1994年にリリースしたスタジオ・ライブ盤「LIVE AT THE BBC」が全英首位!・全米3位と大ヒットしたので、兎に角、ビートルズは出せば売れるとなってですね、1995年11月21日には「ANTHOLOGY 1」がアップルからリリースされました。コレはCD2枚組(LP3枚組)で、CD1が、1「FREE AS A BIRD」、2「SPEECH : JOHN LENNON」、3「THAT'LL BE THE DAY」、4「IN SPITE OF ALL THE DANGER」、5「SPEECH : PAUL McCARTNEY」、6「HALLELUJAH, I LOVE HER SO」、7「YOU'LL BE MINE」、8「CAYENNE」、9「SPEECH : PAUL」、10「MY BONNIE」、11「AIN'T SHE SWEET」、12「CRY FOR A SHADOW」、13「SPEECH : JOHN」、14「SPEECH : BRIAN EPSTEIN」、15「SEARCHIN'」、16「THREE COOL CATS」、17「THE SHEIK OF ARABY」、18「LIKE A DREAMERS DO」、19「HELLO LITTLE GIRL」、20「SPEECH : BRIAN EPSTEIN」、21「BESAME MUCHO」、22「LOVE ME DO」、23「HOW DO YOU DO IT」、24「PLEASE PLEASE ME」、25「ONE AFTER 909(Sequence)」、26「ONE AFTER 909」、27「LEND ME YOUR COMB」、28「I'LL GET YOU」、29「SPEECH : JOHN」、30「I SAW HER STANDING THERE」、31「FROM ME TO YOU」、32「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」、33「YOU REALLY GOT HOLD ON ME」、34「ROLL OVER BEETHOVEN」の、全34トラックの全27曲入りです。
CD2が、1「SHE LOVES YOU」、2「TILL THERE WAS YOU」、3「TWIST AND SHOUT」、4「THIS BOY」、5「I WANT TO HOLD YOUR HAND」、6「SPEECH : ERIC MORECAMBE AND ERNIE WISE」、7「MOONLIGHT BAY」、8「CAN'T BUY ME LOVE」、9「ALL MY LOVING」、10「YOU CAN'T DO THAT」、11「AND I LOVE HER」、12「A HARD DAY'S NIGHT」、13「I WANNA BE YOUR MAN」、14「LONG TALL SALLY」、15「BOYS」、16「SHOUT」、17「I'LL BE BACK(Take 2)」、18「I'LL BE BACK(Take 3)」、19「YOU KNOW WHAT TO DO」、20「NO REPLY(Demo)」、21「MR MOONLIGHT」、22「LEAVE MY KITTEN ALONE」、23「NO REPLY」、24「EIGHT DAYS A WEEK(Sequence)」、25「EIGHT DAYS A WEEK(Complete)」、26「KANSAS CITY / HEY-HEY-HEY-HEY!」の、全26トラックの全25曲入りで、合計60トラックの52曲入りです。コレは何なのかと云うと、ビートルズの未発表曲やライヴ音源などを集めたもので、この第1弾はデビュー前の1958年から全世界制覇した1964年までの音源です。後に「ANTHOLOGY 2」と「ANTHOLOGY 3」も出て、映像版と書籍も出ています。
未発表音源集と云えば聞こえが良いものの、実態はボツ音源集なわけで、ソレが新譜として出てしまったので、オリジナルのベスト盤かと間違って買ってしまう若いファンもいて、罪なアルバムではあります。アルバム「ANTHOLOGY 1」は、全米首位!・全英2位・日本3位と大ヒットしました。そして、ジョンが遺したデモ音源にポールとジョージとリンゴがオーバーダビングした新曲「FREE AS A BIRD」がシングル・カットされて、全英2位・全米6位と大ヒットしてしまったのです。そのシングル「FREE AS A BIRD」には、カップリングで「I SAW HER STANDING THERE(Take 9)」と「THIS BOY(Take 12/13)」と「CHRISTMAS TIME(IS HERE AGAIN)」が収録されていて、カップリングの3曲はアルバム「ANTHOLOGY 1」には未収録となっているので、無視出来ません。こうしたボツ音源が公式化されたのは、ブートレグ対策でもあって、思えば1973年リリースのオールタイム・ベスト盤「赤盤」と「青盤」も、1977年リリースのライヴ盤「THE BEATLES AT THE HOLLYWOOD BOWL」も、1994年リリースのスタジオ・ライヴ盤「LIVE AT THE BBC」も、全てがブートレグ対策だったのです。
英国では28作目・米国では39作目・日本では50作目!のシングルで新曲の「FREE AS A BIRD」は、1977年のジョンによるデモ音源に、1994年に此のアルバムの為にポールとジョージとリンゴがオーバーダビングしてジェフ・リンのプロデュースで完成させた「ビートルズの新曲」で賛否両論ありましたが、秀逸なミュージック・ヴィデオも制作されています。未発表曲は「ANTHOLOGY 1」ならば、他には「LIKE A DREAMERS DO」と「HELLO LITTLE GIRL」と「HOW DO YOU DO IT」と「ONE AFTER 909」と「LEND ME YOUR COMB」と「YOU KNOW WHAT TO DO」と「LEAVE MY KITTEN ALONE」位しかなくて、厳密に云えば「HOW DO YOU DO IT」と「LEAVE MY KITTEN ALONE」の2曲しかリリースを意識してレコーディングされた曲はありません。つまり、他は完成前のボツ音源やライヴ音源しかなくて、かと云ってそうした音源を全て収録しているわけではありません。例えば「ポリドール音源」や「デッカ・オーデイション」などは中途半端に収録しているし、ボツ音源やライヴ音源も、まだまだあります。故に、コレが出た事によってブートレグはなくなるどころか「公式盤には未収録音源ですよ」と云う触れ込みで、逆に増えてしまったのです。
(小島イコ)