2017年リリースのアルバム「SGT. PEPPER’S LONELY HEARTS CLUB BAND」で始まり、2018年リリースのアルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」、2019年リリースのアルバム「ABBEY ROAD」、2020年はコロナ禍でお休み、2021年リリースのアルバム「LET IT BE」と続いたビートルズ本隊の50周年記念リミックス盤は、2022年リリースのアルバム「REVOLVER」と遡って、2023年リリースのアルバム「THE BEATLES / 1962-1966」「THE BEATLES / 1967-1970」2023 EDITIONSの「赤盤」と「青盤」の50周年記念新装盤と続いていて、もはやサー・ポール・マッカートニーはビートルズとのバッティングを避けて新作アルバムをリリースするのは不可能となっております。故に、コロナ禍で本隊のリリースがなかった2020年にロックダウン中に自宅スタジオで宅録したアルバム「McCARTNEY V」をコレ幸いとリリースしたりするわけです。
そんなポールを後目に、リンゴ・スターは何も考えないで新作アルバムやライヴ盤をリリースしている様に見えます。例えば、2019年10月25日にユニバーサルからリリースした、リンゴの20作目(リンゴ的には18作目)のスタジオ・アルバム「WHAT'S MY NAME」があります。アルバム「ABBEY ROAD」の50周年記念盤とバッティングしていても、リンゴなら許されていて、相変わらず何も考えていない様なジャケットで、内容は、1「GOTTA GET UP TO GET DOWN」、2「IT'S NOT LOVE THAT YOU WANT」、3「GROW OLD WITH ME」、4「MAGIC」、5「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」、6「BETTER DAYS」、7「LIFE IS GOOD」、8「THANK GOD FOR MUSIC」、9「SEND LOVE SPREAD PEACE」、10「WHAT'S MY NAME」の、全10曲入りで「34分」と短いです。ジョン・レノン作のアノ「GROW OLD WITH ME」にはポール・マッカートニーがベースとコーラスで参加していて、ビートルズもカヴァーした「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」が入っていたりしますが、他はリンゴとメンバーの共作や提供曲で、此の後からはリンゴはEPを連発してゆきます。
オールスター・バンドとしても、相変わらずツアーを続けていて、2019年のライヴは2022年11月22日になってからBFDから「LIVE AT THE GREEK THEATER 2019」としてリリースしています。CD2枚にBD1枚の3枚組で、全24曲を音源と映像で楽しむ事が出来ます。此の時は第14期で、スティーヴ・ルカサー、コリン・ヘイ、グレッグ・ローリー、ヘイミッシュ・スチュアート、グレッグ・ビソネット、ウォーレン・ハムが参加しています。ライヴ音源が残されていない2018年の第13期には、10ccのグレアム・グールドマンが参加しているので、そちらも聴いてみたいものです。リンゴは毎度お馴染みの「MATCHBOX」、「IT DON'T COME EASY」、「WHAT GOES ON」、「BOYS」、「DON'T PASS ME BY」、「YELLOW SUBMARINE」、「YOU'RE SIXTEEN」、「I WANNA BE YOUR MAN」、「PHOTOGRAPH」、「ACT NATURALLY」、「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、と云った定番曲を歌っていて、いつも通りにオールスター・バンドの面々によるTOTOやサンタナやアヴェレージ・ホワイト・バンドやメン・アット・ワークなどのヒット曲も披露されていて、ノンクレジットで最後にジョンの「GIVE PEACE A CHANCE」で〆るのも、定番化しています。こちらもアルバム「REVOLVER」のリミックス盤とバッティングしていますが、リンゴなら何をやっても許されるのか、なのです。
(小島イコ)