2001年11月29日に亡くなったジョージ・ハリスンを追悼する為に、一周忌の2002年11月29日に、ロイヤル・アルバート・ホールにて追悼コンサート「CONCERT FOR GEORGE」が開催されました。ジョージの妻であるオリヴィアさんと息子のダーニが計画して、親友であるエリック・クラプトンが主催したライヴには、ポール・マッカートニーとリンゴ・スターも出演して、2003年11月17日にライヴ盤が、同年10月10日にはDVDで映像盤が、更に2012年3月22日にはBD化されて、後に劇場公開もされています。
内容は、1「SARVE SHAAM」、2「YOUR EYES」アヌーシュカ・シャンカール(ラヴィ・シャンカールの娘で、ノラ・ジョーンズの妹)、3「THE INNER LIGHT」アヌーシュカ・シャンカール、ジェフ・リン、ダーニ・ハリスン、4「ARPAN」アヌーシュカ・シャンカール、と初めはインド音楽コーナーです。「ARPAN」は、23分もある長尺な曲です。次に、5「SIT ON MY FACE」、6「GAME SHOW TITLES」、7「THE LUMBERJACK SONG」、8「THE SPAM SONG」と、モンティ・パイソンのコーナーです。此の後はジョージ作のカヴァーとなります。
9「I WANT TO TELL YOU」ジェフ・リン、10「IF I NEEDED SOMEONE」エリック・クラプトン、11「OLD BROWN SHOE」ゲイリー・ブルッカー、12「GIVE ME LOVE(Give Me Peace on Earth)」ジェフ・リン、13「BEWARE OF DARKNESS」エリック・クラプトン、14「HERE COMES THE SUN」ジョー・ブラウン、15「THAT’S THE WAY IT GOES」ジョー・ブラウン、16「HORSE TO THE WATER」ジュールズ・ホーランド、17「TAXMAN」トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、18「I NEED YOU」トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、19「HANDLE WITH CARE」トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、ジェフ・リン、ダーニ・ハリスン、20「ISN'T IT A PITY」エリック・クラプトン、ビリー・プレストン、21「PHOTOGRAPH」リンゴ・スター、22「HONEY DON'T」リンゴ・スター、23「FOR YOU BLUE」ポール・マッカートニー、24「SOMETHING」ポール・マッカートニー、エリック・クラプトン、25「ALL THINGS MUST PASS」ポール・マッカートニー、26「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」エリック・クラプトン、ポール・マッカートニー、27「MY SWEET LORD」ビリー・プレストン、28「WAH-WAH」エリック・クラプトン&バンド、と来て、最後の、29「I'LL SEE YOU IN MY DREAM」を、ジョー・ブラウンがウクレレで演奏して〆る、全29曲です。
リードを取る面々も豪華ですが、バックもベースにデイヴ・ブロンズ、クラウス・フォアマン、ドラムスにリンゴの他に、ジム・キャパルディ、ジム・ケルトナー、ヘンリー・スピネッティ、キーボードにクリス・ステイントン、パーカッションにレイ・クーパー、エミール・リチャーズ、アルトサックスにジム・ホーン 、テナーサックスにトム・スコット、ギターにマーク・マン、アンディ・フェアウェザー・ロウ、アルバート・リー、と云った面々も参加しています。ライヴ盤は、モンティ・パイソンのコーナーとジュールズ・ホーランドを除いた全24曲入りで、映像では完全収録にバックステージ映像も楽しめるBD盤もあります。最初が40分位のインド音楽コーナーと云うのもジョージの追悼らしいし、ポールが我を出さずにジョージの曲を何曲も披露するのも追悼コンサートならではです。しかし、リンゴはジョージとの共作「PHOTOGRAPH」は良いとして、何故カール・パーキンスのカヴァー「HONEY DON'T」を演奏したのでしょうか。ビートルズでカヴァーした時に、間奏に入る度にジョージに声をかけている曲ではありますが、他がポールですらジョージのカヴァーばかりなのに、リンゴだけが持ち歌を2曲で浮いています。「LIVE IN JAPAN」の時にはまだ少年だったダーニが、成長して若い頃のジョージとそっくりな風貌になっていたのにも驚きました。
(小島イコ)