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2024年03月27日

「ポールの道」#322「McCARTNEY V」



2020年12月18日に、ポール・マッカートニーはソロとしては18作目で、ポール&リンダやウイングスを含めて26作目のアルバム「McCARTNEY V」を、キャピトルからリリースしました。コレは、1970年リリースのアルバム「McCARTNEY」と1980年リリースのアルバム「McCARTNEY U」につづく、ポールの宅録ひとり多重録音からなる3作目のアルバムです。プロデュースもポール自身で、ポールが作詞作曲して、全ての楽器を演奏(「SLIDIN'」にのみツアー・バンドのラスティ・アンダーソンがギター、エイブ・ラボリエル・ジュニアがドラムで参加)して歌った、完全なるソロ・アルバムです。世界的なコロナ禍で、英国でもロックダウン中であった2020年に、それならばひとりで全部やっちゃいましょう、と本当にひとりで作ってしまった、実にポールらしいアルバムです。

内容は、1「LONG TAILED WINTER BIRD」、2「FIND MY WAY」、3「PRETTY BOYS」、4「WOMAN AND WIVES」、5「LAVATORY LIL」、6「DEEP DEEP FEELING」、7「SLIDIN'」、8「THE KISS OF VENUS」、9「SEIZE THE DAY」、10「DEEP DOWN」、11「WINTER BIRD / WHEN WINTER COMES」の、全11曲入り44分42秒で、日本盤のボーナス・トラックとして、12「WOMAN AND WIVES(Studio Outtake)」、13「LAVATORY LIL(Studio Outtake)」、14「THE KISS OF VENUS(Phone Demo)」、15「SLIDIN'(Düsseldorf jam)」の、全15曲入り57分13秒となっております。全11曲入りのアナログLPでは「DEEP DEEP FEELING」と「SLIDIN'」の曲順が逆になっているのですが、其のアナログLPは、実に19種類と云う、櫻坂46や乃木坂46ですら「そこまでやんないでしょ」と思えるバージョン違い盤を乱発しています。

CDでは、ジャケットのサイコロが「白」と「緑」と「赤」と「青」と「黄」の色違いヴァージョンがリリースされていて、兎に角、コレクター泣かせの仕様となっております。あたくしはコレクターではないので、赤いサイコロのCDしか買っていません。デザインしたのはエド・ルシェで、ポールが気に入っていて「McCARTNEY V IMAGINED」や「McCARTNEY 1, 2, 3」やビートルズの「NOW AND THEN」のジャケットも手掛けるのですけれど、あたしゃ、エド・ルシェのデザインの何が良いのかサッパリ分かりません。楽曲はほとんど全てが2020年に自宅スタジオで宅録での多重録音ですが、本編最後の「WINTER BIRD / WHEN WINTER COMES」だけがサー・ジョージ・マーティンと一緒に1992年にレコーディングした作品です。つまりは、最後の曲だけが30年近く前の録音となっていて、ポールの声が全然違っています。ロックダウン中に遊び半分に気ままにレコーディングした音源集ですが、全米2位・全英首位!・日本5位と大ヒットしています。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする