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2024年10月25日

「ポールの道」#534「FAB4 GAVE AWAY」#76 「PAUL McCARTNEY 1991-2024」

Electric Arguments [帯解説・48Pカラーブックレット封入 / デジパック仕様 /国内盤] スペシャル・プライス (TRCI21X)


ポール・マッカートニーがクラシック作品を始めたのは、1991年10月7日リリースの「PAUL McCARTNEY’S LIVERPOOL ORATORIO」からです。ソレは、クラシックの専門家であるカール・デイヴィスと共作した作品でした。当時のポールは、1989年から1990年にかけてのワールド・ツアーを大成功させて、ソレをまとめたアナログは3枚組のライヴ盤「TRIPPING THE LIVE FANTASTIC」を1990年11月5日にリリースして、1991年1月25日に収録したMTVのアンプラグドを元にした「UNPLUGGED:THE OFFICIAL BOOTLEG」を1991年5月20日にリリースしていて、それぞれライヴ盤ですが、アルバム「TRIPPING THE LIVE FANTASTIC」は全英17位・全米26位で、アルバム「UNPLUGGED:THE OFFICIAL BOOTLEG」は全英7位・全米14位とヒットさせていました。ポールは1997年9月29日に2作目のクラシック・アルバム「STANDING STONE」をリリースして、1999年11月1日には愛妻リンダ・マッカートニーを追悼した3作目のクラシック作品「WORKING CLASSICAL」をリリースしています。つづいて、2006年9月25日には4作目のクラシック作品「ECCE COR MEUM」をリリースして、2011年10月3日には5作目のクラシック作品「OCEAN'S KINGDOM」をリリースしています。

クラシック作品はアルバムだけにはとどまらず、1995年4月21日にはEP「PAUL McCARTNEY’S A LEAF」をリリースしていて、2000年2月14日にはリンダの追悼盤で合唱曲集「A GARLAND FOR LINDA」にも、当然ながら参加しています。既にアルバムだけで5作ものクラシック作品をリリースしているので、ポールはクラシックの作曲家になったのか、と云うと違っていて、1993年11月15日には「ザ・ファイアーマン」名義でアルバム「STRAWBERRIES OCEANS SHIPS FOREST」をリリースしています。ザ・ファイアーマンとは、ポールと、キリング・ジョークやオーブのベーシストからDJに転身したユースとの覆面ユニットで、この段階ではインストゥルメンタル・アンビエント・ミュージックでした。それが、1998年9月21日にはまさかの2作目のアルバム「RUSHES」をリリースしていて、1作目よりは聴き易くはなっています。ところが、2008年11月24日には、まさかまさかの3作目のアルバム「ELECTRIC ARGUMENTS」をリリースしていて、なんと、3作目にしてポールが曲を書いて歌うと云うロック・アルバムに変貌したのです。故に、3作目のアルバム「ELECTRIC ARGUMENTS」は名義はファイアーマンですが、ポールのソロ・アルバムと同等の扱いを受けています。

ファイアーマン以外でも、2000年8月21日には「LIVERPOOL SOUND COLLAGE」をリリースしていて、これはビートルズのアルバム「SGT. PEPPER’S LONELY HEARTS CLUB BAND」のジャケット・デザインで有名なピーター・ブレイクの個展用のBGMとして制作されたコラージュ作品で、ビートルズの未発表曲「FREE NOW」やビートルズの会話なども素材として使われてはいるものの、あくまでも「アンビエント・エレクトロニック・アルバム」で、ビートルズ時代にジョンが主導でやらかした「REVOLUTION 9」のポール版みたいなヘンテコリンな作品です。2005年6月13日には、ザ・フリーランス・ヘルレイザーと組んだ覆面ユニット「ツイン・フリークス」名義のLPと配信でアルバム「TWIN FREAKS」をリリースしていて、ポールの既発曲がリミックスされています。2013年6月17日には、ザ・ブラッディ・ビートルーツの「OUT OF SIGHT」にポールとユースが参加していて、ファイアーマンの3作目路線でポールが曲を書いて歌っています。こうしたクラシックからアンビエント・ミュージックまで手広く手掛けていながら、オリジナルのロック・アルバムも並行して制作して発表しているのが、近年のサー・ポール・マッカートニーなのです。

この期間でもスタジオ・アルバムは、1993年2月2日にアルバム「OFF THE GROUND」(全英5位・全米17位)をリリースして、ビートルズ本隊の「ANTHOLOGY」の為に先延ばしにされたアルバム「FLAMING PIE」(全英2位・全米2位)を1997年5月5日にリリースして、1999年10月4日にはロックンロールのカヴァーを中心にしたアルバム「RUN DEVIL RUN」(12位・全米27位)をリリースしています。生前のリンダが勧めていたと云うアルバム「RUN DEVIL RUN」は、リード・ヴォーカルとベースがポールで、ギターがピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモア、ザ・パイレーツのミック・グリーン、キーボードがピート・ウィングフィールド、ドラムスがディープ・パープルのイアン・ペイス、デイヴ・マタックスと云った布陣でのレコーディングで、プログレッシヴ・ロックのピンク・フロイドと、ハード・ロックのディープ・パープルと云う、普通は考えられないバンドを、ロックンロールとビートルズと云う共通言語で融合させてしまうポールの荒技が光ります。2001年11月12日にリリースされたアルバム「DRIVING RAIN」(全英46位・全米26位)は些かズッコケましたが、その時に起用したまだ若手だったミュージシャンを中心としたツアー・バンドは、2024年の現在までつづいています。

2005年9月12日には、アルバム「CHAOS AND CREATION IN THE BACKYARD」(全英10位・全米6位)をリリースして、ポールはプロデュースをサー・ジョージ・マーティンに依頼したところ、既に引退状態だったサー・ジョージ・マーティンはナイジェル・ゴドリッジを推薦して、ポールとナイジェル・ゴドリッジは反発し合いながらも、ポールが全ての楽器を演奏する宅録スタイルをスタジオで行うと云うカタチで名盤としています。2007年には「古いアタマのEMIの爺どもとはやってられない」と云って、ヒア・ミュージックに移籍して、2007年6月4日に「MEMORY ALMOST FULL」(全英5位・全米3位)をリリースして、アーカイヴ・コレクションも始めました。2012年2月7日には、まさかのジャズ・スタンダード・カヴァーを中心としたアルバム「KISSES ON THE BOTTOM」(全英3位・全米5位)をリリースして、ポールもそう云う路線でゆくのかと思わせたら、2013年10月15日にはとびきりのロック・アルバム「NEW」(全英3位・全米3位)をリリースしています。2018年9月7日にはキャピトルに戻ってアルバム「EGYPT STATION」(全英3位・全米首位!)をリリースして、スタジオ・アルバムとしては間が空いているものの、ビートルズやウイングスやポールのリイシュー盤は毎年出ています。

それらは、2010年リリースのアルバム「BAND ON THE RUN」に始まり、2011年にはアルバム「McCARTNEY」とアルバム「McCARTNEY U」が、2012年にはアルバム「RAM」が、2013年にはライヴ盤「WINGS OVER AMERICA」が、2014年にはアルバム「VENUS AND MARS」と「WINGS AT THE SPEED OF SOUND」が、2015年にはアルバム「TUG OF WAR」とアルバム「PIPES OF PEACE」が、2017年にはアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」が、2018年にはアルバム「WINGS WILD LIFE」とアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」が、2020年にはアルバム「FLAMING PIE」が、それぞれリマスターされた本編CDに、アルバム未収録曲などを収めたCDと、秘蔵映像満載のDVDと、100頁以上もある豪華本のセットで箱入りでリリースされています。2017年から始まったビートルズの箱でも、ポールは序文を担当するなど関わっています。2020年12月18日には、新型コロナウイルスでロックダウン中だったのに、それでも音楽活動は止めずに、3作目の宅録ソロ・アルバム「McCARTNEY V」(全英首位!・全米2位)をリリースして、2021年4月16日にはソレをポールが選んだミュージシャンでカヴァーしたアルバム「McCARTNEY V IMAGINED」(全英13位・全米19位)をリリースしています。

ライヴ盤も、1993年11月8日に「PAUL IS LIVE」を、2002年11月11日に米国用のCD2枚組「BACK IN THE U.S.」を、2003年3月17日に英国や欧州用のCD2枚組「BACK IN THE WORLD LIVE」を、2009年11月17日にCD2枚とDVDの「GOOD EVENING NEW YORK CITY」を、2019年7月12日に「AMOEBA GIG」を、それぞれリリースしています。ベスト盤も、2001年5月7日にCD2枚組の「WINGSPAN:HITS AND HISTORY」を、2016年6月10日にCD4枚組の「PURE McCARTNEY」をリリースしています。BOXものもあって、1993年6月7日にCD16枚組の箱「THE PAUL McCARTNEY COLLECTION」を、1999年10月4日にアルバム「RUN DEVIL RUN」をシングル8枚組にした箱を、2018年12月7日にCD7枚にDVD3枚にBD1枚組の箱「WINGS 1971-1973」(アルバム「WINGS WILD LIFE」とアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」の豪華版に未発表ライヴ音源も加えた箱)を、2022年8月5日にCD3枚組の箱「McCARTNEY T U V」を、2022年12月2日にシングル80枚組の箱「THE 7’’SINGLES BOX」をリリースしていて、今年(2024年)には、アルバム「BAND ON THE RUN」の50周年記念盤と、1974年の未発表スタジオ・ライブ盤「ONE HAND CLAPPING」をリリースしています。そして、2024年の現在、82歳のポールは、現役でツアーを行っています。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

「雲霧仁左衛門2」第三回、第四回(再)で内山理名ちゃん



時代劇専門チャンネル 14:00〜15:45

第三回「盗人の純情」
第四回「生き別れた娘」

内山理名 AS 七化けのお千代

「雲霧仁左衛門2」第三回と第四回の、今年3回目の再放送です。第三回では、雲霧一党の富の市に敵対盗賊組織のおかねが近づきます。おかねがスパイだと発覚しますが、冨の市は愛情が湧いていて殺す事が出来ません。そこで海岸で雲霧仁左衛門が自らおかねを斬ろうとして、冨の市が身代わりに斬られると命乞いをして、おかねは雲霧一党に入る事で許されます。理名ちゃんが演じる七化けのお千代姐さんは、「色恋に歳は関係ないですよ」と二人の仲を見抜いたり、海岸で雲霧仁左衛門に刀を渡したり、許されたおかねに手拭いを渡したりと、要所要所で出番があります。

第四回では、雲霧一党の木鼠の吉五郎の生き別れた娘と思われるおひさが登場します。しかし其れは敵対盗賊組織が企んだ芝居で、雲霧仁左衛門たち雲霧一党は敵対盗賊組織を一網打尽にして、おひさも助けます。「家族をも犠牲にしても守る、其れが盗人の掟!」と啖呵を切る吉五郎の見せ場もあります。理名ちゃんが演じた七化けのお千代姐さんは、遊女に化けて敵対盗賊組織殲滅に協力しています。ところで、お千代姐さんは少女時代に雲霧仁左衛門から財布をスリ取ろうとして、それがキッカケで雲霧一党に入って七化けなどの技を仕込まれていて、雲霧仁左衛門もかなりヤバイ奴です。

本放送:2015年2月20日、2月27日(NHK BSプレミアム)

(姫川未亜)

posted by 栗 at 15:45| RINA | 更新情報をチェックする