
「ジョージ・ハリスンでは、そもそもCD4枚組でベスト盤は作れない」とか「CD4枚組で作ってみたら、半分の2枚はビートルズになってしまった」などと、レコスケくんの耳に入ったならば斬られそうな「事実」を書いてきましたが、2018年頃に「MOONCHILD RECORDS」からリリースされた「GEORGE HARRISON RARITIES」と云うレア音源でのベスト盤は、CD3枚組で、しかもジョージのソロ時代からだけの選曲となっていて、結論から申し上げますと、定番曲に抜けもあるし遺作アルバム「BRAINWASHED」関連曲は何故か選曲されておりませんので、ソレを加えるとソロ時代だけでのジョージのCD4枚組でのベスト盤は作れそうに思えます。
内容は、CD1が、1「GEORGE PLAY THE UKE」、2「IN THE FIRST PLACE」(1968)、3「IN THE FIRST PLACE」(1968)、4「ISN'T IT A PITY」(1970)、5「MY SWEET LORD」(1970)、6「BANGLA DESH」(1971)、7「DEEP BLUE」(1971)、8「IF NOT FOR YOU」(1971 with ボブ・ディラン)、9「COME ON IN MY KITCHEN」(1971)、10「SUE ME SUE YOU BLUES」(1973)、11「MISS O'DELL」(1973)、12「DARK HORSE」(1974)、13「DING DONG, DING DONG」(1974)、14「HARI'S ON TOUR(EXPRESS)」(1974 Live)、15「FOR YOU BLUE」(1974 Live)、16「DISPUTE AND VIOLENCE」(1974 Live)、17「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」(1975)、18「THIS SONG」(1976)、19「IT'S WHAT YOU VALUE」(1976)、20「LEARNING HOW TO LOVE YOU」(1976)、21「HERE COMES THE SUN」(1976 with ポール・サイモン)、22「HOMEWARD BOUND」(1976 with ポール・サイモン)、23「MO」(1977)の、全23曲入りです。
CD2が、1「BLOW AWAY」(1979)、2「LOVE COMES TO EVERYONE」(1979)、3「HERE COMES THE MOON」(1979)、4「LIFE IT SELF」(1980)、5「FLYING HOUR」(1980)、6「LAY HIS HEAD」(1980)、7「SAT SINGING」(1980)、8「UNCONSCIOUSNESS RULES」(1981)、9「TEARDROPS」(1981)、10「SAVE THE WORLD」(1981)、11「THAT’S THE WAY IT GOES」(1982)、12「I DON'T WANT TO DO IT」(1985)、13「I DON'T WANT TO DO IT」(1985)、14「EVERYBODY'S TRYING TO BE MY BABY」(1986 with カール・パーキンス)、15「BLUE SUEDE SHOES」(1986 with カール・パーキンス)、16「BREATH AWAY FROM HEAVEN」(1986)、17「SOMEPLACE ELSE」(1986)、18「HOTTEST GOING IN TOWN」(1986)、19「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」(1987 Live)、20「HERE COMES THE SUN」(1987 Live)、21「RIDE RAJBUN」(1992)の、全21曲入りです。
CD3が、1「GOT MY MIND SET ON YOU」(1987)、2「WHEN WE WAS FAB」(1987)、3「HANDLE WITH CARE」(1988 トラヴェリング・ウィルベリーズ)、4「END OF THE LINE」(1988 トラヴェリング・ウィルベリーズ)、5「NOT ALONE ANYMORE」(1988 トラヴェリング・ウィルベリーズ)、6「CHEER DOWN」(1989)、7「POOR LITTLE GIRL」(1989)、8「COCKAMAMIE BUSINESS」(1989)、9「POOR LITTLE GIRL」(1989)、10「RUN SO FAR」(1989 with エリック・クラプトン)、11「NEW BLUE MOON」(1990 トラヴェリング・ウィルベリーズ)、12「RUNAWAY」(1990 トラヴェリング・ウィルベリーズ)、13「ABSOLUTELY SWEET MARIE」(1993 with ボブ・ディラン)、14「MY BACK PAGES」(1993 with ボブ・ディラン)、15「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」(1975, 2014)、16「DISTANCE MAKES NO DIFFERENCE WITH LOVE」(1996 with カール・パーキンス)、17「HORSE TO THE WATER」(2001)、18「HORSE TO THE WATER」(2001)の、全18曲入りで、合計62曲入りです。
以前に紹介した「AFTER THE BEATLES ANTHOLOGY」ジョージ編CD2枚組と「GEORGE HARRISON WHAT IS LIFE SOLO YEARS ANTHOLOGY」CD2枚組を合わせた様な選曲になっておりまして、ジョージのソロ時代だけでのCD3枚組ですので、前述の通り、何故かゴッソリと抜けてしまっている遺作アルバム「BRAINWASHED」や、他のブートレグ音源では定番の「WHAT IS LIFE」や「IT DON'T COME EASY」や「YOU」と云った抜けている曲も含めれば、結構、難なくジョージのソロ時代だけでのCD4枚組も作れたと思える選曲となっております。音質も良好ですし「MOONCHILD RECORDS」なので3枚組でも新品が税込み千円ポッキリなのです。最初の曲はジョージがウクレレで遊んでいるだけの音源なので、いつ録音されたのかは不明です。カール・パーキンスとの共演やトラヴェリング・ウィルベリーズなども収録されてはいますが、まあ、ソレもジョージの活動のひとつですし、寡作でライヴも滅多にやらない人だったので、これだけ集めているのは労作です。
まあね、ブートレグ音源に労作も何もあったもんじゃないとは云え、ハーフオフィシャル盤で高い価格設定よりもずっと安いんですから、此の価格でキッチリとしたブートレグを出している「MOONCHILD RECORDS」は、近年のブートレグ業者の中でも信頼出来るメイカーです。ジョージに関しては、コレまでに紹介した3作が、申し合わせたかの様に選曲に違いがあってですね、コレの売りとしては「ジョージ・ハリスンの正規盤CDに収録されきれていないすべての楽曲を3CDに詰め込みました」らしいのですが、ご覧の通り、何故か抜けはあります。抜けがあるからこそ、ジョージのソロ時代だけでのCD4枚組への夢に繋がっているとも云えます。簡単に選曲したら、アルバム「ALL THINGS MUST PASS」関連でCD1枚で、他の3枚はアップル時代とダーク・ホース時代から公平に選べば、CD4枚組になるでしょう。ジャケット写真も変ちくりんなので変えましょう。が、しかし、同じ「MOONCHILD RECORDS」からはコレのポール・マッカートニー編も出ていて、そっちはCD6枚組で全131曲入りなんですよ。ジョージ、正直すまんかった。
(小島イコ)