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2024年11月21日

「ポールの道」#561「GEORGE'S SINGLES」#25「THIS IS LOVE / BREATH AWAY FROM HEAVEN / ALL THOSE YRARS AGO / HONG KONG BLUES」

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1987年11月にダーク・ホース/ワーナーからリリースされたジョージ・ハリスンのアルバム「CLOUD NINE」は、先行シングル「GOT MY MIND SET ON YOU」の大ヒット(全米首位!・全英2位)でジョージの大復活作となり、1988年1月には第2弾シングル「WHEN WE WAS FAB」をリリースして全米23位・全英25位とそこそこ売れました。ジョージはアルバムからの第3弾シングルとして、1988年6月13日(英国)・同年7月25日(日本)に「THIS IS LOVE」をリリースしました。全英55位まで上がった「THIS IS LOVE」は、エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)のジェフ・リンとジョージの共作で、ジェフ・リンが書いた曲の断片をジョージがまとめて1曲にしたもので、二人の共同プロデュースでのアルバム「CLOUD NINE」の中では最も「ELO」風な楽曲となっています。「THIS IS LOVE」のレコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、ギター)、ジェフ・リン(バッキング・ヴォーカル、ベース、ギター、キーボード)、ジム・ケルトナー(ドラムス)、レイ・クーパー(タンバリン)です。

アルバム「CLOUD NINE」は、ジョージとジェフ・リンの二人がベーシック・トラックを多重録音していて、ドラマーはジム・ケルトナーもしくはリンゴ・スター、パーカッションにレイ・クーパー、ギターでエリック・クラプトン、ピアノでエルトン・ジョンやゲイリー・ライト、サックスにジム・ホーンと云ったお馴染みの面々がサポートしています。「THIS IS LOVE」もミュージック・ヴィデオが制作されていて、海沿いの岩場でジョージがギターで弾き語りしていて、途中からピクニックに参加して、再び岩場で演奏すると云う内容です。ジョージのダーク・ホース時代の作品を集めた2004年リリースの箱「THE DARK HORSE YEARS 1976-1992」にはDVDがオマケで付いていて、「THIS SONG」と、「CRACKERBOX PALACE」と、「FASTER」と、「GOT MY MIND SET ON YOU」2種と、「WHEN WE WAS FAB」と、「THIS IS LOVE」のミュージック・ヴィデオをまとめて観る事が出来ます。これからジョージを聴く方々は、とりあえず「THE APPLE YEARS 1968-1975」と「THE DARK HORSE YEARS 1976-1992」の箱を二つ買ってしまう事をオススメします。オマケのDVDは単品でも買えましたけれど、全曲集に近い内容なので、チマチマとバラ売りで揃える心算ならば、箱を買う方が良いですよ。アルバム「電子音楽の世界」なんて、バラでは買う気もおきないでしょう。

シングル「THIS IS LOVE」は、7インチ盤、12インチ盤、CD、の3種でのリリースで、7インチ盤のB面はアルバム「CLOUD NINE」からのシングル・カットとなった「BREATH AWAY FROM HEAVEN」です。12インチ盤ではA面が「THIS IS LOVE」で、B面に「BREATH AWAY FROM HEAVEN」と、1981年リリースのアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」からのジョンへの追悼曲「ALL THOSE YEARS AGO」が収録されています。更にCDシングルには、12インチ盤の3曲に加えて、やはり1981年リリースのアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」から、ホーギー・カーマイケルのカヴァー「HONG KONG BLUES(香港ブルース)」を収録した4曲入りです。「香港ブルース」は、細野晴臣さんが1976年リリースのアルバム「泰安洋行」でカヴァーしている事でも知られています。ジョージは第1弾シングル「GOT MY MIND SET ON YOU」のB面にはアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」から差し替えになった4曲中の1曲である「LAY HIS HEAD」を、第2弾シングル「WHEN WE WAS FAB」のB面には映画「上海サプライズ」に提供した楽曲のひとつである「ZIG ZAG」と、アルバム未収録曲を入れていたし、「GOT MY MIND SET ON YOU」と「WHEN WE WAS FAB」には12インチ・ヴァージョンもあったので、アルバムのリリースから半年以上も経ってから全てがアルバム既出音源だけとなったシングル「THIS IS LOVE」は不評でした。

ところが、ジョージは当初はシングル「THIS IS LOVE」のカップリングとして、アルバム未収録の新曲で新録の「HANDLE WITH CARE」を用意していて、ジョージ、ジェフ・リン、ロイ・オービソン、ボブ・ディラン、トム・ペティの布陣で、ボブ・ディランのスタジオでレコーディングしていたのです。ドラマーは、ファン倶楽部ネタでお馴染みのジム・ケルトナーで、超豪華絢爛なメンバーです。しかし、シングルのB面でカップリング曲にするには勿体ない出来栄え(そんなの、当たり前じゃん!)だったので、シングル「THIS IS LOVE」には収録せずに、5人で覆面バンドを組む事になったわけですなあ。それが「トラヴェリング・ウィルベリーズ」となるのですけれど、アルバムまで制作したのは、ワーナーの要望でした。のんびりとジョージの新作アルバムを待ってくれていたワーナーは、アルバム「CLOUD NINE」が売れたので、ここぞとばかりにジョージで儲けようとしたわけですなあ。それから、ジョージはアルバム「CLOUD NINE」からは、表題曲の「CLOUD 9」と「DEVIL'S RADIO」もプロモーション・シングルとしてリリースしていて、2曲共に1991年12月の来日公演でも披露しています。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

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「千秋万歳」第2部序章 NEW

其の那奈 ひき潮(下)



「第壱回・片瀬那奈・怪優グランプリ」のつづきの
「千秋万歳」序章のつづきの

西暦 2024年 西豪寺ホール

未亜:銀河系777億人の片瀬那奈ちゃんファンの皆さん、こんばんは!突然の美月組クーデターにより大混乱となったプロレスリング・エレナですが、選手層が厚いのですぐさま善後策を講じました!何事もなかったかのように、実況は姫川未亜、解説はお馴染みの小島イコさんでお送りいたします!まずは、大久保千秋に持ち逃げされたPWE王座のベルトの代わりに、暫定王者を決めるトーナメントを開催します!エントリーされたのは、西豪寺エレナ様、柏木礼奈、小野未来、檀上みき、の4選手です!

イコ:美月組として離脱したのは7名ですけれど、プロレスリング・エレナがしっかりと内部を固めないと、もっと離脱者が増える可能性があります。そこで、土下座正規軍のトップ4名でトーナメントをやる事になりました。それから、この話の流れが2024年に現実で起こった「スターダム」と「マリーゴールド」みたいだと思われる方々もいらっしゃるでしょうけれど、この草稿は10年も前に書いたんですよ。まあ、大昔からプロレス団体の離合集散はあったので、ジャパン・プロレスとかUWFとか、そっちを参考にしているわけで、2024年にたまたま、また現実世界でもあっただけなんですよ。

未亜:大久保千秋、美月うらら組長、平山まどか先生、冴島響子、高瀬リコ、姫様、藤田千秋、と、一度に7選手が離脱ですからね!7名ともメインエベンターばかりですから、本当は大打撃なんじゃないんですか!?姫様や藤田千秋と云った美月組以外の選手まで含まれていますよ!

イコ:いやいや、総勢100選手を超えるとも云われているプロレスリング・エレナは、たったの7選手が抜けてもびくともしませんよ。一刻も早く暫定王者を決めてですね、大久保千秋くんを引っ張り出したら、そりゃあ、もう、団体対抗戦となって、盛り上がるでしょうなあ。まあ、大久保千秋くんが持ち逃げしたベルトは剥奪出来るわけですけれど、敢えて泳がせて静観しよう、と云う西豪寺エレナ会長の親心なんですよ。姫様と藤田千秋くんに関しては、やはり大久保千秋くんと高瀬リコくんとの同期の絆が強かったのでしょう。

未亜:さて、トーナメントの第1試合は「西豪寺エレナ様VS柏木礼奈」です!現在、PWEタッグ王者同士の対決ですね!

イコ:タッグ・パートナーでプロレスリング・エレナのトップ同士ですから、お互いの手の内は知り尽くしていますね。

未亜:さあ、ゴングが鳴った!柏木礼奈がシアーハートアタック!速攻です!しかし、西豪寺エレナ様が冷静にかわして、元祖・トライアングルシューター!から元祖・ジェットコースターサドンデス!そのままフォールして57秒!秒殺で西豪寺エレナ様が勝ちました!

イコ:かなりセメントに近いスタイルでの一戦でしたね。

未亜:続いて、トーナメント第2試合は「小野未来VS檀上みき」ですが、ゴングが鳴ると、オーソドックスなスタイルで始まりました!おっと、檀上みきが土下座を出した!小野未来は仁王立ちで返して、未来式トライアングルシューター!そして、シャイニングトライアングルシューター!更に土下座と畳み掛け、1分27秒、テクニカルノックアウトで小野未来の勝ちです!

イコ:シューティング・スタイルの秒殺で2試合とも決まりましたね。コレはですね、美月組を意識していて、リアル・ファイトでも土下座正規軍はやれると云うアピールでしょうなあ。

未亜:あっと云う間に決勝となりました!まだ3分も経っていないので、カップ麺も食べられません!決勝は「西豪寺エレナ様VS小野未来」です!

イコ:おそらく、コレも秒殺でしょうね。

未亜:小島さんの予想通り、ゴングが鳴って手四つで組むと見せかけた西豪寺エレナ様が、小野未来のバックに回ってクロスロードスープレックス・エレナ型!内山理名レフェリーも、戸惑いながら三つカウントを叩いて、35秒で西豪寺エレナ様の優勝です!暫定王者は、西豪寺エレナ様で決まりだ!

イコ:新しいベルトは、7億7千万円もするそうですよ。

未亜:これで西豪寺エレナ様はPWEシングル暫定王者とPWEタッグ王者の2冠王となりました!名実ともにプロレスリング・エレナのエースです!

イコ:本当に強い選手が頂点に立つべきなんですよ。西豪寺エレナ様には、これまでは無理を云って大会を盛り上げる為に寝てもらった事もありましたけれども、ファンは西豪寺エレナ様の真の強さを知っているので、例え試合で負けても称賛されてはきました。美月組として離脱した連中と、もしも再び相まみえる時が来たならば、今回の様に妥協する事のないファイトで魅せてくれるでしょう。

未亜:離脱した美月組は、今後は「MZG」と名称を改めて、旗揚げ戦の準備をしているとの情報が入りました!メインエベントは「大久保千秋VS美月うらら組長」で、全4試合が全てシングル・マッチとなり、選手が7名しかいないので、美月うらら組長が第1試合とメインエベントのダブルヘッダーとなる見込みです!それでも4試合しか組めないわけですね!旗揚げ戦から苦しい船出ですね!

イコ:選手層の厚さでは、プロレスリング・エレナには太刀打ちできませんね。旗揚げ戦のメインエベントで、早くも切り札である「大久保千秋くんVS美月うららくん」をマッチメイクしなければならないコマ不足はイタイでしょう。まあ、旗揚げ戦は西豪寺ホール並みの千五百人程度の箱ならば、ご祝儀で超満員札止めになるでしょうけれど、問題はその後ですなあ。

未亜:しかし、見方によれば、プロレスリング・エレナには大所帯であるがゆえに試合に出れなくてくすぶっている選手も多くいますよね!彼女たちが「MZG」ならばチャンスがあると考えて移籍するんじゃないですかね!

イコ:そんなポンコツ・レスラーじゃ「MZG」に移っても無理でしょう。但し、MZGへの移籍者は、もう少し増えるとは思いますよ。旗揚げ戦には、西豪寺エレナ様と柏木礼奈くんが観戦に招待されているので行く予定ですし、美月うららくんからあたくしたちに実況と解説の依頼もきているんですよ。

未亜:MZGの旗揚げ戦全4試合のカードが、たった今発表されましたけれど、これを放送してもいいんでしょうか!?

イコ:大丈夫ですよ。なにせ、MZGのスポンサーは西豪寺グループなんですからね。そうじゃなければ、契約期間が満了していない選手たちを独立させたりしませんよ。

未亜:何やらキナ臭い独立騒動なんですね!では、MZGの旗揚げ全4試合を発表します!第1試合「美月うらら組長VS冴島響子」、第2試合「藤田千秋VS高瀬リコ」、第3試合セミファイナル「平山まどか先生VS姫様」、そして第4試合メインエベント「大久保千秋VS美月うらら組長」です!

イコ:4試合とも、メインエベント級の好カードですね。まあ、お手並み拝見ですなあ。

未亜:今回はこの辺でお開きです!実況は姫川未亜、解説は小島イコさんでお送りいたしました!それでは、ごきげんよう、さようなら!


以 下、「千秋万歳」第2部第1章につづく

DEMO 2014−9−13
MIX 2024−11−21


(小島イコ/姫川未亜)


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「千秋万歳」第2部第1章 
COME AND GET IT

其の一 あの娘におせっかい(上)

YOU !

HEY EVERYBODY 
GOT BACK !

ON 2024・12・X

SINCE 2013・11・7


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posted by 栗 at 11:07| CHIAKI | 更新情報をチェックする