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2024年11月12日

「浅見光彦〜最終章〜」第1話・前編(再)

浅見光彦 ~最終章~  (沢村一樹 主演) [DVD]


BS-TBS 12:29〜13:25

第1話「恐山・十和田・弘前編」

片瀬那奈 AS 藤波紹子(第1話マドンナ)

「浅見光彦〜最終章〜」第1話の、今年8回目の再放送です。日曜日にCSで再放送されたばかりですが、こちらは無料のBSで、前後編に分けての再放送となっています。「最終章」となっているものの、ソレは「エロス沢村版」が2時間ドラマのシリーズであって、ソノ「最終章」であって、「浅見光彦シリーズ」としては其の前も其の後もキャスティングを変えて制作されています。那奈ちゃんは第1話のマドンナで、料理人の藤波紹子を演じています。



(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#552「GEORGE'S SINGLES」#16「ALL THOSE YEARS AGO / WRITING'S ON THE WALL」

想いは果てなく~母なるイングランド(紙ジャケット仕様)


1970年代後半からジョージ・ハリスンの不遇時代が始まって、特に1979年リリースのアルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」は、大傑作だったのにも関わらず商業的には成功していません。それでもジョージは、1980年9月には次作アルバムを完成させて、1980年11月2日に、ビートルズ解散後では7作目でワーナーからは3作目のソロ・アルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND(想いは果てなく〜母なるイングランド)」をダーク・ホース/ワーナーからリリースする予定でした。当時のジョンとヨーコさんのアルバム「DOUBLE FANTASY」の帯に広告が掲載されているので、完成して発売直前までいっていたのですが、バカなワーナーは前作アルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」のセールス(全米14位・全英39位)に納得していなかったので、なんと、ジョージに全10曲中4曲を売れ線を狙ったアップテンポな曲に差し替える様に命じたのです。ジャケットのアートワークまで変更されて、ジョージは新たな4曲をレコーディングしている時に、1980年12月8日がやって来ました。そこでジョージは、元々はリンゴ・スターに提供する予定だった楽曲の詞を書き直して、ジョンへの追悼曲としてレコーディングしました。

そして、アルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」からの第1弾シングルとして「ALL THOSE YEARS AGO(過ぎ去りし日々) / WRITING'S ON THE WALL(神のらくがき)」を、1981年5月11日(米国)・同年5月15日(英国)・同年6月15日(日本)に、ダーク・ホース/ワーナーからリリースしました。「ALL THOSE YEARS AGO(過ぎ去りし日々)」のレコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、エレクトリック・ギター、バッキング・ボーカル、シンセサイザー)、リンゴ・スター(ドラムス)、ハービー・フラワーズ(ベース)、ポール・マッカートニー(バッキング・ヴォーカル)、リンダ・マッカートニー(バッキング・ヴォーカル)、デニー・レイン(バッキング・ヴォーカル)、アル・クーパー(エレクトリック・ピアノ)、レイ・クーパー(パーカッション、タンバリン)です。ジョージのギター、リンゴのドラムス、ハービー・フラワーズのベース、アル・クーパーのエレクトリック・ピアノ、レイ・クーパーのパーカッションでレコーディングして、リンゴが歌ったのですけれど、リンゴがキーが高いとか詞が気に入らないとごねて、結局はジョンへの追悼曲となり、ポール、リンダ、デニー・レインがバッキング・ヴォーカルをダビングしているので、実際に元ビートルズの3人が揃ってレコーディングしたわけではありません。アルバムからのシングル・カットでB面の「WRITING'S ON THE WALL(神のらくがき)」には、ポールもリンゴも参加していません。

それでも、ジョージとポールの共演は1970年1月の「I ME MINE」(アルバム「LET IT BE」収録)以来11年ぶりだったので、大いに注目されて、全米2位・全英13位と大ヒットしました。収録されたアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」は、前述の経緯で全10曲中4曲が差し替えられて、1981年6月1日(米国)・同年6月5日(英国)・同年6月25日(日本)にリリースされています。差し替える前の内容は、A面が、1「HONG KONG BLUES」、2「WRITING'S ON THE WALL(神のらくがき)」、3「FLYING HOUR」、4「LAY HIS HEAD」、5「UNCONSCIOUSNESS RULES(空白地帯)」で、B面が、1「SAD SINGING」、2「LIFE IT SELF」、3「TEARS OF THE WORLD」、4「BALTIMORE ORIOLE」、5「SAVE THE WORLD(世界を救え)」の、全10曲入りでした。差し替えた4曲は「FLYING HOUR」と「LAY HIS HEAD」と「SAD SINGING」と「TEARS OF THE WORLD」で、「UNCONSCIOUSNESS RULES」も30秒短縮して、改訂盤となったのが、A面が、1「BLOOD FROM A CLONE」、2「UNCONSCIOUSNESS RULES(空白地帯)」、3「LIFE IT SELF」、4「ALL THOSE YEARS AGO(過ぎ去りし日々)」、5「BALTIMORE ORIOLE」で、B面が、1「TEARDROPS」、2「THAT WHICH I HAVE LOST」、3「WRITING'S ON THE WALL(神のらくがき)」、4「HONG KONG BLUES」、5「SAVE THE WORLD(世界を救え)」の全10曲入りです。

4曲を差し替えただけではなく、曲順も変わっていて、ジャケットのアートワークも含めて、改訂前の方が圧倒的に良い出来栄えです。差し替えた4曲は、「BLOOD FROM A CLONE」と「ALL THOSE YEARS AGO(過ぎ去りし日々)」と「TEARDROPS」と「THAT WHICH I HAVE LOST」で、「ALL THOSE YEARS AGO(過ぎ去りし日々)」と「TEARDROPS」はシングルにもなっているので、ワーナー主導での差し替えだったと分かります。アルバムは、全米11位・全英13位と久しぶりのヒットとなったので、ワーナーとしては思惑通りだったわけですけれど、その後は伸びずに、ジョージにとってはビートルズ解散後に初めてゴールドディスクを逃したアルバムとなってしまいました。差し替え前の4曲は、全て後に発表しているのですけれど、「LAY HIS HEAD」は1987年リリースのシングル「GOT MY MIND SET ON YOU」のB面になり、更に「FLYING HOUR」と「SAD SINGING」を合わせた3曲は1987年の豪華本に、「TEARS OF THE WORLD」は1992年の豪華本に、それぞれオマケのEPもしくはCDに収録されて、日の目を見ています。更に「TEARS OF THE WORLD」は、何故か1976年の「THIRTY THREE & 1/3」の2004年のリマスター盤でボーナス・トラックにもなっています。アルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」は、2004年のリマスター盤では「UNCONSCIOUSNESS RULES(空白地帯)」が元の長さに戻されて、「SAVE THE WORLD(世界を救え)」のデモ音源を加えて、ジャケットも元のデザインに戻されています。

(小島イコ)

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2024年11月13日

「ドルチェ」(再)で内山理名ちゃん

ドルチェ (新潮文庫)


チャンネルNECO 10:00〜12:00

内山理名 AS 浜田知美

「ドルチェ」の、今年だけでなんと9回目の再放送です。理名ちゃんが演じた知美さんは汚れ役の風俗嬢で、殺人事件の容疑者となり自供までするものの、真犯人をかばって偽証している役どころです。重要な役どころなので、明日に再放送される続編の「ドルチェ2」にも、理名ちゃんは回想シーンで登場します。

本放送:2012年10月12日(フジテレビ)

(姫川未亜/小島イコ)

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「浅見光彦〜最終章〜」第1話・後編(再)

浅見光彦 ~最終章~  (沢村一樹 主演) [DVD]


BS-TBS 12:29〜13:25

第1話「恐山・十和田・弘前編」

片瀬那奈 AS 藤波紹子(第1話マドンナ)

「浅見光彦〜最終章〜」第1話の、今年8回目の再放送です。無料のBSですが、昨日の続きです。那奈ちゃんが演じた藤波紹子さんは料理人で、連続殺人事件に巻き込まれる役どころです。コレが連ドラ初主演作だったエロスとは、シリアス演技でも良いコンビネーションですけれど、やはりコメディ路線の方が本領を発揮していました。エロス版のシリーズでは、浅見光彦のお兄さんを風間杜夫さんが演じていて、このドラマでは那奈ちゃんとの絡みはありませんけれど、2017年公開の金子修介監督の映画「こいのわ 婚活クルージング」では、ガッツリと共演しています。



(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#553「GEORGE'S SINGLES」#17「TEARDROPS / SAVE THE WORLD」

想いは果てなく~母なるイングランド


1981年6月1日(米国)・同年6月5日(英国)・同年6月25日(日本)にリリースされたジョージ・ハリスンのアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND(想いは果てなく〜母なるイングランド)」からは、1980年12月8日に殺されたジョン・レノンを追悼した楽曲「ALL THOSE YEARS AGO(過ぎ去りし日々)」が先行シングルとしてリリースされて、1970年1月にレコーディングされたビートルズの楽曲「I ME MINE」以来、実際に一緒にレコーディングしたわけではないものの、11年ぶりにポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターがひとつの楽曲で共演した事もあって、ジョージのシングルとしては全米2位・全英13位と久しぶりの大ヒット曲となりました。プロモーション・ヴィデオも制作されて、ビートルズの映像が使われている事も話題になって、アルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」も全米11位・全米13位とヒットしたのですけれど、売れ行きは先細りで、ジョージのビートルズ解散後のアルバムでは初めてゴールドディスクを逃しています。前回でも書いた通り、アルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」は1980年9月には完成していて、1980年11月にリリース予定だったのに、ワーナーの要望で全10曲中4曲を差し替えて発売延期になったアルバムです。

前回の画像が当時リリースされた改定後のジャケットで、今回の画像が改訂前のジャケットです。2004年にリマスターされた時には、ジャケットだけ改訂前に戻されて、内容は改定後と云う、よく分からないリイシュー盤となっています。確かにジャケットは改定前で現行CDにもなった方が優れたデザインだとは思いますけれど、だったら中味も改訂前に戻して、差し替えた4曲をボーナス・トラックにしてくれた方が親切です。アルバムからの第2弾シングル・カットは「TEARDROPS / SAVE THE WORLD(世界を救え)」で、A面の「TEARDROPS」も「ALL THOSE YEARS AGO」同様に差し替えられた4曲の内の1曲です。「TEARDROPS」のレコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、ギター)、ハービー・フラワーズ(ベース)、レイ・クーパー(パーカッション)、デイヴ・マタックス(ドラムス)、マイク・モラン(キーボード)です。但し、チャート上の成績は前作シングル「ALL THOSE YEARS AGO」とは違っていて、全英ではチャート入りせず、全米でも102位までしか上がっていません。しかしながら、ピクチャー・スリーブが良いのでアニアの方々には人気があるシングルです。米国では後に「ALL THOSE YEARS AGO / TEARDROPS」のカップリングで再発されてもいます。B面の「SAVE THE WORLD(世界を救え)」は、アルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」の改訂前も改訂後も最後に収録されている楽曲です。

その「SAVE THE WORLD」のレコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、エレキ・ギター、スライド・ギター、シンセサイザー、サウンド・エフェクト、バッキング・ヴォーカル)、ニール・ラーセン(キーボード)、ゲイリー・ブルッカー(シンセサイザー)、トム・スコット(サックス)、ウィリー・ウィークス(ベース)、ジム・ケルトナー(ドラムス)、レイ・クーパー(パーカッション)と云った面々で、こちらのメンバーがアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」の元々のレコーディング・メンバーなのでしょう。ジョージは「SAVE THE WORLD」には、爆弾の投下音、レジ、軍隊の行進、銃撃、街頭デモ、赤ん坊の泣き声、などの効果音(サウンド・エフェクト)を使っていて、モンティ・パイソンやビートルズの影響下にある楽曲にしています。モンティ・パイソンとジョージの関係は深いし、ビートルズに至ってはジョージ本人が在籍していたバンドです。ジョージが度々ビートルズのセルフ・パロディをやるのは、客観的にビートルズを見ているからでしょう。この「SAVE THE WORLD」は、1985年6月4日にコンピレーション盤「グリーンピース」に、歌詞を一部変えて、ヴォーカルをレコーディングし直し、バッキング・トラックをリミックスした「リメイク・ヴァージョン」で収録されてもいます。

(小島イコ)

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2024年11月14日

「ポールの道」#554「GEORGE'S SINGLES」#18「WAKE UP MY LOVE / GREECE」

ゴーン・トロッポ


1976年にダーク・ホースをレーベルごと移籍させたワーナーは、当然の事ですが、ジョージ・ハリスンのソロ・アルバムをリリースしたかったわけで、実際に他のミュージシャンのレコードをリリースしたのは1978年までで、1979年以降はジョージのレコードしかリリースしていません。それはそうなんでしょうけれど、ジョージは移籍後に1976年リリースのアルバム「THIRTY THREE & 1/3」の次は、1979年リリースのアルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」で、その次が1981年リリースのアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」で、そのまた次が1982年リリースのアルバム「GONE TROPPO」で、その次は1987年リリースのアルバム「CLOUD NINE」なのです。アルバム「THIRTY THREE & 1/3」からアルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」までのインターバルは2年半もあるし、1981年のアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」は全10曲中4曲を差し替えてレコーディングし直しさせているし、アルバム「GONE TROPPO」からアルバム「CLOUD NINE」までのインターバルは5年もあります。現在では2年半とか5年とかのインターバルは珍しくないでしょうけれど、1970年代や1980年代には普通は1年に1枚のアルバムを制作していたし、1960年代には1年に2枚とか3枚とか出しているのが普通でした。

ジョン・レノンは、1975年リリースのシングル集「SHAVED FISH」から1980年リリースのアルバム「DOUBLE FANTASY」まで5年のインターバルがありましたが、それはジョンがどこのレコード会社とも契約しなかったからで、ずっとジョージと契約していたワーナーは、そう云った面では随分と辛抱強かったとも云えます。但し、前述の様にジョージ以外のダーク・ホースのレコードは一切出さなくなったし、ジョージのアルバムの内容にもイチャモンを付けて半数近い曲をレコーディングし直しさせたりもしています。でもですね、だとすると1982年10月27日にリリースされたアルバム「GONE TROPPO」は、一体何なのでしょうか。内容は、A面が、1「WAKE UP MY LOVE(愛に気づいて)」、2「THAT'S THE WAY IT GOSE」、3「I REALLY LOVE YOU」、4「GREECE」、5「GONE TROPPO」で、B面が、1「MYSTICAL ONE」、2「UNKNOWN DELIGHT」、3「BABY DON'T RUN AWAY」、4「DREAM AWAY」、5「CIRCLES」の、全10曲入りなんですけれど、マジでこの時のジョージは「キレちゃいないよ、俺をキレさせたら大したもんだよ」なのです。リリース当時には、ビートルズのファンからまで酷評されまくったアルバムでした。

アルバム「GONE TROPPO」は、全米108位で全英や日本ではチャート入りさえしていません。レコーディング・メンバーは、ジョージ(リード・ヴォーカル、ギター、ベース)の他は、ヘンリー・スピネッティ(ドラムス)、ハービー・フラワーズ(ベース)、レイ・クーパー(パーカッション)、デイヴ・マタックス(ドラムス)、ビリー・プレストン(キーボード)、マイク・モラン(シンセサイザー、ピアノ)、ディープ・パープルのジョン・ロード(キーボード)、シリータ(ヴォーカル)などが参加しています。第1弾シングルは、1982年10月27日にリリースされた「WAKE UP MY LOVE(愛に気づいて) / GREECE」です。アルバム冒頭を飾ったA面の「WAKE UP MY LOVE」は、シンセサイザー・ポップ路線の佳曲です。全米53位とアルバムよりは売れていて、ジョージはビートルズにシンセサイザーを導入した男ですので、こうしたニューウェーブ風な楽曲は、元祖で本家でお手の物なんですけれど、アタマが固いビートルズ・ファンには到底受け入れる事は出来なかったわけですよ。B面の「GREECE」もアルバムからのシングル・カットで、トロピカルなインストゥルメンタル曲(実際にインストゥルメンタル曲とクレジットされている)かと思う程にイントロとアウトロが長くて、中盤と終盤にチラリンコと歌が入っているヘンチクリンな曲です。

(小島イコ)

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2024年11月15日

「雲霧仁左衛門2」第七回、第八回(最終回)(再)で内山理名ちゃん



時代劇専門チャンネル 14:00〜15:45

第七回「血戦」
第八回(最終回)「男の本懐」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門2」第七回と第八回(最終回)の、今年3回目の再放送です。第七回は、全八回なのでストーリーは大詰めで、しかも原作はこの「雲霧仁左衛門2」までで完結なので、大きなクライマックスとも云える回です。理名ちゃんが演じる七化けのお千代姐さんは、雲霧仁左衛門に保土ヶ谷に先に行って待っている様に云われますが、お千代姐さんは辻蔵之助が雲霧仁左衛門の兄だと見抜いていました。雲霧仁左衛門と別れた後に、六之助に「死ぬんじゃないよ」と告げて今回の出番は終了です。越後屋の鍵を外せずにいた富の市はおかねと共に安部式部たちに捕まり、拷問を受けますが口は割りません。いよいよ越後屋を襲う時となり、寺に忍び込んでいた雲霧一党を発見した密偵のお京は木鼠の吉五郎の刃に倒れます。雲霧一党と盗賊改の全面対決となり、雲霧仁左衛門を逃がす為に木鼠の吉五郎は名を名乗り壮絶な自決をします。更に辻蔵之助も弟である雲霧仁左衛門に仇討ちを託して、自らを雲霧仁左衛門と名乗って捕まります。

最終回では、安部式部は、雲霧仁左衛門と名乗る兄の蔵之助が偽者だと見破るものの獄門に処する事にします。七化けのお千代姐さんは、雲霧仁左衛門を救う為に江戸へ戻ってしまいます。辻蔵之助を救うチャンスを伺っていたお千代姐さんですが、六之助が本物の雲霧仁左衛門だと信じさせる為に突撃して盗賊改に目の前で殺されてしまい、お千代姐さんも爆薬を投じようとしたところを雲霧仁左衛門が止めます。そして雲霧仁左衛門はお千代姐さんに「もうお前の世話にはなれない」と別れを告げて、雪の中で雲霧仁左衛門の背中に寄り添うお千代姐さんを回り込みで映す演出があり、辻蔵之助は処刑されてしまいます。侍の姿となった雲霧仁左衛門は、仇である東堂家の行列に単身で斬り込みます。雲霧仁左衛門は20人位はいる東堂家の武士を滅多切りにして、東堂家の家老を斬り捨て1万両も奪い男の本懐を遂げます。雲霧一党は散り散りとなり、お千代姐さんは亡くなった仲間たちの墓参りをして、雲霧仁左衛門が大胆不敵にも安部式部に茶屋で煙管の火を借りて会話する場面で終了です。次週からは、オリジナル脚本による「雲霧仁左衛門3」が再放送される予定です。それから、現在、地上波のNHK総合で「雲霧仁左衛門6」が再放送されています。お千代姐さんが登場しないので記録していませんが、「雲霧仁左衛門7」が制作されるのでしょうか。

本放送:2015年3月20日、3月27日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

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「ポールの道」#555「GEORGE'S SINGLES」#19「I REALLY LOVE YOU / CIRCLES」

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ジョージ・ハリスンが1982年11月にダーク・ホース/ワーナーからリリースしたアルバム「GONE TROPPO」は、ファンからまで酷評された作品でした。現在では、それほど悪くないアルバムだと云われているものの、リリース当時の評判は最悪で、松村雄策さんからまで「今、ジョージがやっているのは、ビートルズ・ファンへの裏切り行為だ」とまで書かれていました。個人的には、このぶっ飛んだジョージも好きなのですけれど、何故そんなに叩かれたのかを考えると、つまりはアルバムにトータルなテーマが欠如していて、バラバラな楽曲が並べられていたからでしょう。ジョージのアルバムは、1970年リリースの「ALL THINGS MUST PASS」も、1973年リリースの「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」も、1974年リリースの「DARK HORSE」も、1975年リリースの「EXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)」も、1976年リリースの「THIRTY THREE & 1/3」も、1979年リリースの「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」も、全てアルバムに統一した流れがあって「アルバムで聴く」と云う構造になっていました。しかし、1980年リリース予定だった「SOMEWHERE IN ENGLAND」を、その統一した流れで完成させたのに、ワーナーの要望で全10曲中4曲を差し替える事となって、1981年にリリースして、アルバムのトータルな構造がぶち壊されています。

つまり、前作アルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」の内容を不本意なカタチにしてしまった事で、一寸キレてしまったジョージが、だったら無茶苦茶な事をやってしまおうと、敢えて統一感を無視したアルバム「GONE TROPPO」を制作したとも考えられます。アルバム冒頭を飾り第1弾シングルともなった「WAKE UP MY LOVE」は、ニューウェーブ風のシンセサイザー・ポップで、ビートルズにシンセサイザーを持ち込んだ男の面目躍如です。アルバムが全米108位とどん底でしたが、シングル「WAKE UP MY LOVE」は全米53位まで上がっています。そして、1983年2月9日には、米国とオランダで第2弾シングル「I REALLY LOVE YOU / CIRCLES」がリリースされました。A面の「I REALLY LOVE YOU」は、リロイ・スウェアリンゲン作で、1961年にステレオズがリリースしたドゥーワップのカヴァーです。ステレオズによるオリジナルは、全米29位・R&B15位で、そんなに爆発的に売れた曲ではありません。その辺がジョージらしいところで、日本で云ったらタツローこと山下達郎さんみたいな事をやっています。タツローは同好の仲間がいないのでひとりで多重録音しますが、ジョージには一緒にドゥーワップをやってくれる仲間がいるのですけれど、何故シングル・カットしたのかは謎です。このシングルは、チャート入りしていません。

そして、B面には「CIRCLES」が収録されています。この「輪廻転生」を歌った楽曲は、1968年11月22日リリースのビートルズのアルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」用に書かれた曲で、1968年5月にジョージの自宅で行われた「イーシャー・デモ」では演奏されていたものの、本番のレコーディングでは取り上げられなかった曲のひとつです。「イーシャー・デモ」は、以前はブートレグの定番でしたが、2018年にリリースされたアルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」の50周年記念盤の箱で全曲が公式盤となって聴ける様になりました。箱を買わなくとも、アルバム本編2枚に「イーシャー・デモ」全曲を加えたCD3枚組のパッケージでも聴く事が出来ますし、ジャイルズ・マーティン曰く「ブートレグとは一線を画す出来栄え」なのですけれど、オリジナルの2トラックまで遡ってリミックスされていて、アルバムの曲順に並べ替えています。故に、曲順を直さずリミックスされていない音源でのブートレグの価値もあるわけです。その「CIRCLES」を、14年後に正式にレコーディングしたわけで、アルバム「GONE TROPPO」では最後に収録されています。雑多な楽曲がバラバラなまんまで放り出された様なアルバム「GONE TROPPO」は、ジョージ版の「ホワイト・アルバム」だと考えると、なるほどね、と合点がいくのです。

(小島イコ)

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2024年11月16日

「雲霧仁左衛門4」第五回、第六回(再)で内山理名ちゃん

Great Escape


時代劇専門チャンネル 9:00〜10:45

第五回「大脱走」
第六回「黒幕分断」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門4」第五回と第六回の、今年2回目の再放送です。第五回では、雲霧一党とは無関係な静が安部式部に人質に取られてしまい、静を慕う熊五郎が身代わりになって捕らえられてしまいます。そこで雲霧一党は、市中引き回しされる熊五郎を白昼堂々と救出します。しかし、理名ちゃんが演じるお千代姐さんが雲霧仁左衛門から貰った匂い袋を大切にいつも身に着けていて、そこから足がついてしまい大変な事になります。

第六回では、柏屋を襲撃して成功したかに見えた雲霧一党ですが、お千代姐さんの匂い袋によって正体がばれてしまい失敗します。雲霧仁左衛門にもらって大切にしていた匂い袋でしたが、お千代姐さんは責任を感じて密偵を志願するのでした。宝物の匂い袋を燃やし、決死の覚悟で七化け史上に遺る「男」の姿に化けて潜入します。

本放送:2018年10月5日10月12日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

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「ポールの道」#556「GEORGE'S SINGLES」#20「DREAM AWAY / UNKNOWN DELIGHT」

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1982年11月にリリースされたジョージ・ハリスンのアルバム「GONE TROPPO」からは、全世界でのシングル・カットをしたのは「WAKE UP MY LOVE(愛に気づいて) / GREECE」だけでしたけれども、米国とオランダでは1983年2月に第2弾シングル「I REALLY LOVE YOU / CIRCLES」がダーク・ホース/ワーナーからリリースされています。日本ではそのカップリングではリリースされず、1983年2月25日に第2弾シングルとして「DREAM AWAY(オ・ラ・イ・ナ・エ) / UNKNOWN DELIGHT」が、日本独自でワーナー・パイオニアからリリースされています。両面共にアルバム「GONE TROPPO」からのシングル・カットですけれど、A面の「DREAM AWAY(オ・ラ・イ・ナ・エ)」は、ジョージが設立した映画会社であるハンド・メイド・フィルムズが制作したテリー・ギリアム監督の映画「TIME BANDITS(バンデットQ)」の主題歌で、邦題の「オ・ラ・イ・ナ・エ」はコーラスされる呪文の様なフレーズから名付けられています。映画「バンデットQ」は、ハンド・メイド・フィルムズが制作した映画の中では最も有名でヒットしていて、日本での公開に合わせるカタチでシングル・カットされています。つまり、映画「バンデットQ」は、ジョージが制作総指揮と主題歌を担当した映画です。

映画の主題歌になった事で、全米108位と沈没したアルバム「GONE TROPPO」の中では有名な曲となっていて、レコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(リード・ヴォーカル、ギター、バッキング・ヴォーカル)、マイク・モラン(ピアノ、シンセサイザー)、アラン・ジョーンズ(ベース)、デイヴ・マタックス(ドラムス)、レイ・クーパー(パーカッション)、ビリー・プレストン(バッキング・ヴォーカル)、シリータ(バッキング・ヴォーカル)、サラ・レコー(バッキング・ヴォーカル)となっていて、コーラス部分ではシリータの声が目立っています。当時のシリータはビリー・プレストンとデュエット・アルバムをリリースしていたので、その繋がりで参加したのでしょう。ジョージらしいポップ路線で、コーラスは一度聴いたら忘れられない佳曲だと思います。B面には、これまたジョージの泣き節が全開の「UNKNOWN DELIGHT」がカップリングされています。ジョージは、アルバム「GONE TROPPO」で好き放題やって5年間も音楽活動から離れてしまうので、このシングルを最後に引退状態となってしまいます。

それでですね、一体、ダーク・ホースとワーナーの契約はどうなっていたのでしょうか。大瀧師匠のナイアガラは、1976年に3年で12枚などと云う、後で考えたらトンデモナイ契約をコロムビアと結んでいたわけで、大瀧師匠は「ココナツ・バンク」や「SUGAR BABE」も居るから大丈夫だろうと契約したら、みんないなくなってしまい、ノルマ達成の為にほとんどひとりでレコードを作ってはリリースするハメになったのですけれど、同じ1976年にジョージはダーク・ホース・レーベルごとワーナーに移籍していて、ワーナーはジョージのソロ・アルバムしか求めていなかったので、1979年以降は事実上はジョージのソロ・レーベルとなったのです。そして、ジョージは、1976年にアルバム「THIRTY THREE & 1/3」を、1979年にアルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」を、1981年にアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」を、1982年にアルバム「GONE TROPPO」をリリースしていて、ここまで6年間で4作のスローペースなのですけれど、次が5年後の1987年のアルバム「CLOUD NINE」なので、12年間で5作しかアルバムをリリースしていないわけですよ。ワーナーは、何故にそんなにのんびりと構えていたのでしょうか。大瀧師匠に比べたら、随分とゆっくりでしたけれど、まあ、ソニーに移籍後の大瀧師匠も同じ様なスローペースになるんですけれどね。

それから、評論家は勿論、ファンにまで酷評されたアルバム「GONE TROPPO」ですけれど、ジョージ本人の自己評価は高かったとも思えます。それは、1989年にジョージが自分で選曲したベスト盤「BEST OF DARK HORSE YEARS 1976-1989」に表れていて、内容は、1「POOR LITTLE GIRL」(1989)、2「BLOW AWAY」(1979)、3「THAT'S THE WAY IT GOSE」(1982)、4「COCKAMAMIE BUSINESS」(1989)、5「WAKE UP MY LOVE」(1982)、6「LIFE ITSELF」(1981)、7「GOT MY MIND SET ON YOU」(1987)、8「CRACKERBOX PALACE」(1976)、9「CLOUD 9」(1987)、10「HERE COMES THE MOON」(1979)、11「GONE TROPPO」(1982)、12「WHEN WE WAS FAB」(1987)、13「LOVE COMES TO EVERYONE」(1979)、14「ALL THOSE YEARS AGO」(1981)、15「CHEER DOWN」(1989)の、全15曲入りなのですけれど、なんと、アルバム「GONE TROPPO」から「WAKE UP MY LOVE」と「THAT'S THE WAY IT GOSE」と「GONE TROPPO」と3曲も収録しています。満遍なく各アルバムから選んでいる様に見えて、アルバム「THIRTY THREE & 1/3」からは「CRACKERBOX PALACE」しか収録されていないし、アルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」からも2曲で、アルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」とアルバム「CLOUD NINE」と同数の3曲なんですから、的外れではないでしょう。

(小島イコ)

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2024年11月17日

「IP〜サイバー捜査班」第8話、第9話(最終話)(再)で内山理名ちゃん



テレ朝チャンネル1 10:00〜12:00

IP_8「ディープフェイク」
IP_FINAL「ディープフェイク」

内山理名 AS 桐子香澄

「IP〜サイバー捜査班」第8話と第9話(最終話)の、今年なんと10回目の再放送ですが、「DIVER」とバッティングしています。理名ちゃんが演じた警視正の桐子香澄さんは、ディープフェイク動画を利用した犯罪に巻き込まれてゆくのですが、実は犯人に機密情報を漏洩させたと脅されていて協力してしまったと明かされます。第8話と最終話は続いているので、2話連続での再放送はありがたいです。香澄さんの出番は真相を証言したところで終わってしまうのが、些か消化不良ではあります。終盤は、まいんちゃんが誘拐されて危機一髪となる展開なので、香澄さんの其の後なんてどうだっていいやと云う描かれ方です。


(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 10:00| RINA | 更新情報をチェックする

「DIVER-特殊潜入班-」(再)全5話一挙放送



ファミリー劇場 11:05〜15:20

片瀬那奈 AS 皆本麗子

#01「最凶の潜入捜査官!特殊詐欺の闇を追え」
#02「新たな捜査官登場!女子大生連続自殺の謎を解け」
#03「謎の連続誘拐!命の選択!狙われた伊達の娘を救え!」
#04「国際会議がテロの標的に!D班最大の危機!」
#05「衝撃の最終回!兵悟の反撃開始!最大の闇との決着」

「DIVER-特殊潜入班-」の今年5回目の全5話一挙再放送ですが、「IP〜サイバー捜査班」とバッティングしています。全5話と短いのは別に打ち切られたわけではなく、コロナ禍で全編が関西ロケだった為に元々全5話で制作されています。コロナ禍に、そうまでして新作ドラマを制作しなくともよかったと思いますけれどね。別に新しいドラマや映画を制作しなくとも、どうせ那奈ちゃんは出ないだろうから、旧作の再放送で充分だと思うのですけれどね。那奈ちゃんが演じたのは闇医者の皆本麗子先生で、潜入捜査官のひとりです。やはり全5話では短く感じられて、潜入捜査官の事も何も分からない内に終わってしまいました。潜入捜査官の5人中、那奈ちゃんも含めた4人が「闇金ウシジマくん」や「闇金サイハラさん」にも出ているので、面子は濃いのですけれど、肝心の主役だけが「闇金ウシジマくん」にも「闇金サイハラさん」にも出ていないので、ダーク・ヒーロー役は似合っていません。

本放送:2020年9月22日〜10月20日(関西テレビ、フジテレビ)

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#557「GEORGE'S SINGLES」#21「I DON'T WANT TO DO IT」

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1982年11月にリリースされたアルバム「GONE TROPPO」を最後に、ジョージ・ハリスンは音楽活動を休止してしまいました。それから5年後の1987年11月になってアルバム「CLOUD NINE」で大復活を遂げるわけですけれど、アルバム「GONE TROPPO」のハチャメチャな内容に、リリース当時はファンも呆れてしまい、ジョージが音楽活動を休止している事すら話題にならなくなっていました。ジョージ本人も映画制作に没頭していて「僕はもう音楽業界では引退した人間だから」などと云っていたのです。それで、米国ではシングル「I REALLY LOVE YOU」を、日本ではシングル「DREAM AWAY(オ・ラ・イ・ナ・エ)」を1983年2月にアルバム「GONE TROPPO」からシングル・カットしたのを最後に、1987年のアルバム「CLOUD NINE」までが空白期間となっているのですけれど、実はその間に、1985年3月にリリースされた映画「ポーキーズ・リヴェンジ」に収録された「I DON'T WANT TO DO IT」があるのです。この楽曲はボブ・ディランが1968年に書いた曲で、ジョージは1970年リリースのアルバム「ALL THINGS MUST PASS」のセッションでもリハーサルしていて、その音源も、現在では2021年リリースのアルバム「ALL THINGS MUST PASS」50周年記念盤の箱で聴く事が出来ます。

サントラ盤からのシングル・カットとして、1985年4月22日にリリースされていて、サントラ盤LPとはミックスが違っています。シングルA面がジョージの「I DON'T WANT TO DO IT」で、シングルB面はデイヴ・エドモンズの「QUEEN OF THE HOP」が収録されています。デイヴ・エドモンズが両面共にプロデュースしていて、ジョージが歌う「I DON'T WANT TO DO IT」は1984年11月にデイヴ・エドモンズと共にレコーディングされています。つまりは、アルバム「ALL THINGS MUST PASS」からの音源ではなくて、サントラ盤の為に新たにレコーディングされていて、アルバム「GONE TROPPO」からアルバム「CLOUD NINE」までの空白期間を埋める音源なのです。2009年6月にリリースされたジョージの名ばかりはオールタイム・ベスト盤「LET IT ROLL」には、サントラ盤のヴァージョンをジャイルズ・マーティンとデイヴ・エドモンズがリマスターして収録されていて、シングル・ヴァージョンはシングルでしか聴けません。サントラ盤もシングルも、ダーク・ホース・レーベル(ワーナー)からではなく、コロムビアからのリリースだったので、ベスト盤「LET IT ROLL」の目玉はこの曲です。

それで、その何故かオールタイム・ベスト盤と云う事になっている「LET IT ROLL」なのですけれど、内容は、1「GOT MY MIND SET ON YOU」(1987)、2「GIVE ME LOVE(GIVE ME PEACE ON EARTH)」(1973)、3「BALLAD OF SIR FRANKIE CRISP(LET IT ROLL)」(1970)、4「MY SWEET LORD」(1970)、5「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS(LIVE)」(1968, 1971)、6「ALL THINGS MUST PASS」(1970)、7「ANY ROAD」(2002)、8「THIS IS LOVE」(1987)、9「ALL THOSE YEARS AGO(過ぎ去りし日々)」(1981)、10「MARWA BLUES」(2002)、11「WHAT IS LIFE(美しき人生)」(1970)、12「RISING SUN(悠久の輝き)」(2002)、13「WHEN WE WAS FAB」(1987)、14「SOMETHING(LIVE)」(1969, 1971)、15「BLOW AWAY」(1979)、16「CHEER DOWN」(1989)、17「HERE COMES THE SUN(LIVE)」(1969, 1971)、18「I DON'T WANT TO DO IT」(1985)、19「ISN'T IT A PITTY」(1970)の、全19曲入りなのです。

1970年リリースのアルバム「ALL THINGS MUST PASS」から5曲、1971年8月1日のライヴを収録したライヴ盤「THE COCERT FOR BANGLA DESH」から3曲(全てビートルズ・ナンバー)、1973年リリースのアルバム「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」から1曲、1979年リリースのアルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」から1曲、1981年リリースのアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND(想いは果てなく〜母なるイングランド)」から1曲、1985年のサントラ盤から1曲、1987年リリースのアルバム「CLOUD NINE」から3曲、1989年のシングルから1曲、2002年リリースのアルバム「BRAINWASHED」から3曲となっていて、アルバム「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」とアルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」とアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」からの1曲ずつはヒット・シングルなので、要するにアルバム「ALL THINGS MUST PASS」とアルバム「CLOUD NINE」とアルバム「BRAINWASHED」の3作からに、シングル・ヒットをチョロっと入れて、ライヴ盤「THE COCERT FOR BANGLA DESH」からビートルズ・ナンバーを加えた内容で、「どこがオールタイム・ベスト盤なの?」とツッコミどころが満載の選曲です。内容としては、EMIが勝手に選曲した「THE BEST OF GEORGE HARRISON」並みに酷いと思います。この「I DON'T WANT TO DO IT」と、シングル「CHEER DOWN」がリマスターされて収録されているのが救いではあります。

(小島イコ)

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2024年11月18日

「ポールの道」#558「GEORGE'S SINGLES」#22「SHANGHAI SURPRISE」「HERE COMES THE SUN(LIVE)」

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1982年11月リリースのアルバム「GONE TROPPO」から1987年11月リリースのアルバム「CLOUD NINE」までの5年間もアルバムをリリースしなかったジョージ・ハリスンですが、その空白期間にアルバム「CLOUD NINE」以降の再ブレイクを予感させる音楽活動も行っています。ジョージはその期間には映画制作に没頭していたので、映画絡みの楽曲が幾つか発表されていて、前回に取り上げた「I DON'T WANT TO DO IT」もそのひとつです。そして、ジョージはプロモーション・シングルを制作もしていて、それが1986年の「SHANGHAI SURPRISE(上海サプライズ)」と、1987年の「HERE COMES THE SUN(LIVE)」です。1986年の「SHANGHAI SURPRISE」は、同名映画の主題歌としてジョージが書き下ろした楽曲で、ジョージとヴィッキー・ブラウンがデュエットしています。映画「SHANGHAI SURPRISE(上海サプライズ)」は、当時は夫婦だったマドンナとショーン・ペンが共演していて、ジョージは音楽と制作総指揮を担当していて、カメオ出演もしているのですけれど、評判は散々で、第7回ゴールデンラズベリー賞で7部門にノミネートされて、マドンナが最低主演女優賞を受賞しています。

ジョージは映画「SHANGHAI SURPRISE(上海サプライズ)」のサントラ盤をリリースしていなくて、その一部の楽曲が後にアルバム「CLOUD NINE」に収録されています。前記の第7回ゴールデンラズベリー賞で最低主題歌賞にノミネートされていた主題歌の「SHANGHAI SURPRISE」は、現在ではアルバム「CLOUD NINE」のボーナス・トラックで聴けます。ジョージがカメオ出演した場面で同じバンドの一員として出演していたのが、ELOのジェフ・リンで、共通の友人であるデイヴ・エドモンズを介して親しくなっていって、アルバム「CLOUD NINE」を共同プロデュースする事となり、ご存知の通り、その後にはトラヴェリング・ウィルベリーズを結成しているだけではなく、1995年と1996年にはビートルズの新曲「FREE AS A BIRD」と「REAL LOVE」をジェフ・リンがプロデュースして、1997年リリースのポール・マッカートニーのアルバム「FLAMING PIE」をポールとジェフ・リンで共同プロデュースする事となるのです。つまり、ジョージとジェフ・リンが映画「SHANGHAI SURPRISE(上海サプライズ)」で出逢っていなければ、その後の展開が全く違っていたわけで、そう云った意味では大いに意味がある映画なのです。

ジョージとジェフ・リンは意気投合して、ジョージにとっては5年ぶりのアルバム「CLOUD NINE」を制作するのですけれど、1987年6月には「プリンス・トラスト」にジョージとリンゴが出演していて、ジョージは「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」と「HERE COMES THE SUN」を、リンゴは「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」と、ビートルズ・ナンバーを演奏しています。「プリンス・トラスト」には前年にポールが出演していて、やはりビートルズ・ナンバーを披露していて「元ビートルズのメンバーがビートルズ・ナンバーを演奏する」と云う至極当然な事がようやく肯定される様になっていました。その時に「HERE COMES THE SUN」でジョージと一緒にアコースティック・ギターを弾いていたのがジェフ・リンです。つまり、1985年のシングル「I DON'T WANT TO DO IT」から、1986年のプロモーション・シングル「SHANGHAI SURPRISE」へ、そして1987年のプロモーション・シングル「HERE COMES THE SUN(LIVE)」の流れは、そのまんま1987年のアルバム「CLOUD NINE」へと繋がっているのです。やはり、貯めがある時のジョージは強い、と思わされる展開ではあります。

(小島イコ)

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2024年11月19日

「ポールの道」#559「GEORGE'S SINGLES」#23「GOT MY MIND SET ON YOU / LAY HIS HEAD」

Cloud Nine


ジョージ・ハリスンは、オリジナル・アルバムとしては1982年11月にリリースされたアルバム「GONE TROPPO」から5年間の沈黙を経て、1987年11月2日にアルバム「CLOUD NINE」をダーク・ホース/ワーナーからリリースしました。プロデュースはジョージとジェフ・リンで、内容は、1「CLOUD 9」、2「THAT'S WHAT IT TAKES」、3「FISH ON THE SAND」、4「JUST FOR TODAY」、5「THIS IS LOVE」、6「WHEN WE WAS FAB」、7「DEVIL'S RADIO」、8「SOMEPLACE ELSE」、9「WRECK OF THE HESPERUS(金星の崩壊)」、10「BREATH AWAY FROM HEAVEN」、11「GOT MY MIND SET ON YOU」の、全11曲入りで、現行のCDでは、同名映画の主題歌、12「SHANGHAI SURPRISE」と、シングル「WHEN WE WAS FAB」のB面でアルバム未収録だった、13「ZIG ZAG」も加えた全13曲入りで、配信限定で、14「GOT MY MIND SET ON YOU(EXTENDED VERSION)」を加えた全14曲入りとなっています。アルバムからの先行シングルとして、1987年10月12日に「GOT MY MIND SET ON YOU / LAY HIS HEAD」をリリースしていて、A面の「GOT MY MIND SET ON YOU」は、全米首位!・全英2位の大ヒット曲となり、ジョージは鮮烈なカムバックを果たしたのです。

当時9歳だった息子のダニー・ハリスンがお気に入りでシングル・カットを勧めた「GOT MY MIND SET ON YOU」は、エディ・クラーク作で1962年にジェームス・レイが「I'VE GOT MY MIND SET ON YOU」のタイトルで発表した曲のカヴァーです。オリジナルとは違った「ジョージ流のポップ・ロック路線」でのカヴァーとなっていて、アルバムでも最後に収録されているので、ジョージとしても会心の出来栄えだったのでしょう。レコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(リード&バッキング・ヴォーカル、エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター)、ジェフ・リン(バッキング・ヴォーカル、シンセサイザー、ベース・ギター)、ジム・ケルトナー(ドラムス、ドラム・プログラミング)、ジム・ホーン(サックス)、レイ・クーパー(マラカス)です。シングルは通常7インチ盤と、12インチ盤と、箱入り7インチ盤と、12インチ・ピクチャー盤の4種類がリリースされています。7インチ盤は「GOT MY MIND SET ON YOU」と「LAY HIS HEAD」のカップリングで、12インチ盤はA面に「GOT MY MIND SET ON YOU(EXTENDED VERSION)」を収録していて、B面に「GOT MY MIND SET ON YOU」と「LAY HIS HEAD」が収録されています。

通常盤の「GOT MY MIND SET ON YOU」は「3分51秒」ですが、「GOT MY MIND SET ON YOU(EXTENDED VERSION)」は「5分17秒」あって、ミックスで引き延ばされた拡大版です。この拡大版は、前述の通り、現在では配信音源でも聴く事が出来ます。通常盤にカップリングされた「LAY HIS HEAD」は、アルバム未収録曲なのですけれど、これはアルバム「CLOUD NINE」のセッションではなくて、1981年にリリースされたアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」用にレコーディングして、ワーナーの要望で差し替えになった4曲の内のひとつです。大ヒット・シングルのB面になった事で注目されて、アルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」の改悪盤ではない元々のヴァージョンが見直される事となったのです。ジョージは他の3曲(「FLYING HOUR」と「SAD SINGING」と「TEARS OF THE WORLD」)も、何らかのカタチで公式リリースしているので、そりゃあ、まあ、元のカタチでリリースしたかったのでしょう。公式音源は豪華本のオマケになっていたりして敷居が高いのですけれど、ブートレグでも高音質で収録されているので、アルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」の公式盤と合わせて、元の曲順で楽しむ事も可能です。

大ヒット曲となった「GOT MY MIND SET ON YOU」にはミュージック・ヴィデオもあって、2種類が制作されています。ひとつは、ゲーム・センターで少女の気を引こうとする少年を描いたもので、少女が観ているキネトスコープにジョージやジェフ・リンがバンドとして出ています。少年が少女の為にバレリーナの人形を取って、何故かその人形がキネトスコープのジョージたちのバンドに落ちて来て、少女が喜ぶと云う内容です。もうひとつは、ジョージがひとりで座ってフェンダー・テレキャスター・ギターで弾き語りしていて、間奏になるとジョージがバク転したりするのですけれど、スタントマンが演じているとバレバレです。「GOT MY MIND SET ON YOU」は、ジョージがビートルズの初期にカヴァーしようと考えていた楽曲で、レノン=マッカートニー作品のオリジナルが中心となった事で断念しています。それを25年越しに実現して大ヒットさせたわけです。アルバムのジャケットでは、ビートルズ時代に愛用していたグレッチ・デュオ・ジェットを持っていて、アルバムも全米8位・全英10位と大ヒットしました。ジェフ・リンのアドバイスもあったのでしょうけれど、ジョージはビートルズなのですから、こうしてビートルズをやれば売れるんですよ。

(小島イコ)

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2024年11月20日

「ポールの道」#560「GEORGE'S SINGLES」#24「WHEN WE WAS FAB / ZIG ZAG / THAT’S THE WAY IT GOES」

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1987年11月にダーク・ホース/ワーナーからリリースされたジョージ・ハリスンの5年ぶりの復帰アルバム「CLOUD NINE」は、先行シングルだった「GOT MY MIND SET ON YOU」が全米首位!・全英2位の特大ヒットとなり、アルバムも全米8位・全英10位と売れました。ジョージは1988年1月25日(英国)・同年1月30日(米国)・同年2月25日(日本)に、第2弾シングルとして「WHEN WE WAS FAB / ZIG ZAG」をリリースしています。こちらのシングルは全米23位・全英25位と、スマッシュ・ヒットしています。このシングルは、7インチ盤と、7インチの箱と、12インチ盤と、12インチのピクチャー盤と、8センチCDの、5種類でリリースされています。7インチは「WHEN WE WAS FAB / ZIG ZAG」のカップリングで、12インチとCDは、それに加えて「THAT'S THE WAY IT GOES」のリミックス・ヴァージョンと、「WHEN WE WAS FAB」のリヴァース・エンド・ヴァージョンが収録されています。12インチ盤とCDに収録された「WHEN WE WAS FAB」は「UNEXTENDED VERSION」と書いてありますが、つまりは「拡大していないヴァージョン」で、7インチ・シングルと2秒違うだけで、基本的には同じなので、シャレなんでしょう。

表題曲の「WHEN WE WAS FAB」のレコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、ギター、シタール)、リンゴ・スター(ドラムス)、ジェフ・リン(ギター、ベース、キーボード)、レイ・クーパー(パーカッション)、ボビー・コック(チェロ)、ゲイリー・ライト(ピアノ)です。「WHEN WE WAS FAB」は、ビートルズのパロディで、しかもジョージの曲を焼き直した「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」や「HERE COMES THE MOON」の様な路線ではなく、1967年のサイケデリック期のビートルズを意図的にパロディ化しています。具体的にはジョンが主導で書いた「レノン=マッカートニー作品」である「I AM THE WALRUS」や「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」などを下敷きにして、ジョージらしいシタールも使っています。12インチ盤に収録されている「リヴァース・エンド・ヴァージョン」は、エンディングが逆回転になっている長尺版で、ビートルズの1966年のアルバム「REVOLVER」なども思い起こさせる出来栄えになっています。ドラムスはリンゴ・スターが叩いていて、本物のビートルズの半分が参加しているので、ラトルズやユートピアでも本物には敵いません。

ジャケットもクラウス・フォアマンが手掛けていて、ビートルズのアルバム「REVOLVER」の1966年のジョージと1987年のジョージを描いたものとなっています。ミュージック・ヴィデオはゴドレイ&クレームが監督していて、1カメで長回しした様に見せかけて、色んな遊びが入っていて、壁の前でジョージがギターを弾いて歌っていると、リンゴ、ジェフ・リン、エルトン・ジョン、ポール・サイモン、レイ・クーパーなどが出て来て、中盤にはジョージ、リンゴに加えて、セイウチの被り物で左利きのリッケンバッカー・ベースを弾く人物が加わり、その前をニール・アスピノールがジョンのアルバム「IMAGINE」の裏ジャケットを持って通り過ぎる場面があって、つまりはビートルズの4人が再集結しています。セイウチの中身はジョージ自身が「ポールだ」と云っていたのに、ポールが「別人に代わってもらった」と暴露しちゃって、そう云う夢のない話はしないで欲しいですよ、サー・ポール・マッカートニー。MVの最後ではジョージが千手観音みたいになっちゃうのも見どころですし、高い評価を得ています。

ポール・サイモンの出演に関しては、ゴドレイ&クレームは「出演させた覚えはない」と云っていて、ロル・クレームに至っては「ポール・サイモンとは会った事もない」とまで云っていますが、ジョージとポール・サイモンは1976年に共演しているので、旧知の仲なのでありえない話ではありません。ちなみに、ゴドレイ&クレームは、10ccの前に「英国版のサイモン&ガーファンクル」として売り出されそうになった過去があります。B面になった「ZIG ZAG」は、映画「上海サプライズ」用にジョージが提供した楽曲のひとつで、アルバム未収録曲です。「ZIG ZAG」は、現在ではアルバム「CLOUD NINE」のボーナス・トラックとして収録されているので、容易に聴く事が出来ます。12インチ盤とCDに収録されている「THAT'S THE WAY IT GOES」は、1982年のアルバム「GONE TROPPO」に収録されていた曲をリミックスした音源です。この楽曲はジョージ自身が選曲したベスト盤「BEST OF DARK HORSE 1976-1989」にも収録されていたばかりか、1991年12月の来日公演でのセットリストの最終35曲に残り、リハーサルまでやったのに本番では演奏されなかった楽曲です。そうした事実を知ると、ジョージ自身は酷評されたアルバム「GONE TROPPO」を気に入っていたんだろうなあ、と思えます。

(小島イコ)

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2024年11月21日

空想格闘メタフィクション

「千秋万歳」第2部序章 NEW

其の那奈 ひき潮(下)



「第壱回・片瀬那奈・怪優グランプリ」のつづきの
「千秋万歳」序章のつづきの

西暦 2024年 西豪寺ホール

未亜:銀河系777億人の片瀬那奈ちゃんファンの皆さん、こんばんは!突然の美月組クーデターにより大混乱となったプロレスリング・エレナですが、選手層が厚いのですぐさま善後策を講じました!何事もなかったかのように、実況は姫川未亜、解説はお馴染みの小島イコさんでお送りいたします!まずは、大久保千秋に持ち逃げされたPWE王座のベルトの代わりに、暫定王者を決めるトーナメントを開催します!エントリーされたのは、西豪寺エレナ様、柏木礼奈、小野未来、檀上みき、の4選手です!

イコ:美月組として離脱したのは7名ですけれど、プロレスリング・エレナがしっかりと内部を固めないと、もっと離脱者が増える可能性があります。そこで、土下座正規軍のトップ4名でトーナメントをやる事になりました。それから、この話の流れが2024年に現実で起こった「スターダム」と「マリーゴールド」みたいだと思われる方々もいらっしゃるでしょうけれど、この草稿は10年も前に書いたんですよ。まあ、大昔からプロレス団体の離合集散はあったので、ジャパン・プロレスとかUWFとか、そっちを参考にしているわけで、2024年にたまたま、また現実世界でもあっただけなんですよ。

未亜:大久保千秋、美月うらら組長、平山まどか先生、冴島響子、高瀬リコ、姫様、藤田千秋、と、一度に7選手が離脱ですからね!7名ともメインエベンターばかりですから、本当は大打撃なんじゃないんですか!?姫様や藤田千秋と云った美月組以外の選手まで含まれていますよ!

イコ:いやいや、総勢100選手を超えるとも云われているプロレスリング・エレナは、たったの7選手が抜けてもびくともしませんよ。一刻も早く暫定王者を決めてですね、大久保千秋くんを引っ張り出したら、そりゃあ、もう、団体対抗戦となって、盛り上がるでしょうなあ。まあ、大久保千秋くんが持ち逃げしたベルトは剥奪出来るわけですけれど、敢えて泳がせて静観しよう、と云う西豪寺エレナ会長の親心なんですよ。姫様と藤田千秋くんに関しては、やはり大久保千秋くんと高瀬リコくんとの同期の絆が強かったのでしょう。

未亜:さて、トーナメントの第1試合は「西豪寺エレナ様VS柏木礼奈」です!現在、PWEタッグ王者同士の対決ですね!

イコ:タッグ・パートナーでプロレスリング・エレナのトップ同士ですから、お互いの手の内は知り尽くしていますね。

未亜:さあ、ゴングが鳴った!柏木礼奈がシアーハートアタック!速攻です!しかし、西豪寺エレナ様が冷静にかわして、元祖・トライアングルシューター!から元祖・ジェットコースターサドンデス!そのままフォールして57秒!秒殺で西豪寺エレナ様が勝ちました!

イコ:かなりセメントに近いスタイルでの一戦でしたね。

未亜:続いて、トーナメント第2試合は「小野未来VS檀上みき」ですが、ゴングが鳴ると、オーソドックスなスタイルで始まりました!おっと、檀上みきが土下座を出した!小野未来は仁王立ちで返して、未来式トライアングルシューター!そして、シャイニングトライアングルシューター!更に土下座と畳み掛け、1分27秒、テクニカルノックアウトで小野未来の勝ちです!

イコ:シューティング・スタイルの秒殺で2試合とも決まりましたね。コレはですね、美月組を意識していて、リアル・ファイトでも土下座正規軍はやれると云うアピールでしょうなあ。

未亜:あっと云う間に決勝となりました!まだ3分も経っていないので、カップ麺も食べられません!決勝は「西豪寺エレナ様VS小野未来」です!

イコ:おそらく、コレも秒殺でしょうね。

未亜:小島さんの予想通り、ゴングが鳴って手四つで組むと見せかけた西豪寺エレナ様が、小野未来のバックに回ってクロスロードスープレックス・エレナ型!内山理名レフェリーも、戸惑いながら三つカウントを叩いて、35秒で西豪寺エレナ様の優勝です!暫定王者は、西豪寺エレナ様で決まりだ!

イコ:新しいベルトは、7億7千万円もするそうですよ。

未亜:これで西豪寺エレナ様はPWEシングル暫定王者とPWEタッグ王者の2冠王となりました!名実ともにプロレスリング・エレナのエースです!

イコ:本当に強い選手が頂点に立つべきなんですよ。西豪寺エレナ様には、これまでは無理を云って大会を盛り上げる為に寝てもらった事もありましたけれども、ファンは西豪寺エレナ様の真の強さを知っているので、例え試合で負けても称賛されてはきました。美月組として離脱した連中と、もしも再び相まみえる時が来たならば、今回の様に妥協する事のないファイトで魅せてくれるでしょう。

未亜:離脱した美月組は、今後は「MZG」と名称を改めて、旗揚げ戦の準備をしているとの情報が入りました!メインエベントは「大久保千秋VS美月うらら組長」で、全4試合が全てシングル・マッチとなり、選手が7名しかいないので、美月うらら組長が第1試合とメインエベントのダブルヘッダーとなる見込みです!それでも4試合しか組めないわけですね!旗揚げ戦から苦しい船出ですね!

イコ:選手層の厚さでは、プロレスリング・エレナには太刀打ちできませんね。旗揚げ戦のメインエベントで、早くも切り札である「大久保千秋くんVS美月うららくん」をマッチメイクしなければならないコマ不足はイタイでしょう。まあ、旗揚げ戦は西豪寺ホール並みの千五百人程度の箱ならば、ご祝儀で超満員札止めになるでしょうけれど、問題はその後ですなあ。

未亜:しかし、見方によれば、プロレスリング・エレナには大所帯であるがゆえに試合に出れなくてくすぶっている選手も多くいますよね!彼女たちが「MZG」ならばチャンスがあると考えて移籍するんじゃないですかね!

イコ:そんなポンコツ・レスラーじゃ「MZG」に移っても無理でしょう。但し、MZGへの移籍者は、もう少し増えるとは思いますよ。旗揚げ戦には、西豪寺エレナ様と柏木礼奈くんが観戦に招待されているので行く予定ですし、美月うららくんからあたくしたちに実況と解説の依頼もきているんですよ。

未亜:MZGの旗揚げ戦全4試合のカードが、たった今発表されましたけれど、これを放送してもいいんでしょうか!?

イコ:大丈夫ですよ。なにせ、MZGのスポンサーは西豪寺グループなんですからね。そうじゃなければ、契約期間が満了していない選手たちを独立させたりしませんよ。

未亜:何やらキナ臭い独立騒動なんですね!では、MZGの旗揚げ全4試合を発表します!第1試合「美月うらら組長VS冴島響子」、第2試合「藤田千秋VS高瀬リコ」、第3試合セミファイナル「平山まどか先生VS姫様」、そして第4試合メインエベント「大久保千秋VS美月うらら組長」です!

イコ:4試合とも、メインエベント級の好カードですね。まあ、お手並み拝見ですなあ。

未亜:今回はこの辺でお開きです!実況は姫川未亜、解説は小島イコさんでお送りいたしました!それでは、ごきげんよう、さようなら!


以 下、「千秋万歳」第2部第1章につづく

DEMO 2014−9−13
MIX 2024−11−21


(小島イコ/姫川未亜)


空想格闘メタフィクション


「千秋万歳」第2部第1章 
COME AND GET IT

其の一 あの娘におせっかい(上)

YOU !

HEY EVERYBODY 
GOT BACK !

ON 2024・12・X

SINCE 2013・11・7


DE IMAGEN NO INC. A CADA*** CON AMOR

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「ポールの道」#561「GEORGE'S SINGLES」#25「THIS IS LOVE / BREATH AWAY FROM HEAVEN / ALL THOSE YRARS AGO / HONG KONG BLUES」

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1987年11月にダーク・ホース/ワーナーからリリースされたジョージ・ハリスンのアルバム「CLOUD NINE」は、先行シングル「GOT MY MIND SET ON YOU」の大ヒット(全米首位!・全英2位)でジョージの大復活作となり、1988年1月には第2弾シングル「WHEN WE WAS FAB」をリリースして全米23位・全英25位とそこそこ売れました。ジョージはアルバムからの第3弾シングルとして、1988年6月13日(英国)・同年7月25日(日本)に「THIS IS LOVE」をリリースしました。全英55位まで上がった「THIS IS LOVE」は、エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)のジェフ・リンとジョージの共作で、ジェフ・リンが書いた曲の断片をジョージがまとめて1曲にしたもので、二人の共同プロデュースでのアルバム「CLOUD NINE」の中では最も「ELO」風な楽曲となっています。「THIS IS LOVE」のレコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、ギター)、ジェフ・リン(バッキング・ヴォーカル、ベース、ギター、キーボード)、ジム・ケルトナー(ドラムス)、レイ・クーパー(タンバリン)です。

アルバム「CLOUD NINE」は、ジョージとジェフ・リンの二人がベーシック・トラックを多重録音していて、ドラマーはジム・ケルトナーもしくはリンゴ・スター、パーカッションにレイ・クーパー、ギターでエリック・クラプトン、ピアノでエルトン・ジョンやゲイリー・ライト、サックスにジム・ホーンと云ったお馴染みの面々がサポートしています。「THIS IS LOVE」もミュージック・ヴィデオが制作されていて、海沿いの岩場でジョージがギターで弾き語りしていて、途中からピクニックに参加して、再び岩場で演奏すると云う内容です。ジョージのダーク・ホース時代の作品を集めた2004年リリースの箱「THE DARK HORSE YEARS 1976-1992」にはDVDがオマケで付いていて、「THIS SONG」と、「CRACKERBOX PALACE」と、「FASTER」と、「GOT MY MIND SET ON YOU」2種と、「WHEN WE WAS FAB」と、「THIS IS LOVE」のミュージック・ヴィデオをまとめて観る事が出来ます。これからジョージを聴く方々は、とりあえず「THE APPLE YEARS 1968-1975」と「THE DARK HORSE YEARS 1976-1992」の箱を二つ買ってしまう事をオススメします。オマケのDVDは単品でも買えましたけれど、全曲集に近い内容なので、チマチマとバラ売りで揃える心算ならば、箱を買う方が良いですよ。アルバム「電子音楽の世界」なんて、バラでは買う気もおきないでしょう。

シングル「THIS IS LOVE」は、7インチ盤、12インチ盤、CD、の3種でのリリースで、7インチ盤のB面はアルバム「CLOUD NINE」からのシングル・カットとなった「BREATH AWAY FROM HEAVEN」です。12インチ盤ではA面が「THIS IS LOVE」で、B面に「BREATH AWAY FROM HEAVEN」と、1981年リリースのアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」からのジョンへの追悼曲「ALL THOSE YEARS AGO」が収録されています。更にCDシングルには、12インチ盤の3曲に加えて、やはり1981年リリースのアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」から、ホーギー・カーマイケルのカヴァー「HONG KONG BLUES(香港ブルース)」を収録した4曲入りです。「香港ブルース」は、細野晴臣さんが1976年リリースのアルバム「泰安洋行」でカヴァーしている事でも知られています。ジョージは第1弾シングル「GOT MY MIND SET ON YOU」のB面にはアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」から差し替えになった4曲中の1曲である「LAY HIS HEAD」を、第2弾シングル「WHEN WE WAS FAB」のB面には映画「上海サプライズ」に提供した楽曲のひとつである「ZIG ZAG」と、アルバム未収録曲を入れていたし、「GOT MY MIND SET ON YOU」と「WHEN WE WAS FAB」には12インチ・ヴァージョンもあったので、アルバムのリリースから半年以上も経ってから全てがアルバム既出音源だけとなったシングル「THIS IS LOVE」は不評でした。

ところが、ジョージは当初はシングル「THIS IS LOVE」のカップリングとして、アルバム未収録の新曲で新録の「HANDLE WITH CARE」を用意していて、ジョージ、ジェフ・リン、ロイ・オービソン、ボブ・ディラン、トム・ペティの布陣で、ボブ・ディランのスタジオでレコーディングしていたのです。ドラマーは、ファン倶楽部ネタでお馴染みのジム・ケルトナーで、超豪華絢爛なメンバーです。しかし、シングルのB面でカップリング曲にするには勿体ない出来栄え(そんなの、当たり前じゃん!)だったので、シングル「THIS IS LOVE」には収録せずに、5人で覆面バンドを組む事になったわけですなあ。それが「トラヴェリング・ウィルベリーズ」となるのですけれど、アルバムまで制作したのは、ワーナーの要望でした。のんびりとジョージの新作アルバムを待ってくれていたワーナーは、アルバム「CLOUD NINE」が売れたので、ここぞとばかりにジョージで儲けようとしたわけですなあ。それから、ジョージはアルバム「CLOUD NINE」からは、表題曲の「CLOUD 9」と「DEVIL'S RADIO」もプロモーション・シングルとしてリリースしていて、2曲共に1991年12月の来日公演でも披露しています。

(小島イコ)

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2024年11月22日

「雲霧仁左衛門3」第一回、第二回(再)で内山理名ちゃん

Deep Purple Stormbringer


時代劇専門チャンネル 14:00〜15:45

第一回「嵐の予感」
第二回「新たなる盗め」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門3」第一回と第二回の、今年3回目の再放送です。原作小説の内容は、前作である「雲霧仁左衛門2」までで描き切っているので、此の「雲霧仁左衛門3」からはオリジナル脚本となっております。その後もシリーズは続き「雲霧仁左衛門6」まで制作されていますが、残念ながら理名ちゃんが演じる七化けのお千代姐さんの出演は「雲霧仁左衛門5」までで、昨年(2023年)の「雲霧仁左衛門6」には、京が舞台だった事もあり登場していません。それはお千代姐さんだけではなく、雲霧一党の数名が出番なしでした。是非とも「雲霧仁左衛門7」では、お千代姐さんも復活して欲しいものですなあ。

本放送:2017年1月6日1月13日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

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