nana.812.png

2023年11月21日

「ポールの道」#199「PRESS TO PLAY」

Press To Play


ポール・マッカートニーは、1986年9月1日に英国でMPL/パーロフォンから、同年8月21日に米国でMPL/キャピトルから、ソロとしては6作目でウイングスなども含めると14作目のスタジオ・アルバム「PRESS TO PLAY」をリリースしました。内容は、A面が、1「STRANGLEHOLD」、2「GOOD TIME COMING / FEEL THE SUN」、3「TALK MORE TALK」、4「FOOTPRINTS」、5「ONLY LOVE REMAINS」で、B面が、1「PRESS」、2「PRETTY LITTLE HEAD」、3「MOVE OVER BUSTER」、4「ANGRY」、5「HOWEVER ABSURD」の、全10曲入りですが、CDも同時発売されて、そちらには、11「WRITE AWAY」、12「IT'S NOT TRUE」、13「TOUGH ON A TIGHTROPE」が加わった全13曲入りとなっております。プロデュースはポールとシングル「SPIES LIKE US」でも組んでいたヒュー・パジャムの共同で、演奏には、ポールとお馴染みのリンダ・マッカートニー(コーラス)の他には、ジェリー・マロッタ(ドラムス)、カルロス・アロマー(ギター)、フィル・コリンズ(ドラムス)、ピート・タウンゼント(ギター)、そして、元10ccとなったエリック・スチュワートなどが参加しています。エリック・スチュワートは、キーボードやギターやコーラスを担当しただけではなく、アナログ盤では10曲中6曲「STRANGLEHOLD」と「FOOTPRINTS」と「PRETTY LITTLE HEAD」と「MOVE OVER BUSTER」と「ANGRY」と「HOWEVER ABSURD」、CDでは更に「WRITE AWAY」と「TOUGH ON A TIGHTROPE」も加えて全13曲中8曲もの楽曲を、ポールと共作しています。コレは、1枚のアルバムとしては異例で、ほとんどをリンダ・マッカートニーとの共作になっていたりした以外では初めての事です。10年以上もウイングスにいたデニー・レインでも、アルバム「LONDON TOWN」での全13曲中5曲が最高なので、こんな美味しい目にはあっていません。

エリック・スチュワートは1972年からの10ccでの活動で有名ですが、レコード・デビューは1963年6月のウェイン・フォンタナ&ザ・マインドベンダーズのリード・ギタリストとしてで、「THE GAME OF LOVE」などの大ヒット曲を出して、フォンタナが独立後には、ザ・マインドベンダーズとしてエリックがリード・ヴォーカルも務めて「A GROOVY KIND OF LOVE(恋はごきげん)」などを大ヒットさせています。1967年公開のシドニー・ポワチエ主演の映画「いつも心に太陽を(TO SIR WITH LOVE)」には、ザ・マインドベンダーズがパーティー・バンド役で出演して演奏しているので、若き日のエリックがヴォーカルとギターを披露している姿が拝めます。ザ・マインドベンダーズには末期に既にソングライターとして有名だったグレアム・グールドマンが参加していて、解散後にエリックが印税を元手にしてストロベリー・スタジオを設立するとグレアムも共同出資者となり、そこへ旧知のケヴィン・ゴドレイとロル・クレームも集って、後の10ccの母体となりました。其の後に不在だったグレアム以外の3人で冗談でレコーディングした1970年リリースのホットレッグス名義の「NEANDERTHAL MAN」が大ヒットしてしまい、エリックたちはビビッて逃げてしまうのですが、1972年に10ccとしてデビューして、ソノ後の活躍はこれまで書いてきた通りです。スタジオを経営してエンジニアとしてのキャリア(10ccの代表曲「I'M NOT IN LOVE」でエリックはリード・ヴォーカルを担当して、マルチトラックでのコーラスには参加していないのは、エリックがコーラスを多重録音する時にエンジニアを務めていたから)もあって、ソングライターで、リード・ヴォーカルも担当して、マルチ・プレイヤーで、エンジニアでもあると云う「才人」です。ソノ上堅実で「スタジオの経営者」でもあるわけで、偉大な音楽人のひとりなのです。

故に、ソノ辺の実績を語らずに「ミニ・ポール・マッカートニー」とか「10ccのポール」とか過小評価している評論家は、此のアルバム「PRESS TO PLAY」が全英8位で全米30位と云う成績であった事の責任をエリックのせいにしてしまうのですが、ソレは大きな間違いです。ポールとエリックが共作した8曲は全てが佳曲ですし、他にもシングル「PRESS」に収録された「HANGLIDE」と、後に再結成10ccでエリックが歌った「DON'T BREAK THE PROMISES」と「YVONNE'S THE ONE」も加えれば、発表されただけでもポールとエリックは11曲も共作していたのです。エリック・スチュワートとポールは、おそらく1960年代からの顔なじみではあったでしょうけれど、1974年に10ccが2作目のアルバム「SHEET MUSIC」をレコーディング中に、同じストロベリー・スタジオで、ポールが実弟であるマイク・マクギアのアルバム「McGEAR」を同時進行でレコーディングした時から仲良くなったのでしょう。そして、ポールは1982年のアルバム「TUG OF WAR」と1983年のアルバム「PIPES OF PEACE」と1984年のサントラ盤「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET」とエリックを起用し続けて、そこから発展して1986年のアルバム「PRESS TO PLAY」での本格的な共作となったわけで、エリックはソノ大役を見事に勤め上げていると思います。アルバムのセールスが悪かったのは、プロデューサーのヒュー・パジャムが、如何にも1980年代風の音作りにしちゃったのと、ソレを止められずに流されてしまったポール・マッカートニーの責任であって、何でポールのアルバムなのに「エリックが悪い」なんて云われるのか理解に苦しみます。そんな1980年代風なサウンドにもめげない普遍的な曲を共作したエリックは、称えられるべきなのです。先行シングルの「PRESS」は兎も角として、ソノ後にシングル・カットされた「ONLY LOVE REMAINS」に代表されるポール単独作の甘ったるい路線(個人的には嫌いではない)こそが失敗の原因でしょう。此のアルバムでエリック・スチュワートを貶す評論家は、信用しない事にしています。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

空想格闘メタフィクション

「千秋万歳」第2部序章 NEW

其の一 恋はフェニックス(下)



「第壱回・片瀬那奈・怪優グランプリ」のつづきの
「千秋万歳」序章のつづきの

西暦 2023年 西豪寺ホール

未亜:Aブロック第一回戦第3試合は、藤田千秋VSRINAですが、此の試合の見どころはどこでしょう!?

イコ:藤田千秋くんは、地味ながら「カタセ四天王」のひとりで「メインエベンター」です。RINAくんには「RINA式スリーパーホールド」や「どすこいアタック」などのオリジナル技もありますが、一寸おっちょこちょいな面もあるので、ソノ辺の隙を突かれそうですね。

未亜:さあ、ゴングが打ち鳴らされました!RINAが突進して、どすこいアタック!そして、RINA式スリーパーホールドと、得意技で速攻だ!しかし、藤田千秋は動じません!其の侭、後ろに走り、コーナーポストにRINAを叩きつけた!そして、藤田式トライアングルシューター!

イコ:キリモミ式のキックになっているのが、藤田千秋くん独自のスタイルです。

未亜:万引きで鍛え上げた盗人・藤田千秋!他人の技を平気で使い捲っているものの、オリジナルな要素も入れております!おっと、美月組の専売特許のクロスロードスープレックスホールドで7分17秒、3カウントを奪い、藤田千秋の勝利です!

イコ:此の試合は、土下座正規軍VS美月組でしたからね。美月組のオリジナルホールドで勝ったのは、意識していたのでしょうね。

未亜:Aブロックは、第二回戦でシード権を持つ大久保千秋が登場します!藤田千秋は第一回戦を突破しましたから、第二回戦では大久保千秋VS藤田千秋の「ダブル・チアキ」対決が実現しますね!

イコ:「KNKGP1」で名勝負を繰り広げた「二人の千秋」による対戦が、早くも第二回戦で実現するとは、豪華ですね。

未亜:さて、リング上ではBブロックとなり、第一回戦第1試合「山口梨香VS柚木さくら」が行われます!共に「第一期女優時代」の10代の那奈ちゃんの代表作ですね!ちなみに私が10代の那奈ちゃんの役で一番好きな役は柚木さくらです!

イコ:1999年は女優デビューした年ですが、ズバリ云ってハズレなし、と云えますね。当時は「ソコに片瀬那奈ちゃんが居るだけでいい」と云う「アイドル」だったわけですよ。普通の女優さんはアイドル路線からの脱皮に苦労しますが、那奈ちゃんの場合は「二十歳で女優活動を休止して歌手活動に専念する」と云う、大胆な戦略に出ました。それ故に女優復帰作の「ラストクリスマス」からは苦労する事となりました。

未亜:大ベテランなのに10代と云うパラドックスが生じている「千秋万歳」ですが、やはり10代には二度と帰れない千秋万歳で永遠の美がありますね!若さとは、ソレだけで財産です!本当に可愛らしかったんですよ!

イコ:そんな事を云うと現在が可愛くないみたいにも聞こえますよ。

未亜:いえいえ、滅相もございません!今でも可愛いですよ!

イコ:まあ、推し活とかやっている事はアレですが、可愛いのは変わってはいませんね。

未亜:山口梨香も健闘しておりますが、やはり柚木さくらが優勢な試合運びです!何てったって、親父が泉谷しげるさんで、お姉さんが菅野美穂さんですからね!ちなみに、私の桜っ子クラブでの推しメンは菅ちゃんでした!

イコ:アンタって、そもそも「DD」なんじゃないですか。最近は「天ちゃん、天ちゃん」って煩いですしね。

未亜:リング上は、私の推しも効いたのか、10分21秒、体固めで柚木さくらが勝利しました!柚木さくらに桜っ子クラブに櫻坂46で、トリプルさくらです!

イコ:全然、実況してないじゃん。

未亜:第一回戦なんて、組み合わせと結果だけでいいでしょう!プロレス中継の副音声みたいなもんですよ!

イコ:トリプルさくら、とか、上手くまとめて良い事云ったとでも思っているんですか。

未亜:此の辺で、今回はお開きとします!次回も引き続き「KNKGP3」第一回戦の模様をお送り致します!実況は姫川未亜、解説は小島イコさんでお送り致しました!それでは皆さん、ごきげんよう、さようなら!


以 下、この世の果てまで(上)につづく

DEMO 2014−9−8
MIX 2023−11−21


(小島イコ/姫川未亜)


空想格闘メタフィクション


「千秋万歳」第2部序章 NEW

其の二 この世の果てまで(上)

BUT MINE !

HEY EVERYBODY 
GOT BACK !

ON 2023・12・X

SINCE 2013・11・7


DE IMAGEN NO INC. A CADA*** CON AMOR

posted by 栗 at 22:30| CHIAKI | 更新情報をチェックする

「24 JAPAN」第19話(再)



テレ朝チャンネル1 5:00〜6:00

第19話「6:00P.M.-7:00P.M.」

片瀬那奈 AS 氷川七々美(消息不明)

「24 JAPAN」第19話の、今年6回目の再放送です。同時進行で現馬、妻の六花、娘の美有、朝倉麗議員陣営、CTU、テロリスト、などの話が描かれているのですが、コレがもうどれもが危機的状況の連続で、観ていて疲れますし、こんな朝っぱらから観る様なドラマではありません。車が逆走して崖から落ちて爆発したのに怪我すらしない「不死身の女」美有とか、ソレを見て記憶喪失になった六花が、暗殺者をCTUの南条によって射殺されて記憶が戻るとか、そうした家族の危機を現馬には知らせずにコマとしか思っていないCTUとか、やはり日本版リメイクにはハードルが高過ぎるドラマなんですよ。こんなヘッポコ・リメイクを観るのならば、任侠Vシネマの「日本統一」とかを観る方が良いです。

本放送:2021年2月19日(テレビ朝日)

(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 06:00| ACTRESS | 更新情報をチェックする