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2024年05月01日

「ポールの道」#357「THE 7‘’ SINGLES BOX」#33「EBONY AND IVORY / RAINCLOUDS」

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1月に来日して成田税関で大麻不法所持の現行犯逮捕から9日間拘留後に国外退去で始まった1980年のポール・マッカートニーは、英国での流れだと、4月にソロ・シングル「COMING UP」を、5月にソロ・アルバム「McCARTNEY U」を、6月にシングル・カットの「WATERFALLS」を、9月に12インチ・シングル「TEMPORARY SECRETARY」を、それぞれ単独名義でリリースしています。しかしながら、ポールは「第7期ウイングス」を諦めてはおらず、7月にはリンゴ・スターのソロ・アルバム用のレコーディングに「第7期ウイングス」のリード・ギタリストであるローレンス・ジューバーを参加させて、8月にはデニー・レインと次作アルバム用のデモをレコーディングして、10月には「第7期ウイングス」でのリハーサルを行っています。此のリハーサルが行われたのは、1980年10月30日で、翌日の10月31日と11月3日には、サー・ジョージ・マーティンのプロデュースで、アニメ映画用の「WE ALL STAND TOGETHER」のレコーディング(リリースは1984年)をポールのソロ名義で行います。

1973年リリースのシングルで映画主題歌「007 死ぬのは奴らだ(LIVE AND LET DIE)」以来、8年ぶりとなったサー・ジョージ・マーティンとのタッグに好感触を得たポールは、引き続きアルバムのプロデュースを依頼するのですが、サー・ジョージ・マーティンからの返答は「ポールのソロ・アルバムならば受けるが、ウイングスのアルバムだったら断る」と云う単純明快なもので、しかも「君(ポール)は、何故いつも自分よりも下手な連中とばかりレコーディングしているんだ?もっと上手いミュージシャンとやらなきゃダメだろう」とまで云い放ったのでした。其の辺が、ビートルズのメジャー・デビュー当時から関わっていて師匠でもあったサー・ジョージ・マーティンだから云える事で、1979年リリースのウイングスのアルバム「BACK TO THE EGG」で組んだ弟子のクリス・トーマスには云えない提言だったわけですなあ。と云うか、もうソレは「デニー・レインと組んでいたんじゃ、ダメだろう」と云ったのと変わらないわけで、当然、デニー・レインの耳にも入ったのでしょうなあ。

それでもポールは、1980年12月にはデニー・レインと共作した「RAINCLOUDS」のレコーディングを行っていて、そんな時にジョン・レノンが射殺されると云う大事件が起こってしまうのです。ビートルズ時代は勿論、ソロやウイングスになっても常にポールはジョンを意識してレコードを作っていたわけで、其の唯一無二の相棒を失った衝撃は、ファンたちにも計り知れない大きなものだったでしょう。そして、ジョンの死によってポールはサー・ジョージ・マーティンの意見を取り入れて、次作アルバムはソロ・アルバムにする事を決意しました。そんな経緯で1982年4月5日に英国(パーロフォン)・米国(コロムビア)でリリースされたのが、ポールの単独名義では3作目のアルバム「TUG OF WAR」です。ビートルズ同様に、サー・ジョージ・マーティンがプロデュースして、ジェフ・エメリックがエンジニアを務め、ポールが作詞作曲して演奏して歌った此のアルバムは、それまでのソロ・アルバムが宅録だったのとは違い、盟友リンゴ・スターも含む豪華なミュージシャンと共演した大傑作(全英首位!全米首位!)となったのです。

其のアルバムからの先行シングルとして、1982年3月29日にリリースされたのが「EBONY AND IVORY / RAINCLOUDS」です。A面の「EBONY AND IVORY」はポールの単独作なのですが、元々スティーヴィー・ワンダーに当て書きしていて、レコーディングは、ポール・マッカートニー(ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、ベース、ギター、ピアノ、シンセサイザー、パーカッション、ヴォコーダー)、スティーヴィー・ワンダー(ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、エレクトリック・ピアノ、シンセサイザー、パーカッション、リンドラム、ドラムス)と、ポールとスティーヴィーの二人だけで行われています。此のシングルは12インチ・シングルも出ていて、そちらにはポールがソロで歌っているヴァージョンも収録されています。黒人と白人を鍵盤楽器の黒鍵と白鍵に例えて世界平和を歌う「甘過ぎる」楽曲ですが、ポールは真剣そのものでそう云う楽曲を書いて、スティーヴィー・ワンダーとデュエットして、全英首位!全米首位!と大ヒットさせました。またしても、ポールの単独名義ではない「全米首位!」です。

ポールがこう云う大きなテーマの楽曲をリリースしたのは、当然ながら「ジョンの死」があったからで、永遠にジョンを失ったポールは此処から「ジョンに代わるパートナー」(ズバリ云って、そんな人はいない)を追い求めてゆく事となります。アルバム「TUG OF WAR」は1980年12月から翌1981年12月までの長期に渡ってレコーディングされていて、此のスティーヴィー・ワンダーとの共演曲は1981年2月28日にモントセラト島のエアー・スタジオ(サー・ジョージ・マーティンのスタジオ)で行われています。レコーディングは前述の通りポールとスティーヴィーの二人だけで行われているものの、二人が共演しているミュージック・ヴィデオはスケジュールが合わなかったので二人を別々に撮影して合成しています。エアー・スタジオでのレコーディングにはデニー・レインも同行したのですが、ウイングスへの興味を失ってしまったポールと対立して英国へ帰ってしまい、1981年4月27日にデニー・レインが脱退宣言をして、ウイングスは自然消滅しました。

ウイングスとしての最後のレコーディングは、1981年1月に行われていて、ソレは未だにアルバムとしては未発表の未発表曲集「COLD CUTS」へのオーバーダビングだったと「元・第7期ウイングス」のローレンス・ジューバーが語っています。此のシングルのB面は、前述のポールとデニー・レインの共作「RAINCLOUDS」で、レコーディングは、ポールが、ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、スパニッシュ・ギター、ベース、ドラムスと、ほとんどワンマンで、リンダとデニー・レインと10ccのエリック・スチュワートがバッキング・ヴォーカルで、チーフタンズのパディ・モローニがイリアン・パイプスで参加しています。「EBONY AND IVORY」はアルバム「TUG OF WAR」の最後に収録されていて、「RAINCLOUDS」はアルバム未収録曲で、アルバム「TUG OF WAR」は其の後のリイシュー盤ではボーナス・トラックを入れていなかったので、「RAINCLOUDS」と「EBONY AND IVORY」のソロ・ヴァージョンは2015年リリースの「アーカイヴ・コレクション」で初CD化されました。「THE 7‘’ SINGLES BOX」では33枚目で、英国盤のピクチャー・スリーヴで復刻されています。

さてさて、2024年現在のポールですが、記憶も新しい2月2日にアルバム「BAND ON THE RUN」の50周年記念盤をリリースしたばかりなのに、6月14日にアノ「ONE HAND CLAPPING」をCD2枚組でリリースするそうです。「ONE HAND CLAPPING」は、1974年8月に撮影録音されたもので、ポール・マッカートニー(ヴォーカル、ベース、ピアノ、エレクトリック・ピアノ、ハモンド・オルガン、チェレスタ、ハーモニウム、アコースティック・ギター)、リンダ・マッカートニー(モーグ・シンセサイザー、エレクトリック・ピアノ、メロトロン、タンバリン、バッキング・ヴォーカル)、デニー・レイン(ヴォーカル、エレキ・ギター、アコースティック・ギター)、ジミー・マカロック(エレキ・ギター、バッキング・ヴォーカル)、ジェフ・ブリトン(ドラムス)の「第4期ウイングス」としては唯一のスタジオ・ライヴ音源です。2010年のアルバム「BAND ON THE RUN」の「アーカイヴ・コレクション」で不完全なリリースはありましたが、全編となると初の公式盤となるでしょう。しかし、ポールが慌てて年の前半に2作もリリースを敢行するのは、5月8日から映画「LET IT BE」が配信されるし、後半にはビートルズが予定されているんでしょうなあ。

(小島イコ)

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2024年05月02日

「浅見光彦〜最終章〜」第1話(再)

浅見光彦 ~最終章~  (沢村一樹 主演) [DVD]


ミステリーチャンネル 21:45〜23:35

第1話「恐山・十和田・弘前編」

片瀬那奈 AS 藤波紹子(第1話マドンナ)

「浅見光彦〜最終章〜」第1話の、今年4回目の再放送です。元々が「2時間ドラマ」のシリーズで、ソレを連続ドラマ化したので「最終章」となっているのですが、ソレはエロス沢村版の「最終章」であって、「浅見光彦シリーズ」は其の後も続いています。此のドラマでエロスは連続ドラマ初主演で、此の後にバンバン主演を務めますが、遅咲きでした。那奈ちゃんが料理人の藤波紹子を演じた第1話は、「初回2時間スペシャル」として「2時間ドラマ」と同じ尺があります。ところで、那奈ちゃんはYouTubeで50回以上も「推し活生配信」ばかりやっていたけれど、今年(2024年)になってペース・ダウンして、遂に4月は1回もやりませんでした。公式の「X」や「インスタグラム」に続いて、遂に「推し活生配信」も飽きてしまったのでしょうか。まあ、現在は「会社員」が本業なのですから、他は「道楽」なわけで、それでいいのかもしれませんね。



(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#358「THE 7‘’ SINGLES BOX」#34「TAKE IT AWAY / I'LL GIVE YOU A RING」

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1982年4月にリリースしたポール・マッカートニーのソロ名義では3作目のアルバム「TUG OF WAR」は、先行シングル「EBONY AND IVORY」と共に全英首位!全米首位!と特大ヒットになりました。レコーディングが1年以上も掛かったのは、此の時のポールが下手なものは絶対に出せなかったからです。其の理由は、盟友・ジョン・レノンの悲劇的な死だったとしか云えません。ビートルズが解散しても、ポールは常にジョンを意識して音楽活動をしていたのですから、其の喪失感は想像を絶する程に大きく、しかも世間は「ジョンの死後にポールはどうするのか?」と厳しい目で見ていました。殺されて神様になったジョンと比較されるのですから、プレッシャーは重すぎたでしょう。しかし、追い込まれた時にこそ本領を発揮するポールは、サー・ジョージ・マーティンとジェフ・エメリックと云うビートルズ時代の鉄壁なプロデューサーとエンジニアを起用して、超豪華絢爛なミュージシャンたちをゲストに迎えて、ほぼ完璧なアルバム「TUG OF WAR」を世に問うたのでした。そこに、ポール・マッカートニーと云う名の化け物の真価があるのです。

スティーヴィー・ワンダーとデュエットした「EBONY AND IVORY」の特大ヒットにつづいて、ポールが第2弾シングル・カットしたのが「TAKE IT AWAY / I'LL GIVE YOU A RING」で、1982年6月21日に7インチ盤を、同年7月5日に12インチ盤をパーロフォンからリリースしています。日本では12インチ・シングル盤のみのリリースでした。A面の「TAKE IT AWAY」のレコーディング・メンバーは、ポール・マッカートニー(リード&バッキング・ヴォーカル、ベース、アコースティック・ギター、ピアノ)、リンダ・マッカートニー(バッキング・ヴォーカル)、エリック・スチュワート(エレクトリック・ギター、バッキング・ヴォーカル)、リンゴ・スター(ドラムス)、スティーヴ・ガット(ドラムス)、ジョージ・マーティン(エレクトリック・ピアノ)です。サー・ジョージ・マーティンが演奏にも加わって、ドラムスがリンゴ(スティーヴ・ガットとのダブル・ドラムス)と、当時は盛んに「ビートリー」と云われていました。つまりは「ビートルズ風」だから「ビートリー」なのですが、エンジニアのジェフ・エメリックも加えて「役者が揃った」のですから、そうなりますわなあ。更に云えば、ポールは「WANDERLUST」の間奏でジョージ・ハリスンにギターを弾いてもらう心算だったらしく、それじゃあ、もう「ビートルズ」になってしまったでしょう。

個人的には此の「TAKE IT AWAY」がアルバム「TUG OF WAR」で最も好きな曲なのですが、ソレは「ビートリー」なだけではなく、10ccのエリック・スチュワートがガッツリと参加しているからです。終盤のコーラスを聴くと、これぞ正に「ビートルズ+10cc」になっていて、ゾクゾクします。エリックは結果的には、ここからポールの4作のアルバムに継続して参加する事となります。元々アルバム「TUG OF WAR」は2枚組でのリリースを考えていたので、次作アルバム「PIPES OF PEACE」に回されたマイケル・ジャクソンとの共作共演曲なども既にレコーディングは終了していたのです。故に、双方のアルバムにデニー・レインが参加しているのは、まだポールと喧嘩別れする前の1980年12月から1981年2月までのレコーディング楽曲が混じっているからなのです。実質的にはアルバム「TUG OF WAR」からは、ポールの相方はデニー・レインからエリック・スチュワートに交代していたわけです。ソレはサー・ジョージ・マーティンが「ポールより下手なデニー・レイン」を切って「ポールと同等に演奏出来るレベルのエリック・スチュワート」を選んだとも云えます。

元々はリンゴの為に書いたと云うシングル「TAKE IT AWAY」は、全米10位・全英15位とまずまずのヒットとなっています。B面の「I'LL GIVE YOU A RING」はアルバム未収録曲で、後にアルバム「TUG OF WAR」の「アーカイヴ・コレクション」で初CD化されて、レコーディング・メンバーは、ポール・マッカートニー(ヴォーカル、エレクトリック・ギター、ベース、ピアノ、ドラムス)、トニー・コー(クラリネット)、リンダ・マッカートニー(バッキング・ヴォーカル)、エリック・スチュワート(バッキング・ヴォーカル)で、ほとんどが1974年頃のポールのワンマン・レコーディングにオーバーダビングしています。ポールがまだ10代の頃に書いたと云う此の曲では、既にデニー・レインの名前は消えていて、エリック・スチュワートが加わっています。10ccと云えばゴドレイ&クレームが在籍していた時代がやはり良いのですけれど、エリック・スチュワートが参加しただけでポールの曲が「10cc風」になってしまう(逆にエリックの代わりにデニー・レインが入るとウイングス風になる)のですから、面白いのです。「TAKE IT AWAY」はイントロがアルバムでは「TUG OF WAR」のエンディングと被っていたのですが、シングルでは被らない別ミックスです。12インチ盤には、アルバムから「DRESS ME UP AS A ROBBER」が加わっています。「THE 7‘’ SINGLES BOX」には34枚目で、英国盤のピクチャー・スリーヴで復刻されています。

(小島イコ)

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2024年05月03日

「ポールの道」#359「THE 7‘’ SINGLES BOX」#35「TUG OF WAR / GET IT」

Tug Of War (2LP+7


1982年4月にポール・マッカートニーがリリースした3作目のソロ・アルバム「TUG OF WAR」は、盟友・ジョン・レノンの死を乗り越えてポールが作り上げた傑作です。アルバムの内容は、A面が、1「TUG OF WAR」、2「TAKE IT AWAY」、3「SOMEBODY WHO CARES」、4「WHAT'S THAT YOU'RE DOING」、5「HERE TODAY」で、B面が、1「BALLROOM DANCING」、2「THE POUND IS SINKING」、3「WANDERLUST」、4「GET IT」、5「BE WHAT YOU SEE(LINK)」、6「DRESS ME UP AS A ROBBER」、7「EBONY AND IVORY」の、全12曲入りです。ポールは其の後のリイシューでも本編にはボーナス・トラックを収録していないので、アルバムとしてのトータルな流れにも自信を持っているのでしょう。サー・ジョージ・マーティンの「ポールのソロならプロデュースするが、ウイングスならやらない」や「君(ポール)は、何故いつも自分よりも下手な奴とやっているんだ?」と云った提言が効いて、豪華絢爛な実力があるミュージシャンが多数参加しています。当初は2枚組でのリリースを考えていたので、次作アルバム「PIPES OF PEACE」に収録されるマイケル・ジャクソンとの共作共演曲も、既にレコーディングは終了していました。

先行シングルだった「EBONY AND IVORY」はポールの単独作ながらスティヴィー・ワンダーと二人だけで演奏してデュエットしていて、アルバムと共に全英首位!全米首位!となりました。ポールとスティーヴィーの共作である「WHAT'S THAT YOU'RE DOING」は、セッションをそのまんま曲にした様な出来栄えですが、完璧に近いアルバムの中で息抜きになっているとは思います。第2弾シングル・カット曲「TAKE IT AWAY」でのコーラスで顕著な10ccのエリック・スチュワートの参加も、もっと褒められてもおかしくはありません。A面最後の「HERE TODAY」はジョンへの追悼曲で、アノ「YESTERDAY」を誰もが思い起こさせる弦楽四重奏とポールのアコースティック・ギターの弾き語りです。アルバムは曲間がほとんどなくメドレーの様に流れてゆくので、シングル・カットされた楽曲はシングル・ミックスされているものも多いのです。前回に取り上げた「TAKE IT AWAY」もシングル・ミックスでしたし、シングル「EBONY AND IVORY」のB面曲「RAINCLOUDS」と、12インチ盤の「EBONY AND IVORY」のポール・ソロ・ヴァージョンと、シングル「TAKE IT AWAY」のB面曲「I'LL GIVE YOU A RING」はアルバム未収録でした。

アルバム「TUG OF WAR」は、当初はウイングスの8作目のアルバムとして構想されて、1980年8月にデモ・レコーディングが行われていて、ソレを聴いたサー・ジョージ・マーティンが選曲した楽曲を同年10月には「第7期ウイングス」でリハーサルを行っています。デモ音源は2015年にリリースされたアルバム「TUG OF WAR」とアルバム「PIPES OF PEACE」のボーナス・オーディオで聴けますし、ウイングスでのリハーサルもブートレグで聴けるのですが、其のウイングスによるリハーサル音源が酷い出来栄えなのです。まるで其の辺のガレージ・バンドがガチャガチャやったみたいな粗い演奏で、コレを聴いたからこそ、サー・ジョージ・マーティンは「ウイングスではなくソロで」とか「ポールより下手な連中」とか云い出したんじゃないでしょうか。勿論、ポールが辿って来た「ウイングスの歴史」もマーティンは「ダメだ、こりゃ」と思いながら聴いてきたわけですが、トドメを刺したのは其のアルバム「TUG OF WAR」に向けての「第7期ウイングスでのリハーサル音源」だったと考えられます。ド素人のファンが聴いても酷いのですから、プロ中のプロであるサー・ジョージ・マーティンがダメ出しをするのは当然です。

そうしてサー・ジョージ・マーティンがプロデュースしてジェフ・エメリックがエンジニアを務めたアルバム「TUG OF WAR」は、鉄壁な「大人のアルバム」として作り上げられています。アルバムは勿論の事、先行シングル「EBONY AND IVORY」も、第2弾シングル・カットの「TAKE IT AWAY」も売れました。ソコで、ポールは第3弾シングル・カットの「TUG OF WAR / GET IT」を1982年9月6日にリリースしています。戦争を綱引きに例えた反戦歌である此の表題曲は、ジョンの「IMAGINE」と比較されたりもしますが、ジョンの死によってポールは「ジョンならどうする?」を考えて曲を書くようになったのです。アルバムでは冒頭で、綱引きのSEから始まって最後は次の「TAKE IT AWAY」と繋がっていますが、シングルではSEなしで最後も被らないミックスになっています。演奏はオーケストラ以外はほとんどポール単独で、デニー・レインとエリック・スチュワートがギターで参加しています。コーラスはリンダとエリックで、そちらの綱引きではエリックが勝ったわけです。B面の「GET IT」はカール・パーキンスとの共演で、ドラムスなしのロカビリー・ナンバーで、こちらもシングル向けのミックスです。此のシングルは両面共にアルバムに入っているので、全英・全米共に53位と低迷しています。「THE 7‘’ SINGLES BOX」では35枚目で、英国盤のピクチャー・スリーヴで復刻されています。

(小島イコ)

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2024年05月04日

「IP〜サイバー捜査班」第9話(最終話)(再)で内山理名ちゃん



テレ朝チャンネル1 7:00〜8:00

IP_FINAL「ディープフェイク」

内山理名 AS 桐子香澄

「IP〜サイバー捜査班」第9話(最終話)の、今年4回目の再放送です。前回からのつづきで、理名ちゃんが演じた桐子香澄警視正は、機密情報漏洩をネタに犯人に脅されて、ディープフェイク動画を使った犯罪に加担させられていたと判明します。其の証言をしたところで出番は終了で、後半は拉致監禁された「まいんちゃんを救え!」になっています。

本放送:2021年9月16日(テレビ朝日)

(姫川未亜/小島イコ)

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「ポールの道」#360「THE 7‘’ SINGLES BOX」#36「SAY SAY SAY / ODE TO A KOALA BEAR」

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1982年4月にリリースされたポール・マッカートニーの大傑作アルバム「TUG OF WAR」は、当初は2枚組で構想されておりましたが「何度目の反対か?」で1枚になりました。ソレで、ポールはアルバム「TUG OF WAR」には未収録となった楽曲に新録を加えてアルバム「PIPES OF PEACE」として1983年10月にリリースするのです。アルバム「TUG OF WAR」とアルバム「PIPES OF PEACE」で参加ミュージシャンが被っているのは、元々が同じセッションでレコーディングされた楽曲が多いからです。アルバム「PIPES OF PEACE」からは、先行シングルとしてポールとマイケル・ジャクソンとの共作共演曲「SAY SAY SAY」が1983年10月3日にMPL/パーロフォンからリリースされて、全英2位・全米6週連続首位!全米年間チャートで3位と大ヒットしています。リリースの順番だと、1982年10月にマイケル・ジャクソンのアルバム「THRILLER」から先行シングルとしてポールとマイケルの共演曲「THE GIRL IS MINE」(全米2位・全英8位)が出て、同年12月にソレを含むマイケルのアルバム「THRILLER」(全英首位!・全米通算37週首位!・7千万枚も売れた)が出て、翌1983年10月にポールとマイケルの共作共演シングル「SAY SAY SAY」とソレを含むポールのアルバム「PIPES OF PEACE」がリリースとなっています。

ところが、レコーディング順は逆で、まずはアルバム「TUG OF WAR」のセッションで1981年11月にロンドンのエアー・スタジオにマイケル・ジャクソンが「曲作りを教えて欲しい」とやって来て、ポールとマイケルが「SAY SAY SAY」と「THE MAN」を共作して共演していて、アルバム「TUG OF WAR」が2枚組から1枚に変更されたので、此の時の2曲は2年間お蔵入りとなりました。そして、ポールは其のレコーディングへの返礼として翌1982年4月にロスへ行って、クインシー・ジョーンズのプロデュースでマイケルが書いた「THE GIRL IS MINE」でデュエットして、そちらが先行シングルとして同年10月に、アルバム「THRILLER」が12月に、それぞれポールのシングルやアルバムよりも先にリリースされたのです。マイケルは1979年リリースの前作アルバム「OFF THE WALL」(そちらもクインシー・ジョーンズがプロデュース)で、ポールが元々は1974年に「ジャクソン5」用に書いて1978年のウイングス名義のアルバム「LONDON TOWN」に収録した「GIRLFRIEND」をカヴァーしていて、其の流れからポールのレコーディングに参加する事となったのでしょう。

お人好しのポールは、マイケルに曲作りを教えるだけではなく、版権ビジネスまで教えてしまい「レノン=マッカートニー」の版権をマイケルに買われてしまうのでした。ポールはマイケルとの共作共演曲を気に入っていて、もう1曲の「THE MAN」もシングル・カットを考えていたものの、余りにもマイケルのアルバム「THRILLER」が売れてしまったので、ソレに便乗したと思われたくなくてリリースを見送っておりますが、前述の通り「SAY SAY SAY」と「THE MAN」の方が「THE GIRL IS MINE」よりも先にレコーディングされています。「SAY SAY SAY」は12インチ・シングルもリリースされていて、元々が3分55秒ですが長尺なリミックス(5分40秒)とインストゥルメンタルが収録されていて、2015年にアルバム「PIPES OF PEACE」の「アーカイヴ・コレクション」をリリースした時には「2015リミックス(前記のインストゥルメンタルにボツになったポールとマイケルの歌を乗せたヴァージョン)」も制作して収録しています。「MTV」が全盛期を迎える時期で「MTV」の申し子とも云えるマイケルとの共演とあって、短編映画並みに予算をかけたと思われるミュージック・ヴィデオも制作しています。

その「MV」ではポール&リンダとマイケルが「インチキ薬売り」に扮していて、ミンストレル・ショーも披露する印象的なもので、アルバム表題曲でシングル・カットされる「PIPES OF PEACE」共々、金掛かっているなあ、と思える「MV」です。全米首位!は納得な「SAY SAY SAY」ですが、またしても「ポール単独名義ではない」全米首位曲となっております。個人的には「SAY SAY SAY」と「THE MAN」をそれ程には評価していなくて、シングル両面にでもしてアルバムには収録しなくとも良かったとさえ思っています。但し、云っておきたいのは、此の「SAY SAY SAY」はポールにとってはビートルズ解散後では「SILLY LOVE SONGS」に次ぐ歴代2位のヒット曲ですが、マイケルにとっては生涯最大のヒット曲なのです。故に、当時のアルバム「THRILLER」人気にポールが便乗したわけではありません。B面の「ODE TO A KOALA BEAR(コアラへの詩)」はアルバム未収録で、動物好きなポールらしい佳曲ですが、2015年のアルバム「PIPES OF PEACE」の「アーカイヴ・コレクション」で初CD化されるまでは此のシングルでしか聴けなかった曲です。「THE 7'' SINGLES BOX」には36枚目で、英国盤のピクチャー・スリーヴで復刻されています。

(小島イコ)

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2024年05月05日

「ポールの道」#361「THE 7‘’ SINGLES BOX」#37「PIPES OF PEACE / SO BAD」

Pipes Of Peace - EX


1983年10月31日にMPL/パーロフォンからリリースされたポール・マッカートニーの4作目のソロ・アルバム「PIPES OF PEACE」は、元々は1982年4月26日にリリースされた前作アルバム「TUG OF WAR」との2枚組を予定していました。故に、2枚に分かれての当初のリリース予定は1983年1月だったものの、ポールが映画制作に入ってしまったりして遅れています。そうしている間に「SAY SAY SAY」と「THE MAN」を共作共演したマイケル・ジャクソンのアルバム「THRILLER」が先に発売されてしまい、7千万枚とも云われるモンスター・セールスとなったのでした。アルバム「PIPES OF PEACE」の内容は、A面が、1「PIPES OF PEACE」、2「SAY SAY SAY」、3「THE OTHER ME(もう一人の僕)」、4「KEEP UNDER COVER」、5「SO BAD」で、B面が、1「THE MAN」、2「SWEETEST LITTLE SHOW」、3「AVERAGE PERSON」、4「HEY HEY」、5「TUG OF PEACE」、6「THROUGH OUR LOVE(ただ愛に生きて)」の、全11曲入りです。「SAY SAY SAY」と「THE MAN」がマイケルとの共作で、「HEY HEY」がスタンリー・クラークとの共作で、他はポールの単独作です。

此の内、アルバム「TUG OF WAR」のセッションでレコーディングされたのが、「SAY SAY SAY」と「KEEP UNDER COVER」と「SO BAD」と「THE MAN」と「SWEETEST LITTLE SHOW」と「AVERAGE PERSON」と「HEY HEY」の7曲で、其の後に此のアルバム用にレコーディングした曲は、「PIPES OF PEACE」と「THE OTHER ME」と「TUG OF PEACE」と「THROUGH OUR LOVE」の4曲だけです。つまり、本当に2枚組にする予定で、こちらに回された曲のほとんども完成していたわけです。アルバム「PIPES OF PEACE」のレコーディングは、1980年11月から1983年7月までと長期に渡っているのはアルバム「TUG OF WAR」と同時進行だったからで、参加ミュージシャンの顔ぶれが被っているのも、プロデュースがサー・ジョージ・マーティンでエンジニアがジェフ・エメリックであるのも、其の為です。全英首位!全米首位!だった前作アルバム「TUG OF WAR」と比べると、アルバム「PIPES OF PEACE」は全英4位・全米15位と落ちています。特に全米15位は、先行シングル「SAY SAY SAY」が6週連続首位!になったのに低すぎる結果でした。

現在ではポールは1980年代中頃に低迷した事になっていて、ソレを1986年リリースで10ccのエリック・スチュワートと組んだアルバム「PRESS TO PLAY」(全英8位・全米30位)のせいにしているアホな評論家がいるのですけれど、1983年のアルバム「PIPES OF PEACE」が全英4位・全米15位で、1984年のサントラ盤「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET」が全英首位!全米21位だった2作の存在を敢えて無視しているんじゃないでしょうか。全米では「首位→15位→21位→30位」と緩やかに下降していったのが1980年代のポールであって、更に云えば1989年のアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」も全英首位!全米21位なのですよ。つまり、英国ではずっとトップ10ヒットだったし落ちぶれてなんかいなかったし、エリック・スチュワートと組もうがエルヴィス・コステロと組もうが、英国では売れるけれど米国では売れなくなってしまったのが1980年代のポールだったのです。此の事は、何度も繰り返し語っていますが、どうも日本の頭も耳も悪い評論家は「エリック・スチュワートはダメで、エルヴィス・コステロは良い」と云う事にしたい様子なので「違う」と何度でも云います。

さて、アルバム「PIPES OF PEACE」からは、全英2位・全米6週連続首位!だった「SAY SAY SAY」につづいて、第2弾シングル・カットとして表題曲で平和讃歌「PIPES OF PEACE」を1983年12月5日に英国ではA面にしてリリースして、全英首位!(ビートルズ解散後では「MULL OF KINTYRE」「EBONY AND IVORY」につづく3曲目)の大ヒットとなりました。第2弾シングルでB面の「SO BAD」もアルバムに入っているのに首位!は、英国でのサー・ポール・マッカートニーの面目躍如です。これまたお金を湯水の如く使って制作したと思われるミュージック・ヴィデオでは、第1次世界大戦中のクリスマス休戦を描いていて、ポールが英国軍人と独逸軍人の二役を演じています。アルバム表題曲ではあるものの、シングル・ヴァージョンは冒頭のオーケストラによるSEはカットされています。B面の「SO BAD」はポールが全編ファルセットで歌うラヴ・バラードで、米国や日本ではこちらがA面でした。全米23位までしか上がっていませんが、個人的にはアルバム「PIPES OF PEACE」で最も好きな佳曲です。ブートレグ9枚組の「THE 7‘’ SINGLES」では、此のシングルから5枚目になっています。

「SAY SAY SAY」や「PIPES OF PEACE」でMVにお金を掛け過ぎた反動からか、「SO BAD」のMVは実にシンプルで、ポール&リンダとリンゴ・スターとエリック・スチュワートの4人による演奏シーンとそれをリンダがカメラで撮影しているだけの作品で、4人組なのでビートルズ(二人は本物)を連想させられますし、ポールみたいな人は「SAY SAY SAY」や「PIPES OF PEACE」の様に別人を演じる必要などなく、ただ演奏しているだけで良いと思わされるMVです。ポールとリンゴと一緒にいてもエリック・スチュワートが全く見劣りしないのがイイ感じですし、前作での「TAKE IT AWAY」や此の「SO BAD」や次作サントラ盤「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET」と云った長い参加があってアルバム「PRESS TO PLAY」でのポールとエリックの共作共演に至った道のりを、何故、日本の一部の評論家は無視するのか理解に苦しみます。まあ、多分、そう云う評論家はエルヴィス・コステロが好きなだけなんじゃないでしょうか。ポールが家族の前で披露したら「Girl I Love You So Bad」の部分を聴いた末っ子で長男のジェイムズが「僕は?」と拗ねたので「Boy I love You」を加えたと云うエピソードもあります。「THE 7'' SINGLES BOX」では37枚目で、英国盤のピクチャー・スリーヴで復刻されています。

(小島イコ)

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2024年05月06日

「ポールの道」#362「THE 7‘’ SINGLES BOX」#38「NO MORE LONELY NIGHTS(BALLAD) / NO MORE LONELY NIGHTS(PLAYOUT VERSION)」

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ポール・マッカートニーは、1984年10月22日に同名映画のサントラ盤「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET(ヤァ!ブロード・ストリート)」をMPL/パーロフォンからリリースしました。プロデュースは1982年リリースの前々作アルバム「TUG OF WAR」と1983年リリースの前作アルバム「PIPES OF PEACE」と同じく、3作連続でサー・ジョージ・マーティンです。レコーディングは1982年11月から1983年7月で、前作アルバム「PIPES OF PEACE」と被っています。サントラ盤CDの内容は、1「NO MORE LONELY NIGHTS(Ballad)(ひとりぼっちのロンリー・ナイト(バラード編)」、2「GOOD DAY SUNSHINE / CORRIDOR MUSIC」、3「YESTERDAY」、4「HERE, THERE, AND EVERYWHERE」、5「WANDERLUST」、6「BALLROOM DANCING」、7「SILLY LOVE SONGS(心のラヴ・ソング) / REPRISE」、8「NOT SUCH A BAD BOY(悲しいバッド・ボーイ)」、9「SO BAD」、10「NO VALUES / NO MORE LONELY NIGHTS(ひとりぼっちのロンリー・ナイト(バラード/リプライズ))」、11「FOR NO ONE」、12「ELEANOR RIGBY / ELEANOR'S DREAM(エリナーの夢)」、13「THE LONG AND WINDING ROAD」、14「NO MORE LONELY NIGHTS(Playout Version)(ひとりぼっちのロンリー・ナイト(プレイアウト編))」、15「GOODNIGHT PRINCESS」の全15曲入りで、1993年の「ザ・ポール・マッカートニー・コレクション」では更に、16「NO MORE LONELY NIGHTS(Extended Version)」と、17「NO MORE LONELY NIGHTS(Special Dance Mix)」も加えた全17曲入りです。

アナログ盤だと、「SO BAD」と「GOODNIGHT PRINCESS」2曲が収録されておらず、「GOOD DAY SUNSHINE / CORRIDOR MUSIC」と「WANDERLUST」と「ELEANOR RIGBY / ELEANOR'S DREAM」と「NO MORE LONELY NIGHTS(Playout Version)」の4曲が短縮版になっています。前々作「TUG OF WAR」と前作「PIPES OF PEACE」もCD化は早かったのですが、此のサントラ盤からはLPとCDが同日発売されていて、すっかりCD仕様となりました。新曲は「NO MORE LONELY NIGHTS(2ヴァージョン)」と「NOT SUCH A BAD BOY」と「NO VALUES」の3曲のみで、他はビートルズやウイングスやソロのセルフ・カヴァーで、特にビートルズ・ナンバーが「GOOD DAY SUNSHINE」と「YESTERDAY」と「HERE, THERE, AND EVERYWHERE」と「FOR NO ONE」と「ELEANOR RIGBY」と「THE LONG AND WINDING ROAD」と6曲も再演されていて、ソノ内の4曲はアルバム「REVOLVER」からとなっていて、ソノ理由は「ジョンに褒められたから」でしょう。サックス入りで安っぽくなった「THE LONG AND WINDING ROAD」や、夢オチの映画は盛大にズッコケましたが、サントラ盤の方は全英首位!全米21位と、英国では文句なしで、米国では落ち込んでいます。映画では口パクを嫌ったポールの意向で、ほとんどが生演奏で生歌です。

ポールが此の映画を自ら脚本も手掛けて制作したのは、時代が「MTV」全盛期だったからでしょうし、陳腐なストーリー展開を無視して豪華絢爛なMV集としてならば魅力的です。ビートルズ時代にポールの発案で制作した1967年のTV映画「MAGICAL MYSTERY TOUR」のポール版みたいな映画で、映像作品は酷評されたのに劇中音楽は絶賛されたのも同じです。アルバムのレコーディング・メンバーも、ポール&リンダ・マッカートニーの他に、ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモア(ギター)、元ビートルズのリンゴ・スター(ドラムス)、10ccのエリック・スチュワート(ギター、バッキング・ヴォーカル)、元レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズ(ベース、キーボード)、デイヴ・エドモンズ(ギター)、クリス・スペディング(ギター)、TOTOのスティーヴ・ルカサー(ギター)、TOTOのジェフ・ポーカロ(ドラムス)などが参加しています。盟友リンゴは兎も角、3作連続参加となったエリック・スチュワートは、1983年リリースのアルバム「WINDOWS IN THE JUNGLE(都市探検)」で10ccを一旦は解散しているので、ポールの次作アルバムで1986年リリースの「PRESS TO PLAY」での本格的な共作共演へ向けて身を綺麗にした様にも思えます。

此のサントラ盤からは「NO MORE LONELY NIGHTS(BALLAD) / NO MORE LONELY NIGHTS(PLAYOUT VERSION)」が1984年9月24日に先行シングルとしてリリースされていて、通常の7インチ以外に2種の12インチ・シングルも出ています。通常の7インチは「NO MORE LONELY NIGHTS」のバラードとプレイ・アウトで、最初の12インチは「NO MORE LONELY NIGHTS」のエクステンデッド・ヴァージョンがA面でB面は「SILLY LOVE SONGS」と「NO MORE LONELY NIGHTS」のバラードで、ピクチャー・レコードも出ていて、第2版の7インチは「NO MORE LONELY NIGHTS」のバラードとスペシャル・ダンス・ミックスで、第2版の12インチはA面に「NO MORE LONELY NIGHTS」のエクステンデッド・プレイアウト・ヴァージョンが収録されています。英国盤だけでピクチャー盤も加えれば5種類のシングルがあって、しかも品番が同じです。音源的には「ザ・ポール・マッカートニー・コレクション」で、ほとんど聴けます。シングルのレコーディング・メンバーは、ポール・マッカートニー(ヴォーカル、ピアノ)、リンダ・マッカートニー(バッキング・ヴォーカル)、エリック・スチュワート(バッキング・ヴォーカル)、デヴィッド・ギルモア(ギター)、ハービー・フラワーズ(ベース)、スチュアート・エリオット(ドラムス)、アン・ダッドリー(シンセサイザー)です。

此の初版シングル両面は、2001年5月にリリースされたポールのCD2枚組40曲入り(日本盤は41曲入り)のベスト盤「WINGSPAN」に、どちらもCD1「HITS」とCD2「HISTORY」の最後に収録されています。日本盤のCD1にはボーナス・トラックで「出ておいでよ、お嬢さん(EAT AT HOME)」が加わっているのですけれど、本編としては2枚共「NO MORE LONELY NIGHTS」で〆ているわけです。誰もが疑問に思われるでしょうけれど、「WINGSPAN」と云うベスト盤は、ウイングスではない楽曲も多く選曲されています。そして、何故かスティーヴィー・ワンダーとの「EBONY AND IVORY」と、マイケル・ジャクソンとの「SAY SAY SAY」は、全米首位!だったのに入っていません。つまりは1970年から1984年までの楽曲からウイングスだけではなく、ソロ名義やポール&リンダ名義の曲も多く選曲されているのに、タイトルは「WINGSPAN」で、ブックレットには歴代の「第1期ウイングス」から「第7期ウイングス」までのメンバー遍歴が写真入りで載っているのです。其の辺の大雑把なところは、流石は天下無敵のサー・ポール・マッカートニーです。全英2位・全米6位とヒットした此のシングルは「THE 7'' SINGLES BOX」では38枚目で、英国盤のピクチャー・スリーヴで復刻されています。

(小島イコ)

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2024年05月07日

「ポールの道」#363「THE 7‘’ SINGLES BOX」#39「WE ALL STAND TOGETHER / WE ALL STAND TOGETHER(HUMMING VERSION)」

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映画はズッコケた1984年のポール・マッカートニー脚本・主演の「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET(ヤァ!ブロード・ストリート)」ですが、サントラ盤のレコードは全英首位!全米21位とヒットしています。英国でのポール人気は衰え知らずで、米国では徐々に落ち込んでいったのです。1980年代にポールが低迷した事になっているのは、米国での売り上げを物差しにしているからで、1982年のアルバム「TUG OF WAR」が首位!、1983年のアルバム「PIPES OF PEACE」が15位、1984年のサントラ盤「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET」が21位、1986年のアルバム「PRESS TO PLAY」が30位、ときて、1987年のベスト盤「ALL THE BEST!」が62位まで落ちて、1989年のアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」でも21位までしか上がっていません。コレが英国だと、アルバム「TUG OF WAR」が首位!、アルバム「PIPES OF PEACE」が4位、サントラ盤「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET」が首位!、アルバム「PRESS TO PLAY」が8位、ベスト盤「ALL THE BEST!」が2位、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」が首位!となっていて、常にトップ10ヒットだったわけですなあ。米国で売れなくなったのは、ズバリ云ってツアーを行っていなかったからでしょう。

海外での評価は分かりませんけれど、アルバム「PRESS TO PLAY」がダメで、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」は傑作としている日本の愚かな評論家は、現在の視点でしか見ていないからそんな出鱈目を書けるのです。アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」でポールが復活したと云うのは、ソレに伴って行われたワールド・ツアーが大成功して、しかもソロとしての初来日公演が遂に実現した事を込みにして考えないといけないし、1980年代のポールは1984年の「LIVE AID」と1986年の「プリンス・トラスト」でチラリンコと演奏しただけで、1989年までライヴをやっていないのです。そんな事実を全く無視して、単純にアルバム「PRESS TO PLAY」とアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」を並べて語っているからおかしな事になるのです。更に云えば、サントラ盤「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET」こそがシングル「NO MORE LONELY NIGHTS」以外は評価が低かったし、アルバム「PRESS TO PLAY」に直結する1985年の同名映画主題歌シングルで駄作の「SPIES LIKE US」と、1980年代中頃にポールが関わった映画関連曲のショボさをなかった事にしているんじゃないでしょうか。さて、1984年11月12日に、ポールは自ら版権を持つ「くまのルパート」原作のアニメーション映画「ルパートとカエルの歌」を制作して、主題歌「WE ALL STAND TOGETHER / WE ALL STAND TOGETHER(HUMMING VERSION)」をMPL/パーロフォンからリリースしました。

此のシングルは1980年10月と11月にポールがサー・ジョージ・マーティンのプロデュースでレコーディングしたもので、此の楽曲で久しぶりに組んだ事から、1982年のアルバム「TUG OF WAR」と1983年のアルバム「PIPES OF PEACE」と1984年のサントラ盤「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET」と、3作に及ぶサー・ジョージ・マーティンによるプロデュース作品に繋がってゆきました。結局は「WE ALL STAND TOGETHER」が最後にリリースされたのですが、此のシングルは英国のみで7インチ・シングルと変型シングルと絵本付カセットテープで出ていて、全英3位まで上がるヒット曲になっています。両面共にアルバム未収録曲で、日本盤や米国盤のシングルは出ておらず、A面は1987年のベスト盤「ALL THE BEST!」の英国盤と日本盤などには収録されたものの、米国盤には未収録です。1993年の「ザ・ポール・マッカートニー・コレクション」での「PIPES OF PEACE」にもボーナス・トラックで収録されましたが、B面の「ハミング・ヴァージョン」は未収録です。ポールの単独作で演奏もほとんどポールがひとりで、ポールとセント・ポールズ・コーラスとキング・シンガーズで合唱している子ども向けの作品です。「THE 7'' SINGLES BOX」には39枚目で、英国盤のピクチャー・スリーヴで復刻されています。

(小島イコ)

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2024年05月08日

「ポールの道」#364「THE 7‘’ SINGLES BOX」#40「SPIES LIKE US / MY CARNIVAL」

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2022年12月2日にMPLからリリースされた「THE 7'' SINGLES BOX」も、丁度真ん中の40枚目となりました。7インチ・シングル盤80枚組と云う「ポール・マッカートニーでしか有り得ない」此の木箱は、アナログ盤80枚組+テスト・プレス盤1枚の他に、159曲の配信でも発売されています。シングル盤が80枚なのに、160曲ではなく159曲なのは、3曲入りのシングル「COMING UP」と「NO OTHER BABY」や、片面のみのシングル「PARTY PARTY」や、新たに制作した「LIVERPOOL ORATORIO」からの4曲入りなどがあるのと、「OLD SIAM, SIR」や「C MOON(LIVE)」や「WE ALL STAND TOGETHER」や「WONDERFULL CHRISTMASTIME」が重複しているからで、アナログ盤は80枚組全163曲ですが、配信では重複している4曲をはぶいた159曲になっているのです。ブートレグCD9枚組の「THE 7'' SINGLES」は、内容はアナログ80枚組と同じく重複曲も含めた163曲入りで、ジャケットだけ159曲の配信と同じものになっているので159曲入りと書いてあって、実際は163曲なのです。

つまり、ブートレグ業者は配信音源159曲をデジタル・コピーして、ご丁寧に中味は重複曲を元の位置にも入れて163曲入りにしているわけですよ。ソレでCD9枚組で新品が3千5百円位の価格設定だったので、安いし、場所は取らないし、配信音源のコピーだから音質も最上級なのです。シングル・ヴァージョンやDJエディットも多く含まれているし、アルバム未収録曲も多いし、新音源も2曲あるので、音源だけ欲しければ木箱は勿論、配信よりもバカ安値で購入出来るのです。CD9枚組なので勘違いしたのか、それとももう新品がなくなったのか、中古盤が7千円近い価格で売られていました。誰が買うんだ?と思ったら、次に行った時には売れていました。しかし、コレでポールの全てのシングルが手に入るわけではありません。既にこれまで取り上げて来た時代でも、日本などでシングル・カットされた「出ておいでよ、お嬢さん(EAT AT HOME)」とか、スージー&ザ・レッド・ストライプスやカントリー・ハムズと云った変名シングルなどが漏れているし、12インチ・シングルやCDシングルのカップリング曲は多くが聴けません。そして、ポールにはビートルズ時代のシングルもあるわけですなあ。

さて、1985年11月1日に、ポールはシングル「SPIES LIKE US / MY CARNIVAL」をMPL/パーロフォンからリリースしました。A面はジョン・ランディス監督の同名映画の主題歌で、ポールが書き下ろして、ヴォーカル、ベース、エレクトリック・ギター、ドラムス、キーボード、パーカッション、タンバリンと、ほとんどをワンマン・レコーディングしていて、エディー・レイナーがシンセサイザー、リンダ・マッカートニーとエリック・スチュワートとケイト・ロビンスとルビー・ジェイムズがバッキング・ヴォーカルで参加しています。映画に主演したチェビー・チェイスとダン・エイクロイドも登場しているミュージック・ヴィデオは面白いのですけれど、楽曲の出来栄えは酷いもんです。プロデュースはヒュー・パジャムとフィル・ラモーンが共同で、ヒュー・パジャムは翌1986年リリースのアルバム「PRESS TO PLAY」を引き続き手掛けていて、フィル・ラモーンは1987年リリース予定だったアルバム「RETURN TO PEPPERLAND」を手掛ける事となったのです。云ってみれば、1980年代中期にポールが低迷した事になっている元凶が、此の「SPIES LIKE US」なのです。ところが、此のシングル「SPIES LIKE US」は、全英13位・全米7位とそれなりにヒットしてしまったのです。ソレで、ポールは勘違いしちゃったんでしょうなあ。

7インチ・シングルと変型ピクチャー・シングルと12インチ・シングルと12インチ・ピクチャー・シングルも出ていて、12インチには「SPIES LIKE US」の「パーティー・ミックス」と「別ミックス」と「DJヴァージョン」と「MY CARNIVAL」の「パーティー・ミックス」が収録されていますが、駄曲「SPIES LIKE US」を何ヴァージョンも聴かされるのは拷問です。B面の「MY CARNIVAL」は、1975年1月の「第5期ウイングス」によるアルバム「VENUS AND MARS」用のニューオリンズでのレコーディング曲の蔵出しで、ポール(ヴォーカル、ピアノ)、リンダ(オルガン、ヴォーカル)、デニー・レイン(ベース、ヴォーカル)、ジミー・マカロック(ギター、ヴォーカル)、ジョー・イングリッシュ(ドラムス、パーカッション)に、ベニー・スペルマンとミーターズがヴォーカルで参加しています。未発表曲集「HOT HITS-KOLD KUTS」や「COLD CUTS」への収録が何度も予定されていた楽曲のひとつで、ズバリ云って此のシングルはB面の方が良いです。元ネタが同じなので、大瀧師匠のアルバム「NIAGARA MOON」みたいです。両面共にアルバム未収録曲ですが、「SPIES LIKE US」はアルバム「PRESS TO PLAY」の「ザ・ポール・マッカートニー・コレクション」に、「MY CARNIVAL」はアルバム「VENUS AND MARS」の「アーカイヴ・コレクション」に、それぞれ収録されています。「THE 7'' SINGLES BOX」には40枚目で、米国盤のピクチャー・スリーヴで復刻されています。

(小島イコ)

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2024年05月09日

「24 JAPAN」第1話(再)



テレ朝チャンネル1 5:00〜6:00

第1話「00:00A.M.-01:00A.M.」

片瀬那奈 AS 氷川七々美

「24 JAPAN」第1話の、今年初めての再放送です。米国の「24」を日本版にリメイクして大爆死したドラマですが、昨年(2023年)だけで6回も再放送されて、恥の上塗りとなっております。那奈ちゃんが演じた氷川七々美は原作のマンディで、原作通りに初回から旅客機を爆破しますが、本編では第3話までしか出番がありません。

本放送:2020年10月9日(テレビ朝日)

(小島イコ/姫川未亜)

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「匿名探偵」第1話(再)

匿名探偵 DVD BOX(5枚組)


テレ朝チャンネル2 23:40〜0:30

第1話「探偵と汚れなき女」

片瀬那奈 AS 冴島響子

「匿名探偵」第1話の、今年4回目の再放送です。第1話と第6話と第9話(最終話)は、1月に地上波での再放送もあったので、昨年末だった第1話は4回目ですが、第6話と最終話だけが今年5回目となります。那奈ちゃんが演じた「美人すぎる弁護士」の冴島響子さんは、毎回冒頭の探偵への依頼と最後のオチでバーの場面に出てくるパターンです。

本放送:2012年10月12日(テレビ朝日)

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#365「THE 7‘’ SINGLES BOX」#41「PRESS(VIDEO EDIT) / IT'S NOT TRUE」

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始まりは、1985年11月にリリースされた同名映画主題歌シングル「SPIES LIKE US」でした。ポール・マッカートニーがほとんどの演奏と歌でワンマン・レコーディングした其の楽曲は、全英13位・全米7位のヒット曲となってしまったのですが、ズバリ云って駄作です。しかしながら、ソコソコ売れてしまったので、ポールは共同プロデュースしたヒュー・パジャムとフィル・ラモーンとそれぞれ組んで、ヒュー・パジャムとは1986年リリースのアルバム「PRESS TO PLAY」を、フィル・ラモーンとは1987年リリース予定で未発表アルバム「RETURN TO PEPPERLAND」を制作したのです。アルバム「PRESS TO PLAY」は全英8位は兎も角として、全米30位と落ち込んでしまい、ポール自身も「駄作」と語る様になったのですが、全ての元凶はシングル「SPIES LIKE US」だったわけです。更に云えば、1987年にリリースされたベスト盤「ALL THE BEST!」に至っては、全英2位ですが、全米62位まで落ちているのです。ポールのアルバムが1980年代に米国で売れなくなっていった原因は、簡単に云ってしまえば「全米ツアーをやらなくなった」からです。

前作アルバムであった1984年リリースのサントラ盤「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET」も、全英首位!でも全米21位だったわけで、アルバム「PRESS TO PLAY」が突然に全米30位まで落ちたわけではありません。そして、アルバム「PRESS TO PLAY」でアナログ盤では全10曲中6曲、CDでは全13曲中8曲をポールと共作共演している「元10cc」となったエリック・スチュワートが不振の原因である、などと云う風説の流布を平気でやらかしている一部の評論家は何も聴いていないアホなのです。さて、アルバム「PRESS TO PLAY」からは、1986年7月1日に先行シングルとして「PRESS / IT'S NOT TRUE」がMPL/パーロフォンからリリースされました。結果は、全英25位・全米21位とズッコケますが、そもそも此の先行シングル両面は「ポールの単独作」なのです。つまり、大衆からの信頼を失ったのは「ポール・マッカートニー&エリック・スチュワート」ではなく「ポール・マッカートニー」だったわけですよ。アルバム「PRESS TO PLAY」のジャケットは「ポール&リンダ」の写真なので、エリック・スチュワートの名前は共作曲のクレジットと裏ジャケットに小さく載っているだけです。

大体やね、アルバム「PRESS TO PLAY」はポールのソロ・アルバムなので、どんなにエリック・スチュワートとの共作曲が多くとも、責任はポールにしかないし、ポールの次に責任があるのならば共同プロデュースしたヒュー・パジャムでしょう。ウイングス時代に「リンダが悪い」とか「デニー・レインが悪い」なんて誰も云わなかったのに、何でここにきて「エリック・スチュワートが悪い」なんて云われなきゃならないのでしょうか。共作曲は全てが佳曲揃いなのに、本当に聴いて書いているのでしょうか。まあ、それだけエリック・スチュワートは「大物」だと云う事なのでしょうけれど、此のアルバムでのエリック・スチュワートの貢献度の高さは貶されるのではなく称賛されるべきなのに、何故にバカな評論家は出鱈目な事を書くのでしょうか。何度も書いていますが、要するに頓珍漢な評論家は次作アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」でエルヴィス・コステロと組んでポールが復活した事にしたいので、過剰にエリック・スチュワートを叩くわけですよ。でもですね、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」は全英首位!になったけれど、全米では21位なんですよ。米国では、大して盛り返していないんだよなあ、コレが。ベスト盤「ALL THE BEST!」の全米62位に比べれば、マシになった程度でしょう。

さて、先行シングル「PRESS」ですが、当時は12インチ・シングルも流行っていたので、7インチ・シングルと12インチ・シングルと10インチ・シングルまでリリースしています。まずは7インチ・シングルは「PRESS」のエディット・ヴァージョンの初版と「PRESS」のヴィデオ・エディットの第2版があって、B面は「IT'S NOT TRUE」です。10インチ・シングルは円形ジャケットで「PRESS」のアルバム・ヴァージョンとヴィデオ・エディットと「IT'S NOT TRUE」のジュリアン・メンデルソーンによるリミックスで、12インチ・シングルは「PRESS」のヴィデオ・サウンドトラックとダブ・ミックスに「IT'S NOT TRUE」のリミックス、そしてアルバム未収録のインストゥルメンタル曲でポールとエリック・スチュワートの共作曲「HANGLIDE」が収録されています。「IT'S NOT TRUE」は、アナログ盤LPには未収録です。「PRESS」のミュージック・ヴィデオは、ポールがロンドンの地下鉄に乗って乗客のリアクションを楽しむゲリラ撮影で、個人的には楽曲も好きだし、MVも天然バカボンなポールらしい発想で面白いと思います。「THE 7'' SINGLES BOX」には41枚目で、米国盤のピクチャー・スリーヴで復刻されていて、内容は英国盤での第2版と同じです。

(小島イコ)

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2024年05月10日

「24 JAPAN」第2話(再)



テレ朝チャンネル1 5:00〜6:00

第2話「01:00A.M.-02:00A.M.」

片瀬那奈 AS 氷川七々美

「24 JAPAN」第2話の、今年初めての再放送です。那奈ちゃんが演じた氷川七々美は、テロリストの神林民三に雇われている役どころで、手段を選ばず証拠隠滅の為に旅客機を爆破してしまう程にワイルドな手法を取るのですけれど、加えて「お色気ムンムンの謎の美女」と云う設定で、那奈ちゃんはミスキャストだったとしか云えません。シリアスに演じているのですけれど、コントみたいに見えてしまい、笑ってしまうのですよ。と申しますか、此の日本版リメイク自体がポンコツでギャグみたいな出来栄えなんですけれどね。

本放送:2020年10月16日(テレビ朝日)

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#366「THE 7‘’ SINGLES BOX」#42「PRETTY LITTLE HEAD(REMIX) / WRITE AWAY」

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ポール・マッカートニーが、1986年9月1日に英国でMPL/パーロフォンから、同年8月21日に米国でMPL/キャピトルからリリースした、ソロとしては6作目のスタジオ・アルバム「PRESS TO PLAY」の内容は、A面が、1「STRANGLEHOLD」、2「GOOD TIME COMING / FEEL THE SUN」、3「TALK MORE TALK」、4「FOOTPRINTS」、5「ONLY LOVE REMAINS」で、B面が、1「PRESS」、2「PRETTY LITTLE HEAD」、3「MOVE OVER BUSTER」、4「ANGRY」、5「HOWEVER ABSURD」の、全10曲入りですが、CDも同時発売されて、そちらには、11「WRITE AWAY」、12「IT'S NOT TRUE」、13「TOUGH ON A TIGHTROPE」が加わった全13曲入りです。其の後に「ザ・ポール・マッカートニー・コレクション」で、14「SPIES LIKE US」、15「ONCE UPON A LONG AGO(LONG VERSION)」が加わっていますが、アルバム本編としては全13曲でした。ソノ13曲中、ポールと「元10cc」となったエリック・スチュワートが共作したのは、アナログ盤では「STRANGLEHOLD」と「FOOTPRINTS」と「PRETTY LITTLE HEAD」と「MOVE OVER BUSTER」と「ANGRY」と「HOWEVER ABSURD」の6曲で、CDでは更に「WRITE AWAY」と「TOUGH ON A TIGHTROPE」の2曲が加わる8曲です。

ポールとエリック・スチュワートは、更に12インチ・シングル「PRESS」にカップリングしたアルバム未収録の「HANGLIDE」と、エリックが「再結成10cc」でレコーディングして発表した「DON'T BREAK THE PROMISES」と「IVONNE'S THE ONE」も共作しているので、リリースされた楽曲だけでも11曲もあります。全英8位・全米30位と云う成績で駄作とされているアルバム「PRESS TO PLAY」ですが、ポールは英米で違ったカップリングでシングルを4作も乱発していて、ソノ節操のないリリースからも半ばやけっぱちになっていたかの様に感じられます。無論、アルバムをヒュー・パジャムと共同プロデュースしたのもポールだし、ジャケットをポール&リンダのレトロな写真にしたのもポールだし、何種類もシングルを出し捲ったのも、他でもなく「ポール・マッカートニー」ご本人であって、エリック・スチュワートはリリースされた11曲をポールと共作共演しただけです。再結成10ccの2曲に関してはプロデュースしていますが、他の9曲に関しては「ポールのアルバム」で「Special Contribution」しているだけです。個人的には、此のアルバムがダメなところは、1980年代風なヒュー・パジャムの音作りと、ソレに流されたポールにこそあって、エリック・スチュワートは良くやっていると思います。

それから、バカ丸出しの評論家はエリック・スチュワートを「ミニ・ポール・マッカートニー」とか「10ccのポール」とか訳が分からない事を書いて「ポールをひとまわり小さくしたのがエリック・スチュワート」などと誹謗中傷しているのですけれど、何を根拠にそんな事を書いてしまうのでしょうか。もしかしたら、10ccの曲は「I'M NOT IN LOVE」しか聴いていないんじゃないでしょうか。確かに「I'M NOT IN LOVE」は超名曲ですけれど、アレを聴いてポール・マッカートニーは「自分が書いた曲なら良かった」と嫉妬しているのです。それに「I'M NOT IN LOVE」はエリック・スチュワートが主に作詞して、曲を書いたのはグレアム・グールドマンなんですよ。ソレでですね、エリック・スチュワートが「10ccのポール」だったなら、グレアム・グールドマンとロル・クレームとケヴィン・ゴドレイはどうなるんでしょうか。「10ccのジョン」とか「10ccのジョージ」とか「10ccのリンゴ」なんていないのに、何でエリックだけが「10ccのポール」になるのでしょうか。ベースを弾いているのはグレアムだし、オリジナル10ccは4人とも対等に曲が書けてリード・ヴォーカルも担当しているし、そもそもビートルズと10ccの音楽性は似ている様で違うのに、初期に「DONNA」でビートルズのパロディをやったからそう云っているのでしょうか。でも、アレを歌っているのはロル・クレームなんですよ。

アルバム「PRESS TO PLAY」をリリースしたのが、1986年であったのも不運でした。もう1年後だったならば、ビートルズが初CD化される1987年になったわけで、そうなるとジョージ・ハリスンのアルバム「CLOUD NINE」の様に追い風になって高評価されていたかもしれません。さて、アルバム「PRESS TO PLAY」からは、第2弾シングルとして「PRETTY LITTLE HEAD」が英国では1986年10月27日にリリースされました。7インチ・シングルのA面「PRETTY LITTLE HEAD」はアルバムが「5分14秒」だったのを「3分50秒」にしたシングル・ヴァージョンで、リミックスした上にヴォーカルを録音し直しています。B面の「WRITE AWAY」と共にポールとエリックの共作で、アナログ盤LPには「WRITE AWAY」は未収録です。此のアナログ盤10曲入りとCD13曲入りと云うのも、アルバム「PRESS TO PLAY」が不評とされる原因のひとつで、CDだとアナログ盤の10曲の後にCDで加わった3曲がボーナス・トラックの様に収録されています。そして、ソノ3曲はシングルのB面曲にもなっているのです。更に云えば、シングルも7インチだけではなく12インチも出していて、リミックス・ヴァージョンも多く制作していて、楽曲単位ならば「2度買い3度買い」させられるわけですよ。ビートルズ時代やウイングス時代とは違ってしまったのは、ポール程の超大物でも「時代の空気」に逆らえなかったからです。

此の「PRETTY LITTLE HEAD」も12インチ・シングルも出ていて、「PRETTY LITTLE HEAD」はジョン・ポトカーによってリミックスされて7分近く(6分56秒)になっていて、これまたエリックとの共作「ANGRY」のラリー・アレキサンダーによるリミックスも収録されて、通常ヴァージョンの「WRITE AWAY」との3曲入りになっています。米国や日本では此のカップリングではシングル・カットされていませんが、全英76位だったのですから、これじゃアカンとなったのでしょう。「PRETTY LITTLE HEAD」のシングル・ヴァージョンは、なんと、10ccのベスト盤に収録されてCD化されていて、12インチの「PRETTY LITTLE HEAD」のリミックス・ロング・ヴァージョンと「ANGRY」のリミックス・ヴァージョンは未CD化です。まあ、ソノ辺の音源は2枚組千円ブートレグ「PRESS TO PLAY & MORE」でまとめて聴けます。「PRETTY LITTLE HEAD」はミュージック・ヴィデオも制作されていて、家出少女を題材にしているので、ビートルズの「SHE'S LEAVING HOME」のエンディングから始まって、家出少女に降りかかる災難を巨大化したポールが手助けすると云う、何だかよく分からない展開のモノクロ映像です。「THE 7‘’ SINGLES BOX」では42枚目で、米国12インチプロモ盤を元にしたデザインで復刻されています。

(小島イコ)

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2024年05月11日

「293万アクセスのタイム・スペース」



当ブログのアクセス数が、293万を超えました。今後とも、何卒宜しくお願い致します。

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#367「THE 7‘’ SINGLES BOX」#43「STRANGLEHOLD / ANGRY(REMIX)」

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1986年10月27日に、アルバム「PRESS TO PLAY」から英国での第2弾シングル・カット(実際にはリミックスしてヴォーカルも別テイク)した「PRETTY LITTLE HEAD」は、全英76位と信じられない成績となりました。ポールは例によって、米国では別の曲を第2弾シングル・カットするのですが、ソレが1986年10月29日にMPL/キャピトルからリリースした「STRANGLEHOLD / ANGRY(REMIX)」です。日本でも米国と同じカップリングで出ているのですが、結論から申し上げますと、全米81位と沈没してしまいました。此のカップリングは両面共にポールとエリック・スチュワートの共作で、何度でも云いますけれど、楽曲は悪くはありません。ソレなのに、何故に売れなかったのかと云うとですね、ファンは1980年代風のヒュー・パジャムとポールが組んだプロデュース方法が気に入らなかったのでしょう。アルバム「PRESS TO PLAY」全体に漂う1980年代感を、ビートルズ好きなファンは拒否したわけですなあ。全英8位は良いとして、全米30位じゃ酷いので、ポールも自分で「駄作」と云ったりしています。そりゃあ、道楽ではなくプロなのですから、売れなかったのは「駄作」なんですよ。

でもね、此のアルバムは1986年にアナログ盤全10曲入りとCD全13曲入りが出た後には、1993年に「ザ・ポール・マッカートニー・コレクション」でCD全15曲入りが出ただけなのです。つまり、最新盤でも30年以上も前に出た公式音源しかないのです。ソレでは「再評価」など望めません。ブートレグでアルバム「PRESS TO PLAY」のラフ・ミックスを聴くと、コレがヒュー・パジャムの大仰な手腕が発揮される前の段階で、スッキリしていて公式盤よりも聴き易いし、ポールとエリックが良い曲を書いていた事実に改めて気付かされます。1980年代中頃にポールが迷走していたと云われますが、他の元ビートルズが何をやっていたのかと云うと、ジョン・レノンは既に亡くなっていて、ジョージ・ハリスンはセミリタイア状態で、リンゴ・スターはアル中だったのですよ。ポールだけが落ち込んでいたわけではなく、ジョンは遺稿集が出されていて、ジョージとリンゴはレコードを作る事すら出来なかったのです。

更に云えば、1980年代中頃には、他の大物ミュージシャンもシンセサイザーを導入してビートはプログラミングした1980年代サウンドに走ってしまい、キャロル・キングやニール・ヤングと云ったそうした音とはかけ離れているミュージシャンまで、デジタルな音作りでのアルバムをリリースしているのです。ポールは勿論、キャロル・キングもニール・ヤングも「新しい事をやりたい」と思ってそうした方向へ行ったのでしょうけれど、名曲「CRYING IN THE RAIN」をデジタル・ビートに乗せて歌ったキャロル・キングの1983年のアルバム「SPEEDING TIME」を聴くと、何でキャロル・キングともあろう人がこんな事をやらかしているんだ?と悲しくなってしまいます。ニール・ヤングは何をやってもニール・ヤングなので、1982年の「TRANS」も、まあ、聴けます。ポールとエリック・スチュワートの共作曲が半数以上あるアルバム「PRESS TO PLAY」は、是非とも「アーカイヴ・コレクション」でリイシューして頂いて、真っ当な評価を得て欲しいと願っています。何しろ、ポールとエリックの共作共演曲は、普遍性がある佳曲揃いだからです。

さて、米国や日本での第2弾シングル・カット「STRANGLEHOLD / ANGRY(REMIX)」ですが、ジャケットは英国盤の「PRETTY LITTLE HEAD」と同じデザインなので、間違って買わない様に気を付けましょう。A面の「STRANGLEHOLD」は、アルバムのA面1曲目で、アルバムと同じヴァージョンです。レコーディングは、ポール・マッカートニー(ヴォーカル、ベース、アコースティック・ギター、エレクトリック・ギター)、エリック・スチュワート(アコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、バッキング・ヴォーカル)、ジェリー・マロッタ(ドラムス)にホーンが二人で、ポールとエリックでガッツリと共作共演しています。ミュージック・ヴィデオはアリゾナで撮影されていて、ポールたちがバンドで演奏していて、サックスを持った少年を飛び入りさせて一緒に演奏する内容(音源は歓声が被っている別ヴァージョン)です。B面の「ANGRY(REMIX)」は、英国盤12インチ・シングル「PRETTY LITTLE HEAD」に収録されていたラリー・アレキサンダーによるリミックス(未CD化)です。「THE 7‘’ SINGLES BOX」には43枚目で、米国盤のピクチャー・スリーヴで復刻されています。

(小島イコ)

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2024年05月12日

「ポールの道」#368「THE 7‘’ SINGLES BOX」#44「ONLY LOVE REMAINS / TOUGH ON A TIGHTROPE」

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ポール・マッカートニーが1986年にリリースした(サントラ盤「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET」も含めて)、6作目のスタジオ・ソロ・アルバム「PRESS TO PLAY」からは、先行シングル「PRESS」、英国での第2弾シングル「PRETTY LITTLE HEAD」、米国での第2弾シングル「STRANGLEHOLD」ときて、1986年12月1日に英国(MPL/パーロフォン)で、翌1987年1月17日に米国(MPL/キャピトル)で、第3弾シングルとして「ONLY LOVE REMAINS / TOUGH ON A TIGHTROPE」がリリースされています。日本では、此のシングルは発売されていません。アルバム「PRESS TO PLAY」からのシングルは、英米合わせて4作も出ていて、ソノ多くがアルバムとは別ミックスになっています。しかも「PRESS」の様に7インチ盤と10インチ盤と12インチ盤で出ていて、初版と第2版では内容も異なっているものも多いのです。第3弾シングルである「ONLY LOVE REMAINS」も、ソノ例に則ったものとなりました。

まずはA面の「ONLY LOVE REMAINS」ですが、7インチ盤も12インチ盤もジム・ボイヤーによるリミックス・ヴァージョンが収録されていて、シンセサイザーやパーカッション、そしてサックスが加えられた「別ヴァージョン」になっています。此のサックス入りのシングル・ヴァージョンは未CD化ですが、例によって2枚組千円ブートレグ「PRESS TO PLAY & MORE」には収録されていて、アルバム「PRESS TO PLAY」にはシングル・ヴァージョンやリミックス・ヴァージョンが多いので、まとめて聴けるのは便利です。「ONLY LOVE REMAINS」にはミュージック・ヴィデオもあって、内容はポールとリンダの二人がクローズアップされた映像から、引きになると広大なスタジオでオーケストラ(トニー・ヴィスコンティ編曲)も演奏していると分かるもので、シングル・ヴァージョンと同じ音源なのでサックス奏者も登場する「無駄にお金をかけている」MVです。

前にも書きましたが、此の曲には別ヴァージョンのスタジオ・ライヴ映像もあって、NHK BSで何度も放送されている「MUST BE UK TV」で観る事が出来ます。同じ回では、ジョン・レノンの生前最後のライヴ映像である「SLIPPIN' AND SLIDIN'」と「IMAGINE」も観る事が出来ます。此の楽曲はポールの単独作で、英国での前作シングル・カット曲「PRETTY LITTLE HEAD」が全英76位と大爆死したのに比べると全英34位で、まあまあ持ち直しています。しかしながら、コレにもカラクリがあって、英国盤の初版にはアノ「第5.75期ウイングス」による特大ヒット曲であるシングル「MULL OF KINTYRE(夢の旅人)」がオマケで付いていたのです。楽曲はポールらしい甘過ぎるリンダへ捧げたラヴ・バラードで、個人的には此の路線も嫌いではありませんが、ポールのアルバムには大抵入っているラヴ・バラードなので、一般的には些か食傷気味だったでしょう。

ポールとエリック・スチュワートの共作曲のひとつである7インチ盤のB面「TOUGH ON A TIGHTROPE」は、アルバムCD(アナログLP未収録)と同じ「4分42秒」ですが、12インチ盤には「7分3秒」の長尺なジュリアン・メンデルソーンによるリミックス・ヴァージョンが収録されていて、リミックス・ヴァージョンは未CD化です。12インチ盤には更にポールの単独作である「TALK MORE TALK」も加わっているのですが、これまたアルバムは「5分17秒」なのに「5分56秒」になっていて、コレはポールとジョン・ジェイコブスによるリミックス・ヴァージョン(未CD化)になっています。こうしてアルバム「PRESS TO PLAY」からのシングルは別ヴァージョンやリミックス・ヴァージョンのてんこ盛り状態になっているのですけれど、コレはポールにアルバムに対する迷いがあったからとも考えられます。そもそもアルバム「PRESS TO PLAY」自体で、初版と第2版以降では「PRESS」が別ミックスになっていて、些かマニアを大事にし過ぎています。「THE 7‘’ SINGLES BOX」では44枚目で、英国盤のピクチャー・スリーヴで復刻されています。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

2024年05月13日

「24 JAPAN」第3話(再)



テレ朝チャンネル1 5:00〜6:00

第3話「02:00A.M.-03:00A.M.」

片瀬那奈 AS 氷川七々美

「24 JAPAN」第3話の、今年初めての再放送です。コノ第3話で、那奈ちゃんが演じた氷川七々美の本編への出演はおしまいです。つまり、コノ回で民三に「もうひと仕事」を依頼されて、氷川七々美が「やるわ」と承諾した続きは、全24話を最後まで観ても明かされない侭で終わってしまうのです。原作ドラマではシーズン2とシーズン4に氷川七々美の元となったマンディが再登場しますが、へっぽこリメイクでは投げっぱなしでおしまいなのです。酷い脚本ですなあ。

本放送:2020年10月23日(テレビ朝日)

(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 06:00| ACTRESS | 更新情報をチェックする

「HK/変態仮面」



WOWOWプライム 9:45〜11:45

2013年公開作品(2013年4月13日公開)

片瀬那奈 AS 色丞魔喜

「HK/変態仮面」の、今年早くも8回目の放送です。那奈ちゃんが演じたのは、変態仮面の母親でSMの女王様です。平日の午前中に放送する様な内容ではないと思いますけれど、鈴木亮平くんの出世作で代表作ですので、こうして遺ってゆくのは良い事でしょう。

(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 11:45| ACTRESS | 更新情報をチェックする