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2024年03月08日

「大奥〜華の乱〜」第七話(再)で内山理名ちゃん



関西テレビ 14:45〜15:45

第七話「真の敵」

内山理名(主演) AS 安子

「大奥〜華の乱〜」第七話の、今年3回目で、関西ローカルですが地上波での再放送です。理名ちゃんが演じた安子は、息子を毒殺したのは小池栄子さんが演じたお伝の方だと疑っていて、二人で叩き合いの喧嘩をしたりもするのですが、お伝の方の息子も死んでしまい、黒幕は別に居ると気付きます。其れは柳沢と御台様なんですけれど、時代は別ですが新作「大奥」では御台様(小芝風花ちゃん)が主役なので、完全に敵役であるこちらの御台様(藤原紀香さん)とのギャップがエグイです。

本放送:2005年12月1日(フジテレビ)

(姫川未亜/小島イコ)

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「ポールの道」#306「PURE McCARTNEY」

Pure McCartney (deluxe)


2016年6月10日に、ポール・マッカートニーはベスト盤「PURE McCARTNEY」を、MPL/ヒア・ミュージック(英国)・MPL/キャピトル(米国)からリリースしました。2016年には、本隊であるビートルズのライヴ盤「THE BEATLES LIVE AT HOLLYWOOD BOWL」が、映画「EIGHT DAYS A WEEK」の公開に合わせるカタチでようやくCD化されたので、ポールとしてはソレを邪魔しない様にベスト盤を出したのでしょう。ポールにはこれまで、1978年リリースの「WINGS GREATEST」全12曲入りと、1987年リリースの「ALL THE BEST!」LP2枚組全20曲入り・CD1枚全17曲入りと、2001年リリースの「WINGSPAN:HITS AND HISTORY」CD2枚組全40曲入り(日本盤は全41曲入り)の3作があって、コレは4作目のベスト盤です。

「PURE McCARTNEY」はCD2枚組全39曲入りの通常盤と、ソレとは微妙に異なる楽曲からなる4LP全41曲入りと、CD4枚組の「デラックス・エディション」全67曲入りの3形態でリリースされていて、通常盤CD1が、1「MAYBE I'M AMAZED」(1970)、2「HEART OF THE COUNTRY」(1971)、3「JET」(1973)、4「WARM AND BEAUTIFUL」(1976)、5「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID」(1975)、6「DEAR BOY」(1971)、7「SILLY LOVE SONGS」(1976)、8「THE SONG WE WERE SINGING」(1997)、9「UNCLE ALBERT / ADMIRAL HALSEY」(1971)、10「ANOTHER DAY」(1971)、11「SING THE CHANGES」(2008)、12「JENNY WREN」(2005)、13「SAVE US」(2013)、14「MRS VANDEBILT」(1973)、15「MULL OF KINTYRE」(1977)、16「LET ’EM IN」(1976)、17「LET ME ROLL IT」(1973)、18「NINETEEN HUNDRED AND EIGHTY FIVE」(1973)、19「EBONY AND IVORY」(1982)、の全19曲、77分21秒です。

通常盤CD2は、1「BAND ON THE RUN」(1973)、2「ARROW THROUGH ME」(1979)、3「MY LOVE」(1973)、4「LIVE AND LET DIE」(1973)、5「TOO MUCH RAIN」(2005)、6「GOODNIGHT TONIGHT」(1979)、7「SAY SAY SAY(2015 REMIX)」(1983, 2015)、8「MY VALENTINE」(2012)、9「THE WORLD TONIGHT」(1997)、10「PIPES OF PEACE」(1983)、11「DANCE TONIGHT」(2007)、12「HERE TODAY」(1982)、13「WANDERLUST」(1982)、14「GREAT DAY」(1997)、15「COMING UP」(1980)、16「NO MORE LONELY NIGHTS」(1984)、17「ONLY MAMA KNOWS」(2007)、18「WITH A LITTLE LUCK」(1978)、19「HOPE FOR THE FUTURE」(2015)、20「JUNK」(1970)、の全20曲、72分40秒で、合計39曲入り「150分1秒(2時間30分1秒)」です。音源は2010年リリースの「BAND ON THE RUN」以降の「アーカイヴ・コレクション」に収録曲はリマスター音源もしくはリミックス音源で、「SAY SAY SAY」が新たにリミックスされていて、「WITH A LITTLE LUCK」はDJエディットで、当時は最新曲だった配信シングル「HOPE FOR THE FUTURE」も収録されています。

コレが「デラックス・エディション」となると、CD1は、1「MAYBE I'M AMAZED」(1970)、2「HEART OF THE COUNTRY」(1971)、3「JET」(1973)、4「WARM AND BEAUTIFUL」(1976)、5「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID」(1975)、6「DEAR BOY」(1971)、7「SILLY LOVE SONGS」(1976)、8「THE SONG WE WERE SINGING」(1997)、9「UNCLE ALBERT / ADMIRAL HALSEY」(1971)、10「EARLY DAYS」(2013)、11「BIG BARN BED」(1973)、12「ANOTHER DAY」(1971)、13「FLAMING PIE」(1997)、14「JENNY WREN」(2005)、15「TOO MANY PEOPLE」(1971)、16「LET ME ROLL IT」(1973)、17「NEW」(2013)、の全17曲、64分13秒です。

CD2は、1「LIVE AND LET DIE」(1973)、2「ENGLISH TEA」(2005)、3「MULL OF KYNTYRE」(1977)、4「SAVE US」(2013)、5「MY LOVE」(1973)、6「BIP BOP」(1971)、7「LET ’EM IN」(1976)、8「NINETEEN HUNDRED AND EIGHTY FIVE」(1973)、9「CALICO SKIES」(1997)、10「HI, HI, HI」(1972)、11「WATERFALLS」(1980)、12「BAND ON THE RUN」(1973)、13「APPRECIATE」(2013)、14「SING THE CHANGES」(2008)、15「ARROW THROUGH ME」(1979)、16「EVERY NIGHT」(1970)、17「JUNIOR'S FARM」(1974)、18「MRS VANDEBILT」(1973)、の全18曲、70分26秒です。

CD3は、1「SAY SAY SAY(2015 REMIX)」(1983, 2015)、2「MY VALENTINE」(2012)、3「PIPES OF PEACE」(1983)、4「THE WORLD TONIGHT」(1997)、5「SOUVENIR」(1997)、6「DANCE TONIGHT」(2007)、7「EBONY AND IVORY」(1982)、8「FINE LINE」(2005)、9「HERE TODAY」(1982)、10「PRESS」(1986)、11「WANDERLUST」(1982)、12「WINEDARK OPEN SEA」(1993)、13「BEAUTIFUL NIGHT」(1997)、14「GIRLFRIEND」(1978)、15「QUEENIE EYE」(2013)、16「WE ALL STAND TOGETHER」(1980, 1984)、の全16曲入り、62分41秒です。

CD4は、1「COMING UP」(1980)、2「TOO MUCH RAIN」(2005)、3「GOOD TIMES COMING / FEEL THE SUN」(1986)、4「GOODNIGHT TONIGHT」(1979)、5「BABY'S REQUEST」(1979)、6「WITH A LITTLE LUCK」(1978)、7「LITTLE WILLOW」(1997)、8「ONLY MAMA KNOWS」(2007)、9「DON'T LET IT BRING YOU DOWN」(1978)、10「THE BACK SEAT OF MY CAR」(1971)、11「NO MORE LONELY NIGHTS」(1984)、12「GREAT DAY」(1997)、13「VENUS AND MARS / ROCK SHOW」(1975)、14「TEMPORARY SECRETARY」(1980)、15「HOPE FOR THE FUTURE」(2015)、16「JUNK」(1970)、の全16曲入り、58分37秒で、合計67曲入りで「255分59秒!(4時間15分59秒!)」です。通常盤の収録39曲はこちらにも全て入ってはいますが、曲順は変更されています。故に、あたくしは2枚組も4枚組も両方持っています。全英3位・全米15位(ロック・チャート2位)で、日本でもオリコン4位でした。

ポール自身が選曲した67曲は、1970年リリースのアルバム「McCARTNEY」から3曲、1971年リリースのアルバム「RAM」から5曲、1971年リリースのアルバム「WILD LIFE」から1曲、1973年リリースのアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」から2曲、1973年リリースのアルバム「BAND ON THE RUN」から5曲、1975年リリースのアルバム「VENUS AND MARS」から2曲、1976年リリースのアルバム「WINGS AT THE SPEED OF SOUND」から3曲、1978年リリースのアルバム「LONDON TOWN」から3曲、1979年リリースのアルバム「BACK TO THE EGG」から2曲、1980年リリースのアルバム「McCARTNEY U」から3曲、1982年リリースのアルバム「TUG OF WAR」から3曲、1983年リリースのアルバム「PIPES OF PEACE」から2曲、1984年リリースのアルバム「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET」から1曲、1986年リリースのアルバム「PRESS TO PLAY」から2曲、1989年リリースのアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」から0曲、1993年リリースのアルバム「OFF THE GROUND」から1曲、1997年リリースのアルバム「FLAMING PIE」から8曲!、2001年リリースのアルバム「DRIVING RAIN」から0曲、2005年リリースのアルバム「CHAOS AND CREATION IN THE BACKYARD」から4曲、2007年リリースのアルバム「MEMORY ALMOST FULL」から2曲、2008年リリースの「THE FIREMAN」名義のアルバム「ELECTRIC ARGUMENTS」から1曲、2012年リリースのアルバム「KISSES ON THE BOTTOM」から1曲、2013年リリースのアルバム「NEW」から5曲、シングルのみのアルバム未収録曲が8曲です。

満遍なく選ばれているわけではなく、シングル曲にすら多くの漏れがありますし、ポールの思い入れが強いのか、1997年のリンダ・マッカートニーが参加した最後のアルバムである「FLAMING PIE」からは全14曲中半数以上の8曲が選ばれている一方で、名作だと云われている1989年の「FLOWERS IN THE DIRT」からは1曲も選ばれていません。同じく1曲も選ばれなかった「DRIVING RAIN」は、2度目の妻の記憶が残っていたから思い出したくもなかったのかもしれませんし、カヴァー・アルバムの「CHOBA B CCCP」と、ほとんどがカヴァーだった「RUN DEVIL RUN」からも選ばれていないのは、何となく分かります。しかしながら、エリック・スチュワートと組んで低迷していた事にされている1986年の「PRESS TO PLAY」からだって2曲(片方はメドレーなので実質3曲)も選ばれているのに、そこからエルヴィス・コステロと組んで大逆転したと云う事にされている1989年の「FLOWERS IN THE DIRT」は無視とは、と評論家にとって都合が悪い選曲でした。ポールは翌年である2017年に「FLOWERS IN THE DIRT」の「アーカイヴ・コレクション」をリリースするのですが、だから敢えて外したなどと云う評論家もいましたが、そんなわけないでしょう。でも、まあ、ポールはそう云う事を、よくやります。

何にしろ、CD4枚組で67曲でも「アレがない、コレは如何なものか」と云われてしまうのが、サー・ポール・マッカートニーです。ジョン・レノンは夭折したので、CD4枚組ならば、ほぼ全曲集になっていますし、ジョージ・ハリスンやリンゴ・スターでは、そもそもCD4枚組のベスト盤なんて作れません。そして、此のポールのベスト盤は、1970年から2015年までの楽曲から選曲されているのです。ポールは其の後も現役バリバリで新作もリリースしていますが、問題は1970年よりも前には何をしていたのか、なのです。今から恐ろしい事を云いますので、覚悟して下さい。ポール・マッカートニーは、1957年にジョン・レノンと出逢って、彼のバンドに加入して、そこにジョージ・ハリスンをポールの推薦で加入させて、其の後にメジャー・デビューする直前にドラマーのピート・ベストをクビにして、リンゴ・スターを加入させて、1962年にデビューして、1970年にポールの脱退宣言で解散したバンドに居たのです。ウソみたいな話ですが、本当なのです。其のバンドの名は、「THE BEATLES」と云います。

(小島イコ)

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2024年03月09日

「ポールの道」#307「GEORGE HARRISON - THE VINYL COLLECTION」

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2017年2月24日に、ジョージ・ハリスンのアルバム全集であるアナログ盤18枚組の「GEORGE HARRISON - THE VINYL COLLECTION」が、ユニバーサルからリリースされました。内容は、まずは、1968年リリースのサントラ盤「WONDERWALL MUSIC(不思議の壁)」、1969年リリースのガラクタ音源「ELECTRONIC SOUND(電子音楽の世界)」、1970年リリースの3枚組の大傑作アルバム「ALL THINGS MUST PASS(ジョージ・ハリスン)」、1973年リリースのアルバム「LIVING IN THE MATERIAL WORLD」、1974年リリースのアルバム「DARK HORSE」、1975年リリースのアルバム「EXTRA TEXTURE(READ ALL ABOUT IT)(ジョージ・ハリスン帝国)」、のアップル時代の6作8枚が収録されています。

つづくダーク・ホース時代も、1976年リリースのアルバム「THIRTY THREE & 1/3」、1979年リリースのアルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」、1981年リリースのアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND(想いは果てなく〜母なるイングランド)」、1982年リリースのアルバム「GONE TROPPO」、1987年リリースのアルバム「CLOUD NINE」、1992年リリースの2枚組のライヴ・アルバム「LIVE IN JAPAN」、2002年リリースの遺作アルバム「BRAINWASHED」の、7作8枚と、合計13作16枚に、1988年リリースの12インチ・ピクチャー・ディスク・シングル「WHEN WE WAS FAB」、1987年リリースの12インチ・ピクチャー・ディスク・シングル「GOT MY MIND SET ON YOU」を加えた、全15作18枚です。

音源としては、2014年リリースの箱「THE APPLE YEARS 1968-75」と、2004年リリースの箱「THE DARK HORSE YEARS 1976-1992」と、遺作の「BRAINWASHED」を持っていれば全て揃うのですが、アナログLPで「ALL THINGS MUST PASS」は3枚組になっているし、アルバム「LIVE IN JAPAN」とアルバム「BRAINWASHED」もアナログ盤となり、貴重な「WHEN WE WAS FAB」と「GOT MY MIND SET ON YOU」のピクチャー盤がオマケで付いているのは、レコスケくんの様なジョージ・ハリスン・コレクターには見逃せないアイテムとなっております。但し、前述の通りCDでは箱が二つも既にリリースされていますし、またしても「電子音楽の世界」を今度はLPで買わされるのですから、集大成である事に意味があるのでしょう。コレで、2021年リリースの「ALL THINGS MUST PASS」5CD/BD Super Deluxe Editionと云った記念盤以外には、ジョージの新たな音源集などはリリースされないのか、と思うと寂しいです。
(小島イコ)

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2024年03月10日

「ポールの道」#308「GIVE MORE LOVE」



2017年9月15日に、リンゴ・スターは19作目(リンゴ的には17作目)のソロ・スタジオ・アルバム「GIVE MORE LOVE」を、ユニバーサル・ミュージックからリリースしました。内容は、通常盤が、1「WE’RE ON THE ROAD AGAIN」、2「LAUGHABLE」、3「SHOW ME THE WAY」、4「SPEED OF SOUND」、5「STANDING STILL」、6「KING OF THE KINGDOM」、7「ELECTRICITY」、8「SO WRONG FOR SO LONG」、9「SHAKE IT UP」、10「GIVE MORE LOVE」の、全10曲入りで、38分16秒です。そして「デラックス・エディション」には、11「BACK OFF BOOGALOO」(1972)、12「DON'T PASS ME BY」(ビートルズ 1968)、13「YOU CAN'T FIGHT LIGHTNING」(1981)、14「PHOTOGRAPH」(1973)の、旧作4曲の再演ヴァージョンがボーナス・トラックとして加わった52分45秒となっております。「BACK OFF BOOGALOO」は2度目の再演だし、「YOU CAN'T FIGHT LIGHTNING」は、元々はタイトル曲になり損ねた「STOP AND SMELL THE ROSES」の時のボツ曲でした。「SHOW ME THE WAY」はアルバムに参加しているピーター・フランプトンの大ヒット曲とは同名異曲だし、「SPEED OF SOUND」もウイングスとは何も関係がない楽曲です。

盟友・サー・ポール・マッカートニーが「WE’RE ON THE ROAD AGAIN」でベースとバッキング・ヴォーカルで、「SHOW ME THE WAY」でベースで参加している他には、お馴染みの義弟・ジョー・ウォルシュ、デイヴ・スチュワート、スティーヴ・ルカサー、ピーター・フランプトン、エドガー・ウィンター、ティモシー・B・シュミット、ジェフ・リン、ヴァン・ダイク・パークス、リチャード・マークスなど、当時の第12期オールスター・バンドの面々が、リンゴと共作して演奏にも参加していて、ほとんどがロサンゼルスのリンゴ所有のゲストハウスのスタジオでレコーディングされていて、プロデュースはリンゴ自身が手掛けています。ボーナス・トラックの内「DON'T PASS ME BY」と「PHOTOGRAPH」はヴァンダヴィアーと、「YOU CAN'T FIGHT LIGHTNING」はアルバータ・クロスと、それぞれ共演していて、「BACK OFF BOOGALOO」にはジェフ・リンとジョー・ウォルシュがオリジナル・デモにギターをダビングしていて、単なる再演ではない前向きなセルフ・カヴァーとなっております。しかしながら、いつもの事ですが、ジャケットはもう少し何とかならなかったのでしょうか。それから、此のアルバムからは4曲もシングル・カットされていますが、そんなにニーズはあるのでしょうか。

本隊であるビートルズのリリースを気にしながら、新作アルバムを制作してもバッティングを避けながらリリースしているポールとは違って、リンゴは呑気にマイ・ペースで新作を出して「懐メロ・ショー」のオールスター・バンドでのライヴが出来るのですから、気楽なもんだし、やはり「売り」となるポールが参加するのも毎度お馴染みになっております。2017年と云うと、本隊であるビートルズのアルバム「SGT. PEPPER’S LONELY HEARTS CLUB BAND」の50周年記念盤が出ていて、それから2024年の現在まで、ほぼ毎年ビートルズのリイシュー盤がリリースされていて、ソレを避けながら新作アルバムをリリースするのは、どんなに「アーカイヴ・コレクション」で旧作のリマスター盤を出したり、クラシック・アルバムやジャズ・スタンダード・カヴァー・アルバムなどを挟んでも、もはや不可能なのです。故に、ポールは2013年リリースのアルバム「NEW」の次の新作ロック・アルバムは5年後の2018年リリースの「EGYPT STATION」まで待たなければなかったし、コロナ禍でロックダウン中に自宅スタジオで一人でレコーディングした2020年の「McCARTNEY V」をリリースしたりと、大いに気を遣っているのです。何故かと云うとですね、リンゴのソロ・アルバムは本隊であるビートルズのアルバムみたいに売れないから邪魔しないけれど、ポールの新作は売れるから邪魔なのです。

(小島イコ)

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2024年03月11日

「35歳の高校生」第十話(再)

35歳の高校生 Blu-ray BOX


日テレプラス 12:00〜13:00

第十話「魔女裁判…彼女が高校生になった目的を糾弾」

片瀬那奈 AS 長峰あかり

「35歳の高校生」第十話の、今年初めての再放送です。前回のサバイバル・キャンプでボッチになって歩いて帰って来た正光は、ヘッドフォン阿久津から入手した馬場ちゃんの秘密のノートをネタにして、馬場ちゃんを裁判にかけます。相変わらず、此のクラスは全く授業を受けておりません。米倉姐さんは「思いっ切りやってね」とか云ったでしょうけれど、正光は馬場ちゃんにバケツの水を頭からぶっかけたりするので、まだ新人だった菅田将暉くんは緊張したでしょうね。馬場ちゃんの少女時代は、回想シーンのみなのに松岡茉優ちゃんが演じていて、同じ年には「あまちゃん」にも出ています。那奈ちゃんが演じたあかり先生は、カイザー教育長が倒れると付添人になって、ズバリ云って「スパイ」だったと判明しますが、何故、目立ち捲りのアンナに頓珍漢な行動をしていたのかは不明です。

本放送:2013年6月15日(日本テレビ)

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#309「EGYPT STATION」

Egypt Station


2018年9月7日に、ポール・マッカートニーは、ソロとしては17作目で、ポール&リンダやウイングスを含めて25作目のアルバム「EGYPT STATION」を、再び移籍した古巣のMPL/キャピトルからリリースしました。前作である2013年リリースのアルバム「NEW」から、実に5年ぶりとなる新作ロック・アルバムでしたが、勿論、ソノ5年間にポールは何もやっていなかったわけではありません。2014年にはアルバム「NEW」の「コレクターズ・エディション」や、配信シングル「HOPE FOR THE FUTURE」をリリースしていますし、2014年には、カニエ・ウエストと曲作共演作「ONLY ONE」を、2015年にはカニエ・ウエストとリアーナと共作共演作「FOURFIVESECONDS」を、更にカニエ・ウエストとセオフィラス・ロンドンとアラン・キングダムとの共作共演作「ALL DAY」をリリースしていて、それぞれヒットしていて、特に「FOURFIVESECONDS」は全英3位・全米4位の大ヒット曲となり、ポールはソロのライヴでも披露しています。2016年には2枚組全39曲入りと4枚組全67曲入りのベスト盤「PURE McCARTNEY」をリリースしていて、2017年にはアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」の「アーカイヴ・コレクション」をリリースしています。何より、ポールはずっと世界ツアーも行っていました。

2017年には本隊であるビートルズのアルバム「SGT. PEPPER’S LONELY HEARTS CLUB BAND」の50周年記念盤がリリースされていて、ポールも関わっているので、自身がかつて発表した大傑作アルバムに逆に刺激されて、此のアルバム「EGYPT STATION」を制作したのだそうです。内容は、1「OPENING STATION」、2「I DON'T KNOW」、3「COME ON TO ME」、4「HAPPY WITH YOU」、5「WHO CARES」、6「FUH YOU」、7「CONFIDANTE」、8「PEOPLE WANT PEACE」、9「HAND IN HAND」、10「DOMINOES」、11「BACK IN BRAZIL」、12「DO IT NOW」、13「CAESAR ROCK」、14「DESPITE REPEATED WARMINGS」、15「STATION U」、16「HUNT YOU DOWN / NACKED / C-LINK」の、全16曲入りですが、日本盤などにはボーナス・トラックとして、17「GET STARTED」、18「NOTHING FOR FREE」の2曲が加わっています。プロデュースは、ポールとグレッグ・カースティンとライアン・テダーとザック・スケルトンで、楽曲は本編の「FUH YOU」とボーナス・トラックの「NOTHING FOR FREE」がポールとライアン・テダーの共作で、他は全てポールのオリジナルです。

演奏は、ポールが、リード・ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、アコースティック・ギター、キーボード、ベース、パーカッション、ドラムス、エレクトリック・ギター、ハーモニカ、テープ・ループ、と相変わらずのマルチ・プレイヤーぶりを発揮していて、ツアー・バンドなどのチカラも借りていますが、基本的にはポールのワンマン・レコーディングが元になっています。ジャケットの絵はポールが1988年に描いたもので、紙ジャケットでCDサイズに折りたたんであって、蛇腹になっているのを広げると横幅が6倍サイズで長い絵の全体が観れる様になっています。76歳となったポールは流石に声の衰えが感じられますし、前作アルバム「NEW」から5年のインターバルがあった為に、グッと声が出なくなってしまったとも思えます。が、しかし、前述の様にビートルズのアルバム「SGT. PEPPER’S LONELY HEARTS CLUB BAND」に影響を受けたとポールが公言した通りに、トータル・アルバムとしての完成度はとても高いアルバムで、ポールの新作が求められていた事も、全米首位!・全英3位・日本6位と云う成績にも表れています。日本の6位と云うのはオリコン総合チャートで、オリコン洋楽チャートでは首位!でした。

アルバム「NEW」からの2013年、2014年(ポールの急病で中止)、2015年、2017年、2018年と、コノ頃のポールは何度も来日公演もしてくれました。ところが、ところがですよ、2019年5月17日になって「エクスプロラーズ・エディション」がリリースされたのです。CD2枚組で、CD1はアルバム「EGYPT STATION」全16曲入りで、CD2が、1「GET STARTED」、2「NOTHING FOR FREE」、3「FRANK SINATRA'S PARTY」、4「SIXTYSECOND STREET」、5「WHO CARES(Full Length)」、6「GET ENOUGH」、7「COME ON TO ME(Live At Abbey Road Studios)、8「FUH YOU(Live At The Cavern Club)」、9「CONFIDANTE(Live at LIPA)、10「WHO CARES(Live At Grand Central Station)」の、全10曲入りなのです。ジャケットも黄色と青空が基調ではなく、赤く夕暮れを思わせる絵に変更されています。実は、2019年5月10日には鞄入りの「トラベラーズ・エディション・ボックス・セット」と云う名の「LP3枚組」に「1CD」に「1カセットテープ」に「1USB」からなる高額商品(後のナイアガラの箱の原型か?)も出ていて、ポールとしてはソレの普及盤として「エクスプロラーズ・エディション」もリリースしたのでしょう。しかしながら、結局はファンが2度買い3度買いしなければならないのです。ポールはこう云う事を、よくやります。

(小島イコ)


エジプト・ステーション(エクスプローラーズ・エディション)

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2024年03月12日

「35歳の高校生」第十一話(最終話)(再)

35歳の高校生 Blu-ray BOX


日テレプラス 12:00〜13:40

第十一話(最終回)「衝撃の2時間SP!! 今夜すべての謎が明かされる!ノートの真実と亜矢子の失踪…卒業目前で生徒たちが職員室に立てこもり!?彼らはスクールカーストを乗り越えられるのか?」

片瀬那奈 AS 長峰あかり

「35歳の高校生」第十一話(最終話)の、今年初めての再放送です。那奈ちゃんが演じたあかり先生は、カイザー教育長のスパイだったと明かされました。那奈ちゃんと渡哲也さんと云うと「熟年離婚」で父娘役だったので、絡みがあると思い出します。クラスでは、ヘッドフォン阿久津が正光を刺そうとすると、馬場ちゃんが身代わりに刺されて、馬場ちゃんは失踪して、ヘッドフォン阿久津は少年院送りとなります。カイザー教育長はあかり先生からの情報を元にして、唐突に「クラス廃止」を宣言すると、クラスでは勉強もせずにイジメばかりだった生徒諸君は唐突に団結して職員室に立て籠もりますが、覚醒した小泉先生が説き伏せてしまいます。失踪した馬場ちゃんを捜索して、少年院から出たばかりのヘッドフォン阿久津が探し出します。馬場ちゃんが見つかって、正光が泣いて喜んでいて、命の恩人だからなんでしょうけれど、バケツの水を頭からぶっかけた奴とは思えないキャラ変です。馬場ちゃんのノートは精神崩壊した母親が望んで書いたもので、馬場ちゃんは母親の願いを実践していたのでした。ヘッドフォン阿久津はイジメられていた自分を庇ってイジメられて死んだ姉を馬場ちゃんに重ねていた、変態シスコン野郎で、馬場ちゃんと二人で補習を受けて卒業します。なんじゃらほい、としか云えない無茶苦茶な展開の連続で、特に馬場ちゃんの失踪が意味不明で、自分で云っていた決めセリフを自分でやらかしています。どうやら素っ頓狂な性格は地であったあかり先生の湯吞み文字は、「フィナーレ」です。

本放送:2013年6月22日(日本テレビ)

(小島イコ/姫川未亜)

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「大奥〜華の乱〜」第八話(再)で内山理名ちゃん



関西テレビ 14:45〜15:45

第八話「お犬様」

内山理名(主演) AS 安子

「大奥〜華の乱〜」第八話の今年3回目で、関西ローカルですが地上波での再放送ですが、「窓際太郎の事件簿」と理名ちゃんバッティングしています。ここに来て上様が綱吉で、天下の悪法「生類憐みの令」を制定するわけですが、既に終盤で、たっぷりと上様のサイコパスぶりが描かれているので、まあ、やらかすわな、と納得してしまいます。

本放送:2005年12月8日(フジテレビ)

(姫川未亜/小島イコ)

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「税務調査官 窓際太郎の事件簿30」(再)で内山理名ちゃん

ウルトラマンタロウ COMPLETE DVD-BOX


TBSチャンネル1 15:00〜16:40

文科省から極秘文書を持ち出したのは親友の息子だった!
そこに現れる謎の調査官。巨大競技場建設に隠された陰謀とは?!

内山理名 AS 木島華子

「税務調査官 窓際太郎の事件簿30」の今年初めての再放送で、昨年(2023年)だけで7回も再放送されていますが、「大奥〜華の乱〜」と理名ちゃんバッティングしています。理名ちゃんが演じた木島華子さんは、窓際太郎を調査しにやってきて、最初はダメ親父だと思っていたものの、徐々に窓際太郎を評価する様になります。ところが、窓際太郎の身代わりに刺されて入院して、責任を取って左遷されます。それでも、最後には元気で暮らしていると、窓際太郎へ手紙を送ります。

本放送:2016年4月11日(TBS)

(姫川未亜/小島イコ)

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「ポールの道」#310「WHAT'S MY NAME」「LIVE AT THE GREEK THEATER 2019」



2017年リリースのアルバム「SGT. PEPPER’S LONELY HEARTS CLUB BAND」で始まり、2018年リリースのアルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」、2019年リリースのアルバム「ABBEY ROAD」、2020年はコロナ禍でお休み、2021年リリースのアルバム「LET IT BE」と続いたビートルズ本隊の50周年記念リミックス盤は、2022年リリースのアルバム「REVOLVER」と遡って、2023年リリースのアルバム「THE BEATLES / 1962-1966」「THE BEATLES / 1967-1970」2023 EDITIONSの「赤盤」と「青盤」の50周年記念新装盤と続いていて、もはやサー・ポール・マッカートニーはビートルズとのバッティングを避けて新作アルバムをリリースするのは不可能となっております。故に、コロナ禍で本隊のリリースがなかった2020年にロックダウン中に自宅スタジオで宅録したアルバム「McCARTNEY V」をコレ幸いとリリースしたりするわけです。

そんなポールを後目に、リンゴ・スターは何も考えないで新作アルバムやライヴ盤をリリースしている様に見えます。例えば、2019年10月25日にユニバーサルからリリースした、リンゴの20作目(リンゴ的には18作目)のスタジオ・アルバム「WHAT'S MY NAME」があります。アルバム「ABBEY ROAD」の50周年記念盤とバッティングしていても、リンゴなら許されていて、相変わらず何も考えていない様なジャケットで、内容は、1「GOTTA GET UP TO GET DOWN」、2「IT'S NOT LOVE THAT YOU WANT」、3「GROW OLD WITH ME」、4「MAGIC」、5「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」、6「BETTER DAYS」、7「LIFE IS GOOD」、8「THANK GOD FOR MUSIC」、9「SEND LOVE SPREAD PEACE」、10「WHAT'S MY NAME」の、全10曲入りで「34分」と短いです。ジョン・レノン作のアノ「GROW OLD WITH ME」にはポール・マッカートニーがベースとコーラスで参加していて、ビートルズもカヴァーした「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」が入っていたりしますが、他はリンゴとメンバーの共作や提供曲で、此の後からはリンゴはEPを連発してゆきます。

オールスター・バンドとしても、相変わらずツアーを続けていて、2019年のライヴは2022年11月22日になってからBFDから「LIVE AT THE GREEK THEATER 2019」としてリリースしています。CD2枚にBD1枚の3枚組で、全24曲を音源と映像で楽しむ事が出来ます。此の時は第14期で、スティーヴ・ルカサー、コリン・ヘイ、グレッグ・ローリー、ヘイミッシュ・スチュアート、グレッグ・ビソネット、ウォーレン・ハムが参加しています。ライヴ音源が残されていない2018年の第13期には、10ccのグレアム・グールドマンが参加しているので、そちらも聴いてみたいものです。リンゴは毎度お馴染みの「MATCHBOX」、「IT DON'T COME EASY」、「WHAT GOES ON」、「BOYS」、「DON'T PASS ME BY」、「YELLOW SUBMARINE」、「YOU'RE SIXTEEN」、「I WANNA BE YOUR MAN」、「PHOTOGRAPH」、「ACT NATURALLY」、「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、と云った定番曲を歌っていて、いつも通りにオールスター・バンドの面々によるTOTOやサンタナやアヴェレージ・ホワイト・バンドやメン・アット・ワークなどのヒット曲も披露されていて、ノンクレジットで最後にジョンの「GIVE PEACE A CHANCE」で〆るのも、定番化しています。こちらもアルバム「REVOLVER」のリミックス盤とバッティングしていますが、リンゴなら何をやっても許されるのか、なのです。

(小島イコ)

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2024年03月13日

「IP〜サイバー捜査班」第8話(再)で内山理名ちゃん



テレ朝チャンネル1 5:00〜6:00

IP_8「ディープフェイク」

内山理名 AS 桐子香澄

「IP〜サイバー捜査班」第8話の、早くも今年3回目の再放送です。理名ちゃんが演じた桐子香澄警視正は、ディープフェイク動画を使った犯罪に巻き込まれる役どころです。

本放送:2021年9月9日(テレビ朝日)

(姫川未亜/小島イコ)

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「大奥〜華の乱〜」第九話(再)で内山理名ちゃん



関西テレビ 14:45〜15:45

第九話「遺言」

内山理名(主演) AS 安子

「大奥〜華の乱〜」第九話の今年3回目で、関西ローカルですが地上波での再放送です。終盤になると、理名ちゃんが演じた安子の周辺の人物が次々に死んでゆきます。そんな中でも柳沢の側室である貫地谷しほりちゃんが演じた染子が柳沢の子どもを産んだのに、一夜だけ上様に捧げたので上様の子どもと云う事にされて、バレそうになったので柳沢が殺してしまう展開は切ないです。

本放送:2005年12月15日(フジテレビ)

(姫川未亜/小島イコ)

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「片瀬のNANA CHANNEL」#179【生配信】また久々ですが!!今日は広い範囲で雑談したい!!【21時〜】



YouTube「片瀬のNANA CHANNEL」 21:00配信開始(1時間35分11秒)

那奈ちゃんのYouTube第179弾で、今回はまたしても生配信だそうです。昨年(2023年)は2月も3月も4月も5月も6月も7月も8月も9月も10月も11月も12月も、今年(2024年)1月も2月も、3月になっても全て生配信で、53回連続の「推し活」かと思えば「広い範囲で雑談」とか書いてあります。そりゃあ、50回以上も「推し活」だったのですから、違う話題もやりたくなったのかもしれませんが、相変わらず背景には推しのグッズが置いてあるし、もはや「推し活」期間が長過ぎて、那奈ちゃんが何をやっているのか分からない状態なので、記録はしますが、内容はスルーさせていただきます。いつも通りに同接300人台で、悲しいですなあ。

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#311「THE ART OF McCARTNEY」



此の連載も300回を超えて、時代も2020年代に近づいてきましたので、此の辺で再び横道に外れてカヴァー・アルバムなどを取り上げていきます。終わりが見えたわけではなく、来るべき2022年リリースの「THE 7'' SINGLES BOX」80枚全163曲全曲解説へ向けての助走です。まずは、2014年11月18日に「Arctic Poppy via Kobalt」からリリースされた「THE ART OF McCARTNEY」です。通常盤CD2枚組全34曲入りと、CD2枚組全36曲入り+DVDと、LP4枚組全42曲入りと、CD3枚組全42曲入り+LP4枚組全42曲入り+DVD+ヘフナー・ベース型USBの「デラックス・エディション」などが出ていて、よく分からないレーベルからのリリースなのに、只事ではないヴォリュームがありますが、其れも其のはず、コレはポール・マッカートニーが公認のカヴァー・アルバムなのです。

全42曲の内容は、CD1が、1「MAYBE I'M AMAZED」ビリー・ジョエル、2「THINGS WE SAID TODAY」ボブ・ディラン、3「BAND ON THE RUN」ハート、4「JUNIOR'S FARM」スティーヴ・ミラー、5「THE LONG AND WINDING ROAD」ユスフ(キャット・スティーブンス)、6「MY LOVE」ハリー・コニック,JR.、7「WANDERLUST」ブライアン・ウィルソン、8「BLUEBIRD」コリーヌ・ベイリー・レイ、9「YESTERDAY」ウィリー・ネルソン、10「JUNK」ジェフ・リン(ELO)、11「WHEN I'M 64」バリー・ギブ(ビージーズ)、12「EVERY NIGHT」ジェイミー・カラム、13「VENUS AND MARS / ROCK SHOW」KISS(ポール・スタンレー&ジーン・シモンズ)、14「LET ME ROLL IT」ポール・ロジャース(フリー、バッド・カンパニー)、15「HELTER SKELTER」ロジャー・ダルトリー(THE WHO)、16「HELEN WHEELS」デフ・レパード、17「HELLO, GOODBYE」ザ・キュアー・フューチャリング・ジェイムズ・マッカートニー、の全17曲入りです。

CD2は、1「LIVE AND LET DIE」ビリー・ジョエル、2「LET IT BE」クリッシー・ハインド(プリテンダーズ)、3「JET」チープ・トリック(ロビン・ザンダー&リック・ニールセン)、4「HI, HI, HI」ジョー・エリオット、5「LETTING GO」ハート、6「HEY JUDE」スティーヴ・ミラー、7「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID」アウル・シティー、8「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」ペリー・ファレル、9「DRIVE MY CAR」ディオン、10「LADY MADONNA」アラン・トゥーサン、11「LET ’EM IN」ドクター・ジョン、12「SO BAD」スモーキー・ロビンソン、13「NO MORE LONELY NIGHTS」エアボーン・トキシック・イヴェント、14「ELEANOR RIGBY」アリス・クーパー、15「COME AND GET IT」トゥーツ・ヒバート with スライ&ロビー、16「ON THE WAY」B.B.キング、17「BIRTHDAY」サミー・ヘイガー、の全17曲入りです。

CD3は、ボーナス・トラック集で、1「C MOON」ロバート・スミス、2「CAN'T BUY ME LOVE」ブッカー・T・ジョーンズ、3「P.S. I LOVE YOU」ロニー・スペクター、4「ALL MY LOVING」ダーレン・ラヴ、5「FOR NO ONE」イアン・マカロック、6「PUT IT THERE」ピーター、ビヨーン&ジョン、7「RUN DEVIL RUN」ワンダ・ジャクソン、8「SMILE AWAY」アリス・クーパー、の全8曲入りで、合計42曲、綺羅星の如き有名ミュージシャンが、ポールのビートルズ時代からウイングス時代やソロの有名曲や隠れた名曲をカヴァーしていて、DVDにはメイキング映像が収録されています。曲目とミュージシャン名を見ると、大いに期待して聴く事となりました。ちなみに、日本盤にはCD1の18曲目に井上陽水さんの「I WILL」が追加収録されているみたいです。

確かに、歌うと云うよりも唸っているボブ・ディランや、自分のバンドで演奏して彼らしいコーラスもやっているブライアン・ウィルソンや、一人で多重録音したジェフ・リンや、これぞ本家のスモーキー・ロビンソンや、やりたい放題のB.B.キングなども聴けるのですが、ほとんどの演奏をポールのツアー・バンドの面々が担当しているのです。つまりは、ビートルズもウイングスもソロも、アノ原曲に忠実に再現しているポールのバック・バンドが、ライヴと同様に完璧なアンサンブルで演奏していて、ソコに乗せてビリー・ジョエルやハートやKISSやアリス・クーパーなどなどが歌っているわけですよ。つまりは、ズバリ云って、ポールの曲縛りの大物によるカラオケ大会みたいな状態になっちゃっていて、大いに期待して聴くと盛大にズッコケます。

ポールが「THE WHO」よりもうるさい音楽を作ろうとした「HELTER SKELTER」を、ソノ「THE WHO」の声であるロジャー・ダルトリーに歌わせていたり、ニューオリンズ風に作った「LADY MADONNA」や「LET ’EM IN」を、本物のアラン・トゥーサンやドクター・ジョンにやらせていたり、思いっ切りモータウン風に書いてファルセットで歌った「SO BAD」を、本家本元のスモーキー・ロビンソンに歌わせていたり、企画としては面白いので、余り期待しないで、軽い気持ちで聴く分には良いのですけれど、何せ「アーカイヴ・コレクション」並みに凝った箱まで出して自らハードルを上げてしまったのが、ポールらしいところでもあります。キュアーとポールの息子のジェイムズが共演している「HELLO, GOODBYE」なんかも、やはり原曲に忠実なので面白味はありません。

但し、アレンジが原曲に忠実なので他の人、特にハード・ロック系の人が歌うと、ポールの曲、特にウイングス時代は、完全なる「ハード・ロック」だったと分かります。みんなポールの甘く明るい歌声とリンダのコーラスに騙されていただけで、構造的にはハード・ロックだったのです。そりゃあ、歌詞にジミー・ペイジは出てくるし、ジョン・ボーナムはウイングスの追っかけで共演までしていたわけですよ。2000年代になっても「ONLY MAMA KNOWS」みたいな曲は、ハード・ロック風だからウイングスみたいに聴こえるのです。まあ、ウイングスにはプログレッシヴ・ロックやグラム・ロックやカントリー・ロックなどの要素もあったのですけれど、見方を変えれば、それだけポールの音楽は、様々なジャンルを内包しているとも云えます。つまりは、ポール・マッカートニーは、アントニオ猪木なのです。

(小島イコ)


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2024年03月14日

「IP〜サイバー捜査班」第9話(最終話)(再)で内山理名ちゃん



テレ朝チャンネル1 5:00〜6:00

IP_FINAL「ディープフェイク」

内山理名 AS 桐子香澄

「IP〜サイバー捜査班」第9話(最終話)の、今年3回目の再放送です。前回からのつづきで、理名ちゃんが演じた桐子香澄警視正は、機密情報を漏洩した事で犯人に脅されて、ディープフェイク動画を使った犯罪に加担させられていたのです。其の証言をしたところで出番は終了で、後半は「まいんちゃんを救え!」になっています。

本放送:2021年9月16日(テレビ朝日)

(姫川未亜/小島イコ)

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「ポールの道」#312「MAKE SOME NOISE THE AMNESTY INTERNATIONAL CAMPAIGN TO SAVE DARFUR」

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前回のポール・マッカートニー公認カヴァー・アルバム「THE ART OF McCARTNEY」に続いて、今回はジョン・レノンのカヴァー・アルバムを取り上げます。ジョンのカヴァー集も色々と出ていますが、ヨーコさんが公認して、人権団体・アムネスティ・インターナショナルとコラボレートしてワーナー・ブラザーズ・レコードから2007年6月27日にリリースされた「MAKE SOME NOISE THE AMNESTY INTERNATIONAL CAMPAIGN TO SAVE DARFUR」が、CD2枚組全28曲で、質量ともに充実しています。人権団体と連携してのリリースですが、生前のジョンはそう云う活動もしていたのも事実ですし、参加ミュージシャンも豪華ですので、単純にジョンのカヴァー集としても楽しむ事も出来ます。

内容は、CD1が、1「INSTANT KARMA」U2、2「#9 DREAM」R.E.M.、3「MOTHER」クリスティーナ・アギレラ、4「GIVE PEACE A CHANCE」エアロスミス・フューチャリング・シエラ・レオンズ・レフュジー・オール・スターズ、5「COLD TURKEY」レニー・クラヴィッツ、6「LOVE」ザ・キュアー、7「I'M LOSING YOU」コリーヌ・ベイリー・レイ、8「GIMME SOME TRUTH」ジェイコブ・ディラン・フューチャリング・ダーニ・ハリスン、9「OH MY LOVE」ジャクソン・ブラウン、10「ONE DAY AT A TIME」ザ・レヴォネッツ、11「IMAGINE」アヴリル・ラヴィーン、12「NOBODY TOLD ME」ビッグ&リッチ、13「MIND GAMES」エスキモー・ジョー、14「JEALOUS GUY」ユッスー・ンドゥール、の全14曲入りです。

CD2は、1「WORKING CLASS HERO」グリーン・デイ、2「POWER TO THE PEOPLE」ブラック・アイド・ピーズ、3「IMAGINE」ジャック・ジョンソン、4「BEAUTIFUL BOY」ベン・ハーパー、5「ISOLUTION」スノウ・パトロール、6「WATCHING THE WHEELS」マティスヤフ、7「GROW OLD WITH ME」ポスタル・サーヴィス、8「GIMME SOME TRUTH」ハグアーレス、9「(JUST LIKE)STARTING OVER」ザ・フレーミング・リップス、10「GOD」ジャックス・マネキン・フューチャリング・ミック・フリートウッド、11「INSTANT KARMA」デュラン・デュラン、12「#9 DREAM」a-ha、13「INSTANT KARMA」トキオ・ホテル、14「REAL LOVE」レジーナ・スペクター、の全14曲入りで合計28曲入りです。

リリースは2014年なのでコレよりも後だった「THE ART OF McCARTNEY」はカラオケ大会になってしまいましたが、2007年リリースのこちらは「INSTANT KARMA」を3組、「#9 DREAM」と「GIMME SOME TRUTH」と「IMAGINE」を2組で取り上げている事からも分かる通り、重複曲も含めて、各バンドの特徴を活かしたカヴァー集となっております。ビートルズやウイングスやポールのソロも、カラオケ大会にはせずに変化球でカヴァーしても、やはりオリジナルには敵わないのですが、この様にジョンのソロ曲に関しては「やはり、ジョンが歌わないと」となる楽曲ばかりですので、なかなか難しい挑戦なのです。そんな中でも、クリスティーナ・アギレラの「MOTHER」や、コリーヌ・ベイリー・レイの「I'M LOSING YOU」や、アヴリル・ラヴィーンの「IMAGINE」や、レジーナ・スペクターの「REAL LOVE」などは、女性ヴォーカルであるだけで目立っています。

ボブ・ディランの息子・ジェイコブと、ジョージ・ハリスンの息子・ダーニが組んだ「GIMME SOME TRUTH」なんて、こうしたカヴァー集でもなければ聴けない音源ですし、U2も、再結成R.E.M.も、エアロスミスも、ジャクソン・ブラウンも、グリーン・デイも、肩の力が抜けた演奏で、やはり、もう最初から「ジョンには敵わない」と思ったのか、ソレが逆に良く働いて、なかなか宜しいんじゃないでしょうか。a-haの「#9 DREAM」は、中間部が「TAKE ON ME」みたいで笑えます。何だかよく分からないバンドも何組か参加しているのは、ジョンも生きていたなら新人や埋もれた才能を発掘したりしたのかなあ、と思えます。ジョンは「カヴァーされるのはポールの曲ばかりで、俺の曲はなかなか取り上げてもらえないんだよな」と云っていましたが、そりゃあ、アレだけ強烈な個性がある真の意味でのシンガーソングライターだったので、仕方ないのです。

(小島イコ)

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2024年03月15日

「大奥〜華の乱〜」第十話(最終話)(再)で内山理名ちゃん



関西テレビ 14:45〜15:45

第十話(最終話)「乱心」

内山理名(主演) AS 安子

「大奥〜華の乱〜」第十話(最終話)の、今年3回目で関西ローカルですが地上波での再放送ですが、「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」とバッティングしています。最後は理名ちゃんが演じた安子が「夫の仇!」と柳沢を刺そうとして刃を奪われ、柳沢が誤って上様を刺してしまい、上様が自ら刃でえぐって絶命する展開でした。最後の方になって、母が死んだ辺りから、世継ぎが柳沢の子どもだと見抜いていたりして、上様が覚醒するんですよ。まあ、散々鬼畜が如き所業の末に「生まれ変わったら花になりたい」なんぞと云って死なれても、困ったちゃんなのですけれどね。本放送時には翌週にスペシャル版が放送されていて、本編よりも前の話で、かつて柳沢と恋仲だったのに上様に側室にされる里久(理名ちゃんが二役)の悲恋が描かれています。

本放送:2005年12月22日(フジテレビ)

(姫川未亜/小島イコ)

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「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」(再)

必殺!!主題歌ベストセレクション~裏稼業の哀歌たち~ CD


ファミリー劇場 14:50〜16:40

片瀬那奈 AS 夏目理恵子

(撮影:2007年5月/京都、奈良ロケ)

「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」の今年2回目の再放送ですが、「大奥〜華の乱〜」とバッティングしています。那奈ちゃんが演じたのは新人弁護士の夏目理恵子で、名優・藤田まことさんが演じた猪狩弁護士と共に、冤罪事件の裁判に挑みます。

本放送:2007年11月18日(BSジャパン)、2007年11月21日(テレビ東京)

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#313「SONGS FROM THE MATERIAL WORLD - A Tribute to George Harrison」

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トリビュート盤も、ポール・マッカートニー、ジョン・レノンと来たので、今回はジョージ・ハリスンのカヴァー集を紹介しましょう。ジョージのトリビュート盤と云えば、やはり、以前に紹介した2002年11月29日にロイヤル・アルバート・ホールにて行われた追悼コンサート「CONCERT FOR GEORGE」を収録した2003年リリースのCDとDVD(2012年にBD化)があって、オリヴィアさんとダーニの公認だし、弟分だったエリック・クラプトンが仕切って、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、ビリー・プレストン、ジェフ・リン、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、などなど、錚々たる面々がジョージの曲をカヴァーしているので、まあ、決定盤でしょう。それで、同じ2003年にKOCHからリリースされた「SONGS FROM THE MATERIAL WORLD - A Tribute to George Harrison」を取り上げてみます。

内容は、1「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」トッド・ラングレン、2「DEVIL'S RADIO」マスターズ・オブ・リアリティー、3「I, ME, MINE」マーク・フォード、4「GIVE ME LOVE(GIVE ME PEACE ON EARTH)」デイヴ・デイヴィス(キンクス)、5「HERE COMES THE SUN」ジョン・エントウィッスル(THE WHO)、6「WITHIN YOU, WITHOUT YOU」ビッグ・ヘッド・トッド&ザ・モンスターズ、7「SAVOY TRUFFLE」ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツ、8「I WANT TO TELL YOU」スミザリーンズ、9「OLD BROWN SHOE」レスリー・ウエスト、10「TAXMAN」ビル・ワイマンズ・リズム・キングス(元・ローリング・ストーンズ)、11「IT'S ALL TOO MUCH」ウェイン・クレイマー(元・MC5)、12「ISN'T IT A PITY」ジェイ・ベネット、エドワード・バーク(元・ウィルコ)の、全12曲入りです。

所謂ひとつの追悼盤なのですが、THE WHOのジョン・エントウィッスルがコレに参加した直後に急死(ホテルにコール・ガールを二人呼んでドラッグでキメてヤッていて死亡)しています。トッド・ラングレンの「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」は、ベースとドラム以外は全てトッドで、お得意の「完全コピー」に近い出来栄えです。ビートルズのオリジナルでのエリック・クラプトンによるギターも完コピしていて、オリジナルではフェイドアウトするところをドラマティックに盛り上げていて、まあ、トッドは、以前にも完コピしたり、ラトルズみたいなアルバムを出したり、リンゴのオールスター・バンドに参加したり、トリビュート・バンドにも参加しているので、ビートルズが大好きなんでしょう。ソレで、生前のジョン・レノンと喧嘩(トッドが曲で攻撃したのに、ジョンはサラリとかわした)した筋金入りです。

トッドの様に1960年代からジョージやビートルズと関わりがある面々を見ると、キンクスのデイヴ・デイヴィスや、THE WHOのジョン・エントウィッスルや、元・ローリング・ストーンズのビル・ワイマンの様に、主役ではないサイドマンの参加が目立ちます。キース・リチャーズも「立場が同じだったから、俺とジョージはすぐに仲良くなった」と云っていましたが、それぞれ「レノン=マッカートニー」の陰に隠れていたジョージに対して、他人事ではないシンパシーを感じていたのでしょう。ビートルズ・ナンバーが9曲で、ソロが3曲と、ビートルズ時代の曲が圧倒的に多いものの、その内容は「I, ME, MINE」や「WITHIN YOU, WITHOUT YOU」や「SAVOY TRUFFLE」や「I WANT TO TELL YOU」や「OLD BROWN SHOE」や「TAXMAN」や「IT'S ALL TOO MUCH」と云ったレアな曲のオンパレードとなっていて、ジョージへの愛情に溢れた好カヴァー集です。

(小島イコ)

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2024年03月16日

「ポールの道」#314「AFTER THE BEATLES ANTHOLOGY」JOHN LENNON & PAUL McCARTNEY

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ポール・マッカートニーとジョン・レノンとジョージ・ハリスンのトリビュート盤を紹介しましたが、リンゴ・スターのトリビュート盤は見た事がありません。それで、公平に4人が取り上げられているブートレグ「AFTER THE BEATLES ANTHOLOGY」を紹介しましょう。コレはですね、以前に紹介した「THE BEATLES / 1962-1966」「THE BEATLES / 1967-1970」ALTERNATE ALBUM EXPANDED EDITIONSのCD2枚組2セット計4枚組もリリースしている「SUPERSTOCK」と云うレーベルが、同じ2021年にリリースした、CD2枚組4セット計8枚組です。ポールが「赤盤」で、ジョンが「青盤」で、ジョージが「緑盤」で、リンゴが「黄盤」となっております。

ポール編は、1970年の「MAYBE I'M AMAZED」で始まり、1979年のグラスゴーでのライヴ「COMING UP」で終わる、全35曲入りです。ジョン編は、1969年の「GIVE PEACE A CHANCE」で始まり、1980年(リリースは1984年)の「GROW OLD WITH ME」で終わる、全42曲入りです。ジョージ編は、1970年の「MY SWEET LORD」で始まり、2002年の遺作「BRAINWASHED」を経て、最後は「ALL THINGS MUST PASS」の2020年リミックスで終わる、全42曲入りです。リンゴ編は、1970年の「SENTIMENTAL JOURNEY」で始まり、2015年の「ロックの殿堂入り」のライヴ音源「I WANNA BE YOUR MAN」で終わる、全45曲入りです。

こうして、サラッと書くと、4人それぞれ均等に選曲されているみたいに思えるし、事実、ジョンは全キャリアからの選曲で、シングル曲の抜けもなく年代順に並べてあるので、公式盤のベスト盤よりも優れた編集だとすら思えますし、ソレはジョージにも云えるし、ポールとリンゴに関しては現役バリバリで道半ばなのです。此のシリーズは、全てが別テイクやラフ・ミックスやライヴ音源から選曲されているので、裏ベスト盤として聴けます。ところが、ところがですよ、よく見て聴いてみるとですね、不可思議な事実に気が付いてしまうのです。前述の通り、既に亡くなっているジョンは「1969年から1980年までの音源」で、ジョージは「1970年から2001年までの音源」です。そして、現役のリンゴは「1970年から2015年までの音源」となっております。

そして、現役バリバリのポールは、なんと、まあ、「1970年から1979年までの音源」なのです。最初の宅録ソロで1970年リリースのアルバム「McCARTNEY」から、1979年のウイングスの最後のツアーでのライヴ音源までからしか選曲されていないのでした。別にポールが1970年代にしかヒット曲がなかったわけではなくて、1970年代だけで他の3人と同じ収録時間に達してしまって、1980年代以降はバッサリと切り捨てるしかなかったわけですよ。リンゴなんて、1970年から2015年までから選んでいるのに、中にはジョンが歌った「ONLY YOU(AND YOU ALONE)」とかが混じっているし、最後の「ロックの殿堂」ライヴにはポールが参加しているのです。「ONLY YOU(AND YOU ALONE)」なんて、リンゴはドラムを叩いているだけなんですよ。

そもそも、ベスト盤がCD4枚組で全67曲入りでも文句を云われるポールですから、他の3人とは同列に語れないし、同じキャパでベスト盤を作る事など無理なのです。ちなみに、ジョンは全42曲中33曲目までは1970年代の音源ですが、ジョンは1980年に殺されたので仕方ありません。ジョージは全42曲中29曲目までが1970年代の曲ですが、1980年代は寡作だったので仕方ありません。そして、リンゴは全45曲中31曲目までが1970年代の音源ですが、1970年代前半の「リンゴ狂い咲き時代」があったので、ヒット曲を考えるとそうなりますわなあ。対してポールは、1980年代以降も大ヒット曲があり捲りなので、もう1970年代だけにして、其の後は他の機会でと切り捨てた選曲なのです。

ちなみに、ポール編は、CD1が、1「MAYBE I'M AMAZED」(1970)、2「ANOTHER DAY」(1971)、3「UNCLE ALBERT / ADMIRAL HALSEY」(1971)、4「UNCLE ALBERT JAM」(1971)、5「EAT AT HOME」(1972 Live)、6「SMILE AWAY」(1972 Live)、7「GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH」(1972)、8「MARY HAD A LITTLE LAMB」(1972)、9「HI, HI, HI」(1972)、10「SEASIDE WOMAN」(1972)、11「THE MESS」(1972)、12「MY LOVE」(1973)、13「LIVE AND LET DIE」(1973)、14「HELEN WHEELS」(1973)、15「JET」(1973)、16「BAND ON THE RUN」(1973)、17「JUNIOR'S FARM」(1974)、18「SALLY G」(1974)、19「SEND ME THE HEART」(1974)、20「VENUS AND MARS」(1975)の全20曲入りです。

CD2が、1「ROCK SHOW」(1975)、2「LETTING GO」(1975)、3「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID」(1975)、4「SILLY LOVE SONGS」(1976)、5「LET ’EM IN」(1976)、6「MULL OF KINTYRE」(1977)、7「GIRLS' SCHOOL」(1977)、8「WATERSPOT」(1977)、9「WITH A LITTLE LUCK」(1978)、10「I'VE HAD ENOUGH」(1978)、11「LONDON TOWN」(1978)、12「GOODNIGHT TONIGHT」(1979)、13「NO WORDS」(1979 Live)、14「BAND ON THE RUN」(1979 Live)、15「COMING UP」(1979 Live)の全15曲入りで計35曲入りで、CD2の曲数が少ないのは「EXTENDED VERSION」が多いからです。デニー・レインの「SEND ME THE HEART」が要らない位で有名曲のレア・テイクが並んでいて、1970年代に限定してもシングル曲にすら漏れがある選曲です。

コレがジョン編だと、CD1は、1「GIVE PEACE A CHANCE」(1969)、2「COLD TURKEY」(1969)、3「INSTANT KARMA」(1970)、4「MOTHER」(1970)、5「LOVE」(1970)、6「GOD」(1970)、7「POWER TO THE PEOPLE」(1971)、8「IMAGINE」(1971)、9「JEALOUS GUY」(1971)、10「GIMME SOME TRUTH」(1971)、11「HOW?」(1971)、12「ATTICA STATE」(1971 Live)、13「JOHN SINCLAIR」(1971 Live)、14「IMAGINE」(1971 Live)、15「NEW YORK CITY」(1972)、16「WOMAN IS THE NIGGER OF THE WORLD」(1972)、17「PEOPLE(ANGELA Demo)」(1972)、18「SUNDAY BLOODY SUNDAY」(1972)、19「THE LUCK OF THE IRISH」(1972 Live)、20「WORKING CLASS HERO」(1972 Live Rehearsal)、21「HAPPY XMAS(WAR IS OVER!)」(1971)の、全21曲入りです。

CD2は、1「MIND GAMES」(1973)、2「MEAT CITY」(1973)、3「ONE DAY(AT A TIME)」(1973)、4「OUT THE BLUE」(1973)、5「ROCK’N’ROLL PEOPLE」(1973)、6「I'M THE GREATEST」(1973)、7「WHATEVER GET YOU THRU THE NIGHT」(1974)、8「#9 DREAM」(1974)、9「MOVE OVER MS. L」(1975)、10「NOBODY LOVES YOU(WHEN YOU’RE DOWN AND OUT)」(1974)、11「STAND BY ME」(1975)、12「SLIPPIN' AND SLIDIN'」(1975)、13「(JUST LIKE)STARTING OVER」(1980)、14「BEAUTIFUL BOY」(1980)、15「WATCHING THE WHEELS」(1980)、16「WOMAN」(1980)、17「NOBODY TOLD ME」(1980, 1984)、18「I DON'T WANNA FACE IT」(1980, 1984)、19「BORROWED TIME」(1980, 1984)、20「I'M STEPPING OUT」(1980, 1984)、21「GROW OLD WITH ME」(1980, 1984)の、全21曲入りで、計42曲入りです。全キャリアからの選曲で文句なしですが、ジョンには続きがないわけで、ソレは曲目を次回に紹介しますがジョージも同じで、リンゴに過度な期待も出来ないので、ポールに頑張ってもらうしかないのです。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする