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2024年04月01日

「確証〜警視庁捜査三課」(再)で内山理名ちゃん

オール・シングス・マスト・パス


テレビ大阪 12:37〜14:35

内山理名 AS 武田秋穂

「確証〜警視庁捜査三課」の今年3回目で、関西ローカルですが地上波での再放送です。理名ちゃんが旦那さんと刑事の相棒役で初共演して出逢ったドラマですが、同じ原作で2013年に同じTBSで榮倉奈々ちゃんと高橋克実さんのコンビで連続ドラマとして放送された同名作品のリメイクです。此の単発ドラマは、連ドラの第1話と第2話と同じ話なので続きがあるわけですが、続編で夫婦共演して欲しいです。最後の方で、ジョージ・ハリスンの名曲「ISN'T IT A PITY」が流れます。

さて、此のタイミングで、理名ちゃんが2024年3月31日をもって甘力ことスウィートパワーを辞めて、今後は夫である吉田栄作さんの個人事務所に移籍して芸能活動を続けてゆくとの事です。円満退社でしょうから、那奈ちゃんみたいに干される事はないでしょう。と申しますか、新たなる門出の日に夫婦が出逢った此のドラマが再放送されるのは、何やら運命的で幸先が良いですね。

本放送:2017年11月6日(TBS)

(小島イコ/姫川未亜)

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「匿名探偵」第5話〜第8話(再)

匿名探偵 DVD BOX(5枚組)


テレ朝チャンネル2 17:30〜21:00

第5話「探偵とまぼろしの女」
第6話「探偵と断りきれない女」
第7話「探偵と踊らされる女」
第8話「探偵と違いのわかる女」

片瀬那奈 AS 冴島響子

「匿名探偵」第5話から第8話までの、今年3回目の再放送です。正確には、第6話が4回目で、第5話と第7話と第8話は3回目です。第5話では、絡みはないものの「ダン」と「アンヌ」が共演しています。第6話では、当時改名してグラビアで売り出し中だった壇蜜さんをいち早く女優として起用した結果、シリーズ最高の「12・0%」と云う深夜ドラマとしては考えられない高い数字を叩き出しました。第7話は「7・8%」と最低数字でしたが、それでも後に同枠で放送される「24 JAPAN」の初回で最高数字だった「7・7%」よりも上です。那奈ちゃんが演じた美人すぎる弁護士の冴島響子は、毎回探偵に依頼人を紹介して最後には多額のピンハネをしますが、其のパターンも毎回変えています。第8話では探偵が逮捕されてしまい、冴島響子と三浦理恵子さんが演じた大家さんが代わりに活躍します。


(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#327「THE 7‘’ SINGLES BOX」#03「THE BACK SEAT OF MY CAR / HEART OF THE COUNTRY」



ポール・マッカートニーは、当初は1971年5月リリースのポール&リンダ・マッカートニーのアルバム「RAM」からはシングル・カットはしない予定でした。ソレを見据えてのシングル「ANOTHER DAY」であり、B面の「OH WOMAN, OH WHY」と共にアルバム「RAM」には未収録でした。ところが、バカな評論家による酷評にもめげずにアルバム「RAM」は大衆であるファンには好意的に受け入れられて売れ続けたので、米国キャピトルは1971年8月2日になってアルバムの最高の目玉である「UNCLE ALBERT / ADMIRAL HALSEY」(B面は「TOO MANY PEOPLE」)をシングル・カットして、なんと、まあ、チャートで首位になってしまいます。ソレでですね、英国では同年8月13日に「THE BACK SEAT OF MY CAR / HEART OF THE COUNTRY」をシングル・カットして、日本では同年9月5日に「出ておいでよ、お嬢さん(EAT AT HOME)/ スマイル・アウェイ(SMILE AWAY)」と、各国で全く違ったシングル・カットを敢行してしまったのです。

そう云う経緯で「THE 7‘’ SINGLES BOX」の3枚目には、英国盤の「THE BACK SEAT OF MY CAR / HEART OF THE COUNTRY」が、ピクチャー・スリーヴもないアップルの黒い内袋入りで復刻されています。アルバム「RAM」のラストを飾る超絶神曲「THE BACK SEAT OF MY CAR」と、B面1曲目だった「HEART OF THE COUNTRY」を収録した此のシングルは、全英チャートで39位までしか上がらず、大失敗シングルとなってしまいました。「THE BACK SEAT OF MY CAR」は1970年10月20日にレコーディングされていて、メンバーはポール&リンダ・マッカートニーと、ギターでヒュー・マクラッケン、ドラムがデニー・シーウェルに、ニューヨーク・フィルハーモニック・オーケストラがストリングスを担当していて、作詞作曲はポールの単独名義です。B面の「HEART OF THE COUNTRY」は、お気楽な田舎暮らしをのほほんと歌ったカントリー調の曲で、作詞作曲はポール&リンダ・マッカートニーと云う事になっています。こう云う詞すら出来ずに鼻歌にしちゃうマヌケな曲は、他のミュージシャンならば駄作になりそうなのに、ポールだと佳作になっちゃうんですよ。

シングル・ヒットには至らなかったA面の「THE BACK SEAT OF MY CAR」ですが、アルバム「RAM」の最後に収録されている此の楽曲は、ポール・マッカートニーと云うミュージシャンを一曲に凝縮したかの様な、掛け値なしの大傑作です。目まぐるしく展開するドラマティックな美しいメロディーは、優しい歌い出しから、最後の最後に飛び出すポールの渾身の絶叫まで、息を吞む様な緊張感があり、歌詞はポールお得意な下ネタ全開なのに、涙が出る程に感動的です。オーケストラ・アレンジも、これしかないと云える程にピッタリで、正にビートルズのアルバム「ABBEY ROAD」のつづきです。アホ丸出しの評論家の耳には届かなくとも、ビートルズ・ファンならば肯定するしか術がない傑作です。しかしながら、アルバム「RAM」の最後に収録されているからこその大団円なので、とてもじゃないけれどシングル向けではありません。此の楽曲も、1969年1月のビートルズの「THE GET BACK SESSIONS」でポールがピアノの弾き語りで披露している音源が残されていて、ジョンやジョージにもこうしたソロになってから正式にレコーディングされた楽曲が山ほどあるのが「THE GET BACK SESSIONS」の面白いところなのです。

(小島イコ)

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2024年04月02日

「大奥〜華の乱〜」第七話、第八話(再)で内山理名ちゃん



フジテレビTWO 3:40〜5:30

第七話「真の敵」
第八話「お犬様」

内山理名(主演) AS 安子

「大奥〜華の乱〜」第七話と第八話の、今年4回目の再放送です。物語も最後の方になって「お犬様」のエピソードが出てきますが、此の上様は最初から「マザコン」で「女好き」で「サイコパス」なので、まあ「天下の悪法」もやりかねないな、と思わされます。それにしても、こんなに深い時間の再放送で誰が観るんでしょうか。

本放送:2005年12月1日、12月8日(フジテレビ)

(姫川未亜/小島イコ)

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「HK/変態仮面」



WOWOWプライム 11:00〜13:00

2013年公開作品(2013年4月13日公開)

片瀬那奈 AS 色丞魔喜

「HK/変態仮面」の、今年早くも6回目の放送です。那奈ちゃんが演じたのは、変態仮面の母親でSMの女王様です。今にして思えば豪華なキャスティングでしたが、当時の鈴木亮平くんはまだ無名でした。ドラマ「メイちゃんの執事」で後に吉川愛ちゃんになる吉田里琴ちゃんを抱っこしている大門は記憶にあっても、那奈ちゃんも出ているドラマ「絶対泣かないと決めた日」ではどこに出ていたのか分からなかったです。ちなみに、どちらも榮倉奈々ちゃんが主演でした。そして「変態仮面」になっちゃったので、もうこう云う色物路線で行くのかと思ったら、「朝ドラ」や「大河ドラマ」や「日曜劇場」に出る様になったのでした。

(小島イコ/姫川未亜)

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「HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス」

【Amazon.co.jp限定】HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス 究極版(B2ポスター付き) [Blu-ray]


WOWOWプライム 13:00〜15:00

2016年公開作品(2016年5月14日公開)

片瀬那奈 AS 色丞魔喜

「HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス」の、今年早くも6回目の放送です。前作に続いて、那奈ちゃんは変態仮面の母親を演じています。前作ではまだ無名だった鈴木亮平くんですが、続編が制作された頃には「朝ドラ」に出ていたし、既に「大河ドラマ」の主役も決まっていたと思います。それなのに、再び肉体改造して「変態仮面」になっちゃったのですから、凄い役者さんですよ。小栗旬くんの推薦で主役になった前作よりも、既に有名な俳優になったのに再び出たこちらの方が心意気を感じます。作品の出来栄えとしては、前作の方が衝撃的ではありました。前作の舞台挨拶は簡単にチケットが取れたのに、こちらではもう取れなくなっていました。

(小島イコ/姫川未亜)

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「匿名探偵」第9話(最終話)

匿名探偵 DVD BOX(5枚組)


テレ朝チャンネル2 17:30〜18:30

第9話(最終話)「探偵と最期の女」

片瀬那奈 AS 冴島響子

「匿名探偵」第9話(最終話)の、今年4回目の再放送です。第1話と第6話と第9話(最終話)だけが、1月に地上波で再放送されたので、ややこしくなっています。那奈ちゃんが再放送とは云え、普通に地上波ドラマに出ていたのですから、研音を辞めた後に何故に干されているのか分かりません。此のドラマは続編もあるのですが、何故か2012年版ばかり再放送されて、2014年版は暫く再放送されていません。那奈ちゃんは両方に出ているので、2014年版の他の出演者に何かあったのでしょうか。

本放送:2012年12月7日(テレビ朝日)

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#328「THE 7‘’ SINGLES BOX」#04「LOVE IS STRANGE(SINGLE EDIT)/ I AM YOUR SINGER」

WILD LIFE / DELUXE EDI


1971年5月にリリースしたポール&リンダ・マッカートニー名義のアルバム「RAM」が、へっぽこ評論家の酷評にもめげずにロングセラーとなっていた同年8月3日に、ポールは愛妻リンダと、アルバム「RAM」でも叩いているドラマーのデニー・シーウェルと、元・ムーディー・ブルースのマルチプレイヤーであるデニー・レインを加えた4人で、新たなるバンドの結成を発表しました。そして、既に同年7月25日から8月2日までの10日間足らず(ベーシック・トラックはたったの3日と云われている)でレコーディングして、同年12月7日にはデビュー・アルバム「WILD LIFE」をリリースしてしまったのです。当時のリンダは妊娠していて、同年9月13日に難産の末に後に世界的なデザイナーとなるステラ・マッカートニーが誕生して、出産に付き添っていたポールは誕生したステラに天使の羽が生えていると感じて「WINGS(ウイングス)」と云うバンド名を思い付いて、ソレが後々まで紆余曲折があるバンド名となったのでした。

前述の通りに身重であったリンダは、ソレ以前にミュージシャンとしてはド素人だったので、主にヴォーカルでの参加で、演奏はポールと二人のデニーによる3ピースで、しかも「ボブ・ディランをマネした」とポールが語る短期集中でのレコーディングで、全8曲中5曲は一発録りだったので、もうコレもリリース当時はアホな評論家から滅茶苦茶に酷評されました。しかし、ジョン・レノンからは「いいね。悪くないよ。あいつはいい方向に進んでいる。」と高評価されたのですから、ポールにとっては「ジョンの言葉こそはすべて」だったでしょう。そして、「THE 7‘’ SINGLES BOX」の4枚目はアルバム「WILD LIFE」からシングル・カットを予定していた「LOVE IS STRANGE(SINGLE EDIT)/ I AM YOUR SINGER」が、新作7インチ・シングル盤として収録されています。アルバム「RAM」から日本などでシングル・カットされた「出ておいでよ、お嬢さん(EAT AT HOME)/ スマイル・アウェイ(SMILE AWAY)」は無視されて、こちらが新たに制作されたのです。

此のシングルは実際にテスト盤まで作られていて、現在ではアルバム「WILD LIFE」の「アーカイヴ・コレクション」で「LOVE IS STRANGE」のシングル・ヴァージョンも聴く事が出来ます。わざわざシングル・ヴァージョンを編集したのにボツになったのは、5枚目に収録されているシングル盤「GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH」を急遽リリースしたからです。「LOVE IS STRANGE」は、ボ・ディドリーが変名・エセル・スミス(当時の奥さんの名前)で書いて1956年にミッキー&シルヴィアが大ヒット(全米R&B首位)させた曲で、エヴァリー・ブラザーズやバディ・ホリーなどもカヴァーしているのですが、此のウイングスでのアルバム・ヴァージョンはイントロが1分半以上もある革新的なアレンジでした。その長過ぎるイントロ(当時の日本のラジオ番組でジングルにも使われた)を大胆にカットして、すぐに歌になるのがシングル・ヴァージョンです。テスト盤を復刻したのでレーベルも白盤で、ピクチャー・スリーヴもなく、黄色の内袋に入っているだけです。

アルバム「WILD LIFE」は、「LOVE IS STRANGE」以外の7曲は例によって作詞作曲は「ポール&リンダ・マッカートニー」名義になっているのですけれど、いやいや、ソコは、ノリ一発みたいな「MUMBO」や「BIP BOP」は兎も角として、「WILD LIFE」や「SOME PEOPLE NEVER KNOW」や「TOMORROW」や「DEAR FRIEND」は、もう、どう聴いたってポールの単独作でしょう。そんな中で、リンダの声がよく聴こえると云うか、ほとんどポールとデュエットしている「I AM YOUR SINGER」は、辛うじて「ポール&リンダ」の共作かと思えます。ソレで、ポールはカヴァーの「LOVE IS STRANGE」もデュエット曲なので、B面は「I AM YOUR SINGER」にして「ポール&リンダ」感を出そうとしていたのかもしれません。が、しかし、あのね、超絶可愛いポールちゃん、そう云う手はアルバム「RAM」での方法論であって、こっちは新たなるバンド「ウイングス」名義のデビュー・シングルの予定だったんですよ。ソレが「バンマスと嫁のデュエット」じゃあ、他のメンバーは頭を抱えてしまったでしょうなあ。

(小島イコ)

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2024年04月03日

「大奥〜華の乱〜」第九話、第十話(最終話)(再)で内山理名ちゃん



フジテレビTWO 3:40〜5:30

第九話「遺言」
第十話(最終話)「乱心」

内山理名(主演) AS 安子

「大奥〜華の乱〜」第九話と第十話(最終話)の、今年4回目の再放送です。本放送時には最終回の翌週に2時間スペシャルが放送されていて、本編よりも前の話が描かれていて、伏線回収もしていました。故に、何故か終盤になって覚醒して「生まれ変わったら花になりたい」などと云った上様の死で終わるのではなく、生き残った柳沢の其の後と過去が分かる続編でした。そちらでは、理名ちゃんは二役を演じています。

本放送:2005年12月15日、12月22日(フジテレビ)

(姫川未亜/小島イコ)

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「ポールの道」#329「THE 7‘’ SINGLES BOX」#05「GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH / GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH(VERSION)」



1971年8月3日にウイングスの結成を発表したポール・マッカートニーは、同年7月25日から8月2日の10日足らずでほとんどが一発録りでのデビュー・アルバム「WILD LIFE」を12月3日にリリースしてしまいました。1971年5月にリリースしたポール&リンダ・マッカートニー名義のアルバム「RAM」が評論家の酷評にもめげずにロングセラーを続けていたのに、そしてバンドにはまだリード・ギタリストが不在だったのに、ポールはバンド結成の初期衝動のみで、またしても問題作を世に問うてしまい、待ってましたとばかりに評論家は酷評すると云う、お馴染みの展開となったのです。1970年代となって、ビートルズは解散して、ジョージ・ハリスンとジョン・レノンとついでにリンゴ・スターのアルバムは評論家からも好意的に迎えられたのに、最もビートルズを愛して、最もビートルズに近いと云うかビートルズそのまんまであるポール・マッカートニーだけが貶されていたのです。

ポール・マッカートニーの音楽とは、即ちビートルズなわけで、つまり評論家は「ビートルズは終わった」と書きたかったのでポールを貶したのです。ジョージはビートルズ時代にアルバムに2曲か3曲しか取り上げてもらえなかったので、1970年リリースのアナログ3枚組のアルバム「ALL THINGS MUST PASS」は「ビートルズ時代のジョージ」が爆発したわけで、そのまんま「脱ビートルズ」だったし、ジョンは1970年リリースのアルバム「JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND(ジョンの魂)」でハッキリと「ビートルズを信じない、夢は終わった」と云い切ってしまったので、評論家はそっちに乗ったわけですなあ。ビートルズそのものであるポールを貶すのは、ビートルズを先頭とした1960年代のロックを否定する事とイコールなので、ポールは何をやっても貶されたのです。「第1期ウイングス」での唯一のアルバム「WILD LIFE」は、ジャケットから内容まで完全にアルバム「ジョンの魂」と同じ方向を向いているのですが、ジョンがやれば正義で、ポールがやれば悪とされたのです。

もうね、何をやっても評論家は「ポール、やってんなあ」と冷ややかな目で見て居たのです。ソコで、ポールは前回の「LOVE IS STRANGE(SINGLE EDIT)/ I AM YOUR SINGER」をシングル・カットしようと実際にテスト盤まで作ったのですが、もうリード・ギタリストとしてヘンリー・マカロックをメンバーに加えて「第2期ウイングス」となっていたのに、ソノ前の音源をシングルで出すと云うのはヘンリーは面白くなかったでしょう。ところが、1972年1月30日にアイルランドで「血の日曜日事件(北アイルランドのロンドンデリーで非武装の市民権デモ隊にイギリス軍が発砲し13人が死亡)」が起こり、ポールは翌1月31日にすぐに「GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH(アイルランドに平和を)」を書いて、翌々日の同年2月1日にはレコーディングして、同年2月25日にアップルから速攻でリリースする事になり、ウイングス名義のデビュー・シングルとなったわけです。作詞作曲は「マッカートニー&マッカートニー(ポール&リンダ)」で、両面共にアルバム未収録曲でしたが、現在ではアルバム「WILD LIFE」の「アーカイヴ・コレクション」にボーナス・トラックとして収録されています。

ジョンも此の事件には憤慨して、同年9月にリリースしたアルバム「SOMETIME IN NEW YORK CITY」収録の「SUNDAY BLOODY SUNDAY」と「THE LUCK OF THE IRISH」を書いていて、ポールの「GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH」に対しては「詞が幼稚」と酷評していますが、一方で盟友ポールの心意気には肯定してもいます。プロテスト・ソングに関しては、既に「GIVE PEACE A CHANCE」や「POWER TO THE PEOPLE」などを発表していたジョンは、自分の得意技と思っていたでしょうから、何だか呑気な曲で中学生が書いた様な単純な詞のウイングスを鼻で笑ったのでしょう。しかしながら、ポールの純粋な気持ちは、後の「9・11」での行動にも表れています。と云うわけで「THE 7‘’ SINGLES BOX」の5枚目はコレで、英国盤仕様の復刻なのでピクチャー・スリーヴはなくて、黄色のウイングス仕様の内袋に入っていて、クローバー模様のレーベルです。B面の「GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH(VERSION)」は、A面のインストゥルメンタルですが、単なるカラオケではなくて別テイクで、インスト曲の「VERSION」はジャマイカのシングルをマネした表記です。

レコーディング・メンバーは、ポール・マッカートニー(ヴォーカル、ベースギター、エレキ・ギター)、リンダ・マッカートニー(バッキング・ヴォーカル、キーボード)、デニー・レイン(バッキング・ヴォーカル、エレキ・ギター)、ヘンリー・マカロック(エレキ・ギター)、デニー・シーウェル(ドラムス)で、ヘンリーも加わった「第2期ウイングス」です。「GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH」は、放送禁止曲にもめげず、全英16位・全米21位で、アイルランドとスペインと日本の洋楽チャートでは首位となっています。個人的には、ポール、リンダ、二人のデニー、ヘンリーの5人による「第2期ウイングス」が、バンドとしての緊張感があって、カヴァー曲である「LONG TALL SALLY」以外は「一切ビートルズ・ナンバーをセットリストに加えずに、ドサ回りをして、新曲ばかり演奏していたライヴ」も含めて、非常に前向きで前のめりで良いなあ、と思っています。

(小島イコ)

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2024年04月04日

「GetNavi web」インタビュー(2024年4月4日)




「GetNavi web」に、那奈ちゃんのインタビュー記事が掲載されています。最近は流石にいい加減な記事はアップされなくなっていて、コレは正式に那奈ちゃんに取材した記事です。まあ、ロコンド社員として頑張っていると云う事で、近影と共に「会社員として前向き」な受け答えをされています。つまりは、今後も芸能活動は期待できないと云う事ですね。

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#330「THE 7‘’ SINGLES BOX」#06「MARY HAD A LITTLE LAMB / LITTLE WOMAN LOVE」

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ポール・マッカートニーが1971年に結成した新バンド「ウイングス」は、最初は英米では「WINGS」と1971年から1972年までは名乗っていました。しかしながら、1973年になると「PAUL McCARTNEY & WINGS」と改名させられるのです。ところが、日本では1972年1月7日リリース(英米よりも1か月遅い)のデビュー・アルバム「WILD LIFE」の時点で「ポール・マッカートニーとウイングス」となっていて、前回に取り上げた「アイルランドに平和を(GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH)」でも「ポール・マッカートニーとウイングス」名義で、今回取り上げる「メアリーの子羊(MARY HAD A LITTLE LAMB)」も「ポール・マッカートニー・アンド・ウイングス」名義となっていて、欧米諸国よりも早く「ウイングスなんて誰も知らないから、ポール・マッカートニー&ウイングスにしろ」を、勝手に敢行しちゃっていました。ポールとしても、まさか日本でそんな事になっているとは知らなかったでしょう。日本盤シングルのジャケットも、たまにリンダと2ショット写真があったものの、ほとんどがポールひとりだけの写真でした。

さて、前回取り上げた「GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH」に続いて、1972年5月12日(英国)・同年5月29日(米国)にアップルからリリースされたのが、ウイングスの2枚目のシングル「MARY HAD A LITTLE LAMB / LITTLE WOMAN LOVE」です。前作シングルが政治的な内容で放送禁止になったので、打って変わって童謡の様で毒にも薬にもならぬ様なシングルを、たったの3か月後と云う短いスパンでリリースするのが天然バカボンであるポールなのです。実際にタイトルと詞は同名の童謡から頂いていて、レコーディング・メンバーは、ポール・マッカートニー(ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、ベースギター、パーカッション、ピアノ)、リンダ・マッカートニー(バッキング・ヴォーカル、キーボード、マラカス)、デニー・レイン(バッキング・ヴォーカル、エレキ・ギター、ベースギター)、ヘンリー・マカロック(バッキング・ヴォーカル、エレキ・ギター、マンドリン)、デニー・シーウェル(バッキング・ヴォーカル、ドラムス、パーカッション、シロフォン)の「第2期ウイングス」で、主役のメアリー・マッカートニーとヘザー・マッカートニーもバッキング・ヴォーカルで参加しています。

第2期ウイングスはドサ回りをやっていて、2台のバスで移動して、アポなしで大学を訪れて其の場で交渉してライヴを行っていたのですが、ポールは、ヘザー、メアリー、ステラと3人の娘とペットの犬3匹も同行させていたのです。母親であるリンダがバンドのメンバーなのだから、幼い娘たちを家に置いては置けなかったわけですけれど、そもそも、バンマスであるポールの嫁が、碌に楽器も弾けないのにメンバーに居て、ソノ上、子どもを3人に犬3匹も同行するって、他のメンバーのストレスは相当なもんだったでしょう。ポールはビートルズの末期にジョン・レノンが小野洋子さんをスタジオに居座らせた事で自分がストレスを感じていたのに、ジョンがやるからとばかりにリンダとヘザーをスタジオに連れてくるし、こうして自分の新しいバンドを結成してもジョンと同じ様にしていると云うか、娘3人に犬3匹も加えているんですから、ジョン&ヨーコよりもたちが悪いとしか云えません。アポなしの大学ツアーだってポールの思い付きでしょうし、世界一有名なバンドの音楽的なリーダーと組んでバンドをやろうとしたら、何故かアマチュア・バンドみたいなところから始まっちゃったので、ポール&リンダ以外のメンバーはかなり困惑したんじゃないでしょうか。

ソコに来て此の「メリーさんのひつじ」で、あろうことか娘もコーラスに参加なんですから、新加入したリード・ギタリストのヘンリー・マカロックなんか目が点になっちゃったんじゃないでしょうか。ギンギンにエレキ・ギターを弾こうと思っていたら、マンドリンを渡されてバンマスの子どもと一緒にコーラスをやらされるって、コレ以上ない程の「パワハラ」でしょう。ヘンリーは結局はシングル5枚にアルバム1枚で2年も経たずにバンドを去るわけですが、やってらんなかった気持ちは分かります。ポールでしか考えられないシングル「MARY HAD A LITTLE LAMB」は、全英9位・全米28位でした。ポールによるピアノがイイ感じなB面の「LITTLE WOMAN LOVE」は、1970年11月にアルバム「RAM」のセッションでレコーディングされた楽曲です。ドラムはデニー・シーウェルですが、まだウイングスは結成前で、デニー・レインもヘンリー・マカロックもいない時の楽曲で、ダブル・ベースはミルト・ヒントンが弾いています。A面の童謡路線にはグッと堪えても、B面がウイングス結成前の音源ではメンバーは我慢がならなかったでしょう。両面共に「マッカートニー&マッカートニー(ポール&リンダ)」が書いた事になっていて、アルバム未収録曲でしたが、アルバム「WILD LIFE」の「アーカイヴ・コレクション」にボーナス・トラックとして収録されていて、「LITTLE WOMAN LOVE」はアルバム「RAM」の「アーカイヴ・コレクション」にも入っています。「THE 7‘’ SINGLES BOX」には6枚目で、ピクチャー・スリーヴでレーベルも可愛い英国復刻盤が収録されています。

(小島イコ)

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2024年04月05日

「291万アクセスのロック・ア・リトル」



当ブログのアクセス数が、291万を超えました。今後とも、何卒宜しくお願い致します。

(小島イコ/姫川未亜)

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「家売るオンナの逆襲」第6話(再)で内山理名ちゃん

家売るオンナの逆襲 Blu-ray BOX


日テレプラス 13:00〜14:00

第6話「運命大作戦!W不倫夫婦に奇想天外の家爆売りGO!」

内山理名 AS 八十多つぐみ(第6話ゲスト)

「家売るオンナの逆襲」第6話の、今年2回目の再放送です。理名ちゃんが演じたつぐみさんは、W不倫カップルの奥さん役です。事務所を旦那さんの個人事務所に移籍した理名ちゃんですが、ズバリ云って昨年(2023年)はドラマにも映画にも出ていなかったわけですよ。今後も、自分のペースで女優を続けていって欲しいものです。

本放送:2019年2月13日(日本テレビ)

(姫川未亜)

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「ポールの道」#331「THE 7'' SINGLES BOX」#07「HI, HI, HI / C MOON」

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ウイングスは、プロテスト・ソングのシングル「GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH」から童謡路線のシングル「MARY HAD A LITTLE LAMB」と振り幅が広いところ(バンドではなくポール・マッカートニーの振り幅)を見せつけましたが、1972年12月1日(英国)・同年12月4日(米国)・翌1973年1月20日(日本)にアップルからリリースした第3弾で両A面シングル「HI, HI, HI / C MOON」も、またしても物議を醸し出しました。そもそも「第2期ウイングス」の唯一のアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」のセッションでレコーディングされた楽曲で、メンバーは、「HI, HI, HI」が、ポール・マッカートニー(ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、ベースギター)、リンダ・マッカートニー(バッキング・ヴォーカル、オルガン)、デニー・レイン(バッキング・ヴォーカル、エレキ・ギター)、ヘンリー・マカロック(エレキ・ギター)、デニー・シーウェル(ドラムス、カウベル)の5人となっております。

「HI, HI, HI」は、当時流行していたT-REXなどのグラム・ロックを意識したブギ調で、ライヴの定番曲となって盛り上がるのですが、セックスやドラッグを連想させる曲だとされて放送禁止となります。それでもライヴで披露されていたので、全英5位・全米10位と大ヒットするのでした。ポール自らが「HI, HI, HI」は「セックス・ソング」と断言しちゃっているので、もう確信犯ですし、エッチな歌詞を書くのはビートルズ時代からポールの必殺技のひとつなのです。ビートルズが来日した時に逢って一緒にスキヤキを食べた若大将・加山雄三さんは「4人で絵を描いていたんだけれど滅茶苦茶でさ、ポールなんか女性のアソコの絵を描いていて、こいつはいつもそんな事ばっか考えているのかと呆れたよ」と云っていましたが、ソノ通りなのです。レゲエ調の「C MOON」を両A面にしたのも、確実に「HI, HI, HI」は放送禁止になるだろうと見越していたからなのでしょう。

ソノ「C MOON」のレコーディング・メンバーは、ポールがヴォーカルとコルネットとピアノ、リンダがバッキング・ヴォーカル、デニー・レインがベースとバッキング・ヴォーカル、ヘンリー・マカロックがドラムスとタンバリン、デニー・シーウェルがコルネットとシロフォン、と云う変則的な構成で、ヘザーとメアリーが掛け声で参加しているみたいです。ようやく「HI, HI, HI」でバリバリにギターを弾いたヘンリー・マカロックですが、片面の「C MOON」では何故かドラムスを担当させられていて、例によってバンマスの娘も参加するって事になってしまい、益々ウイングスでの立場を考えてしまったでしょうなあ。変則的な担当楽器でのレコーディングだったので、ヘンリーも「お遊び」だと思ってドラムスを叩いたであろう事は想像出来ますので、まさか両A面シングルになるとは思ってはいなかったでしょうなあ。でも、まあ、そろそろ「ポールは天然バカボン」と気付いていた頃でしょうなあ。

此のシングルの日本盤は「HI, HI, HI」がA面扱いで、最初にジャケット写真が裏焼きされて「右利きポール」となっていたのは有名ですが、注目すべきなのは遂に「歌と演奏・ウイングス」となっている事です。ようやく、日本でも「ウイングス」名義となった、記念すべきシングルなのです。ソノ分「制作・ポール・マッカートニー」とも記されているのですけれどね。ところが、英米では此の辺でもう「ウイングスなんて誰も知らないから、ポール・マッカートニー&ウイングスに改名しろ」が発令されるので、次のシングル「MY LOVE」からは「PAUL McCARTNEY & WINGS」名義にされちゃうわけで、つまりは日本で「第2期ウイングス」が「ウイングス」名義だったのは此のシングルだけだったのです。作詞作曲は両面共に「ポール&リンダ・マッカートニー」と云う事になっていて、どちらもアルバム未収録曲ですが、後に各種ベスト盤やアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」の「アーカイヴ・コレクション」などにボーナス・トラックとして収録されています。画像はフランス盤ですが、「THE 7'' SINGLES BOX」には7枚目で、レアなベルギー盤のピクチャー・スリーヴで復刻されています。

(小島イコ)

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2024年04月06日

「花咲舞が黙ってない」第2シリーズ(再)全11話一挙放送

「花咲舞が黙ってない 2015」 Blu-ray BOX


日テレプラス 20:30〜7:00

第1話「お言葉を返すようですが!痛快ヒロイン、復活!!」
第3話「女子行員が堕ちた恋の罠!! 窓口から消えた三百万」

片瀬那奈 AS 北原有里(第1話ゲスト)
内山理名 AS 吉川恭子(第3話ゲスト)

「花咲舞が黙ってない」第2シリーズの今年2回目の再放送で、今回はオールナイトで全話一挙放送です。ずっと一年中再放送されていますが、今回は新作が放送されるので、煽りなのでしょうか。新作は、キャスティングは大幅に変更されるみたいです。此の第2シリーズは、回は違いますが那奈ちゃんと理名ちゃんがゲスト出演している貴重な作品で、それぞれ銀行員役を演じています。

本放送:2015年7月8日、7月22日(日本テレビ)

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#332「THE 7‘’ SINGLES BOX」#08「MY LOVE / THE MESS(LIVE AT THE HAGUE)」

Red Rose Speedway - 1st - EX


1972年3月から12月にかけて、ポール・マッカートニーが率いるウイングスは2作目のアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」のレコーディングを長期に渡って行いました。其の中から「MARY HAD A LITTLE LAMB」や「HI, HI, HI」などをシングルとしてリリースしたのですが、1973年1月25日から27日まで、遂に傑作バラード「MY LOVE」をレコーディングします。レコーディング・メンバーは、ポール・マッカートニー(リード・ヴォーカル、エレクトリックピアノ)、リンダ・マッカートニー(バッキング・ヴォーカル)、デニー・レイン(ベース、バッキング・ヴォーカル)、ヘンリー・マカロック(リードギター)、デニー・シーウェル(ドラムス)の「第2期ウイングス」で、リチャード・ヒューソンがオーケストラアレンジと指揮を担当していて、50名によるオーケストラは後でダビングしたのではなく、バンドの演奏と同時にライヴ・レコーディングしています。故に、ベースはポールではなくデニー・レインが弾いているのです。

リチャード・ヒューソンは、ビートルズの「THE LONG AND WINDING ROAD」のオーケストラアレンジも手掛けていて、更にアルバム「RAM」をインストゥルメンタル曲にした「THRILLINGTON」も手掛けていたのですが、つまりはポールはヒューソンの腕を買っていたわけです。それなのに「THE LONG AND WINDING ROAD」のオーケストラアレンジにはモノ申していたわけで、アレンジが気に入らなかったのではなく、自分だけハブにされてアルバム「LET IT BE」が作られた事に憤慨していたのです。ポールは自分が提唱した1969年1月のビートルズによる「THE GET BACK SESSIONS」が頓挫した事を悔やんでいて、ウイングスを結成してからは「THE GET BACK SESSIONS」をもう一度とばかりの行動をしています。例えば、1971年リリースのデビュー・アルバム「WILD LIFE」は、ほとんど一発録りだったし、バス2台でアポなしの大学ツアーを敢行したのも、ビートルズの初期に「GET BACK」してビートルズとしてやりたかった事でしょう。

更に、セカンド・アルバムとなる1973年5月リリースの「RED ROSE SPEEDWAY」は、セッションの初めは「THE GET BACK SESSIONS」で起用したグリン・ジョンズにプロデュースを依頼していたのです。グリン・ジョンズはウイングスのメンバーがスタジオで大麻を吸って新聞を読んでいると云うかったるい状況を見て、すぐにプロデュースを降りてしまいます。あれ程にビートルズのアルバム「GET BACK」をプロデュースしたがっていたグリン・ジョンズがお手上げになったのですから、どれだけ酷い状況だったのかは想像出来ます。ポールはアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」を2枚組でリリースしようと考えるも、レコード会社から反対されて1枚にまとめる事にして、名義も「ウイングスなんて誰も知らないから、ポール・マッカートニー&ウイングスに改名しろ」と云われてしまいます。そんな中で、1973年3月23日(英国)・同年4月9日(米国)・同年5月5日(日本)にアップルからリリースしたのがシングル「MY LOVE」です。

愛妻リンダへ捧げた「MY LOVE」は、ビートルズ末期の1969年もしくは1970年には出来ていたらしく、ここまで取って置いたのはポールなりに「脱ビートルズ」を考えていたからなのでしょう。満を持してリリースした「MY LOVE」は、全英9位・全米首位!を獲得しています。ちなみに、ポールの「MY LOVE」の次の全米首位は、ジョージ・ハリスンの「GIVE ME LOVE(GIVE ME PEACE ON EARTH)」です。ポールにとっては2曲目の全米首位曲ですが、「UNCLE ALBERT / ADMIRAL HALSEY」はポール&リンダ・マッカートニー名義だったし、此の「MY LOVE」はポール・マッカートニー&ウイングス名義です。不協和音を多用した琴線に触れる美しいメロディーの「MY LOVE」は、間奏のヘンリー・マカロックによるギターも名演で、コレはポールの指示をヘンリーが「違う風に弾いていいかな」とお願いして弾いたフレーズです。ヘンリーとしては、ようやくバンドでの自分の立場に自信を持てたと思われる渾身のリード・ギターなのです。

が、しかし、ポールは、1972年6月にリリースされたカーペンターズのヒット曲「GOODBYE TO LOVE(愛にさよならを)」でラヴ・バラードに初めてファズギターを持ち込んだと云われるトニー・ペルーソによるギターを聴いて、「こんなギタリストが欲しい」と発言してしまったのです。1972年6月と云えば、正にウイングスがライヴもバンバンやってアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」をレコーディングしていた時期で、バンマスにそんな事を云われたヘンリー・マカロックの気持ちは忸怩たるものだったでしょう。プライドをズタズタに切り裂かれたヘンリーは、酔っ払って演奏したりする様になっちゃったわけですなあ。B面の「THE MESS」は、元々は「THE MESS I'M IN」と云う、ザ・バンドの「THE SHAPE I'M IN」を意識した楽曲で、2枚組のアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」には収録予定だったけれど外された曲のひとつです。1972年のライヴ音源で、アルバムにも此のライヴ音源が収録される予定でした。アルバム未収録曲でしたが、現在では「アーカイヴ・コレクション」で正式にリリースされた2枚組などで聴けます。此のシングルは「THE 7‘’ SINGLES BOX」には、8枚目で「ビックリおねえさん」のピクチャー・スリーヴ付きのイスラエル盤で復刻されています。 

(小島イコ)

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2024年04月07日

「DIVER-特殊潜入班-」(再)全5話一挙放送



ファミリー劇場 22:30〜2:50

片瀬那奈 AS 皆本麗子

#01「最凶の潜入捜査官!特殊詐欺の闇を追え」
#02「新たな捜査官登場!女子大生連続自殺の謎を解け」
#03「謎の連続誘拐!命の選択!狙われた伊達の娘を救え!」
#04「国際会議がテロの標的に!D班最大の危機!」
#05「衝撃の最終回!兵悟の反撃開始!最大の闇との決着」

「DIVER-特殊潜入班-」の、今年2回目の全5話一挙再放送です。全5話と短いのは、別に打ち切られたわけではなく、コロナ禍で全編が関西ロケだった為に、元々全5話で制作されています。那奈ちゃんが演じたのは闇医者の皆本麗子先生で、潜入捜査官のひとりです。やはり全5話では短く感じられて、潜入捜査官の事も何も分からない内に終わってしまいました。

こうして過去の作品は途切れる事もなく再放送されていますが、先日のインタビュー記事にもある様に「元・タレント」である那奈ちゃんは、現在の会社員としての立場に満足している様なので、新たなる芸能活動は望めないのでしょう。但し、芸名である「片瀬那奈」で活動しているから、些か困ったちゃんなのです。何だかんだ云っても、会社は「片瀬那奈」だから雇っているわけで、普通の会社員だったならば入社した事自体が極秘だし、社内人事とかをペラペラ話さないわけで、全部が会社の宣伝なのですよ。ズバリ云って、未だに「片瀬那奈」の名前を使っているのは、ファンにとっては混乱するだけで、決して望ましい事とは云えません。

本放送:2020年9月22日〜10月20日(関西テレビ、フジテレビ)

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#333「THE 7‘’ SINGLES BOX」#09「LIVE AND LET DIE / I LIE AROUND」

Live and Let Die


1973年4月30日(米国)・5月4日にアップルからリリースされたポール・マッカートニー&ウイングスの2作目のアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」は、長期に渡るレコーディングで30曲程の楽曲が完成して、ポールは2枚組でリリースする予定が、前作アルバム「WILD LIFE」の売り上げが思ったよりも低かったので、レコード会社の要請で1枚に変更させられて、バンド名も「ウイングス」から「ポール・マッカートニー&ウイングス」に改名させられました。アルバム「RED ROSE SPEEDWAY」は、2枚組を1枚に凝縮されているのにも関わらず、全体的にのんびりとしたかったるい流れのアルバムで、現在では当初の2枚組でも「アーカイヴ・コレクション」でリリースされているのですが、先行シングルだった「MY LOVE」だけが別格に良くて、他はダラダラとした全18曲がつづくので、レコード会社の判断は正しかったと思えます。

ウイングスはアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」のレコーディングから、「MARY HAD A LITTLE LAMB」や「HI, HI, HI」や「MY LOVE」、更には今回取り上げる「LIVE AND LET DIE」を、イレギュラーだった「GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH」も含めて5枚ものシングルを1972年から1973年にかけて乱発していて、それぞれヒットさせているのですが、ソノ内でアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」に収録したのは「MY LOVE」のみで、ソノ「MY LOVE」ですらB面はアルバム未収録で、つまりは短期間にアルバム未収録が9曲もあるのです。しかも、それらの曲は2枚組の構成からも外れている楽曲もあって、なんと、「GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH」と「MARY HAD A LITTLE LAMB」と「HI, HI, HI」と「C MOON」と「LIVE AND LET DIE」と両A面も含めたヒットした5曲も2枚組アルバムにすら未収録だったのです。

1972年10月19日にレコーディングされて、翌1973年6月1日(英国)・同年6月18日(米国)・同年7月20日(日本)にリリースされたシングル「LIVE AND LET DIE / I LIE AROUND」は、B面の「I LIE AROUND」はアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」2枚組には収録予定で弾かれた曲ですが、A面の「LIVE AND LET DIE」は云わずと知れた「007 死ぬのは奴らだ」の主題歌で、ウイングスのアルバムには未収録曲です。ビートルズ時代のプロデューサーだったサー・ジョージ・マーティンがポールに依頼して作られた此の楽曲は、久しぶりにサー・ジョージ・マーティンがプロデュースを担当しています。マーティンはポール&リンダ・マッカートニー名義の1971年リリースのアルバム「RAM」でも米国で大ヒットした「UNCLE ALBERT / ADMIRAL HALSEY」でオーケストラアレンジを手掛けていて、ポールはアルバム「RAM」でのアウトテイクだった「LITTLE LAMB DRAGONFLY」をアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」に引っ張り出していて、そちらもマーティンがオーケストラアレンジを担当しています。此のシングルも、例によって作詞作曲はポール&リンダ・マッカートニーとなっております。

ポールとマーティンが組めば、ソレはもう「ビートリー」ではなく「ビートルズ」なので、此の「LIVE AND LET DIE」もポールによる組曲風でめくるめく変化する美しい楽曲に、マーティンによるオーケストラが絶妙に絡んで、ズバリ云って歴代の「007」主題歌の中でも最高傑作だと云っても宜しいでしょう。全英9位・全米2位と大ヒットしていますが、前述の通り、こうした大ヒット曲を連発していたのに、それらはアルバム未収録曲だらけなのが、ビートルズであり、ポール・マッカートニーなのです。レコーディング・メンバーは、ポール(ヴォーカル、ピアノ)&リンダ(キーボード、バッキング・ヴォーカル)、デニー・レイン(ベース、バッキング・ヴォーカル)、ヘンリー・マカロック(ギター)、デニー・シーウェル(ドラムス)の「第2期ウイングス」で、レイ・パーカーがパーカッションで参加していて、サー・ジョージ・マーティンがプロデュースしてオーケストラを率いています。

「LIVE AND LET DIE」はアルバム未収録曲ですが、其の後にベスト盤には大抵は収録されているし、アルバム「RED ROSE SPEEDWAY」の「アーカイヴ・コレクション」にもボーナス・トラックでシングル・ヴァージョンとオーケストラ抜きのヴァージョンが収録されています。ライヴでもウイングス時代から現在まで、ほぼ定番曲としてライヴの終盤に披露されていて、派手に爆発させて盛り上げております。アルバム「RED ROSE SPEEDWAY」ですが、メドレーを1曲にして全9曲中、前述の「LITTLE LAMB DRAGONFLY」と「GET ON THE RIGHT THING」の2曲もアルバム「RAM」でのセッションから引っ張り出しているのです。故に、ソノ2曲ではヘンリー・マカロックはギターを弾いていません。これまた、ヘンリーにとっては屈辱的な事で、やれ「カーペンターズのギタリストが欲しい」だの云われた上に、今更デビッド・スピノザやヒュー・マクラッケンがギターを弾いた曲をアルバムに収録されたんじゃ、やっていられなくもなりますわなあ。

ソレでですね、当時は有名なTV特番「JAMES PAUL McCARTNEY」が制作されて放送されているのですけれど、もうタイトル通りに「ポールのワンマンショー」になっていてですね、一応はウイングスとしてのライヴ映像も出てくるけれど、ほとんどは「ポールが主役」で、幾らポールが「ウイングスはバンド」と熱弁しようが、やっている事は「ポールのバック・バンド」にすぎないのです。レコーディングだけならば、マルチプレイヤーであるポールは全部ひとりでやれるし、実際にそうしたアルバムやシングルはあるわけで、「MY LOVE」のギターだって最初はポールが考えたフレーズで弾かせようとしたのを、ヘンリーが思い切って変えさせてもらったわけですよ。そう考えると、ポールみたいな人とアルバムを10作以上も作ったビートルズの他の3人は凄いと思えるのです。B面はデニー・レインが歌っている「I LIE AROUND」で、まあ、アルバムから弾かれてシングルB面になったのが分かる曲です。「THE MESS」と云い「I LIE AROUND」と云い、思いっ切り「B面」なのがウイングスです。「THE 7‘’ SINGLES BOX」には9枚目で、スウェーデン盤のピクチャー・スリーヴで復刻されています。

(小島イコ)

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2024年04月08日

「ポールの道」#334「THE 7‘’ SINGLES BOX」#10「HELEN WHEELS / COUNTRY DREAMER」

バンド・オン・ザ・ラン


1973年5月4日(英国)・同年4月30日(米国)・同年6月20日(日本)にアップルからリリースされたポール・マッカートニー&ウイングスの2作目のアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」は、先行シングル「MY LOVE」の効果もあり、全英5位・全米首位!と大ヒットしました。ところが、ポールは早くも次のアルバムのレコーディングを開始しようとして、なんと、ナイジェリアのラゴスでのレコーディングを考えてしまいます。ところが、ポールがラゴス行きを考えた頃に、リード・ギタリストのヘンリー・マカロックはポールと口論になってスタジオから出てゆき、2度と戻って来ませんでした。まるでビートルズの「THE GET BACK SESSIONS」でのジョージ・ハリスン脱退の様で、ポールは何も学んでいません。そして、ドラマーのデニー・シーウェルもアフリカには行きたくないと云い、「第2期ウイングス」は脆くも崩れて、ポール&リンダとデニー・レインの3人になってしまったのです。しかし、ポールはソノ3人だけで「ポール・マッカートニー&ウイングス」を名乗り「第3期ウイングス」としてラゴスでのレコーディングを敢行して、ソレがアルバム「BAND ON THE RUN」となるのでした。

1973年8月から10月にかけて行われたアルバム「BAND ON THE RUN」のセッションから、同年10月26日(英国)・同年11月12日(米国)・同年12月20日(日本)に先行シングルとしてアップルからリリースされたのが「HELEN WHEELS(愛しのヘレン)/ COUNTRY DREAMER(カントリー・ドリーマー)」です。A面の「HELEN WHEELS」がアルバム「BAND ON THE RUN」のセッションからで、B面の「COUNTRY DREAMER」は前作アルバム「RED ROSE SPEEDWAY」の2枚組案から弾かれたアウトテイクです。ポールとしては、コレも両面共にアルバムには未収録の予定でしたが、米国では「HELEN WHEELS」を強引にアルバム「BAND ON THE RUN」に収録しています。「HELEN WHEELS」は、全英12位・全米10位で、其の後に爆発的な大ヒットとなるアルバム「BAND ON THE RUN」絡みの曲としては低い成績でした。ポールの愛車・ヘレンを歌った此の曲は、リンダのお気に入りだったからシングルにしたらしく、基本的には1コードのみで成り立っているブギ調の曲にドライヴの様子が歌われています。作詞作曲は、例によって「ポール&リンダ・マッカートニー」です。ちなみに、シングル80枚組を9枚組CDにしたブートレグでは、此のシングルから2枚目となっています。

A面の「HELEN WHEELS」のレコーディング・メンバーは、ポール・マッカートニー(リード・ヴォーカル、リードギター、ベースギター、ドラムス)、リンダ・マッカートニー(バッキング・ヴォーカル、キーボード)、デニー・レイン(バッキング・ヴォーカル、ギター)の3人による「第3期ウイングス」で、アルバム「BAND ON THE RUN」同様にポールのドラムスとデニー・レインのギターから始めて、音を重ねてレコーディングした楽曲です。ギタリストを引き抜かれそうになった事もあるカーペンターズのリチャード・カーペンターが、当時のインタビューで「HELEN WHEELS」も聴きたくて米盤を買ったけれど、カッティングが悪くて失敗したと語っていて、そう云う話は初めてだったので、そんなに違うものなのかと思いました。B面の「COUNTRY DREAMER」はアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」のセッション音源なので、ポール・マッカートニー(リード・ヴォーカル、アコースティック・ギター、ピアノ、パーカッション)、リンダ・マッカートニー(バッキング・ヴォーカル)、デニー・レイン(ベースギター、バッキング・ヴォーカル)、ヘンリー・マカロック(スライドギター)、デニー・シーウェル(ドラムス)の「第2期ウイングス」による演奏で、「第2期ウイングス」としては最後の公式盤レコーディング曲となっております。

ソノ「COUNTRY DREAMER」は、ウイングス盤がリリースされる前に日本の「ブラウン・ライス」と云うグループがデビュー・シングルとして1973年9月に英語版を米国で、同年12月には阿久悠さんの日本語詞で日本でリリースされていて、ポールが書き下ろしたと云われていました。しかし、アルバム「RED ROSE SPEEDWAY」のセッション音源なので、ウイングスは1972年には既にレコーディングしていたので、ポールが書き下ろしたと云うのは些か怪しい話です。タイトル通りにカントリー調の楽曲で、これまた如何にも「B面曲」なのが、ウイングス流です。両面共に、英国や日本ではアルバム未収録曲でしたが、現在ではアルバム「BAND ON THE RUN」の「アーカイヴ・コレクション」などで聴けますし、記憶も新しい今年(2024年)にリリースされたアルバム「BAND ON THE RUN」の50周年記念盤には、米国盤仕様なので「HELEN WHEELS」が本編に加わっています。あたくしが最初に買ったのは米国盤だったのですが、其の後のリイシューではずっと外されていたので、今では「HELEN WHEELS」が収録されている方が違和感があります。「THE 7‘’ SINGLES BOX」には10枚目で、スペイン盤のピクチャー・スリーヴ付きで復刻されています。

(小島イコ)

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