントはジョンの変名のひとつです。ジョンは以前から色々な変名を名乗っていて、その辺の感覚は大瀧師匠と似ています。この「SCARED」は、ジョンに云わせると、テンポを速くするとローリング・ストーンズの1978年のヒット曲「MISS YOU」になるのだそうです。確かに「SCARED」と「MISS YOU」は似ているのですけれど、それを云うのならばローリング・ストーンズの1976年のヒット曲「FOOL TO CRY(愚か者の涙)」も、ジョンの同じアルバム「WALLS AND BRIDGES」に収録されているジョンとニルソンの共作曲である「OLD DIRT ROAD(枯れた道)」に似ていると思います。ジョンは生涯、ローリング・ストーンズを舎弟扱いしていて、常に上から目線でした。

この「SCARED」も、1986年のアルバム「MENLOVE AVE.」にリハーサル音源が収録されていて、ジェシ・エド・デイヴィス(ギター)、クラウス・フォアマン(ベース)、ジム・ケルトナー(ドラムス)の3ピース・バンドだけのシンプルな演奏で、ジョンがギターもしくはピアノを弾いて歌っている音源が聴けます。この不安感を露わにした楽曲は、よりシンプルな編成でのリハーサル音源の方が聴き手に与える印象は強くて、そのアレンジの侭でリリースしていたならば、アルバム「JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND(ジョンの魂)」と同等の評価を得ていたかもしれません。しかしながら、ジョンはそうはせずに、エルトン・ジョンをゲストに迎えたり、ホーンやオーケストラも導入して、あくまでもコマーシャルなロック・アルバムとして「WALLS AND BRIDGES」を完成させていますし、アルバムの全米首位!・全英6位と云う大ヒットに導いています。現在でこそアルバム「JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND(ジョンの魂)」はジョンの最高傑作でロック史上最重要作とされていますけれど、リリース当時の成績は、全米6位・全英8位と驚く程に低かったわけで、それをコマーシャルにしたアルバム「IMAGINE」で全米首位!・全英首位!となっています。ジョンはその前例を踏まえて、アルバム「WALLS AND BRIDGES」を制作したのでしょう。云わば甘口にしているわけですけれど、内容はこの上なくヘヴィーなのです。「SCARED」は、1998年の箱「JOHN LENNON ANTHOLOGY」にも別ヴァージョンが収録されています。

(小島イコ)

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「ABEMA TIMES」「NO MAKE」2025年2月8日





これは那奈ちゃんによる、事実上の「芸能界引退宣言」なのでしょうか。それとも、何やら「ABEMA」関連で番組に出演する機会が増えている気がするので、会社の宣伝なのでしょうか。どちらにしろ、女優でも歌手でもない現在の那奈ちゃんには、全く興味はありません。では、何故この記事や動画を取り上げるのかと云うと、それが「片瀬那奈」名義で公開されているからにすぎません。芸名で活動している限りは「片瀬那奈全記録」の記録対象であるわけですけれど、頑張って働いていらっしゃるのは何よりですね、と思うだけで、本当はどうだっていい話なのです。でもですね、完全に会社員に転身したのならば、未だに芸名で働いているのも、一般人なのにこうして記事や密着取材動画で取り上げているのも「変」なのですよ。只「半世紀以上は突っ走ってきた」と云う「那奈ちゃん節」炸裂!な発言には笑わせて頂きました。「四半世紀」もしくは「半生」の意味で云っているのでしょうけれどね。

(小島イコ/姫川未亜)

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「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」(再)

必殺!!主題歌ベストセレクション~裏稼業の哀歌たち~ CD


ファミリー劇場 6:00〜7:50

片瀬那奈 AS 夏目理恵子

(撮影:2007年5月/京都、奈良ロケ)

「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」の、今年初めての再放送です。これは、昨年だけで7回も再放送された定番ドラマです。那奈ちゃんが演じたのは新人弁護士の夏目理恵子で、名優・藤田まことさんが演じた猪狩弁護士と共に、冤罪事件の裁判に挑みます。全てが京都と奈良でのロケで、東京と何往復もして撮影されています。放送は11月でしたが撮影は5月で、初舞台「僕たちの好きだった革命」直後で、おそらく連続ドラマ「地獄の沙汰もヨメ次第」の撮影と被っていたと思われます。基本的にはシリアスなミステリーですが、猪狩弁護士がのらりくらりとした態度で真犯人を翻弄したり、裁判が不利になってやけ酒を呑む夏目弁護士が酔っ払ってくだをまくなどの笑える場面もあり、最後はスカッとする結末になっています。今年で藤田まことさんは没後15年ですけれど、BSやCSでは、現在も毎日どころか一日に何作も「必殺シリーズ」が再放送されていて、中村主水が何人も悪人を斬り殺しております。

本放送:2007年11月18日(BSジャパン)、2007年11月21日(テレビ東京)

(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 07:50| ACTRESS | 更新情報をチェックする