2013年10月14日にポール・マッカートニーがMPL/ヒア・ミュージックからリリースしたソロとしては16作目で、ポール&リンダやウイングスを含めて24作目のスタジオ・アルバム「NEW」は、ジャイルズ・マーティン、マーク・ロンソン、イーサン・ジョンズ、ポール・エプワースと、4人の当時の英国での新進気鋭なプロデューサーを起用していて、ポール・エプワースがプロデュースした楽曲だけがポールがほとんどの演奏を手掛けていて、他の3人がプロデュースした楽曲はツアー・バンドが演奏しています。2013年9月2日に先行シングルとして配信限定でリリースしたアルバム表題曲の「NEW」は、クリスティーナ・アギレラやエイミー・ワインハウスなどを手掛けたマーク・ロンソンのプロデュースで、ツアー・バンドをバックにしたビートリーな楽曲でした。そして、ポールは早くも2013年10月14日にアルバム「NEW」と同時に2作目のシングルとして「QUEENIE EYE」を配信限定でリリースしたのです。
此の「QUEENIE EYE」は、フローレンス・アンド・ザ・マシーンやアデルなどを手掛けたポール・エプワースがプロデュースした楽曲で、レコーディングは、ポール・マッカートニー(ヴォーカル、ギター、ベース、ラップスチールギター、ピアノ、メロトロン、モーグ・シンセサイザー、シンセサイザー、メロトロン、タンブリン)、ポール・エプワース(ドラムス)の二人によって行われていて、作詞作曲も共作となっていて、コレはエプワースがプロデュースした他の楽曲(「SAVE US」と「ROAD」と「STRUGGLE」)も同じです。其の後のライヴでも頻繁に演奏される様になった「QUEENIE EYE」の語りかける様な曲調は、個人的にはジョン・レノンは勿論、ルー・リードからの影響も受けていると思っている楽曲で、ポールの新たなる挑戦が伺えて、アルバム「NEW」の中でも特に気に入っています。こうした新たな路線でも、ポールはポールなので、半ば強引に「ポール節」にしてしまうのが好きなんですよ。
サイモン・アバウド(ポールの娘・メアリー・マッカートニーの夫)が監督の此の楽曲のMVには、ジャイルズ・マーティン、ジョニー・デップ、テイク・ザット、ゲイリー・バーロウ、ピーター・ブレイク、ジェームズ・コーデン、 トム・フォード、ジェレミー・アイアンズ、ジュード・ロウ、ショーン・ペン、クリス・パイン、ジャック・サヴォレッティ、ローラ・ベイリー、リリー・コール、アリス・イヴ、アリアナ・ディ・ロレンツォ、ケイト・モス、タマラ・ロホ、ダフネ・セルフ、メリル・ストリープ、トレイシー・ウルマン、などが出演していて、ちょっとした映画が作れそうな布陣で、アビイ・ロード・スタジオで撮影されています。ポールによれば、此の楽曲は子どもの頃に遊んだ“Queenie Eye, Queenie Eye Who's got the ball?”から頂いているのだそうです。ブートレグ9枚組の「THE 7‘’ SINGLES」では、遂に此の曲から9枚目となっております。「THE 7‘’ SINGLES BOX」では73枚目で、B面にアルバム冒頭の「SAVE US」を入れて新たに制作された「QUEENIE EYE / SAVE US」が収録されています。
(小島イコ)