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2024年09月13日

「ポールの道」#492「FAB4 GAVE AWAY」#36 「IT DON'T COME EASY / EARLY 1970」

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ビートルズ時代にリンゴ・スターがリード・ヴォーカルを務めた楽曲は、1963年の「BOYS」(アルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」収録)と「I WANNA BE YOUR MAN」(アルバム「WITH THE BEATLES」収録)、1964年の「MATCHBOX」(EP「LONG TALL SALLY」収録)と「HONEY DON'T」(アルバム「BEATLES FOR SALE」収録)、1965年の「ACT NATURALLY」(アルバム「HELP!」収録)と「WHAT GOES ON」(アルバム「RUBBER SOUL」収録)、1966年の「YELLOW SUBMARINE」(アルバム「REVOLVER」収録)、1967年の「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」(アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」収録)、1968年の「DON'T PASS ME BY」と「GOOD NIGHT」(共にアルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」収録)、1969年の「OCTOPUS'S GARDEN」(アルバム「ABBEY ROAD」収録)の、たったの11曲です。

ビートルズの公式レコーディング曲は213曲なので、他の202曲はジョンかポールかジョージが歌っているわけです。ジョージもビートルズ時代には29曲位しか歌っていませんが、ジョージの場合はそのほとんどがオリジナルで、後期には「SOMETHING」などの傑作を自分で書く様になっていました。それに、ビートルズはデビューから最後まで、ジョンとポールとジョージの三声コーラスが売りのひとつなので、ジョージの声はよく聴けます。対してリンゴのオリジナルは単独作では「DON'T PASS ME BY」と「OCTOPUS'S GARDEN」の2曲しかなく、レノン=マッカートニーとの共作となっている「WHAT GOES ON」を加えてもたったの3曲です。「FLYING」は4人の連名ですが、インストゥルメンタル曲です。リンゴは1963年頃には「DON'T PASS ME BY」と云う曲を書き始めていると発言しているので、1曲書くのに5年も掛かっています。

映画「LET IT BE」には、リンゴがピアノの弾き語りで「OCTOPUS'S GARDEN」を歌っていると、ジョージが曲の展開をアドバイスして、つまりは曲作りを手伝ってギターで合わせて、そこにジョンがやって来てドラムスで合わせると云う微笑ましい場面があって、映画だとそこにポールが現れて「酷い演奏だ」と云い放つのですが、実はそれはポールが前日にレコーディングした「GET BACK」が酷い演奏だと云ったのを、あたかも「OCTOPUS'S GARDEN」に対して云った様に編集してあるのです。それは兎も角として、リンゴは「DON'T PASS ME BY」を書くのに5年も掛かっているし、実は「OCTOPUS'S GARDEN」はジョージとの共作なのです。そんなリンゴが、ソロになって1971年4月9日(英国)・同年4月16日(米国)にアップルからリリースしたのが、シングル「IT DON'T COME EASY(明日への願い) / EARLY 1970(1970年代ビートルズ物語)」です。結果から云えば、この「IT DON'T COME EASY」は、全英4位・全米4位と大ヒットしました。

A面の「IT DON'T COME EASY(明日への願い)」をプロデュースしたのはジョージ・ハリスンで、レコーディング・メンバーは、リンゴ・スター(ヴォーカル、ドラムス)、ジョージ・ハリスン(ギター)、スティーヴン・スティルス(ギター)、ゲイリー・ライト(ピアノ)、クラウス・フォアマン(ベース)、ロン・カッターモール(サクソフォーン、トランペット)、バッドフィンガー(バッキング・ヴォーカル)と豪華です。「IT DON'T COME EASY」はリンゴの単独作で1968年頃から書いていたと云われる曲ですが、実はジョージとの共作であった事を後にリンゴが白状しています。と申しますのも、ジョージによるガイドヴォーカル音源がブートレグで流出してしまい、そちらは「ハレ・クリシュナ」とコーラスが入るジョージ節全開の出来栄えになっていて、こりゃあ共作だろうとバレてしまったからです。ガチでマントラ風のコーラスが入っているので、ジョージが自分で発表する気まであったのではないのか、と思わせるデモ音源です。リンゴ版でも耳をすませば、かすかに「ハレ・クリシュナ」は聴こえます。

B面の「EARLY 1970(1970年代ビートルズ物語)」はリンゴの単独作で、リンゴがアコースティックギターとドラムスとたぶんピアノを、ジョージがギターとおそらくベースも担当しています。プロデュースはリンゴとなっているものの、こちらもジョージなしでは完成していない楽曲です。内容は、1番がポール、2番がジョン、3番がジョージと来て、最後に3人全員に逢いたいな、と歌われるリンゴにしか歌えない呑気すぎる曲です。当時のジョージは「ビートルズが解散して一番得した男」と称されていて、ソロ・ミュージシャンとして3枚組のアルバム「ALL THINGS MUST PASS」やシングル「MY SWEET LORD」を大ヒットさせ、プロデューサーとしてもこのリンゴの曲を大ヒットさせて、バングラデシュ難民救済コンサートも行うなどノリにノッテいました。この時期には、ビートルズではレノン=マッカートニーの陰に隠れていたジョージとリンゴが売れていたのです。「IT DON'T COME EASY」も「EARLY 1970」もアルバム未収録でしたが、現在ではベスト盤やアルバム「RINGO」のボーナス・トラックで容易に聴く事が出来ます。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

空想格闘メタフィクション

「千秋万歳」第2部序章 NEW

其の六 愛はきらめきの中へ(下)



「第壱回・片瀬那奈・怪優グランプリ」のつづきの
「千秋万歳」序章のつづきの

西暦 2023年 西豪寺ホール

未亜:完全に決まったと思えたジェットコースターサドンデスですが、平山まどか先生はカウント9で立ち上がりました!

エレナ:ほらね、私ならTKOよ。

未亜:そうおっしゃる西豪寺エレナ様は、準決勝で平山まどか先生に負けているわけですが!

エレナ:何か云った?

イコ:まあまあ、エレナちゃん。西豪寺エレナ様、ばんじゃーい!

未亜:フラフラのフラガール・平山まどか先生に、大久保千秋のオリジナル・チアキ式ダンシングスパークリング777が炸裂!おっと、またしてもカウント9で立ち上がる平山まどか先生!しかし、もはや棒立ち状態だ!そこへ、大久保千秋がスペーストルネードチアキ略して「STC」を連発!大久保千秋は平山まどか先生の腕を離さない!平山まどか先生はなすすべなく、STCを食らう為だけに立たされる!コレは、もう拷問だ!平山まどか先生が、死んでしまうー!

イコ:そろそろ試合を止めるべきですね。エレナ様ストップでいいじゃないですか。プロレスは殺し合いではありませんよ。

未亜:完全に大久保千秋の一方的な展開となった!見かねて西豪寺エレナ様が動いた!タオル投入!25分52秒、大久保千秋のテクニカルノックアウト勝ちです!大久保千秋がKNKGP3優勝と共に、PWEシングル王座の7度目の防衛に成功しました!遂にV7達成だ!そして、おっと、ここで大久保千秋がマイクを持ったぞ!

千秋:皆さん、ありがとうございます。ようやくKNKGPで優勝する事が出来ました。PWEシングル王座もV7を達成したので、未練はありません。引退しても良い位に満足していますが、まだ見ぬ強豪がいるかもしれませんし、勝ち逃げはしません。私は二冠王者です。誰でもいいから、私の首を掻っ切ってみろ!

未亜:大久保千秋の逆下克上宣言が出ました!

イコ:ハラハラさせますね。一瞬、引退宣言かと思いましたよ。大久保千秋くんには二冠王者の大エースとして、もっともっと頑張ってもらわないといけませんよ。やはり、プロレスには絶対不屈彼女ならぬ絶対不屈エースがいないと困ります。

未亜:今大会を振り返ってみても、大久保千秋にはスキがなく、完璧な完全制覇と云っていいですよね!

イコ:どの試合も全く危なげがない上に、2回戦の藤田千秋くん、3回戦の柏木礼奈くん、準決勝の美月うららくん、そして決勝の平山まどか先生と、それぞれが名勝負でした。ただ強いだけではなく、それぞれの相手に合わせた展開で、文句なしですなあ。

未亜:大会の各賞が決定した模様です!MVPは満場一致で大久保千秋!ベストバウトは、なんと2回戦だった「大久保千秋VS藤田千秋」!敢闘賞は平山まどか先生!技能賞は美月うらら組長!殊勲賞は柏木礼奈!なんと、全ての賞が大久保千秋絡みの選出となりました!

イコ:正に、大久保千秋くんの、大久保千秋くんによる、大久保千秋くんの為の大会でした。

未亜:無敵の大久保千秋に土をつけるのは誰でしょうね!

イコ:やはり、まだ見ぬ強豪の新人選手か、3強の2大巨頭で横綱の西豪寺エレナ様と美月うららくんでしょうね。高瀬リコくんあたりにも頑張って欲しいところですが、兎に角、大久保千秋くんは強いですなあ。

未亜:大久保千秋の強さの秘密は何でしょう!

イコ:やはり、くぐって来た修羅場の数でしょうね。AV業界から闇金業界とダークサイドを歩んで来た経験を、普段は表に見せず、いざという時にリミッターを外してキレると、手のつけようがなくなる猛獣の如き熱き闘魂を秘めています。実にミステリアスな選手ですね。

未亜:なんとなく、青森の実家に仕送りをしている親孝行な娘さんと云う印象もありますね!

イコ:何にしろ、PWE王者でKNKGP王者なのですから、最強です。大久保千秋くんは、意外ですがKNKGPの優勝は3回目の今回が初めてなんですよ。残るタイトルはPWEタッグ王座だけですが、美月うららくんか高瀬リコくんと組めば戴冠出来そうですし、タイトル総なめの三冠王者も夢ではないでしょう。現タッグ王者は「西豪寺エレナ様、柏木礼奈くん」組ですけれど、美月組最強タッグで大久保千秋くんの出番が来たんじゃないですか。シングルでは、今のところ敵なしでしょう。

未亜:大久保千秋は本当に強すぎて、PWEシングル王座の挑戦者が見つからない状態です!さて、この後はKNKGP3で優勝して、PWEシングル王座のV7も達成した大久保千秋選手に、インタビューが予定されています!

イコ:チョット待って下さい、姫川さん。大久保千秋くんがPWEシングル王座のベルトを持って、控室から姿を消したと連絡が入りました。置手紙には「まだ見ぬ強豪を求めて旅に出ます」とだけ書かれてあるみたいですよ。

未亜:これは大変な事となりました!主役の大久保千秋が雲隠れ!一体どうなるんだプロレスリング・エレナ!それでは、今回はここまでです!実況は姫川未亜、解説は小島イコさん、乱入は西豪寺エレナ様でお送りいたしました!それでは皆さん、ごきげんようさようなら!


以 下、ひき潮(上)につづく

DEMO 2014−9−12
MIX 2024−9−13


(小島イコ/姫川未亜)


空想格闘メタフィクション


「千秋万歳」第2部序章 NEW

其の那奈 ひき潮(上)

STARTING OVER !

HEY EVERYBODY 
GOT BACK !

ON 2024・10・X

SINCE 2013・11・7


DE IMAGEN NO INC. A CADA*** CON AMOR

posted by 栗 at 22:00| CHIAKI | 更新情報をチェックする