nana.812.png

2024年10月26日

「ポールの道」#535「FAB4 GAVE AWAY」#77 「RINGO STARR 1964-2024」

ザ・ビートルズ


ビートルズのドラマーは、デビュー直前までピート・ベストが務めていましたが、サー・ジョージ・マーティンは「ドラムスが弱い」と考えていて、ジョン・レノンとポール・マッカートニーも同じ考えだったので、下っ端だったジョージ・ハリスンに、仲が良かった「ロリー・ストーム&ザ・ハリケーンズ」のドラマーでビートルズとは共演した事もあったリチャード・スターキーを引き抜かせて、ピート・ベストを解雇しました。それで、ヤング・ジョージはピートのファンに殴られてしまいます。リチャード・スターキーは「リンゴ・スター」と芸名を名乗って、髭面にリーゼントをやめてビートルズの一員となったのですが、サー・ジョージ・マーティンはリンゴのドラムスも弱いと考えて、1962年10月5日にリリースされた英国でのビートルズのデビュー・シングル「LOVE ME DO / P.S. I LOVE YOU」ではセッション・ドラマーのアンディ・ホワイトにドラムスを叩かせています。リンゴは両曲では、タンバリンやマラカスを担当させられていて、「LOVE ME DO」は初回プレスのみリンゴのドラムスでレア音源でしたが(EMIが混同を防ぐ為にリンゴ・ヴァージョンのマスター・テープを破棄したので盤起こし音源しかなかった)、昨年(2023年)リリースの「THE BEATLES 1962-1966」(「赤盤」)ではデミックスによってリンゴのドラムス・ヴァージョンが見事なステレオで収録されたので、これからはリンゴ・ヴァージョンが決定盤になりそうです。

リンゴは人柄も良く音楽仲間も多いので、ドラマーとして参加している作品は多いのですけれど、それは云われても分からないものも多いのです。ビートルズ時代には、1964年には古巣であるロリー・ストーム&ザ・ハリケーンズへ恩返しでバッキング・ヴォーカルで参加したり、1968年リリースのジョージのサントラ盤「WONDERWALL MUSIC」や1969年リリースのジャッキー・ロマックスのアルバム位ですが、ビートルズ解散後には増えていて、1970年にはビートルズ時代から引き続き、ジョンのアルバム「JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND(ジョンの魂)」やジョージのアルバム「ALL THINGS MUST PASS」にドラマーとして参加しているだけではなく、レオン・ラッセル、スティーヴン・スティルス、ハウリング・ウルフ、ドリス・トロイ、ヨーコさん、1971年には、「バングラデシュ・コンサート」、ラダ・クリシュナ・テンプル、B.B.キング、1972年には、ピーター・フランプトン、ボビー・キーズ、ロン&デレク・ヴァン・イートン、ロンドン交響楽団(「TOMMY」)、ボビー・ハットフィールド、ハリー・ニルソン、1973年にはジョージのアルバム「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」、1974年にはハリー・ニルソン(「SON OF DRACULA」、「PUSSY CATS」)、ラヴィ・シャンカール、ガスリー・トーマス、ジョージのアルバム「DARK HORSE」、などのミュージシャンの作品に参加しています。

1975年にはキース・ムーン(「TWO SIDES OF THE MOON」)、カーリー・サイモン、ハリー・ニルソン、スティーヴン・スティルス、1976年にはヴェラ・リン、マンハッタン・トランスファー、ガスリー・トーマス、キンキー・フリードマン、1977年にはアルファ・バンド、ピーター・フランプトン、アティチューズ、1978年にはロニー・ドネガン、ザ・バンド、1979年にはイアン・マクレガン、1980年にはハリー・ニルソン、1981年にはボブ・ディラン、ジョージのアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」、1982年にはポールのアルバム「TUG OF WAR」、1983年にはガスリー・トーマス、ポールのアルバム「PIPES OF PEACE」、1984年にはポールのアルバム「GIVE MY REGARD TO BROAD STREET」、1985年にはビーチ・ボーイズ、オムニバス盤「SUN CITY」、サントラ盤「レゲエdeゲリラ」、1986年には「アンチ・ドラッグ・プロジェクト」、1987年にはジョージのアルバム「CLOUD NINE」、1989年にはトム・ペティ、ビートルズがカヴァーした「ACT NATURALLY」をオリジナルのバック・オウエンスとデュエット、1991年にはニルス・ロフグレン、1993年にはポール・シェイファー、1994年にはトム・ペティ、1996年にはトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、カール・パーキンス(「GO CAT GO!」ポールとジョージも別々の曲で参加)、1997年にはポールのアルバム「FLAMING PIE」、1999年にはガスリー・トーマス、2000年にはジョン・ウェットン、と云ったミュージシャンの作品に参加しています。

2001年にはELO、2002年には「コンサート・フォー・ジョージ」、2003年にはリーアム・リンチ、ジュールズ・ホランズ、2004年には「50回目のファースト・キス」のサントラ盤、2006年にはジェリー・リー・ルイス、プラチナ・ウィアード、カール・パーキンス、2009年にはクラウス・フォアマン、マーク・ハドソン、2010年にはジェリー・リー・ルイス、ゲイリー・ライト、2011年にはベン・ハーパー、2012年にはレイ・ワイリー・ハバード、ジョー・ウォルシュ、2014年にはベンモント・テンチ、ケニー・ウェイン・シェパード、マーク・ハドソン、2017年にはジョン・スティーブンス、ミドルマン・バー、シーラ・E、2019年にはロドニー・クロウエル、ジェニー・ルイス、2020年にはエンプティ・ハーツ、グラハム・グールドマン、レイ・ワイリー・ハバード、2021年にはスティーヴ・ルカサー、2022年にはアラン・ダービー、コリン・ヘイ、レイ・ワイリー・ハバード、エディ・ヴェダー、エドガー・ウィンター、2023年にはドクター・ティースとエレクトリック・メイヘム、イアン・ハンター、ニルフ・ロフグレン、2024年にはマーク・ノップラー、と云ったミュージシャンの作品に参加しています。更に、リンゴは1989年から「オールスター・バンド」を有名ミュージシャンたちと組んでやっているので、2023年までで第16期となっていて、多くの大物ミュージシャンと組んでツアーをやっています。そして、ビートルズ時代から俳優業もやっていて、ナレーターの仕事(「機関車トーマス」も本場ではリンゴ)まで手広くやっています。

ざっと1964年から2024年までを列挙しましたが、これらはほとんどがドラマーとしての参加です。中にはドリス・トロイの楽曲の様に共作者として名を連ねたり、「TOMMY」の様にリード・ヴォーカルを担当したりした作品も、ごく稀にはあります。幾らリンゴがドラムスを叩いていても、云われても分からないのは、ビートルズのレコーディングとは違っているからです。例えば、1968年リリースのビートルズのアルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」では、リンゴが一時脱退していて、A面1曲目の「BACK IN THE U.S.S.R.」と2曲目の「DEAR PRUDENCE」ではポールがドラムスを叩いています。それが、3曲目の「GLASS ONION」のイントロで2発リンゴが叩いただけで「おっ、リンゴのドラムスだ」と分かる様になっていて、その辺はサー・ジョージ・マーティンのプロデュースによって作られた音だったからです。1995年にジェフ・リンがプロデュースしたバーチャル・ビートルズの「FREE AS A BIRD」のイントロでのリンゴのドラムスも、一聴してリンゴでありビートルズの音になっているのは、ジェフ・リンがサー・ジョージ・マーティンやジェフ・エメリックやクリス・トーマスなどの手腕を研究して来た成果であって、単にリンゴが叩いただけではアノ音にはなりません。その辺で上手いな、と思うのは、ポールのアルバム「FLAMING PIE」に収録された「BEAUTIFUL NIGHT」で、サー・ジョージ・マーティンのオーケストラと、リンゴのドラムスだけではなくヴォーカルも巧みに使っているところが、流石は「本家」だと思います。リンゴは来年(2025年)1月に新作アルバムをリリースする予定で、カントリー・アルバムと云う事で、ジャケット写真でカウボーイ・ハットを被っているんですけれど、誰か止めなかったんでしょうか。

(小島イコ)



posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

「雲霧仁左衛門4」第五回、第六回(再)で内山理名ちゃん

Great Escape


時代劇専門チャンネル 17:00〜19:00

第五回「大脱走」
第六回「黒幕分断」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門4」第五回と第六回の、今年初めての再放送です。第五回では、雲霧一党とは無関係な静が安部式部に人質に取られてしまい、静を慕う熊五郎が身代わりになって捕らえられてしまいます。そこで雲霧一党は、市中引き回しされる熊五郎を白昼堂々と救出します。しかしながら理名ちゃんが演じるお千代姐さんが雲霧仁左衛門から貰った匂い袋を大切にいつも身に着けていて、そこから足がついてしまい大変な事になります。

第六回では、柏屋を襲撃して成功したかに見えた雲霧一党ですが、お千代姐さんの匂い袋によって正体がばれてしまい失敗します。雲霧仁左衛門にもらって大切にしていた匂い袋でしたが、お千代姐さんは責任を感じて密偵を志願するのでした。宝物の匂い袋を燃やし、決死の覚悟で七化け史上に遺る「男」の姿に化けて潜入します。

本放送:2018年10月5日10月12日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

posted by 栗 at 19:00| RINA | 更新情報をチェックする

「雲霧仁左衛門3」第七回、第八回(最終回)(再)で内山理名ちゃん

仁義なき戦い サウンドトラックコレクション


時代劇専門チャンネル 9:00〜11:00

第七回「凶刃」
第八回(最終回)「死闘の果て」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門3」第七回と第八回(最終回)の、今年2回目の再放送です。第七回では、暁一党の裏切りに遭った雲霧一党でしたが、裏切りには理由がありました。息子の身分が危うくなると、藤堂家の磯部に脅されていたのです。磯部に一万両を渡したものの、暁星右衛門は関口に殺されてしまいます。雲霧一党は一万両を取り返そうとします。道場に潜入しているおようは関口の正体に気づきます。お千代姐さんはおようを心配します。おようと高瀬は、関口に斬られてしまいます。おようの弔いで、藤堂家を狙う雲霧一党で最終回に続きます。

最終回での雲霧一党の狙いは、藤堂家江戸上屋敷です。お千代姐さんは、藤堂家に潜入しました。まんまと一万両を奪い取った雲霧一党でした。磯部の悪巧みも解決し、関口も処刑され、磯部は自害しました。雲霧は式部と決闘をしますが、途中で姿をくらましました。「雲霧仁左衛門3」は今回でおしまいですが、次週からは「雲霧仁左衛門4」が再放送されます。「雲霧仁左衛門3」からは原作にはないオリジナル脚本となっていて、つまりは設定だけ原作から頂いて脚本家が好き放題で書いています。故に、現在まで「雲霧仁左衛門6」までつづいているのです。

本放送:2017年2月17日2月24日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

posted by 栗 at 11:00| RINA | 更新情報をチェックする