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2025年01月21日

「ポールの道」#622「LENNON SONGS」#047 「MIND GAMES」

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ジョン・レノンは、1972年6月12日(米国)・同年9月15日(英国)に、ヨーコさんとの共作で2枚組のアルバム「SOMETIME IN NEW YORK CITY」をリリースして、全英11位・全米48位と商業的には失敗しました。収録曲の多くはライヴでも披露されましたが、時事性と政治色が濃い内容で、普遍性を持っていません。1972年8月30日には、ソロでは唯一のフル・ライヴとなってしまった「ワン・トゥ・ワン・コンサート」を行いましたけれど、バックのエレファンツ・メモリーによる演奏は下手だし、何よりもジョン自身の調子が良くなくて、生前のジョンはそのライヴ音源をお蔵入りにしました。ジョンは当時の事を「政治に狂った精神異常者だった」と語り「ミュージシャンに回帰する」為に、ソロ・アルバムとしては、1970年のアルバム「JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND(ジョンの魂)」と1971年のアルバム「IMAGINE」につづく3作目として、アルバム「MIND GAMES」を、1973年10月29日(米国)・同年11月16日(英国)にアップルからリリースしたのです。内容は、A面が、1「MIND GAMES」、2「TIGHT A$」、3「AISUMASEN(I'M SORRY)」、4「ONE DAY(AT A TIME)」、5「BRING ON THE LUCIE(FREDA PEOPLE)」、6「NUTOPIAN INTERNATIONAL ANTHEM」で、B面が、1「INTUITION」、2「OUT THE BLUE」、3「ONLY PEOPLE」、4「I KNOW(I KNOW)」、5「YOU ARE HERE」、6「MEAT CITY」の、全12曲入りです。プロデュースは、ジョン自身が初めてひとりで行っています。

このアルバムは、リリース当時の日本では「ヌートピア宣言」と云う邦題が付けられていたのですけれど、それはA面の最後で6曲目に収録されている「NUTOPIAN INTERNATIONAL ANTHEM(ヌートピア国際賛歌)」から取られていて、つまりジョン(とヨーコさん)は「架空理想国家」である「ヌートピア」の建国を宣言したのです。その「NUTOPIAN INTERNATIONAL ANTHEM」は6秒間の無音なので、実際には全11曲入りです。そのアルバム「MIND GAMES」から、アルバムと同時にシングル・カットされたのが、表題曲である「MIND GAMES」(B面は「MEAT CITY」)です。結果から云うと、シングル「MIND GAMES」は全英26位・全米18位のスマッシュ・ヒットに留まり、アルバム「MIND GAMES」も全英13位・全米9位と微妙な成績でした。しかし、日本ではアルバムが6位まで上がってヒットしています。楽曲としての「MIND GAMES」は、ジョンがビートルズ時代の1969年1月の「THE GET BACK SESSIONS」で「MAKE LOVE, NOT WAR」として演奏していて、ビートルズ解散後の1970年には「MAKE LOVE, NOT WAR」と「I PROMISE」として曲の原型が出来ていて、その2曲を合わせて「MAKE LOVE, NOT WAR」が古臭いと考えたジョンが、ロバート・マスターズとジーン・ヒューストンによる心理学の著作「MIND GAMES:THE GUIDE TO INNER SPACE」から頂いて改題して完成させています。

1973年7月から8月にかけてレコーディングされた「MIND GAMES」のレコーディング・メンバーは、ジョン・レノン(ヴォーカル、スライド・ギター、クラビネット、メロトロン、タンバリン、マラカス)、デヴィッド・スピノザ(エレクトリック・ギター)、ケン・アッシャー(ピアノ、オルガン、リード・オルガン)、ゴードン・エドワーズ(ベース)、ジム・ケルトナー(ドラムス)です。歌詞の内容としては、「IMAGINE」よりも現実的に世界平和を願うメッセージ・ソングとなっていて、幾重にもギターを重ねたイントロから、いきなりサビが歌われる構成や、中間部がレゲエになっていたりして、個人的には「IMAGINE」よりもずっと優れた楽曲だと思います。エンディングでフェイドアウトしてゆく時に、ジョンは原題であった「MAKE LOVE, NOT WAR」を歌っているのも洒落ています。二つの楽曲をひとつにまとめる手法は、ビートルズ時代に「レノン=マッカートニー」作でよくやっていた事で、アルバム「MIND GAMES」は「ひとりビートルズ」の様な出来栄えにもなっています。リンゴ・スターやジョージ・ハリスンと云った身内を起用していた前2作とは違って、腕利きのスタジオ・ミュージシャンによるセッションで、ポール&リンダの1971年のアルバム「RAM」でもギターを弾いていたデヴィッド・スピノザも参加しています。ジョンのベスト盤では定番曲のひとつですし、前述の「MAKE LOVE, NOT WAR」と「I PROMISE」は1998年の箱「JOHN LENNON ANTHOLOGY」で聴く事が出来ます。アウトテイクは2024年の箱などで聴けますし、ジョンがひとりで街を歩くプロモーション・ヴィデオも、DVD「LENNON LEGEND」や「POWER TO THE PEOPLE THE HITS」で観る事が出来ます。

(小島イコ)

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「愛のハイエナ」#2



ABEMA 23:00〜

那奈ちゃんが、ABEMAオリジナル番組「愛のハイエナ」に、先週に引き続きゲスト出演した模様です。2本撮りだったのでしょうけれど、今更「疑惑の潔白を語る」って、何だかなあ、です。本当に「とばっちりを受けた」だけで「検査もシロだった」のならば、何故に2021年9月30日に研音を退社してから2025年1月の現在まで、3年半近い間に芸能活動が出来ない状態が続いているのでしょうか。

(小島イコ/姫川未亜)

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