nana.812.png

2024年11月01日

「雲霧仁左衛門2」第五回、第六回(再)で内山理名ちゃん

incolor.jpg


時代劇専門チャンネル 14:00〜15:45

第五回「甘い罠」
第六回「越後屋潜入」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門2」第五回と第六回の、今年3回目の再放送です。第五回では、敵対盗賊組織の女に騙された伊助を、理名ちゃんが演じる七化けのお千代姐さんが助けます。伊助は盗賊の一味と誤解されて、手配書が出回ってしまいます。更に自分が女に騙されていた事も知ってしまいますが、お千代姐さんは乱闘の時に伊助を手刀一発で気絶させます。雲霧一党は敵対盗賊組織を殲滅して、伊助はお千代姐さんに見送られて江戸を離れます。やはり最大の見せ場はお千代姐さんの秘めたる戦闘能力が明かされた手刀の場面で、流石は雲霧一党で、化けるだけではなかったと云う事です。

第六回では、雲霧仁左衛門が最後の標的を越後屋に定めて、富の市を引き込み役にします。しかし越後屋に気に入られた富の市は、欲が出てしまい錠前を外す事が出来ません。そんな中で雲霧仁左衛門の兄が登場して、雲霧仁左衛門の過去が明かされ、何故盗賊になったのかが分かります。理名ちゃんが演じる七化けのお千代姐さんは目立った活躍はないものの、雲霧仁左衛門にお茶を運んだり、手配書が出回って顔を変えようと焼いてしまった六之助の手当てをしたりと、内助の功で魅せます。

本放送:2015年3月6日、3月13日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

posted by 栗 at 15:45| RINA | 更新情報をチェックする

「IP〜サイバー捜査班」第9話(最終話)(再)で内山理名ちゃん



テレ朝チャンネル1 19:00〜20:00

IP_FINAL「ディープフェイク」

内山理名 AS 桐子香澄

「IP〜サイバー捜査班」第9話(最終話)の、今年9回目の再放送です。前回からのつづきで、理名ちゃんが演じた桐子香澄警視正は、機密情報漏洩をネタに犯人に脅されて、ディープフェイク動画を使った犯罪に加担させられていたと判明します。其の証言をしたところで出番は終了で、後半は拉致監禁された「まいんちゃんを救え!」になっています。それで、桐子香澄警視正が最後に「絶対に犯人を捕まえて下さい!」と云ったら、佐々木蔵之介さんが演じた安洛主任が「そんな当たり前の事を聞いている暇はない!」とか返して、酷い事を云うなあ、と思ったら、どうやらその云い回しが決めセリフだったみたいです。まいんちゃんが安洛主任の娘だと云う事も、みんな知っていて、第8話と最終話だけ観ているとよく分からないところも、当たり前ですが、あります。

本放送:2021年9月16日(テレビ朝日)

(姫川未亜/小島イコ)

posted by 栗 at 20:00| RINA | 更新情報をチェックする

「ポールの道」#361「GEORGE'S SINGLES」#05「GIVE ME LOVE(GIVE ME PEACE ON EARTH) / MISS O’DELL」

リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド


ジョージ・ハリスンは、英国では1973年5月7日に、米国では同年5月25日に、2年ぶりのシングル「GIVE ME LOVE(GIVE ME PEACE ON EARTH) / MISS O’DELL」を、アルバム「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」からの先行シングルとしてアップルからリリースしています。1970年11月にリリースしたアナログ3枚組の大作アルバム「ALL THINGS MUST PASS」と、1971年8月1日のライヴ盤で1971年12月にリリースしたアナログ3枚組「THE CONCERT FOR BANGLA DESH」と、ジョージは派手な箱入りアルバムを連続してリリースしていたわけですが、スタジオ・アルバムとしては3年ぶりとなったのが、1973年6月22日にリリースされたアルバム「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」です。収録曲は、A面が、1「GIVE ME LOVE(GIVE ME PEACE ON EARTH)」、2「SUE ME, SUE YOU BLUES」、3「THE LIGHT THAT HAS LIGHTED THE WORLD」、4「DON'T LET ME WAIT TO LONG」、5「WHO CAN SEE IT」、6「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」で、B面が、1「THE LORD LOVES THE ONE(THAT LOVES THE LORD)」、2「BE HERE NOW」、3「TRY SOME BUY SOME」、4「THE DAY THE WORLD GETS ’ROUND」、5「THAT IS ALL」の、全11曲入りで全曲ジョージ作です。

A面1曲目に収録されて先行シングルとなった「GIVE ME LOVE(GIVE ME PEACE ON EARTH)」のレコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、アコースティック・ギター、スライド・ギター、バッキング・ヴォーカル)、ニッキー・ホプキンス(ピアノ)、ゲイリー・ライト(オルガン)、クラウス・フォアマン(ベース)、ジム・ケルトナー(ドラムス)です。アルバムには他にも、リンゴ・スター(ドラムス、パーカッション)、ジム・ホーン(サクソフォン、フルート、ホーン・アレンジメント)、ザキール・フセイン(タブラ)、ジョン・バーハム(オーケストラル・アレンジメント、コーラス・アレンジメント)、レオン・ラッセル(ピアノ)、ジム・ゴードン(ドラムス、タンバリン)、バッドフィンガーのピート・ハム(アコースティック・ギター)などが参加しています。ジョージも他の曲では、ドブロ・ギターやシタールなども弾いています。アルバムのプロデュースは前作同様にジョージとフィル・スペクターの共同でやる予定でしたが、この頃のフィル・スペクターは奇行が目立っていたので、ロニー・スペクター用のオケを流用した「TRY SOME BUY SOME」以外は、ジョージの単独プロデュースとなっています。

それで、シングル「GIVE ME LOVE(GIVE ME PEACE ON EARTH)」は、全英2位・全米首位!と大ヒットしていて、その前の全米首位!はポール・マッカートニー&ウイングスの「MY LOVE」で、その次の全米首位!はビリー・プレストンの「WILL IT GO ROUND IN CIRCLES」です。そして、1973年にはジョージとリンゴ・スターが共作したリンゴのシングル「PHOTOGRAPH(想い出のフォトグラフ)」も全米首位になっていて、こうした流れになったのは、1973年4月にビートルズの初のオールタイム・ベスト盤「THE BEATLES 1962-1966」(「赤盤」)と「THE BEATLES 1967-1970」(「青盤」)がリリースされて大ヒットとなり、同年5月にはポール・マッカートニー&ウイングスのアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」(シングル「MY LOVE」を収録)が出て、同年6月にジョージのアルバム「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」が出て、同年11月にジョンのアルバム「MIND GAMES」が出て、同年11月にはリンゴのアルバム「RINGO」が出て、同年12月にポールのアルバム「BAND ON THE RUN」が出て、ちょっとした「ビートルズ・リバイバル」となっていた為です。実は、ジョージのアルバムはもっと早く完成していたのですが、アップルに「赤盤」と「青盤」やポールのアルバムとバッティングしない様に発売延期にされています。「赤盤」と「青盤」は、ジョージが選曲した事になっていましたが、実際にはアラン・クレインの部下が選曲しています。

ビートルズが解散したのに、未だにポールのアルバムが優先されたのは、ジョージにとっては屈辱的だったでしょうけれど、そのポールもビートルズの「赤盤」と「青盤」を優先されていて、しかもポールはアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」をアナログ2枚組でリリースしたかったのに、アップルの意向で1枚にされています。つまり、どちらもビートルズが優先順位では上だったわけですなあ。コレは、2024年の現在でも変わらず、まずはビートルズで、ソロは二の次なのです。ジョージのシングル「GIVE ME LOVE(GIVE ME PEACE ON EARTH)」は、最初の全米首位!シングル「MY SWEET LORD」と同様に神を歌っている曲で、歌詞はかなりぶっ飛んでいると思うのですが、楽曲自体は美しいメロディーで、ジョージのスライド・ギターも良いけれど、クラウス・フォアマンによるベースもいい感じです。B面の「MISS O'DELL」は、実在の女性秘書を歌っていて、ジョージが途中で笑いながら歌っているチャーミングな曲です。笑わずに歌っているテイクもあるので、敢えて笑ってしまったテイクを採用しています。この「MISS O'DELL」はアルバム未収録曲ですが、現在ではアルバム「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」のボーナス・トラックとして収録されています。アルバム「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」は、今年(2024年)11月15日に50周年記念盤がリリースされるので、楽しみですけれど、箱は高いし、ビートルズやナイアガラの箱でもう置き場所もないし、2枚組でいいかな、と思っています。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

2024年11月02日

「雲霧仁左衛門4」第一回、第二回(再)で内山理名ちゃん

METAL RESISTANCE(初回生産限定盤)(DVD付)


時代劇専門チャンネル 9:00〜10:45

第一回「大盗賊と御落胤」
第二回「米問屋襲撃」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門4」第一回と第二回の、今年2回目の再放送です。どうやら今回の再放送は「雲霧仁左衛門4」までの様で、金曜日の再放送の前に土曜日にも再放送されています。原作は「雲霧仁左衛門2」までで描き切っているので、前作だった「雲霧仁左衛門3」からは原作の設定だけ残して、脚本はオリジナルとなっています。故にこの「雲霧仁左衛門4」では天一坊が登場していたり、次の「雲霧仁左衛門5」では大奥が絡んだ話となっていたりして、同じく江戸時代ですけれど、雲霧仁左衛門と雲霧一党や、安部式部と火付盗賊改方は、時空を超えて登場している様な気もします。あくまでも、娯楽時代劇と云う事なのでしょう。この「雲霧仁左衛門4」は、天一坊がやらかしてしまったので、地上波での再放送はなしとなったシリーズです。第一回では天一坊が登場して、第二回では雲霧一党が米問屋を襲撃するのですが、最初は火付盗賊改方が待ち構えていて失敗するものの、裏をかいて2度目で成功します。

本放送:2018年9月7日9月14日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

posted by 栗 at 10:45| RINA | 更新情報をチェックする

「雲霧仁左衛門4」第七回(最終回)(再)で内山理名ちゃん



時代劇専門チャンネル 17:00〜18:00

第七回(最終回)「最期の掟」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門4」第七回(最終回)の、今年初めての再放送です。最終回ですので、クライマックスは雲霧仁左衛門と安部式部の一騎打ちとなります。立場的には安部式部が正義で実際に黒幕たちも成敗するのですが、最後になって理名ちゃんが演じるお千代姐さんを人質にとる非道な手口を使うので、またしてもどっちが悪者なのか分からなくなります。そこでお千代姐さんは雲霧仁左衛門を助ける為に、あっと驚く自害をしてしまいます。しかしながらヒロインであるお千代姐さんが死んでしまったら、流石にオリジナル脚本とは云え先に続きません。相打ちで先に立ち上がった雲霧仁左衛門と共に船に揺られて、自害はフェイクだったと明かされるのでした。

ところで、毎週「FRIDAY」を、櫻坂46の「櫻撮」目当てに買っているのですけれど、今週号(2024年11月15日号)に吉田栄作さんのスペシャル・インタビュー記事が掲載されていて、奥さん(理名ちゃん)とのラヴラヴ生活も語っております。

本放送:2018年10月19日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

posted by 栗 at 18:00| RINA | 更新情報をチェックする

「ポールの道」#362「GEORGE'S SINGLES」#06「DARK HORSE / I DON'T CARE ANYMORE」「DARK HORSE / HARI'S ON TOUR(EXPRESS)」

ダーク・ホース


1974年11月2日から同年12月20日まで、ジョージ・ハリスンは全45公演のカナダ及び北米ツアーを行いました。元ビートルズのメンバーとしては初めての北米ツアーであって、1970年代前半のジョージは「ビートルズが解散して一番得をした男」と称されていて、絶好調でした。そこで、ジョージは北米ツアーに先駆けてニュー・アルバム「DARK HORSE」をアップルからリリースする予定だったのですけれど、ツアーの準備と並行してのレコーディングは遅れてしまい、米国での先行シングル「DARK HORSE / I DON'T CARE ANYMORE」は1974年11月18日のリリースとなり、アルバム「DARK HORSE」も同年11月20日になってようやくリリースされていて、つまりは北米ツアーも中盤以降になってやっと出せたのです。シングルA面「DARK HORSE」のレコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、ギター)、ロベン・フォード(ギター)、ビリー・プレストン(エレクトリックピアノ)、ウィリー・ウィークス(ベース)、アンディ・ニューマーク(ドラムス)、エミル・リチャーズ(パーカッション)、チャック・フィンドレー(フルート)、ジム・ホーン(フルート)、トム・スコット(フルート)、ジム・ケルトナー(ハイハット)、ロン・ヴァン・イートン(バッキング・ヴォーカル)、デレク・ヴァン・イートン(バッキング・ヴォーカル)、オリヴィア・アライアス(バッキング・ヴォーカル)です。オリヴィアさんは、後のジョージ夫人です。

米国では「DARK HORSE」が先行シングルで「I DON'T CARE ANYMORE」はアルバム未収録曲でしたが、英国や日本では第2弾シングルで、そちらのB面はアルバム1曲目の「HARI'S ON TOUR(EXPRESS)」でした。ツアー準備にレコーディングに加えて、例の「MY SWEET LORD」盗作問題や、親友であるエリック・クラプトンと不倫関係となった妻・パティ・ボイドとの別居など、公私共に多忙で、ジョージは声を潰してしまい、「DARK HORSE」では別人の様な声で歌っています。それでも、どうにか全米15位まで上がってスマッシュ・ヒットとなってはいますけれど、ついこないだまで「MY SWEET LORD」や「GIVE ME LOVE(GIVE ME PEACE ON EARTH)」で全米首位!となっていたジョージにしては低い成績となっています。それでもアルバムは全米4位となっているものの、英国ではチャート入りしていません。どうも、この辺からジョージの不遇時代が始まっていた様です。アルバムの内容は、A面が、1「HARI'S ON TOUR(EXPRESS)」、2「SIMPLY SHADY」、3「SO SAD」、4「BYE BYE LOVE」、5「MAYA LOVE」で、B面が、1「DING DONG, DING DONG」、2「DARK HORSE」、3「FAR EAST MAN」、4「IT IS HE(JAI SRI KRISHNA)」の、全9曲入りで、「BYE BYE LOVE」はエヴァリー・ブラザーズのカヴァーで、名曲「FAR EAST MAN」がジョージとロン・ウッドの共作で、他は全てジョージのオリジナルです。何度も云いますけれど、超名曲である「FAR EAST MAN」が収録されているだけでも価値があります。

北米ツアーは不評だったのですけれど、あたくしが持っているCD2枚組のブートレグ(1974年11月4日のシアトル公演)だと、CD1が、1「HARI'S ON TOUR(EXPRESS)」、2「SOMETHING」、3「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」(1〜3、ジョージ)、4「WILL IT GO ROUND IN CIRCLES」(ビリー・プレストン)、5「SUE ME SUE YOU BLUES」(ジョージ)、6「ZOOM, ZOOM, ZOOM」、7「JAI SRI KALIJ」、8「NADERDANI」、9「CHEPARTE」、10「ANURAG」、11「DISPUTE AND VIOLENCE」(6〜11、ラヴィ・シャンカール)で、CD2が、1「I AM MISSING YOU」(ラヴィ・シャンカール)、2「FOR YOU BLUE」、3「GIVE ME LOVE(GIVE ME PEACE ON EARTH)」、4「SOUND STAGE OF MIND」、5「IN MY LIFE」(2〜5、ジョージ、4はジョージ作のインストゥルメンタル曲)、6「TOM CAT」(トム・スコット)、7「MAYA LOVE」(ジョージ)、8「NOTHING FROM NOTHING」(ビリー・プレストン)、9「DARK HORSE」(ジョージ)、10「OUTTA SPACE」(ビリー・プレストン)、11「WHAT IS LIFE」、12「MY SWEET LORD」(11〜12、ジョージ)の、全23曲となっています。その内で、ジョージが主導なのは約半数の12曲です。ビリー・プレストンによる3曲は、いずれも大ヒット曲なので、要するに不評だった原因は、ラヴィ・シャンカール先生を中心としたインド音楽のパートが中盤に延々と続くからでしょう。熱演ではあるし観客も盛り上がってはいるし、歌入りもあるのでまだ聴き易いとは云え、ラヴィ・シャンカール先生、7連発はキツイっすよ。

このツアーの為に作った冒頭のインストゥルメンタル曲「HARI'S ON TOUR(EXPRESS)」で軽快に始まり、2曲続けてビートルズ・ナンバーの切り札とも云うべき「SOMETHING」から「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」と惜しげもなく披露して、ビリー・プレストンの全米首位!の大ヒット曲「WILL IT GO ROUND IN CIRCLES」からジョージの「SUE ME SUE YOU BLUES」までの流れはノリノリで完璧ですが、その後にラヴィ・シャンカール先生の「ビロ〜ン」が7曲もつづくよどこまでも、な展開は、CDやDVDでも飛ばしてしまいます。こんな事を云うと、アルバム「DOUBLE FANTASY」は通して聴け!とか云うおせっかいな評論家に、ラヴィ・シャンカール先生の曲も通して聴け!とか云われそうですが、余計なお世話なのです。そして「FOR YOU BLUE」からのロック編成では、大いに盛り上がってイイ感じです。特にビリー・プレストンがノリノリで、ラヴィ・シャンカール先生の事をすっかり忘れてしまう様な熱演です。ズバリ云って、北米ツアーが不評でジョージがその後17年間もツアーをやらなくなったのは、ラヴィ・シャンカール先生の曲がライヴの半分もあったからで、ジョージとしては自分と先生のジョイント・ツアーのつもりだったと云っていても、観客が求めていたのは「元ビートルズのジョージ」だったのです。故に、ソレをジョージが自覚して行ってくれた1991年12月の来日公演は、余りにも感動的でした。まあ、北米ツアーでのジョージは、レノン=マッカートニー作品の「IN MY LIFE」で歌詞を改変したり、自作曲の歌詞を変えたり、メロディーを崩して歌っていたりして、ソレも不評だった原因なんですけれどね。当時は、ライヴでは「如何にレコードと同じに再現するか」が、価値基準のひとつだったのです。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

2024年11月03日

「ポールの道」#363「GEORGE'S SINGLES」#07「DING DONG, DING DONG / I DON'T CARE ANYMORE」「DING DONG, DING DONG / HARI'S ON TOUR(EXPRESS)」

dingdong.jpg


1974年11月20日にアップルからリリースされたジョージ・ハリスンのアルバム「DARK HORSE」からは、米国では先行シングルとして「DARK HORSE / I DON'T CARE ANYMORE」が同年11月18日にリリースされましたが、英国(1974年12月6日)や日本(1975年1月20日)では、「DING DONG, DING DONG(ディン・ドン) / I DON'T CARE ANYMORE」が第1弾シングルとしてリリースされました。アルバム未収録曲のB面「I DON'T CARE ANYMORE」は米国シングルの「DARK HORSE」と同じで、英国(1975年2月28日)や日本(1975年3月20日)では第2弾シングルだった「DARK HORSE」のB面は「HARI'S ON TOUR(EXPRESS)」で、米国(1974年12月23日)での第2弾シングルだった「DING DONG, DING DONG」のB面が「HARI'S ON TOUR(EXPRESS)」となっていて、ややこしいのですけれど、ジョージのシングルでは後々までこうしたカップリングが違う事が多かった印象です。日本盤のシングルのジャケット写真は、1974年の北米ツアーのステージで、これだけ見るとなかなか盛り上がっている感じだし、変な帽子を被っているのに似合っているジョージもカッコイイし、準主役だったビリー・プレストンも目立っています。しかしながら、チャートの成績は、米国では36位、英国では38位までしか上がっていません。ジョージがアコースティック・ギターで弾き語りしているアルバム未収録曲「I DON'T CARE ANYMORE」は、現在ではアルバム「DARK HORSE」にボーナス・トラックとして収録されています。

シングル「DING DONG, DING DONG」のレコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、ギター)、ミック・ジョーンズ(ギター)、アルヴィン・リー(ギター)、ロン・ウッド(ギター)、ゲイリー・ライト(ピアノ)、クラウス・フォアマン(ベース)、リンゴ・スター(ドラムス)、ジム・ケルトナー(ドラムス)、トム・スコット(ホーン)です。ロン・ウッドが参加しているのは、名曲「FAR EAST MAN」を共作しているからでしょう。楽曲には「ウェストミンスターの鐘」が引用されていて、ポール・マッカートニーもウイングスの1976年リリースのアルバム「WINGS AT THE SPEED OF SOUND」のA面1曲目でシングル・カットもして大ヒットした「LET ’EM IN(幸せのノック)」のイントロに、チャイムの音で引用している、あのメロディーです。レコスケくん風に云うと、アレもポールの意地悪だそうです。ジョージの曲の方はサビのメロディーまでそのまんまで、まあ、覚えやすいと云ったらいいんでしょうけれど、余りにも捻りがないので、困ったちゃんなのです。米国ではリリースが1974年12月23日になっちゃったので、北米ツアーは終わっていました。北米ツアーは1974年11月2日から同年12月20日まで、27都市で全45公演が行われていて、1か月半強の日程での45公演なので、昼夜二回公演もあり、ジョージもバンドのメンバーもヘトヘトだったでしょう。

その北米ツアーのメンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、エレキ・ギター、アコースティック・ギター)、ビリー・プレストン(ヴォーカル、オルガン、クラヴィネット、シンセサイザー)、ロベン・フォード(エレキ・ギター、アコースティック・ギター)、ウィリー・ウィークス(ベース)、アンディ・ニューマック(ドラムス)、バンマスだったトム・スコット(サックス、フルート)、チャック・フィンドレイ(トランペット)、エミル・リチャーズ(パーカッション)で、他にラヴィ・シャンカール先生のパートでは多くのインド音楽ミュージシャンが参加しています。ジョージのパートに関しては、アルバム「DARK HORSE」の主要メンバーをそのまんまステージに上げた超豪華な布陣で、実際の演奏も素晴らしい出来栄えだと思います。しかし、不評だったからか、ジョージはこの時の音源をレコーディングしていたのに「HARI'S ON TOUR(EXPRESS)」と「FOR YOU BLUE」の2曲だけ、しかも豪華本のオマケとしてしか公式リリースしていません。ジョン・レノンやポール・マッカートニーも12月になってからの公演を観に来ていて、あのジョンが「云われている程には酷くない。ジョージの声は枯れていたけれど、良いムードで演奏も良かった」と云っていて、ジョンがジョージに気を遣ってお世辞を云うわけがないので、本当に云われている程に酷くはないどころか、かなりイイ感じなのは、ブートレグで聴けば分かります。

それで、話は遡って1962年1月1日に行われたビートルズが受けた「デッカ・オーデイション」なのですけれど、全15曲が演奏されていて、その内「THE SHEIK OF ARABY」と「THREE COOL CATS」と「TAKE GOOD CARE OF MY BABY」と「CRYING, WAITING, HOPING」の4曲をジョージが歌っています。ジョンが4曲で、ポールが7曲と、ポールが多いのですけれど、ソレはブライアン・エプスタインに行儀が良くて大人しい曲を演奏する様に云われていたからで、ジョンはロックンローラーなので余り歌っていないのです。それにしてもジョージのヴォーカル曲が多くて、ゴフィン&キング作でボビー・ヴィーのカヴァー「TAKE GOOD CARE OF MY BABY」や、バディ・ホリーのカヴァー「CRYING, WAITING, HOPING」などは、なかなかどうして素晴らしい出来栄えです。デッカとしては、もしもビートルズを合格させたならば「ジョージ・ハリスン&ザ・ビートルズ」として売り出したかもしれません。ビートルズのデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」ではゴフィン&キング作でクッキーズの「CHAINS」を歌っているし、2作目のアルバム「WITH THE BEATLES」でも、ドネイズなんて云うマイナーなガールズ・グループのシングルB面曲「DEVIL IN HER(HIS) HEART」を歌っているので、ジョージは相当のガールズ・グループのマニアです。故に、シフォンズの「HE'S SO FINE」を知らないわけがないんだよなあ。北米ツアーでの「MY SWEET LORD」は、ジョージとビリー・プレストンがデュエットしていて、完全なるオリジナル曲となっています。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

2024年11月04日

「ポールの道」#364「GEORGE'S SINGLES」#08「YOU / WORLD OF STONE」

ジョージ・ハリスン帝国


元ビートルズのメンバーとしては初の北米ツアー(1974年11月2日〜12月20日、全45公演)を終えたジョージ・ハリスンは、1975年9月22日(米国)、同年10月3日(英国)、同年10月20日(日本)に、アルバム「EXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)(ジョージ・ハリスン帝国)」をアップルからリリースしました。翌1976年2月でビートルズ時代の1967年に交わした9年間の契約が満了するので、このアルバム「EXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)」は元ビートルズのオリジナル・アルバムとしては最後の作品となっていて、リンゴのマークが芯だけになっていると云う、ジョージらしい遊び心もあります。アルバムの内容は、A面が、1「YOU(二人はアイ・ラヴ・ユー)」、2「THE ANSWER'S AT THE END(答は最後に)」、3「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)(ギターは泣いている)」、4「OOH BABY(YOU KNOW THAT I LOVE YOU)(ウー・ベイビー、わかるかい)」、5「WORLD OF STONE(悲しみの世界)」で、B面が、1「A BIT MORE OF YOU(君を抱きしめて)」、2「CAN'T STOP THINKING ABOUT YOU(つのる想い)」、3「TIRED OF MIDNIGHT BLUE(哀しみのミッドナイト・ブルー)」、4「GREY CLOUDY LIES(暗い偽り)」、5「HIS NAME IS “LEGS”(LADIES & GENTLEMAN)(主人公レッグス)」の、全10曲です。

A面1曲目の「YOU(二人はアイ・ラヴ・ユー)」は、B面1曲目の「A BIT MORE OF YOU(君を抱きしめて)」でリプライズされていて、シングル「YOU(二人はアイ・ラヴ・ユー) / WORLD OF STONE(悲しみの世界)」は、1975年9月15日に先行シングルとしてアップルからリリースされています。前述の通り、アルバムではA面1曲目とB面1曲目に収録されている「YOU」は、アルバムの核となった名曲ですが、この曲は1971年にロニー・スペクターの為にジョージが書いたものです。レコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、ギター)、レオン・ラッセル(ピアノ)、ゲイリー・ライト(エレクトリック・ピアノ)、カール・レイドル(ベース)、ジム・ゴードン(ドラムス)、ジム・ケルトナー(ドラムス)、ジム・ホーン(サックス)、デイヴィッド・フォスター(オルガン、シンセサイザー)です。ベーシック・トラックは1971年にロニー・スペクター用としてレコーディングされていて、キーが高いのでテープ・スピードを落としてジョージが歌入れして元のスピードに戻しているので、ジョージの声が甲高くなっています。参加メンバーでも分かる通り、ジョージの1970年11月リリースのアルバム「ALL THINGS MUST PASS」に近いメンバーでのベーシック・トラックに、デイヴィッド・フォスターがシンセサイザーなどをダビングして完成させた楽曲です。

全米20位・全英38位と、かつての栄光と比べたら低い成績ではありましたが、ズバリ云って「YOU」は名曲です。1991年12月の来日公演では演奏されていないし、ジョージはこの曲を一度もライヴで披露した事がありませんが、ソレは前述した様なレコーディングだったので、そもそもライヴでは再現不可能だったのです。EMIが1976年11月に勝手に選曲して出した「THE BEST OF GEORGE HARRISON」は、「BANGLA-DESH」のシングル・ヴァージョンと、この「YOU」を収録している点では高評価出来ます。今年(2024年)に再発されたので現在入手可能な2009年リリースのオールタイム・ベスト盤「LET IT ROLL」は、本当にオリヴィアさんが選曲したのかが怪しい訳が分からない代物で、1974年リリースのアルバム「DARK HORSE」や、1975年リリースのアルバム「EXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)」や、1976年リリースのアルバム「THIRTY THREE & 1/3」や、1982年リリースのアルバム「GONE TROPPO」からは1曲も選ばれていないダメダメ盤です。せめて「DARK HORSE」や「DING DONG, DING DONG」や「YOU」や「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」や「THIS SONG」や「CRACKERBOX PALACE」や「WAKE UP MY LOVE」などのシングル曲は、当然のことながら選曲されるべきです。だから、こうしてジョージのシングル曲について書いているわけです。

シングルのB面となったのは、「WORLD OF STONE(悲しみの世界)」で、同じくアルバム「EXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)」からのシングル・カットです。アナログ盤だと、A面最初の1曲目とA面最後の5曲目をカップリングした強力盤だったわけですなあ。こちらのレコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、エレキ・ギター、バッキング・ヴォーカル)、デイヴィッド・フォスター(ピアノ、ARPシンセサイザー)、ゲイリー・ライト(オルガン)、ジェシ・エド・デイヴィス(エレキ・ギター)、クラウス・フォアマン(ベース)、ジム・ケルトナー(ドラムス)です。こちらは、アルバム「EXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)」の為に集まったメンバーで構成されています。アルバムのレコーディングは、「YOU」以外は1975年6月から7月にかけて行われていて、英国ではチャート入りしていませんが、全米8位まで上がっています。但し、幾ら名曲とは云え、1971年作の「YOU」を当時のベーシック・トラックのまんまで目玉にしている点や、ソレにつづくメロウなバラードの連発(個人的には嫌いではない)や、やっとロックっぽくなる最後の「HIS NAME IS “LEGS”(LADIES & GENTLEMAN)(主人公レッグス)」でゲスト・ヴォーカルを本物のレッグス・ラリー・スミス(元・ボンゾ・ドッグ・バンドでジョージ宅に居候していた程の親友)に任せていたりと、何だかバラバラな印象がするアルバムではあります。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

2024年11月05日

「303万アクセスの AS YOU KNOW?」



当ブログのアクセス数が、303万を超えました。今後とも、何卒宜しくお願い致します。

(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 00:15| LOOK UP THE # | 更新情報をチェックする

「ポールの道」#365「GEORGE'S SINGLES」#09「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING) / MAYA LOVE」

thisguitar.jpg


1975年9月22日(米国)・10月3日(英国)・10月20日(日本)にアップルからリリースされたジョージ・ハリスンのアルバム「EXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)(ジョージ・ハリスン帝国)」からは、同年9月12日に先行シングルとして「YOU(二人はアイ・ラヴ・ユー) / WORLD OF STONE(悲しみの世界)」がリリースされていて、全英38位・全米20位とスマッシュ・ヒットしました。ジョージはアルバムからの第2弾シングルとして、1975年12月8日(米国)・1976年2月6日(英国)・1976年2月5日(日本)に「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)(ギターは泣いている) / MAYA LOVE」をアップルからリリースしました。しかしながら、ジョージは移籍先のアルバム制作で多忙でプロモーション活動を行われなかった為か、全英でも全米でもチャート入りしていません。あの「HEY JUDE」の全米9週連続首位!で華々しく始まったアップルは、このジョージの曲で全米トップ100入りも出来ずに終わったのでした。アルバムからのシングル・カットで、英米ではピクチャー・スリーブもなかったので、魅力がなかったのですけれど、実はこのシングル・ヴァージョンはエンディングがフェイドアウトする「3分49秒」に編集された音源で、アルバムでは「4分11秒」なので20秒以上も長さが違っています。更に日本盤などではピクチャー・スリーブ付きなので、海外のマニアの間では日本盤の人気は高いそうです。

A面の「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)(ギターは泣いている)」のレコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、12弦アコースティック・ギター、シンセベース、ミニモーグ、スライド・ギター)、ジェシ・エド・デイヴィス(ギター)、デイヴィッド・フォスター(ピアノ、ストリングス編曲)、ゲイリー・ライト(シンセサイザー)、ジム・ケルトナー(ドラムス)です。楽曲は、ビートルズ時代の1968年11月22日リリースのアルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」に収録された「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」の続編と申しますか、二番煎じです。コレはですね、1974年11月2日から同年12月20日まで行われた「北米ツアー」がバカな評論家に叩かれていて、その中には「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」の歌詞を「WHILE MY GUITAR GENTLY SMILE」と変えていた事なども含まれていたので、真面目なジョージは「いやいや、まだギターは泣いているよ」と歌にして返したわけですなあ。云わばビートルズのパロディを本人がやっていて、ビートルズの「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」ではエリック・クラプトンがリード・ギターを弾いていましたが、この「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」ではジェシ・エド・デイヴィスが弾いています。

ジョージは北米ツアーがバカ丸出しの評論家にけちょんけちょんに叩かれた事で、その後17年もツアーをやっていません。故に、1991年12月のジョージの来日公演は貴重で、ジョージはその後に亡くなるまでツアーを行っていないので、日本のファンは本当に幸せな体験をしました。アノ来日公演も、エリック・クラプトンが熱心に説得して実現していて、来日経験が多いクラプトンが「日本のファンは優しいから大丈夫」と、何とかジョージにやる気を起こさせたのです。「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」は、来日公演のセット・リストに入れる案もあったそうです。北米ツアーに関しては、実際に観たジョン・レノンやポール・マッカートニーやリンゴ・スターも好意的でしたし、ツアー・バンドのメンバーも自信を持っているし、大観客も盛り上がっていたのに、バカばかりの評論家だけが貶していたわけですよ。ラヴィ・シャンカール先生のパートも、現在では「ワールド・ミュージックの先駆け」と云われているわけで、まあ、当時の評論家がバカだったわけですなあ。この「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」は、後の「HERE COMES THE MOON」程には突き抜けていないので評価は低いものの、ジョージ本人は気に入っていたらしく、1992年に元・ユーリズミックのデイヴ・スチュワートとジョージでリメイクしています。

約10年後にその「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」の音源に、リンゴ・スター(ドラムス)、ダニー・ハリスン(アコースティック・ギター)、カラ・ディオガーディ(バッキング・ヴォーカル)をオーバー・ダビングして、2014年リリースの箱「APPLE YEARS 1968-1975」の「EXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)」にボーナス・トラックとして収録されています。シングルB面となった「MAYA LOVE」は、アルバム「EXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)」からではなく、ひとつ前の1974年リリースのアルバム「DARK HORSE」からのシングル・カットです。レコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(リード・ヴォーカル、スライド・ギター、アコースティック・ギター、シェイカー、バッキング・ヴォーカル)、ビリー・プレストン(エレクトリック・ピアノ)、ウィリー・ウィークス(ベース・ギター)、アンディ・ニューマーク(ドラムス)、トム・スコット(サックス、ホーンアレンジ)です。この曲は、北米ツアーでもほぼ同じメンバーで演奏されていて、ジョージのお気に入りのひとつなのでしょう。アルバム「DARK HORSE」に比べると、一気に「AOR」化したアルバム「EXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)」の要因は、まだ無名だったデイヴィッド・フォスターにアレンジを任せたからで、ジョージは一寸早過ぎたのです。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

2024年11月06日

「ポールの道」#366「GEORGE'S SINGLES」#10「THIS SONG / LEARNING HOW TO LOVE YOU」

thissong.jpg


ジョージ・ハリスンは、1974年に「A&M」の傘下で「ダーク・ホース」レーベルを立ち上げました。しかし、ジョージ本人は契約で、1976年にならないとアップル(EMI)からしかレコードをリリース出来なかったので、ダーク・ホース・レーベルからは、スプリンターや、ラヴィ・シャンカール先生や、元・第2期ウイングスのギタリストだったヘンリー・マカロックや、アティテューズ(ジム・ケルトナー、ダニー・クーチ、ポール・スタルワース、デイヴィッド・フォスターによるバンド)と云ったレコードをリリースして、お茶を濁していました。そして、いよいよジョージのソロ・アルバムが出せる事になって、A&Mは1976年6月までに完成させてリリースする予定だったのですけれど、ジョージは色々なゴタゴタと肝炎を患って遅れてしまい、散々他のミュージシャンの売れないレコードばかりリリースして、待ちくたびれたA&Mは、ジョージを訴えそうになります。そこでワーナーが違約金を払って「ダーク・ホース」をレーベルごと移籍させて、1976年11月8日にリリースされたのが、移籍第1弾アルバム「THIRTY THREE & 1/3(33 1/3)」です。1976年にビートルズの過去のカタログを編集してリリースする事が出来たEMIは、1976年11月に「THE BEST OF GEORGE HARRISON」を勝手に選曲して、アナログのA面はビートルズ時代のジョージ作品で、B面はソロ作品と云う、ジョージにとっては屈辱的なベスト盤をバッティングさせてリリースしています。

アルバム「THIRTY THREE & 1/3」は、LPレコードの回転数とジョージの年齢をかけた洒落だったのですけれど、リリースが遅れたので実際にはジョージの年齢は「33 2/3」位になっていました。内容は、A面が、1「WOMAN DON'T YOU CRY FOR ME(僕のために泣かないで)」、2「DEAR ONE」、3「BEAUTIFUL GIRL」、4「THIS SONG」、5「SEE YOURSELF」で、B面が、1「IT'S WHAT YOU VALUE」、2「TRUE LOVE」、3「PURE SMOKEY」、4「CRACKERBOX PALANCE(人生の夜明け)」、5「LEARNING HOW TO LOVE YOU(愛のてだて)」の、全10曲入りです。コール・ポーター作の「TRUE LOVE」のカヴァー以外は、全てジョージのオリジナルで、プロデュースもジョージです。レコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(リード・ヴォーカル、ギター、シンセサイザー、パーカッション)、ウィリー・ウィークス(ベース)、アルヴィン・テイラー(ドラムス)、ゲイリー・ライト(キーボード)、リチャード・ティー(ピアノ、オルガン、フェンダー・ローズ)、ビリー・プレストン(ピアノ、オルガン、シンセサイザー)、デイヴィッド・フォスター(フェンダー・ローズ、クラヴィネット)、トム・スコット(サクソフォン、フルート、リリコン)、エミル・リチャーズ(マリンバ)です。ジョージのお城みたいな自宅であるフライアー・パークに作られたスタジオでレコーディングされていて、アルバムは全米11位まで上がっています。

それで、1976年11月5日に先行シングルとしてダーク・ホース/ワーナーからリリースされたのが、シングル「THIS SONG / LEARNING HOW TO LOVE YOU(愛のてだて)」です。日本盤は同じカップリングで、1976年12月10日にワーナー・パイオニアからリリースされていて、このシングルは英国や米国では文字だけのピクチャー・スリーブだったので、日本盤は人気があるでしょうね。ジャケット写真のジョージはトレードマークだった髭がなくて、髪型も以前よりはサッパリしていて、ワーナー移籍で心機一転しようとした感じがします。A面の「THIS SONG」は、例の「MY SWEET LORD」の盗作問題を曲にしてしまった内容で、曲は軽快なジョージ節が全開の名曲なのですが、ジョージは「自分は盗作なんかしていない」と云う信念があった様で、徹底的に「盗作裁判」を皮肉った歌詞で、プロモーション・ヴィデオはモンティ・パイソンの面々による裁判のパロディになっています。ジョージは大人しそうで「静かなるビートル」などと呼ばれていましたが、ジョン・レノンには敵わないとしても、相当なブラック・ユーモアを持っている奴で、本人もやり過ぎだと感じたのか、英国ではチャート入りしなかったものの、全米25位とそこそこヒットした「THIS SONG」を、ベスト盤にも入れていないし、ライヴでも披露していません。この「THIS SONG」はシングル・ヴァージョンとなっているので、アルバムとは編集が違っています。

そして、B面の「LEARNING HOW TO LOVE YOU(愛のてだて)」なんですけれど、アルバムでは最後に収録されているので重要曲です。日本では「THIS SONG」のB面なんですけれど、米国ではアルバム「THIRTY THREE & 1/3」からの第2弾シングル「CRACKERBOX PALACE(人生の夜明け)」のB面にもなっています。日本盤のシングル「CRACKERBOX PALACE」のB面は「PURE SMOKEY」なんですけれど、これがまた、英国での第2弾シングル「TRUE LOVE」のB面にもなっているのです。そんでもって、1976年12月には英国のEMIが「THE BEST OF GEORGE HARRISON」からのシングル・カットとして、「MY SWEET LORD / WHAT IS LIFE」をジャケットを変えて再発していて、アルバムもシングルも2社から出ていたのですから、困ったちゃんなのです。EMIが「THE BEST OF GEORGE HARRISON」で半分をビートルズにしたのは、前述の通りにビートルズの編集盤がリリース出来る様になったからで、ジョンやリンゴは1975年に出したから本人の意向でソロのベスト盤が作れたのに、ジョージは1976年だったから勝手に選曲されちゃったんですよ。それで、こちらの「LEARNING HOW TO LOVE YOU」は、僕は君を愛そうと努めているんだ、と云う内容の美しい曲で、なんと、A&Mの創設者であるハーブ・アルパートに捧げられているのです。それが皮肉ではなく本気で、自分を訴えそうになった相手に美しい愛の歌を書いているわけで、思わず「バカなのか?」とツッコミを入れたくなります。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

2024年11月07日

「BIRTHDAY」

birthday.jpg


本日(11月7日)は、片瀬那奈ちゃんと内山理名ちゃんのお誕生日です。おめでとうございます。お二人とも、仲良く、近年の新作がありませんけれど、どうぞ、お元気で健やかにお過ごし下さい。理名ちゃんに関しては、旦那さんが先日のインタビュー記事で「ヨガや食事でサポートしてくれていて、亡くなった母が奥さんの内に入ったのかな」などとお惚気を語っているので、夫婦円満でよろしいな、と思います。那奈ちゃんは、会社に通って、プライベートでは「推し活」をしているのでしょうね。ご本人がそれで満足しているのならば、もうそれでいいです。

(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 11:07| HAPPY☆ | 更新情報をチェックする

「ポールの道」#367「GEORGE'S SINGLES」#11「CRACKERBOX PALACE / LEARNING HOW TO LOVE YOU」「CRACKERBOX PALACE / PURE SMOKEY」

33 1/3


1976年11月8日にリリースされたジョージ・ハリスンのワーナー移籍後では初となったアルバム「THIRTY THREE & 1/3」からは、先行シングルとして「THIS SONG / LEARNING HOW TO LOVE YOU」が1976年11月5日にリリースされていて、全米25位のスマッシュ・ヒットとなりました。しかしながら、英国ではチャート入りしていません。「MY SWEET LORD」の盗作裁判を皮肉った内容で、プロモーション・ヴィデオも裁判をネタにした辛辣な代物でしたが、楽曲自体はポップ路線で良い曲だと思います。ジョージが亡くなった時に仕事場でラジオを聴いていたら、追悼だと云ってこの「THIS SONG」が流れて、こんなふざけた曲を聴いて泣きそうになりました。それで、米国では第2弾シングルとして「CRACKERBOX PALACE / LEARNING HOW TO LOVE YOU」が1977年1月24日にダーク・ホース/ワーナーからリリースされているのですけれど、何故かB面には「THIS SONG」と同じ「LEARNING HOW TO LOVE YOU」が収録されています。ワーナー以前に「ダーク・ホース」レーベルのレコードを出していて、肝心のジョージのソロ・アルバムが完成しなかったので、ジョージを訴えそうになったA&Mの設立者でもあるハーブ・アルパートに捧げた名バラードではありますけれど、2作連続でシングルのB面に収録していると云う事は、ジョージなりの皮肉だったのかもしれません。ジョージらしい楽曲「CRACKERBOX PALACE」は、全米19位まで上がっていますが、前作シングル「THIS SONG」が売れなかった本国である英国では、このシングルはリリースされていません。

日本盤のシングルは1977年4月24日に「CRACKERBOX PALACE(人生の夜明け) / PURE SMOKEY」としてワーナー・パイオニアからリリースされています。日本盤のシングルは、流石に前作シングル「THIS SONG」とはカップリングを変えています。「CRACKERBOX PALACE」にもプロモーション・ヴィデオがあって、モンティ・パイソンのエリック・アイドルが監督で、ジョージのお城の様な自宅であるフライアー・パークで撮影されています。このプロモーション・ヴィデオもふざけた内容で、乳母車の中からジョージがニヤニヤしながら登場したりするのですけれど、英国ではシングル・カットされていないので、米国用に制作されたのでしょう。果たして英国流のモンティ・パイソンの様なジョークが米国で受け入れられたかどうかは、分かりません。但し、後の「MTV」の先駆けとも云えるプロモーション・ヴィデオであって、その後1978年にはジョージは映画会社「ハンド・メイド・フィルムズ」を設立していて、数多くの映画を制作しています。中には1979年の「ライフ・オブ・ブライアン」や、1981年の「バンデットQ」や、当時は夫婦だったマドンナとショーン・ペンが共演した1986年の「上海サプライズ」と云った有名な映画も手掛けています。1980年代中期には映画制作に没頭して、ジョージ自身が「僕は音楽業界を引退した身だから」などと発言したりしています。

ジョージに限らず、ビートルズの面々は映像作品にも興味を持っていて、ビートルズ時代には主演映画で1964年の「A HARD DAY'S NIGHT」と1965年の「HELP!」と1970年の「LET IT BE」や、1968年のアニメ映画「YELLOW SUBMARINE」にも出演していますが、もっともぶっ飛んでいたのは1967年にビートルズが監督・主演したテレビ映画「MAGICAL MYSTERY TOUR」です。放送当時は「ビートルズ初めての大失敗作」と酷評された作品ですけれど、後の「MTV」に与えた影響は計り知れない作品です。ジョンはヨーコさんとの前衛映画を制作したり、アルバム「IMAGINE」のレコーディング風景を映像で克明に記録したりしているし、ポールもズッコケた1984年の映画「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET」などと云う凡作を自ら脚本・主演したり、今年(2024年)に公開された1974年のスタジオ・ライヴ「ONE HAND CLAPPING」や、1976年の全米ツアーを記録した「ROCK SHOW」と云った映像作品を発表しているし、リンゴ・スターは俳優として数多くの映画に出演しています。そんな中でも自ら映画会社まで設立して、実際に多くの映画を作ったジョージはずば抜けていますし、前述の通り、映画制作に没頭して音楽活動を5年間も休止しているのです。

日本盤シングル「CRACKERBOX PALACE(人生の夜明け)」のB面「PURE SMOKEY」は、ジョージが敬愛するスモーキー・ロビンソンに捧げた楽曲で、ジョージは1975年リリースの前作アルバム「EXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)」でも「OOH BABY(YOU KNOW THAT I LOVE YOU)」と云うスモーキー・ロビンソンに捧げた曲を書いています。シングル「THIS SONG」が売れなかったので、このシングル「CRACKERBOX PALACE」をリリースしなかった英国では、何故か第2弾シングルとして「TRUE LOVE / PURE SMOKEY」を1977年2月に、更に第3弾シングルとして「IT'S WHAT YOU VALUE / WOMAN DON'T YOU CRY FOR ME」を1977年6月に、それぞれリリースしていて、ピクチャー・スリーブもない意味不明なシングル・カットをしています。ソノ上、米国キャピトルでは1977年4月にシングル「DARK HORSE / YOU」をリリースしていて、こりゃまた厄介な事になっています。米国キャピトルの意地悪は兎も角として、何故「CRACKERBOX PALACE」をリリースせずに、他の曲を2枚4曲もシングル・カットしたのかは、全く理解出来ません。こう云う事が重なったので、ジョージはだんだんやる気がなくなったんじゃないでしょうか。それから、2004年にリマスターされたアルバム「THIRTY THREE & 1/3」には、ボーナス・トラックとして「TEARS OF THE WORLD」が収録されているのですけれど、この曲は後に語りますけれど、元々は1980年11月にリリース予定だったアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」に収録予定で、レコード会社にダメ出しされて差し替えになった4曲の内の1曲です。何故に、アルバム「THIRTY THREE & 1/3」に入っているのかは不明です。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

2024年11月08日

「ポールの道」#368「GEORGE'S SINGLES」#12「TRUE LOVE / PURE SMOKEY」「IT'S WHAT YOU VALUE / WOMAN DON'T YOU CRY FOR ME」

Dark Horse Years 1976-92


1976年11月8日にリリースされたジョージ・ハリスンのワーナー移籍第1弾アルバム「THIRTY THREE & 1/3」からは、米国(1976年11月5日)・英国(1976年11月8日)・日本(1976年12月10日)では「THIS SONG」が先行シングルとしてリリースされていて、全米25位とそこそこヒットしたものの、英国ではチャート入りしていません。それで、米国(1977年1月24日)や日本(1977年4月24日)には第2弾シングルとして「CRACKERBOX PALACE(人生の夜明け)」をリリースして全米19位となっているのですが、英国ではシングル・カットされていません。更に、シングル「THIS SONG」のB面は、各国盤で共通していて「LEARNING HOW TO LOVE YOU(愛のてだて)」なのですけれど、米国では「CRACKERBOX PALACE」のB面も同じ曲が入っていて、日本盤では「PURE SMOKEY」となっています。そんなドサクサ紛れに、英国アップルは1976年12月にシングル「MY SWEET LORD / WHAT IS LIFE」をジャケット違いで再発していて、1977年4月には米国キャピトルがシングル「DARK HORSE / YOU」をリリースしています。これらはEMIが勝手に編集したベスト盤「THE BEST OF GEORGE HARRISON」からのシングル・カットと云う事なのでしょうけれど、アルバムもシングルもワーナーからの新作と意図的にバッティングさせています。ジョージは、何も悪い事をしていないはずなのに、不遇な扱いをされていました。

それにしたって、アルバム「THIRTY THREE & 1/3」の中でも最もジョージらしい佳曲である「CRACKERBOX PALACE」をシングル・カットしなかった英国は、どうかしています。「CRACKERBOX PALACE」は、1989年10月23日にリリースされたダーク・ホース時代のベスト盤「BEST OF DARK HORSE 1976-1989」にも、ジョージ自身の選曲で収録されていて、「THIS SONG」が未収録なので、アルバム「THIRTY THREE & 1/3」からは唯一選曲されている楽曲です。ジョージには公式のベスト盤が3作あって、1976年のEMIが勝手に選曲した「THE BEST OF GEORGE HARRISON」と、ジョージ自身が選曲した1989年の「BEST OF DARK HORESE 1976-1989」と、死後の2009年にオリヴィアさんが選曲した事になっているオールタイム・ベスト盤「LET IT ROLL」なのですが、ジョージが選曲してソロの楽曲のみなのは「BEST OF DARK HORESE 1976-1989」だけです。ソレは新曲が3曲(「POOR LITTLE GIRL」と「COCKAMAMIE BUSINESS」と「CHEER DOWN」)も入っていて、シングル・ヴァージョンや編集ヴァージョンも入っている「ベスト盤の鑑」の様なアルバムです。新曲はシングルもしくはそのベスト盤でしか聴けず、「COCKAMAMIE BUSINESS」はこのベスト盤でしか聴けず、「POOR LITTLE GIRL」と「COCKAMAMIE BUSINESS」は未だにリマスターされてもいません。

話が逸れましたが、「CRACKERBOX PALACE」をシングル・カットしなかった英国では、何故か1977年2月に第2弾シングルとして「TRUE LOVE / PURE SMOKEY」を、更に1977年6月には第3弾シングル「IT'S WHAT YOU VALUE / WOMAN DON'T YOU CRY FOR ME」を、ピクチャー・スリーブも付けずにシングル・カットしています。「TRUE LOVE」はコール・ポーター作で、オリジナルは1956年のミュージカル映画「上流社会」の挿入歌で、ビング・クロスビーとグレース・ケリーのデュエットです。映画会社も設立してしまう程の映画好きなジョージらしいカヴァーですけれど、シングルA面にするのは如何なものか?と云う選曲です。B面は日本盤ではシングル「CRACKERBOX PALACE」のB面だった「PURE SMOKEY」です。英国のみの第3弾シングルとなった「IT'S WHAT YOU VALUE / WOMAN DON'T YOU CRY FOR ME」も、一体何を考えていたのか理解不能なカップリングです。「IT'S WHAT YOU VALUE」も「WOMAN DON'T YOU CRY FOR ME」も、アルバム「THIRTY THREE & 1/3」からのシングル・カットで、音源的にも面白味はなく、アルバムが発売されてから半年以上も後になって、ピクチャー・スリーブも付けずにリリースした意図は全く不明です。「TRUE LOVE / PURE SMOKEY」も「IT'S WHAT YOU VALUE / WOMAN DON'T YOU CRY FOR ME」も、碌にプロモーションも行っていないので、チャート入りしていません。コレクターの方々にとっても、売れなかったので数が少なくて貴重なだけのシングルでしょう。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

2024年11月09日

「雲霧仁左衛門4」第三回、第四回(再)で内山理名ちゃん



時代劇専門チャンネル 9:00〜10:45

第三回「次なる将軍」
第四回「鬼」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門4」第三回と第四回の、今年2回目の再放送です。この第4シリーズは、主要キャストの天一坊がやらかしてしまったので、地上波での再放送が飛んでしまいました。第三回では、熊五郎に託された50両を理名ちゃんが演じるお千代姐さんが静に渡して、そのお金で静の夫は天一坊に仕官するのですが、天一坊が偽者と暴かれて静の夫は黒幕に斬られて死にます。その黒幕を分かり易い悪役演技で佐野史郎さんが演じているのですが、更なる黒幕に佐野さんも斬られて死にます。斬られた時の佐野さんのオーバーリアクションも見どころです。第四回では、毎回の事ですが、理名ちゃんが演じるお千代姐さんは場面ごとに着物が違っています。この回では雲霧仁左衛門の厳しい「鬼」の一面が観れます。

本放送:2018年9月21日9月28日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

posted by 栗 at 10:45| RINA | 更新情報をチェックする

「ポールの道」#369「GEORGE'S SINGLES」#13「BLOW AWAY / SOFT-HEARTED HANA」「BLOW AWAY / SOFT TOUCH」「BLOW AWAY / IF YOU BELIEVE」

慈愛の輝き


前作アルバム「THIRTY THREE & 1/3」から約2年半ぶりとなる1979年2月20日(米国)・同年2月23日(英国)・同年2月25日(日本)に、ジョージ・ハリスンはビートルズ解散後では6作目でワーナー移籍後では2作目のスタジオ・アルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」を、ダーク・ホース/ワーナーからリリースしました。内容は、A面が、1「LOVE COMES TO EVERYONE(愛はすべての人に)」、2「NOT GUILTY」、3「HERE COMES THE MOON」、4「SOFT-HEARTED HANA」、5「BLOW AWAY」で、B面が、1「FASTER」、2「DARK SWEET LADY」、3「YOUR LOVE IS FOREVER(永遠の愛)」、4「SOFT TOUCH」、5「IF YOU BELIEVE」の、全10曲入りです。この内「IF YOU BELIEVE」のみジョージとゲイリー・ライトの共作で、他の9曲はジョージの単独作です。プロデュースはジョージとラス・タイトルマンで、レコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ギター、リード&バッキング・ヴォーカル、ベース)、アンディ・ニューマーク(ドラムス)、ウィリー・ウィークス(ベース)、ニール・ラーセン(キーボード、ミニ・モーグ)、レイ・クーパー(パーカッション)、スティーヴ・ウィンウッド(ポリモーグ、ハーモニウム、ミニ・モーグ、バッキング・ヴォーカル)、エミリー・リチャード(マリンバ)、ゲイル・レヴァント(ハープ)、エリック・クラプトン(ギター「LOVE COMES TO EVERYONE」)、ゲイリー・ライト(オーバーハイム「IF YOU BELIEVE」)、デル・ニューマン(ストリング&ホーン・アレンジ)です。

そして、第1弾シングルとして「BLOW AWAY」を、1979年2月4日(米国)・同年2月16日(英国)・同年3月25日(日本)にリリースするのですけれど、B面が米国では「SOFT-HEARTED HANA」で、英国では「SOFT TOUCH」で、日本では「IF YOU BELIEVE」と、各国盤でそれぞれ違っています。アルバムは全米14位・全英39位で、シングル「BLOW AWAY」は全米16位・全英51位でした。アルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」は、ファンの間では1970年リリースのアルバム「ALL THINGS MUST PASS」や、1973年リリースのアルバム「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」や、1987年リリースのアルバム「CLOUD NINE」と云った名作で商業的にも成功したアルバムと同等の高評価を得ているし、個人的にはジョージのアルバムでは最も優れた出来栄えだと思うのですけれど、リリース当時は「パンクだ!ニューウェーブだ!」と云った状況で、ジョージは「パンクはクズだ」と公言していて、極上のAORポップ路線で勝負していたわけで、チャート・アクションだけでは語れない名盤だと思います。全10曲が全てシングル・カット出来そうな佳曲揃いで、実際に「NOT GUILTY」と「HERE COMES THE MOON」と「DARK SWEET LADY」以外の7曲はシングルのAB面になっています。

そのシングルになっていない3曲も侮れない楽曲で、「NOT GUILTY」は1968年リリースのビートルズのアルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」に収録予定で100テイク以上もレコーディングした挙句の果てにボツになった曲の蔵出しで、ビートルズでのヘヴィーなアレンジとは違ってアコースティックな仕上がりです。「HERE COMES THE MOON」は、1969年リリースのビートルズのアルバム「ABBEY ROAD」に収録されたジョージの傑作のひとつである「HERE COMES THE SUN」のセルフ・パロディで、ラトルズもニール・イネスも吃驚な名曲です。「DARK SWEET LADY」は、ジョージの妻となったオリヴィアさんに捧げた曲で、ジョージならではの美しいメロディーです。ジョージはこの頃にオリヴィアさんと再婚して、長男のダニー・ハリスンも誕生して、私生活でも充実していたので、こうした穏やかで優しく優れたアルバムを作れたのでしょう。他の7曲は、何らかのカタチでシングル・カットされているのですから、ジョージも自信を持ってタイトルを「GEORGE HARRISON」と名付けているのでしょう。しかしながら、日本では当初はアルバム「ALL THINGS MUST PASS」に「ジョージ・ハリスン」と邦題を付けていたので、こちらには「慈愛の輝き」と云う邦題が付いています。ビートルズ関連の邦題にはナイスなものもありますけれど、このアルバム・タイトル「慈愛の輝き」もそのひとつです。

シングル「BLOW AWAY」にもプロモーション・ヴィデオがあって、なんと、まあ、ニール・イネス(元・ボンゾ・ドッグ・バンド〜ラトルズ)が監督を務めています。ジョージは、1978年のラトルズのTV特番「ALL YOU NEED IS CASH」にも出演しているし、以前からエリック・アイドルに監督させたりしているので、そっちの方でも交流がお盛んなのです。また、ジョージは1980年に自伝「I ME MINE」を上梓しているのですけれど、ソレを読んだジョン・レノンが「ガキの頃からあれだけ可愛がってやったのに、俺に関する事がほとんど書かれていないとは、何事だ!」と怒って、すぐさま「BLOW AWAY」を引用した「THE RISH KESH SONG」を書いています。ジョンはボブ・ディランが改宗した事にも腹を立てて「SARVE YOURSELF」を書いているのですけれども、どちらもジョンが引退状態だった頃に書かれていて、つまりはホーム・デモ音源しか遺されてはいません。それらが公開されたのはジョンの死後で、ジョンが生きていたならばどうなっていたかは分かりません。まあ「HOW DO YOU SLEEP?」を発表しちゃったジョンですから、悪意丸出しでレコーディングしていたかもしれませんけれどね。アルバム「IMAGINE」の記録映像を観ると、ジョンがピアノの弾き語りでジョージに「HOW DO YOU SLEEP?」を聴かせて、ジョージが「まさか、そんな曲をレコーディングしないよね?」と訊くと、ジョンが「するに決まっているだろう」と悪魔の様な顔で笑いながら返す場面があって、どこが「愛と平和の偉人」なんだって話です。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

2024年11月10日

「湯けむりバスツアー 桜庭さやかの事件簿7」(再)で内山理名ちゃん



チャンネル銀河 20:15〜22:00

萬田久子主演。湯けむり旅情サスペンス、第7弾!今回の舞台は三重県伊勢志摩。新郎新婦両家で一緒に旅をする“家族になろうよ”ツアー。その旅先で起こる事件とは…!?

内山理名 AS 高根沢智子

「湯けむりバスツアー 桜庭さやかの事件簿7」の、今年3回目の再放送ですが、「浅見光彦〜最終章〜」とバッティングしています。バッティングと云っても、現在のレコーダーは2チューナーや4チューナーなので、同時録画は可能なんですけれどね。理名ちゃんが演じた智子さんは新婦役で、冒頭でウエディングドレス姿を披露しています。そして、新郎新婦の両家で親睦を深める為にバスツアーへと出かけるのですが、そこで事件が起こり、バスガイドの桜庭さやかさんが解決します。何故かBGMで、ビートルズの「IN MY LIFE」や「YESTERDAY」のインストゥルメンタル・ヴァージョン(演奏者は不明)や、ステッペンウルフの「BORN TO BE WILD(ワイルドでいこう!)」や、レッド・ツェッペリンの「STAIRWAY TO HEAVEN(天国への階段)」や、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)の「PROUD MARY」などが使われています。

本放送:2016年5月23日(TBS)

(姫川未亜/小島イコ)

posted by 栗 at 20:15| RINA | 更新情報をチェックする

「浅見光彦〜最終章〜」第1話(再)

浅見光彦 ~最終章~  (沢村一樹 主演) [DVD]


ミステリーチャンネル 21:30〜23:30

第1話「恐山・十和田・弘前編」

片瀬那奈 AS 藤波紹子(第1話マドンナ)

「浅見光彦〜最終章〜」第1話の、今年7回目の再放送ですが、「湯けむりバスツアー 桜庭さやかの事件簿7」とバッティングしています。「最終章」となっていますが、ソレは「エロス沢村版」が2時間ドラマのシリーズであって、ソノ「最終章」であって、「浅見光彦シリーズ」としては其の前も其の後もキャスティングを変えて制作されています。那奈ちゃんが演じた藤波紹子さんは料理人で、連続殺人事件に関わっている役どころです。基本的にはシリアスなドラマなのですが、エロスと那奈ちゃんが並ぶと笑ってしまいます。アンナに仲良しだったのに、アレはビジネス仲良しだったのでしょうか。初回スペシャルだったので、2時間ドラマの尺があります。



(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 21:30| ACTRESS | 更新情報をチェックする

「ポールの道」#370「GEORGE'S SINGLES」#14「LOVE COMES TO EVERYONE / SOFT-HEARTED HANA」「LOVE COMES TO EVERYONE / SOFT TOUCH」

backhome.jpg


1979年2月にリリースされたジョージ・ハリスンのアルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」からは、1979年4月27日に第2弾シングルとして「LOVE COMES TO EVERYONE(愛はすべての人に)」がダーク・ホースからリリースされました。これまた、B面が各国盤で違っていて、英国や日本では「SOFT-HEARTED HANA」が、米国では「SOFT TOUCH」がカップリングされています。アルバムではA面1曲目だった「LOVE COMES TO EVERYONE」は、ジョージらしさが炸裂した名曲ですが、全英・全米共にチャート入りしていません。このシングル・ヴァージョンはアルバム・ヴァージョンとは違っていて、シングル盤か、1989年リリースのベスト盤「BEST OF DARK HORSE 1976-1989」でしか聴けません。ジョージ自身が選曲したベスト盤「BEST OF DARK HORSE 1976-1989」は、そうした意味でも聴きごたえがある「名ベスト盤」ですけれども、廃盤になっているのが残念ですし、1976年にEMIが勝手に選曲した「THE BEST OF GEORGE HARRISON」や、何だかよく分からない選曲のオールタイム・ベスト盤と呼ぶには抵抗があり捲りの2009年の「LET IT ROLL」が売られているのに、最も納得がゆく「BEST OF DARK HORSE 1976-1989」が廃盤になっているのは、全くもって困ったちゃんなのです。

アルバムではA面1曲目で、シングル・カットしてわざわざシングル・ヴァージョンも制作した「LOVE COMES TO EVERYONE」は、文句なしの名曲で、イントロのリード・ギターはエリック・クラプトンが弾いていて、間奏のモーグ・シンセサイザーはスティーヴ・ウィンウッドがブイブイ云わせているわけで、つまりは「ブラインド・フェイス」です。そう云う大それた事を、サラリとやってしまうのが、ジョージ・ハリスンなのです。クラプトンは、ジョージの死後の2005年にアルバム「BACK HOME」で、「LOVE COMES TO EVERYONE」を原曲に忠実なカヴァー・ヴァージョンで収録して、ジョージを追悼しています。アルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」は、A面1曲目にこの「LOVE COMES TO EVERYONE」から始まる事だけで、もう名盤だと確信できる傑作中の傑作です。つづいて「NOT GUILTY」から「HERE COMES THE MOON」と繋がるところでは、開き直ってビートルズを解放しているわけですけれど、その2曲をシングル・カットしなかったのも、粋です。全10曲中、シングル・カットしていないのは、その2曲と「DARK SWEET LADY」の3曲のみで、7曲もシングルになっているのは、まるで1964年リリースのビートルズのアルバム「BEATLES FOR SALE」の日本盤シングル(全14曲中10曲をシングル化)みたいです。1991年12月の来日公演では、初日の横浜アリーナでは「LOVE COMES TO EVERYONE」も披露してくれたので、最終日の東京ドームのチケットは早々と取っていたけれど、追加公演の初日にも行って得をしました。

カップリング曲に関しては、英国盤と米国盤では、シングル「BLOW AWAY」とシングル「LOVE COMES TO EVERYONE」のそれぞれのB面曲である「SOFT TOUCH」と「SOFT-HEARTED HANA」を入れ替えているだけなのですけれど、日本盤シングル「BLOW AWAY」のB面は日本独自に「IF YOU BELIEVE」を収録していて、シングル「LOVE COMES TO EVERYONE」は英国盤と同じ「SOFT-HEARTED HANA」なので、つまりは日本盤では「SOFT TOUCH」がシングル化されていません。故に、シングル・カットのA面曲は3曲なのに、B面曲は4曲になっています。碌にプロモーションもしていなかったので名曲「LOVE COMES TO EVERYONE」は英米共にチャート入りしていないので、米国や日本では第3弾シングルは見送られたのですけれど、この曲もプロモーション・ヴィデオをしっかりと制作しています。ジョージは当時は「パンクはクズだ」と云ったり、後には「WAKE UP MY LOVE」みたいなシンセ・ポップもやったくせに「コンピューター・ミュージックは嫌いだから、僕は木製の音楽を演奏している」とか云ったりするのですけれど、ハンブルグ時代のビートルズはパンクだったし、ビートルズにシンセサイザーを導入したのもジョージだったのです。ジョージは、いつもやる事が先取りしすぎているので、リリース当時には酷評されたものの後に評価される作品が多くて、サントラ盤「不思議の壁」は兎も角として、ぶっ飛び過ぎた「電子音楽の世界」以外は、買って損はしません。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

2024年11月11日

「ポールの道」#371「GEORGE'S SINGLES」#15「FASTER / YOUR LOVE IS FOREVER」

faster.jpg


1979年2月20日にリリースされたジョージ・ハリスンの傑作アルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」は、内容の素晴らしさとは反して余りヒットしていません。故に、第1弾シングル「BLOW AWAY」(全米16位・全英51位)と第2弾シングル「LOVE COMES TO EVERYONE(愛はすべての人に)」(全米・全英共にチャート入りせず)と、シングルもヒットせず、米国や日本では第2弾シングルまでで打ち止めになっています。しかし、英国では1979年7月13日に、第3弾シングル「FASTER / YOUR LOVE IS FOREVER」が初回盤はピクチャーディスクでリリースされていて、結果から云えば全く売れなかったので、コレクターの方々にとっては貴重なシングルとなっています。このカップリングがシングル化された事で、アルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」からは、全10曲中、「LOVE COMES TO EVERYONE(愛はすべての人に)」と「SOFT-HEARTED HANA」と「BLOW AWAY」と「FASTER」と「YOUR LOVE IS FOREVER(永遠の愛)」と「SOFT TOUCH」と「IF YOU BELIEVE」の、7曲がシングル化された事になりました。しかも、英国盤と米国盤と日本盤では、それぞれ違ったカップリングになっているので、これまたコレクターの方々にとっては集め甲斐があるアイテムなのでしょう。

A面の「FASTER」は、ジョージの趣味のひとつであるF1観戦から出来た楽曲で、レコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、12弦アコースティック・ギター、スライド・ギター、エレキ・ギター、ベース、バッキング・ヴォーカル)、ニール・ラーセン(ピアノ)、アンディ・ニューマーク(ドラムス)、レイ・クーパー(タンバリン)、デル・ニューマン(ストリングス・アレンジ)で、ジョージが各種ギターだけではなく、ベースも弾いています。この辺には、ポール・マッカートニーに対抗意識があったのかもしれません。実は、ジョージはビートルズ時代にもベースを弾いている曲があって、1969年リリースのアルバム「ABBEY ROAD」のB面メドレーでポールがピアノを弾いている曲(「GOLDEN SLUMBERS」〜「CARRY THAT WEIGHT」)では、ジョージがベースを弾いています。ピクチャーディスクは、A面がワールド・チャンピオン・ドライバーの顔で、B面はジョン・プレイヤー・スペシャルのレーシング・カーとなっています。F1カーのエンジン音が効果音として使われていて、アルバムではB面1曲目に収録されているのですけれど、A面の最後が「BLOW AWAY」で、ひっくり返すと「FASTER」のエンジン音と云うのは、アナログ盤ならではの趣向でした。

B面の「YOUR LOVE IS FOREVER」は、当初はインストゥルメンタル曲として書かれていて、歌詞は後付けです。ジョージ本人が「SOMETHING」に匹敵するメロディーと自画自賛した曲で、アルバムの中でも屈指の美しい楽曲となっています。こちらのレコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、エレキ・ギター、スライド・ギター、バッキング・ヴォーカル)、スティーヴ・ウィンウッド(シンセサイザー)、ウィリー・ウィークス(ベース)、アンディ・ニューマーク(ドラムス)です。こうして見ると、アルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」は、しっかりとベーシック・トラックをレコーディングして、そこにジョージが各種ギターやヴォーカルをオーバーダビングしていると分かります。特にスティーヴ・ウィンウッドによるシンセサイザーが効果的で、前々作である1975年リリースのアルバム「EXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)(ジョージ・ハリスン帝国)」や、前作である1976年リリースのアルバム「THIRTY THREE & 1/3」での、デイヴィッド・フォスターによる「AOR路線」とは違ったアレンジになっている「ポップ路線」や「ロック路線」への回帰が傑作となった理由のひとつでしょう。アルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」には、2004年にリイシューされた際には「HERE COMES THE MOON」のデモ音源が、2007年の配信限定ではそれに加えて「BLOW AWAY」のデモ音源が、ボーナス・トラックとして収録されています。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする