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2023年11月22日

「ポールの道」#200「PRESS TO PLAY & MORE」

Press To Play


ポール・マッカートニーのアルバムは、1984年の同名映画のサントラ盤「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET」からCDでもアナログ盤と同時にリリースされていて、CDではアナログ盤よりも曲数が多くなっています。1986年リリースのアルバム「PRESS TO PLAY」も、CDでは3曲多い全13曲入りでリリースされています。そして、1993年8月9日に「ザ・ポール・マッカートニー・コレクション」の一環でリマスター盤がリリースされた時には、更に「SPIES LIKE US」と「ONCE UPON A LONG AGO(Long Version)」が加えられた全15曲入りとなっております。1985年の「SPIES LIKE US」は同名映画の主題歌で、1987年の「ONCE UPON A LONG AGO」はフィル・ラモーンのプロデュースで、1987年のベスト盤「ALL THE BEST!」の英国盤に収録された唯一の新曲(米国では未収録)でシングル・カットされていて、シングルB面の「BACK ON MY FEET」はエルヴィス・コステロとの初共作曲です。此のアルバムは2023年の現在でも「アーカイヴ・コレクション」がリリースされておらず、1993年盤が最新仕様でおそらく廃盤状態でしょう。ポールとしては、ビートルズのリマスター盤がリリースされた2009年9月9日を待って、2010年の「BAND ON THE RUN」から「アーカイヴ・コレクション」を始めたのでしょうけれど、何せ本隊であるビートルズのリミックス盤とかが毎年リリースされてしまい、自分の「アーカイヴ・コレクション」は遅々として進まない事態となっていると推測されますし、ポールの場合は新作アルバムも作って世界ツアーも81歳になった今でも行っているので、旧譜の「アーカイヴ・コレクション」まで手が回らないのでしょう。此のアルバム「PRESS TO PLAY」からは「PRESS」(英米日)と「PRETTY LITTLE HEAD」(英)と「STRANGLEHOLD」(米日)と「ONLY LOVE REMAINS」(英米)がシングルになっています。

4曲はMVも制作されていて、「PRESS」はポールが地下鉄に乗って周りの反応を楽しむもので、「PRETTY LITTLE HEAD」はイントロにビートルズの「SHE'S LEAVING HOME」のサビが挿入されて、続編の様な家出少女を巨大なポールが手助けするモノクロ映像で、「STRANGLEHOLD」はポールたちがライヴ演奏していて、サックスを持った少年を飛び入りさせて一緒に演奏するもので、「ONLY LOVE REMAINS」はポールとリンダの二人の映像が引きになるとサックス奏者やオーケストラとかがいる広大な空間だったと分かる、相変わらずお金の使い方がへんちくりんなものです。「アーカイヴ・コレクション」がリリースされたならば、此の辺のMVは全て収録されるでしょうし、もしかしたら1986年と云えばポールが「プリンス・トラスト」で久しぶりにライヴ(前年1985年の「LIVE AID」は黒歴史化されていた)を行って、ビートルズ・ナンバーを披露したので、そちらも収録されるかもしれません。此のアルバムはシングルではミックスが違っている曲が多くて、それぞれがチャートでの成績は「PRESS」が全英25位・全米21位、「PRETTY LITTLE HEAD」が全英76位、「STRANGLEHOLD」が全米81位、「ONLY LOVE REMAINS」が全英32位と、天下無敵のポール様としては目も当てられない結果となったのですが、ソレを逆手に取ったかの様にシングル盤への楽曲はアルバムとは別ミックスが当たり前の状況となりました。其の辺のシングル盤を軽視しない姿勢は、やはり元ビートルズならではで、所謂ひとつのマニア泣かせなんですけれど、ソレを一気に聴きたければ、毎度お馴染みの「MOONCHILD RECORDS」からの2枚組千円ブートレグ「PRESS TO PLAY & MORE」が便利です。

CD1は、アルバム「PRESS TO PLAY」のCD仕様全13曲に加えて、1986年のチャリティー盤に提供した「SIMPLE AS THAT」、後にエリック・スチュワートが再結成10cc名義でリリースするポールとエリックの共作「IVONNE'S THE ONE」のポール・ヴァージョン、リンダがリード・ヴォーカルでスージー&ザ・レッド・ストライプス名義の「SEASIDE WOMAN」と「B-SIDE TO SEASIDE」のリミックス盤、「PRESS」の12インチに収録されたアルバム未収録でポールとエリックの共作インストゥルメンタル曲「HANGLIDE」を加えた全18曲入りです。CD2は「PRESS」と「IT'S NOT TRUE」と「ANGRY」と「PRETTY LITTLE HEAD」と「ONLY LOVE REMAINS」のシングル・ヴァージョン、「STRANGLEHOLD」のヴィデオ・ヴァージョン、「PRESS」の米国盤シングル・ヴァージョン、ダブ・ミックス、「PRETTY LITTLE HEAD」と「TOUGH ON A TIGHTROPE」と「TALK MORE TALK」と「SEASIDE WOMAN」と「B-SIDE TO SEASIDE」の12インチ・ヴァージョン、「GOOD TIME COMING / FEEL THE SUN」のラフミックス、「PRESS」の米国プロモ・ヴァージョンと10インチ・ヴァージョンの、全16曲入りで、合計34曲入りで、アルバム「PRESS TO PLAY」の別ヴァージョンも含めた全貌がほぼ網羅されています。ブートレグでコレだけのものが出ているのですから「アーカイヴ・コレクション」がリリースされるのならば、コレ以上の内容にして頂きたいです。それから、NHK BSプレミアムで何度も放送されている「MUST BE UK TV」と云うスタジオ・ライヴ番組で、「ONLY LOVE REMAINS」のスタジオ・ライヴが観れます。シングル・ヴァージョンと同じサックス入りで、ポールがピアノの弾き語りで歌っている、MVとは違う映像です。ソノ回ではジョン・レノンの生前最後のライヴ映像と云われる「SLIPPIN' AND SLIDIN'」と「IMAGINE」も含まれているし、MVではなくスタジオ・ライヴなので、他の回も珍しい映像が多いのでオススメです。

(小島イコ)

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2023年11月23日

「24 JAPAN」第21話(再)



テレ朝チャンネル1 5:00〜6:00

第21話「8:00P.M.-9:00P.M.」

片瀬那奈 AS 氷川七々美(消息不明)

「24 JAPAN」第21話の、今年5回目の再放送です。一難去ってまた一難の展開が続いて、残り数話となって、もうへとへとですよ。ラスボスのビクターとアンドレが再会して、いよいよクライマックスだ!なのですが、主人公の現馬がずっと危機一髪なのは兎も角として、娘の美有は何で救出されたと思ったら、毎度毎度すぐに誘拐されちゃうんでしょうか。車が逆走して崖から落ちて爆発したのに怪我すらしない「不死身の女」だと云う事は分かりましたが、どうにもこうにも誘拐され過ぎです。それから、伊月は六花にネチネチと絡み過ぎで、ソノ理由はもうすぐ解明されるのですが、オチを知っているので、些かドロドロし過ぎです。

本放送:2021年3月5日(テレビ朝日)

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#201「CHANGING FACES」



1983年のアルバム「WINDOWS IN THE JUNGLE」で解散したエリック・スチュワートとグレアム・グールドマンの10ccですが、エリック・スチュワートは解散以前から参加していたポール・マッカートニーのレコーディングを継続していて、10cc解散後の1986年のポールのアルバム「PRESS TO PLAY」では、アナログ盤で全10曲中6曲、CDでは全13曲中8曲、シングルのカップリングにも1曲、後に再結成10ccでエリックが取り上げた2曲と、ポールとエリックは発表されただけでも11曲を共作しました。グレアム・グールドマンはアンドリュー・ゴールドとのユニット「WAX」として、1986年にはアルバム「MAGNETIC HEAVEN」をリリースしました。一方、1976年に10ccを脱退したケヴィン・ゴドレイとロル・クレームの「ゴドレイ&クレーム」は、実験的なアルバムをリリースする傍らで、ミュージック・ヴィデオの監督として有名になり、1985年のアルバム「HISTORY MIX VOLUME 1」では、オリジナル10ccやソレ以前の音源もサンプリングして、音楽でも映像でも活躍していました。4人がそれぞれの道をゆくカタチになった1987年8月に、ベスト盤「CHANGING FACES The Very Best of 10cc and Godley & Creme」がポリドールからリリースされたのです。ソレまで10ccのベスト盤は、1975年にUKレコード時代の楽曲をまとめた「100cc」と、1979年の「10cc'S GREATEST HITS 1972-1978」がありましたが、それらは「10cc」名義で発表された音源から選曲されていました。しかし、コノ「CHANGING FACES」は、初めて「オリジナル10cc」と「エリック&グレアムの10cc」と「ゴドレイ&クレーム」の楽曲から選曲されていて、コレ以後に何種類もリリースされる合同ベスト盤の基本形で先駆けとなったアルバムです。

内容は、1「DREADLOCK HOLIDAYS」(1978)、2「THE WALL STREET SHUFFLE」(1974)、3「UNDER YOUR THUMB」(1981)、4「LIFE IS A MINESTRONE」(1975)、5「AN ENGLISHMAN IN NEW YORK」(1979)、6「ART FOR ART'S SAKE」(1975)、7「DONNA」(1972)、8「SNACK ATTACK(Remix)」(1981,1987)、9「CRY」(1985)、10「THE THINGS WE DO FOR LOVE」(1976)、11「WEDDING BELLS」(1981)、12「I'M MANDY, FLY ME」(1976)、13「GOOD MORNING JUDGE」(1977)、14「RUBBER BULLETS」(1973)、15「SAVE A MOUNTAIN FOR ME」(1982)、16「I'M NOT IN LOVE」(1975)の、全16曲入りです。コノ内で、「DONNA」と「RUBBER BULLETS」と「THE WALL STREET SHUFFLE」と「I'M NOT IN LOVE」と「LIFE IS A MINESTRONE」と「ART FOR ART'S SAKE」と「I'M MANDY, FLY ME」の7曲が「オリジナル10cc」で、「THE THINGS WE DO FOR LOVE」と「GOOD MORNING JUDGE」と「DREADLOCK HOLIDAYS」の3曲が「エリック&グレアムの10cc」で、「AN ENGLISHMAN IN NEW YORK」と「UNDER YOUR THUMB」と「WEDDING BELLS」と「SNACK ATTACK」と「SAVE A MOUNTAIN FOR ME」と「CRY」の6曲が「ゴドレイ&クレーム」となっていて、年代も構成もぐちゃぐちゃに混ぜてしまっております。UKとマーキュリーとポリドールからのベスト盤で、当時はゴドレイ&クレームが所属していたポリドールからのリリースだからなのか、10cc名義の曲は1978年までで、1979年から1987年まではゴドレイ&クレームの楽曲しか選ばれていません。と申しますか、10cc名義の10曲は、全てがマーキュリーから1979年にリリースされた「10cc'S GREATEST HITS 1972-1978」と重複しているので、ソレの権利だけ買ったんじゃないでしょうか。

実際問題として、10cc名義としては、1978年の「DREADLOCK HOLIDAYS」を最後に大ヒット曲がなくて、逆にゴドレイ&クレームはソノ後に1981年の「UNDER YOUR THUMB」と「WEDDING BELLS」や1985年の「CRY」がヒットしていたわけですが、此のベスト盤でソノ事実があからさまにされてしまった感もありますし、コレでしか聴けないのは、ゴドレイ&クレームの「SNACK ATTACK」のリミックス音源だけです。10cc名義の楽曲は、前述の通り前のベスト盤「10cc'S GREATEST HITS 1972-1978」全12曲入りからの10曲で全曲がダブっています。売りとしては、初めて10ccとゴドレイ&クレームが1枚のアルバムに集められた事だけでした。が、しかし、コレが全英チャートで4位まで上がって、30万枚も売れる大ヒットとなってしまったのです。旧譜を集めて「SNACK ATTACK」の1曲だけちょろっとリミックスしただけのベスト盤が売れ捲ったのですから、コレをレコード会社が放っておくわけがなく、オリジナルの4人で10ccを再結成して新作アルバムをリリースする様に打診されるのです。ソレで1992年にエリック・スチュワートとグレアム・グールドマンによる再結成盤の「...MEANWHILE」となるわけで、ポリドールからのリリースであったのも此のベスト盤からの因果関係があったからで、ケヴィン・ゴドレイとロル・クレームもゲスト参加して、ケヴィンに至っては1曲でリード・ヴォーカルまで担当しているのも、実はレコード会社としては「オリジナル10ccの4人での再結成した新作アルバム」を望んでいたからだったのでした。おそらく此のベスト盤は「10cc結成15周年」での企画盤で、分裂した2組をごちゃ混ぜにした曲順とかいい加減なんですけれども、コレがないと後の10ccの再結成もなかったわけで、まあ、再結成後のアルバムは期待外れではあったものの、意味のある編集盤ではありました。

(小島イコ)

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2023年11月24日

「24 JAPAN」第22話(再)



テレ朝チャンネル1 5:00〜6:00

第22話「9:00P.M.-10:00P.M.」

片瀬那奈 AS 氷川七々美(消息不明)

「24 JAPAN」第22話の、今年5回目の再放送です。ラスボスのビクターも登場して、テロリストも出揃ったのですが、ビクター・林、アンドレ・林、アレクシス・林、神林民三、氷川七々美と云った面々は、全て理名ちゃんと共演歴があります。さて、ビクターに捕まってアレクシスとの交換を要求された現馬ですが、CTUは現馬を見殺しにする方針です。ビクターは旧知のヤクザと再会して宴会となり、現馬に御馳走を見せびらかしていると、現馬がヤクザの親分の娘を楯にします。するとビクターはすぐに親分の娘を射殺して、斬りかかった親分も射殺しちゃうんですけれど、コレはギャグなのか、それとも完全なサイコパスだと云う事なんでしょうか。親分が射殺されたら、周りの組員が「おやじー!」とか泣き叫ぶのも、何だかコントみたいでリアリティーの欠片もない演出です。

本放送:2021年3月12日(テレビ朝日)

(小島イコ/姫川未亜)

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「烈火 警視庁強行犯 樋口顕」(再)で内山理名ちゃん



日本映画専門チャンネル 15:30〜17:30

内山理名 AS 藤井麻奈

「烈火 警視庁強行犯 樋口顕」の、今年6回目の再放送です。今月だけでも3回も放送されていて、理名ちゃんが演じた藤井麻奈さんは、猫が好きな刑事で、主人公の内藤剛志さんが演じた樋口顕刑事の相棒です。

本放送:2016年12月21日(テレビ東京)

(姫川未亜/小島イコ)

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「ポールの道」#202「ALL THE BEST!」

オール・ザ・ベスト


ポール・マッカートニーは、1987年11月2日に英国ではMPL/パーロフォンから、同年12月1日に米国ではMPL/キャピトルから、ベスト盤「ALL THE BEST!」をリリースしました。ポールには1978年リリースのベスト盤「WINGS GREATEST」がありまして、そっちにはウイングス名義ではない「ANOTHER DAY」と「UNCLE ALBERT / ADMIRAL HALSEY」も収録されていましたが、此のソロ名義のベスト盤にはウイングスも含まれていて、相変わらず大雑把なポールです。まあ、聴いている方は「ポールのソロ」も「ウイングス」も、全てが「ポールの作品」なのですが、本人は「ウイングスはバンドだ」とか云っていたわりには、やっている事は其の辺がブレブレです。英国や日本ではアナログ2枚組全20曲入りで、米国ではアナログ2枚組全17曲入りでのリリースだったのですが、英国では同時に3曲カットした全17曲入りの1枚もののCDが、米国ではアナログ盤に先駆けて同年11月11日に全17曲入りの1枚もののCDがリリースされていて、日本盤はアナログ盤もCDも英国仕様でのリリースです。

英国盤(日本盤)CDは、1「JET」(1973)、2「BAND ON THE RUN」(1973)、3「COMING UP」(1980)、4「EBONY AND IVORY」(1982)、5「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID(あの娘におせっかい)」(1975)、6「NO MORE LONELY NIGHTS(ひとりぼっちのロンリー・ナイト)」(1984)、7「SILLY LOVE SONGS(心のラヴ・ソング)」(1976)、8「LET ’EM IN(幸せのノック)」(1976)、9「C MOON」(1972)、10「PIPES OF PEACE」(1983)、11「LIVE AND LET DIE(007 / 死ぬのは奴らだ)」(1973)、12「ANOTHER DAY」(1971)、13「ONCE UPON A LONG AGO」(1987)、14「SAY SAY SAY」(1983)、15「MY LOVE」(1973)、16「WE ALL STAND TOGETHER」(1984)、17「MULL OF KINTYRE(夢の旅人)」(1977)の、全17曲入りで、アナログ盤からカットされたのは「MAYBE I'M AMAZED」(1970)と「WITH A LITTLE LUCK(しあわせの予感)」(1978)と「GOOD NIGHT TONIGHT」(1979)の3曲です。

コレが米国盤だと選曲も曲順も違っていて、元々のアナログ盤から「MAYBE I'M AMAZED」と「MULL OF KINTYRE」と「PIPES OF PEACE」と「WE ALL STAND TOGETHER」と「ONCE UPON A LONG AGO」の5曲をカットして、「UNCLE ALBERT / ADMIRAL HALSEY」と「JUNIOR'S FARM」を足して、1「BAND ON THE RUN」(1973)、2「JET」(1973)、3「EBONY AND IVORY」(1982)、4「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID」(1975)、5「NO MORE LONELY NIGHTS」(1984)、6「SILLY LOVE SONGS」(1976)、7「LET ’EM IN」(1976)、8「SAY SAY SAY」(1983)、9「LIVE AND LET DIE」(1973)、10「ANOTHER DAY」(1971)、11「C MOON」(1972)、12「JUNIOR'S FARM」(1974)、13「UNCLE ALBERT / ADMIRAL HALSEY」(1971)、14「COMING UP(Live Version)」(1980)、15「GOOD NIGHT TONIGHT」(1979)、16「WITH A LITTLE LUCK(DJ Edit)」(1978)、17「MY LOVE」(1973)の、全17曲入りとなっております。

ジャケットも英日アナログ盤と米アナログ盤と英日CDと米CDではポールを囲んだイラストのアイコンが違っていて、CDでは大きくされていたりもして、別写真のオーバー・カヴァー付もあります。何より選曲と曲順が違っていますので、あたくしもCDは日本盤と米国盤を持っていますが、よく聴くのは米国盤CDです。やはり「BAND ON THE RUN」と「JET」を並べるのならばアルバム通りの順番で聴きたいし、個人的に「JUNIOR'S FARM」と「WITH A LITTLE LUCK」と「GOOD NIGHT TONIGHT」は大好きな楽曲なので、ソレを外されたんじゃベスト盤ではありません。「COMING UP」もジョン・レノンが褒めていたのはライヴ・ヴァージョンの方だし、全米首位になったのもライヴの方です。英国では「MULL OF KINTYRE」や「PIPES OF PEACE」辺りが好まれて大ヒットしたのですが、ポールにはもっと派手な曲をぶちかまして欲しいんですよ。とは云え、レアだったシングル「WE ALL STAND TOGETHER」や、此の時点での新曲「ONCE UPON A LONG AGO」が入っている英国・日本盤も捨てがたいので、結局は両方買っちゃったんです。全米62位と低かったものの、ロングセラーとなってダブルプラチナとなり、全英では2位まで上がった名ベスト盤です。

(小島イコ)

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2023年11月25日

「十万分の一の偶然」(再)で内山理名ちゃん



テレ朝チャンネル2 19:00〜21:00

内山理名 AS 布川麻奈美

「十万分の一の偶然」の、今年初めての再放送です。今は亡き田村正和さんが主人公のルポライターを演じて、冒頭で中谷美紀さんが演じた娘が交通事故で死んでしまいます。其の事故現場を偶然に撮影し賞を取った高嶋政伸さんが演じたカメラマンに主人公は疑念を抱き、身分を偽って接近して追い詰めてゆきます。理名ちゃんが演じた麻奈美は事故の唯一の生存者で目撃者でもある人物が入院した病院の看護師ですが、実はカメラマンの愛人で共犯者でもあり、目撃者も殺されてしまいます。それでも、主人公の執念の捜査で二人は逮捕される結末です。主人公の娘の少女時代を、当時12歳だった久保田紗友ちゃんが演じています。理名ちゃんは田村正和さんとの共演も多く、娘役も演じた事もありますが、此のドラマでは敵役です。

本放送:2012年12月15日(テレビ朝日)

(姫川未亜)

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「ポールの道」#203「CLOUD NINE」

Cloud Nine


1987年11月2日に、ジョージ・ハリスンはビートルズ解散後では9作目のスタジオ・アルバム「CLOUD NINE」を、ダーク・ホース/ワーナーからリリースしました。ジョージのアルバムとしては前作アルバム「GONE TROPPO」以来で、なんと5年ぶりの作品です。ソノ間にジョージは「ハンドメイド・フィルムス」での映画制作に没頭していて、全く音楽活動はせずに「僕は音楽業界では引退した人間だから」などと公言していたのですが、マドンナと当時の夫・ショーン・ペンが主演した1986年公開の映画「上海サプライズ」に未発表音源を提供して、映画にもカメオ出演して演奏をしていて、ソノ時に同じバンド役で出演したエレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)のジェフ・リンと出逢って、ジョージとジェフ・リンのプロデュースで新作アルバム「CLOUD NINE」を完成させました。内容は、1「CLOUD 9」、2「THAT'S WHAT IT TAKES」、3「FISH ON THE SAND」、4「JUST FOR TODAY」、5「THIS IS LOVE」、6「WHEN WE WAS FAB」、7「DEVIL'S RADIO」、8「SOMEPLACE ELSE」、9「WRECK OF THE HESPERUS(金星の崩壊)」、10「BREATH AWAY FROM HEAVEN」、11「GOT MY MIND SET ON YOU」の、全11曲入りで、現行のCDでは、前述の同名映画の主題歌、12「SHANGHAI SURPRISE」と、シングル「WHEN WE WAS FAB」のB面でアルバム未収録だった、13「ZIG ZAG」も加えた全13曲入りとなっております。映画「上海サプライズ」のサントラ盤はリリースせずに、ソノ音源に新録も加えたカタチで、つまりは5年間の「貯め」があっての作品となっていて、やはり「貯め」がある時のジョージ・ハリスンは傑作を出せると証明しました。

楽曲は、「THAT'S WHAT IT TAKES」がジョージとジェフ・リンとゲイリー・ライトの共作で、「THIS IS LOVE」と「WHEN WE WAS FAB」がジョージとジェフ・リンの共作で、「GOT MY MIND SET ON YOU」がエディ・クラーク作で1962年にジェームス・レイが「I'VE GOT MY MIND SET ON YOU」のタイトルで発表した曲のカヴァーで、他の7曲はジョージのオリジナルです。レコーディング・メンバーは、ジョージ・ハリスン(ヴォーカル、ギター、キーボード)、リンゴ・スター(ドラムス)、ジェフ・リン(ギター、ベース、キーボード)、エリック・クラプトン(ギター)、エルトン・ジョン(ピアノ)、ゲイリー・ライト(ピアノ)、ジム・ケルトナー(ドラムス)、レイ・クーパー(パーカッション、ドラムス)、ジム・ホーン(バリトン&テナー・サックス)、ボビー・コック(チェロ)などです。ジョージとクラプトンのツイン・リード・ギターがカッコイイ「CLOUD 9」で始まり、キラキラしたポップ路線でELOそのまんまの第3弾シングル「THIS IS LOVE」(全英55位)や、ビートルズのパロディーでラトルズもビックリな第2弾シングル「WHEN WE WAS FAB」(全米23位、全英25位)、そして息子のダニーに勧められて第1弾シングルにした「GOT MY MIND SET ON YOU」は、全米首位・全英2位の特大ヒットとなりました。更に、アルバムも全英10位・全米8位と大ヒットして、鮮やかにジョージ・ハリスンは音楽家としてカムバックしたのです。ジャケットでジョージが持っているギターは、グレッチ・デュオ・ジェットで、ビートルズの初期にジョージが愛用していたものですから、本人も「温故知新」で且つ「心機一転」だったのでしょう。1987年には、前年のポールに続いて、ジョージとリンゴが「プリンス・トラスト」に出演して、ビートルズ・ナンバーを披露していて、元ビートルズと云われる事にも肯定的になっていたと思われます。

1987年には、ビートルズのアルバムが初CD化されていて、2月から10月にかけてオリジナル・アルバムがぞくぞくとリリースされています。ソレに乗っかって、ポール・マッカートニーは前回取り上げたビートルズ以後のベスト盤「ALL THE BEST!」をリリースしたわけですが、ジョージ・ハリスンは新作で勝負に出て、見事に再起したのです。MVもシングル「GOT MY MIND SET ON YOU」と「WHEN WE WAS FAB」と「THIS IS LOVE」が制作されていて、「GOT MY MIND SET ON YOU」は、ゲームセンターで遊ぶ若者たちとモノクロ映像のジョージたちの演奏をシンクロさせたものと、ソファに座ってギターで弾き語りしているジョージが、間奏ではアクロバティックな動きをする(スタントマンである事はバレバレ)ものの2種で、「THIS IS LOVE」は、何故か崖でジョージがギターの弾き語りをしているものです。問題は「WHEN WE WAS FAB」で、ゴドレイ&クレームが監督していて、ジョージが壁の前で演奏していて、リンゴ・スターとジェフ・リンとエルトン・ジョンとポール・サイモンとレイ・クーパーなどが出演しているのですが、途中でジョージとリンゴの他に「セイウチの被り物でリッケンバッカーのベースを弾く人」と、ニール・アスピノールがジョン・レノンのアルバム「IMAGINE」の裏ジャケットを見せて通り過ぎると云う場面があって、ビートルズのパロディーを本人たちがやっています。シングル「GOT MY MIND SET ON YOU」のB面は、アルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」で差し替えられた4曲の内の1曲「LAY HIS HEAD」が、シングル「WHEN WE WAS FAB」のB面は前述の「ZIG ZAG」が、そしてシングル「THIS IS LOVE」のB面は結局は「BREATH AWAY FROM HEAVEN」になったのですが、本来は「HANDLE WITH CARE」を予定していて、ソレに関してはまた次の機会で語ります。

(小島イコ)

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2023年11月26日

「ポールの道」#204「THE BEATLES’ CD」

ザ・ビートルズ CDボックス (16枚組セット) CDシングルコレクション コンパクト・ディスク・EP・ボックス・セット


1987年にビートルズは、またしてもトンデモナイ事をやってのけました。1987年2月26日にアルバム「PLEASE PLEASE ME」とアルバム「WITH THE BEATLES」とアルバム「A HARD DAY'S NIGHT」とアルバム「BEATLES FOR SALE」が、同年4月30日にアルバム「HELP!」とアルバム「RUBBER SOUL」とアルバム「REVOLVER」が、同年6月1日にはアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」が、同年8月24日にはアルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」とアルバム「YELLOW SUBMARINE」が、同年9月21日には米国編集盤アルバム「MAGICAL MYSTERY TOUR」が、同年10月19日にはアルバム「ABBEY ROAD」とアルバム「LET IT BE」が、そして翌1988年3月8日には編集盤アルバム「PAST MASTERS VOLUME ONE」と「PAST MASTERS VOLUME TWO」が、初CD化されたのです。此の英国オリジナル・アルバム12作13枚に、米国編集盤1作1枚と、それらに未収録の楽曲を集めた「PAST MASTERS」2枚の16枚で、ビートルズが公式リリースした213曲がCDで全て揃うのです。が、しかし、サー・ジョージ・マーティンが初期のアルバム「PLEASE PLEASE ME」とアルバム「WITH THE BEATLES」とアルバム「A HARD DAY'S NIGHT」とアルバム「BEATLES FOR SALE」はモノラルで、アルバム「HELP!」とアルバム「RUBBER SOUL」はリミックスしたステレオで、ソレ以後のアルバム「REVOLVER」とアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」と「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」とアルバム「YELLOW SUBMARINE」と米国編集盤アルバム「MAGICAL MYSTERY TOUR」とアルバム「ABBEY ROAD」とアルバム「LET IT BE」はステレオでの全世界統一規格としてしまったのです。

シングル盤やEPでしか聴けなかった曲をまとめた編集盤アルバム「PAST MASTERS」の2枚は、モノラルとステレオが混在する内容となり、「LOVE ME DO」の別テイクと、「ACROSS THE UNIVERSE」と「GET BACK」と「LET IT BE」の3曲は別ミックスが聴けますが、公式213曲に4曲を加えた217テイクに統一されて、他のミックス違いなどはなかった事にされたのでした。それでも、ビートルズのCD化は大事件であって、何が凄かったのかと云いますとですね、世の中をレコード盤からCDに変えてしまったのです。日本では1982年からCDが出ていて、大瀧師匠は初CD作20作の内2作も自作アルバムだったので、リマスター作業に悪戦苦闘していたのですが、それでもレコード店にはアナログ盤とカセットテープとCDが混在していました。ところが、ビートルズがCD化されたら、あっと云う間にアナログ盤が店頭から消えてしまい、レコード会社もCDしか発売しなくなって、レコード針の会社が倒産する事態となったのです。2023年の現在では、アナログ盤を見直すと云うか、若い音楽ファンがアナログ盤を買う様になったし、配信の影響もあってCDも売れなくなっておりますが、1987年(アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」のタイトル曲で“It was 20 years ago today”と歌っているので、ソレに合わせたリリースだった)の世界では、ビートルズによってアナログ盤は滅ぼされて、一気に「CDの世界」となったのでした。現在では「もはや、CDの時代も終わった」とも云われておりますが、ビートルズの新作がCD化されずに配信のみとなったならば、ソノ時こそ「CD時代の終焉」となるでしょう。

ソレで、ビートルズの音源は世界統一規格となったのですが、そうなるとアルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」まではモノラル盤とステレオ盤が両方出ていてミックス違いも数多くあって、シングル盤も「GET BACK / DON'T LET ME DOWN」まではモノラル盤が主流だったわけで、例えば「THIS BOY」と「YES IT IS」は編集盤「PAST MASTERS」で初めてステレオが公式リリースされたのですが、今度はシングルB面だったのでモノラル音源だった方がレアになったりしたのです。英国盤だけでもミックス違いが多いのに、米国盤では勝手に疑似ステレオにしたりエコーをかけ捲ったりもしていて、世界各国盤で聴けたミックス違いはCDでは聴けない事態となりました。するとですね、CD化が終わった翌年の1989年には英国オリジナル・シングルをまとめてCD化した箱が、1992年にはEP盤をまとめた箱がリリースされて、シングルは基本的にモノラルなので、アルバム「HELP!」以降の曲がモノラルでも聴ける様になりましてですね、EPの方には「MAGICAL MYSTERY TOUR」の英国オリジナルEPがモノラルとステレオの両方が収録されて、1993年に「赤盤」と「青盤」が初CD化されたら、今度は初期音源が初ステレオCD化されちゃって、全世界統一規格とは何だったのか、となるわけです。ソレは兎も角といたしまして、1987年にビートルズが初CD化された事によって恩恵を受けたのは、他ならぬ、ポール・マッカートニーとジョージ・ハリスンとリンゴ・スターの「元・ビートルズ」でしょう。ポールは1980年代中期には「低迷している」と云われていたし、ジョージは「引退状態」だったし、リンゴは「アル中」だったわけで、ソレが3人共に復活するのです。ジョン・レノンが生きていたならば、CDの登場で出てきた高音質ブートレグに飛びついて喜んだでしょうね。

(小島イコ)

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2023年11月27日

「24 JAPAN」第23話(再)



テレ朝チャンネル1 5:00〜6:00

第23話「10:00P.M.-11:00P.M.」

片瀬那奈 AS 氷川七々美(消息不明)

「24 JAPAN」第23話の、今年5回目の再放送です。此のドラマの最大のクライマックスは、コノ第23話でCTUの内通者が伊月だと発覚する事なんでしょうけれど、原作を観ていると「知ってた」で終わりです。原作ドラマのリメイクで、大筋はそのまんまなので、視聴者は考察する事も出来ず、そりゃあ大爆死しますわなあ。兎も角、現馬はテロリストを愛人にしていたアホだし、六花も愛人だったと知らされてもテロリストに感謝するアホで、そんなアホ夫婦の娘である美有もハイブリッドなアホです。

本放送:2021年3月19日(テレビ朝日)

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#205「IMAGINE(ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK)」JOHN LENNON’S BEST ALBUM #3

Imagine (Original Soundtrack)


1987年のビートルズの初CD化は、世の中をアナログ盤からCDに変えてしまった大事件だったのですが、何よりも日本ではCD先進国でもあった為に、瞬く間にアナログ盤が消えてゆき、新作はCDでしか発売されない事態となりました。2023年の現在ではアナログ盤も見直されていますが、それでもアナログ盤の新譜は最も売れても数万枚だと云われていて、かつてのCD全盛期にはCDが何百万枚も売れたわけで、現在のアナログ盤はマニア向けと云ってもよろしいでしょう。アナログ盤が見直されている事に対して、タツローこと山下達郎さんは「僕はアナログ盤の方がCDよりも音がいいって云ったのに相手にされなくて、何を今更だ」とか云っていますし、「リイシューされたアナログ盤はスタンパーが違うんだから1980年代のアナログ盤とは違う」とも云っています。そして、レコード・マニアでもあるタツローは「アナログ盤は1万枚、CDは2万枚」所有しているとの事ですから、今やCDの方が圧倒的に数が多いのです。ソレを牽引した戦犯は日本のレコード会社で、例えば1989年にポール・マッカートニーがリリースした「FLOWERS IN THE DIRT」は日本でもアナログ盤は発売されたものの滅多にお目にかかれず、英国からの中継番組で英国のファンがアナログ盤をかざしているのを見て「アナログ盤もあったんだ」と思わされたものです。つまりはCDプレイヤーを売る為にアナログ盤を滅ぼしてしまったのが日本のレコード会社の戦法で、日本人は「アナログ盤よりも音が良くて半永久的にノイズもなく聴ける」などと云う大嘘を信じてしまったのでした。

ビートルズのアルバムが1987年から1988年にかけて初CD化されて、1988年にはジョン・レノンのアルバムもCD化されました。そして、ジョンの生涯を描いたドキュメンタリー映画「IMAGINE」が制作されて、其のサントラ盤「IMAGINE」が、1988年10月10日にパーロフォンからリリースされました。アナログ盤は2枚組ですが、CDは目一杯入れて(73分46秒)1枚に収めています。内容は、1「REAL LOVE」(1979)、2「TWIST AND SHOUT」(1963)、3「HELP!」(1965)、4「IN MY LIFE」(1965)、5「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」(1967)、6「A DAY IN THE LIFE」(1967)、7「REVOLUTION」(1968)、8「THE BALLAD OF JOHN AND YOKO」(1969)、9「JULIA」(1968)、10「DON'T LET ME DOWN」(1969)、11「GIVE PEACE A CHANCE」(1969)、12「HOW?」(1971)、13「IMAGINE(Reheasal)」(1971)、14「GOD」(1970)、15「MOTHER(Live Version)」(1972)、16「STAND BY ME」(1975)、17「JEALOUS GUY」(1971)、18「WOMAN」(1980)、19「BEAUTIFUL BOY」(1980)、20「(JUST LIKE)STARTING OVER」(1980)、21「IMAGINE」(1971)の、全21曲入りです。ジョンの生涯を描いたドキュメンタリー映画なので、約半数の9曲がビートルズ時代の音源となっていて、サントラ盤ながらジョンのベスト盤の様な構成になっています。最初は、後にビートルズの楽曲として発表される「REAL LOVE」のデモ音源で、ビートルズ版とは違った構成で「ISOLATION」と酷似したメロディーも含み、此のサントラ盤の最大の目玉でした。

2曲目の「TWIST AND SHOUT」から10曲目の「DON'T LET ME DOWN」まではビートルズ時代の音源ですが、6曲目の「A DAY IN THE LIFE」はイントロに歓声のSEが入らずアコースティック・ギターから聴ける完全版の初リリースで、コレは1993年の「青盤」初CD化でも差し替えてありますが、此のサントラ盤が初出です。アナログ盤だと11曲目の「GIVE PEACE A CHANCE」までが1枚目で、つまりはビートルズ現役時代の音源で構成されています。12曲目の「HOW?」からがソロ時代で2枚目となっていて、1971年のアルバム「IMAGINE」から3曲、1980年の遺作となってしまったアルバム「DOUBLE FANTASY」から3曲と、些か選曲が甘めです。其の為に1970年のアルバム「JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND(ジョンの魂)」からは「GOD」だけで、ソノ収録曲のライヴから「MOTHER」が、1975年のアルバム「ROCK'N'ROLL」から「STAND BY ME」1曲で、他の1972年のアルバム「SOMETIME IN NEW YORK CITY」と1973年のアルバム「MIND GAMES」と1974年のアルバム「WALLS AND BRIDGES」からは1曲も選ばれていません。アルバム「DOUBLE FANTASY」からジョンの曲だけ3曲を抜き出した事に対しては、通して聴け!と云っていた評論家の方々はどう言い訳するんでしょうか。13曲目の「IMAGINE」のリハーサル音源は初出でしたが、僅か1分半足らずで「もっとあるだろう」と思ったら「THE LOST LENNON TAPES」の登場となるのです。映画には、サントラ盤には未収録の楽曲も多く含まれています。

ソレは、1960年代のビートルズ時代の音源から「SOME OTHER GUY」と「LOVE ME DO」と「FROM ME TO YOU」と「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」と「ALL YOU NEED IS LOVE」と「EVERYBODY HAD A HARD YEAR」と「I'VE GOT A FEELING」と「ACROSS THE UNIVERSE」と「COME TOGETHER」、1970年のアルバム「JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND(ジョンの魂)」から「HOLD ON」、1971年のアルバム「IMAGINE」から「HOW DO YOU SLEEP?」と「OH YOKO!」、1975年のアルバム「ROCK'N'ROLL」から「BE-BOP-A-LULA」と「MEDLEY: RIP IT UP〜READY TEDDY」と云った曲で、やはりソロ時代はとっても選曲にズレが感じられます。映画の方は、個人的にはクライマックスだと思ったのは、アルバム「IMAGINE」をアスコットの邸宅でレコーディング中に、一寸イカレタビートルズファンの青年が邸宅に侵入したら、ジョンはガードマンに任せずに自分で対応しちゃって、キチンと話して青年を納得させてしまうのです。そして「腹減ってないか?」と訊いて、邸宅に青年を入れて、一緒に食事しちゃうんですよ。コレはヤラセではなくて、アルバム「IMAGINE」はレコーディングの様子などを全てフィルムに収めて後に映像作品としてリリースする為にカメラを回していたから偶然に撮れたもので、余りにも無防備にそんな事をやっているから殺されちゃったんだな、と思って、観ていて泣いてしまいました。サントラ盤ながら、全米31位、全英64位となっています。

(小島イコ)

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2023年11月28日

「24 JAPAN」第24話(最終話)(再)



テレ朝チャンネル1 5:00〜6:00

第24話「11:00P.M.-12:00A.M.」

片瀬那奈 AS 氷川七々美(消息不明)

「24 JAPAN」第24話(最終話)の、今年5回目の再放送です。始まった時には6回目でしたが、3回目が第11話を飛ばして第19話までで止まってしまったので、なし崩し的に5回目となったのですが、2クールのドラマなので、通常の1クールの倍で、つまりは6回再放送したら12回分なんですよ。こんなヘッポコドラマにそんなに需要はないざんしょ。ビクターに娘は死んだと嘘をつかれた現馬は逆上して、単身でトラックでテロリストのアジトに突っ込み、アンドレもビクターもアッサリと射殺して、テロリストを全滅させます。おいおい、何だよ、コノ粗すぎる展開は。内通者だった伊月は逃亡しようとして目撃者を次々に射殺して、最終話だけでも何十人単位で人が死にます。伊月は現馬によって捕らえられますが、伊月は六花を拘束して時限爆弾を仕掛けていて、現馬が爆弾を停止させるものの、六花は伊月によって射殺されていて、原作ドラマだと現馬が泣き叫んでおしまいです。ところが、シーズン1のみで伏線回収が不可能なリメイクでは、何故か時限爆弾が再起動して爆発し、現馬も瀕死状態となって、六花の亡骸を抱いて「家に帰ろう」と云っておしまいなのです。那奈ちゃんが演じた氷川七々美の謎の消息不明や、生け捕りにされた伊月の其の後や、益々狂乱娘ぶりを発揮する美有などは、永遠に描かれないでしょう。

本放送:2021年3月26日(テレビ朝日)

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#206「CHOBA B CCCP」

Choba B Cccp -Hq/Remast- [12 inch Analog]


1986年のアルバム「PRESS TO PLAY」が全英8位で全米30位と云う結果となり「失敗作」とされたポール・マッカートニーは、1987年にはベスト盤「ALL THE BEST!」をリリースしました。こちらも全英2位で全米62位と云う結果で、本国である英国ではアルバム「PRESS TO PLAY」もベスト盤「ALL THE BEST!」も立派な成績なのですが、米国では売れなくなっていました。しかしながら、1987年には英国ではベスト盤「ALL THE BEST!」からシングル・カットされた「ONCE UPON A LONG AGO」のB面に「BACK ON MY FEET」を収録していて、コレはポールとエルヴィス・コステロの初共作曲で、両面共にフィル・ラモーンのプロデュースで、英国では10位まで上がるヒットとなりました。シングルのB面でひっそりと発表されたコステロとの共作曲ですが、コレが後の「VERONICA」や「MY BRAVE FACE」と云った13曲とも14曲とも云われるポールとコステロの共作曲の始まりでした。フィル・ラモーンに関しても、コレ以外にもポールはプロデュースを任せてアルバム「RETURN TO PEPPERLAND」を制作していて、結局はボツになってしまうのですが、ブートレグで聴ける楽曲「RETURN TO PEPPERLAND」はタイトルからして「ビートリー」な名曲ですし、後にリリースされる「BEAUTIFUL NIGHT」なども其のセッションで取り上げられていました。

ポールとしても試行錯誤していたであろう1987年ですが、リリースを考えずに自宅スタジオにミュージシャンを迎えて気ままにレコーディングしていて、1987年7月20日と21日には1950年代のロックンロール・ナンバーを22曲レコーディングしたのです。レコーディング・メンバーは、ポール・マッカートニー(ベース、ギター、ヴォーカル)、ミック・ギャラガー(キーボード、ピアノ)に、7月20日は、ミック・グリーン(ギター)、クリス・ウィッテン(ドラムス)、7月21日は、ニック・ガーヴェイ(ベース、ギター、バックヴォーカル)、ヘンリー・スピネッティ(ドラムス、パーカッション)です。ポールには当時のソビエト連邦からアルバムをリリースする様に打診されていて、1988年10月31日にメローディヤからアルバム「CHOBA B CCCP」をリリースしました。コレは旧作をリリースすると英国パーロフォンや米国キャピトルとの契約で面倒な事になるので、たまたまレコーディングして未発表だったロックンロール集ならばいいだろうと云うポールの判断でしょう。旧ソ連でしかリリースされなかった為に一時はマニアが大騒ぎしたのですが、1991年9月30日には世界共通盤CDがリリースされました。

旧ソ連での内容は、A面が、1「KANSAS CITY」、2「TWENTY FLIGHT ROCK」、3「LAWDY MISS CLAWDY」、4「BRING IT ON HOME TO ME」、5「LUCILLE」、6「DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE」で、B面が、1「THAT'S ALL RIGHT(MAMA)」、2「AIN’T THAT A SHAME」、3「CRACKIN' UP」、4「JUST BECAUSE」、5「MIDNIGHT SPECIAL」の、全11曲入りです。翌1989年1月20日には旧ソ連での第2版がリリースされて、「I’M GONNA BE WHEEL SOMEDAY」と「SUMMERTIME」が加わった全13曲入りとなり、世界共通盤では更に「I'M IN LOVE AGAIN」を加えた全14曲入りとなりました。セッションは22曲なので、残りは8曲あるわけで、1989年のシングル「THIS ONE」で「I WANNA CRY」が、1990年のエルヴィス・プレスリーのトリビュート盤で「IT'S NOW OR NEVER」がリリースされました。リリースされていない6曲は「I SAW HER STANDING THERE」、「TAKE THIS HAMMER」、「CUT ACROSS SHORTY」、「POOR BOY」、「LEND ME YOUR COMB」、「NO OTHER BABY」です。内容は、一発録音のラフな演奏で、ライヴのサウンドチェック並みの出来栄えです。ロックンロールのカヴァー集としてはジョン・レノンの名盤「ROCK'N'ROLL」があり、ソレと重複している曲も取り上げていますが、とてもじゃないけど比べ物にならない作品で、世界共通盤は全英63位、全米109位と、あくまでもマニア向けの作品です。

(小島イコ)

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2023年11月29日

「ポールの道」#207「TRAVELING WILBURYS VOLUME 1」

Traveling Wilburys 1


1987年に5年ぶりのアルバム「CLOUD NINE」をリリースして見事に復活し大ヒットさせたジョージ・ハリスンは、同アルバムから第1弾シングル「GOT MY MIND SET ON YOU」を全米首位・全英2位として、B面には未発表だったアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND」で差し替えられた4曲の内の1曲「LAY HIS HEAD」を収録しています。第2弾シングル「WHEN WE WAS FAB」(全米23位・全英25位)のB面も、アルバム未収録の「ZIG ZAG」でした。そして、第3弾シングル「THIS IS LOVE」のB面は、結果的にはアルバムからの「BREATH AWAY FROM HEAVEN」となりましたが、ジョージは大ヒットした余裕からか、当初はとんでもないB面曲をレコーディングしました。其のシングルB面曲として予定されていたのは「HANDLE WITH CARE」で、シングルB面曲なのに、ジョージ・ハリスンとジェフ・リンに加えて、ロイ・オービソンとボブ・ディランとトム・ペティによるレコーディングをして、結局は5人でバンドを結成して、シングルだけではなくアルバムを制作してしまったのです。しかも、それぞれが、ネルソン・ウィルベリー(ジョージ・ハリスン)、オーティス・ウィルベリー(ジェフ・リン)、ラッキー・ウィルベリー(ボブ・ディラン)、レフティ・ウィルベリー(ロイ・オービソン)、チャーリー・T・ジュニア(トム・ペティ)と偽名を使って、バンド名も「トラヴェリング・ウィルベリーズ」として、1988年10月18日にアルバム「TRAVELING WILBURYS VOLUME 1」をワーナーからリリースしてしまったのです。そもそもシングルB面曲の為に集まったにしては豪華過ぎる面々で、ソノ「HANDLE WITH CARE」はトラヴェリング・ウィルベリーズのシングルとしてA面でリリースされて、覆面バンドなのに「正体バレバレ」なミュージック・ヴィデオの効果もあって、全英21位・全米45位とヒットしました。

内容は、1「HANDLE WITH CARE」、2「DIRTY WORLD」、3「RATTLED」、4「LAST NIGHT」、5「NOT ALONE ANY MORE」、6「CONGRATULATIONS」、7「HEADING FOR THE LIGHT」、8「MARGARITA」、9「TWEETER AND MONKEY MAN」、10「END OF THE LINE」の全10曲入りで、「HANDLE WITH CARE」と「END OF THE LINE」と「HEADING FOR THE LIGHT」がシングルになっていて、現行のCDでは未発表だった「MAXINE」と「LIKE A SHIP」の2曲をボーナス・トラックに加えた全12曲入りとなって、後に詳述するアルバム「TRAVELING WILBURYS VOLUME 3」とDVDを加えた「THE TRAVELING WILBURYS COLLECTION」もリリースされています。リード・ヴォーカルを担当している人が中心になって書いたのでしょうから、ネルソンことジョージが歌っている「HANDLE WITH CARE」と「HEADING FOR THE LIGHT」と「END OF THE LINE」の3曲はネルソン(ジョージ)が曲作りでも主導権を握って参加しているのでしょう。「DIRTY WORLD」と「CONGRATULATIONS」と「TWEETER AND MONKEY MAN」はラッキー(ディラン)で、「MARGARITA」はラッキー(ディラン)とオーティス(リン)とチャーリー(ペティ)で、「RATTLED」はオーティス(リン)で、「LAST NIGHT」はチャーリー(ペティ)とレフティ(オービソン)で、「NOT ALONE ANY MORE」はレフティ(オービソン)が歌っていて、レフティはどう聴いてもロイ・オービソンだし、ラッキーもボブ・ディランだとすぐに分かるので、「ジャイアント・マシーン」が「正体バレバレのマスクマン」だった様なものです。アルバムは、全英16位・全米3位とヒットしています。

そして、11月29日はジョージ・ハリスンの命日です。ビートルズの新曲「NOW AND THEN」でギターを弾いているジョージを観ると、22年も前に亡くなったとは思えません。ジョン・レノンのアルバムは聴く時には身構えてしまうのですが、ジョージのアルバムは今でも普通に聴いているんですよ。

(小島イコ)

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2023年11月30日

「税務調査官 窓際太郎の事件簿30」(再)で内山理名ちゃん

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TBSチャンネル1 7:00〜8:40

文科省から極秘文書を持ち出したのは親友の息子だった!
そこに現れる謎の調査官。巨大競技場建設に隠された陰謀とは?!

内山理名 AS 木島華子

「税務調査官 窓際太郎の事件簿30」の、今年6回目の再放送です。理名ちゃんが演じた木島華子さんは、窓際太郎を調査しにやってきて、最初はダメ親父だと思っていたものの、徐々に窓際太郎を評価する様になります。しかし、窓際太郎の身代わりになって刺されて入院した挙句、事件の責任を取らされて左遷されてしまう踏んだり蹴ったりな役どころです。華子さんも、華子さんの上司も、敵役も、全て「雲霧一党」です。

本放送:2016年4月11日(TBS)

(姫川未亜/小島イコ)

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「片瀬のNANA CHANNEL」#169【生配信】EVNNEとセブチへの愛に溢れた1週間のことをみんなと話したい人の雑談【20時〜】



YouTube「片瀬のNANA CHANNEL」 20:00配信開始(1時間8分56秒)

那奈ちゃんのYouTube第169弾で、今回はまたしても生配信だそうです。2月も3月も4月も5月も6月も7月も8月も9月も10月も全てが生配信、11月に入っても3回目もやっぱり生配信で、11月は本日で終わりなので11月も全て生配信で、43回連続の「推し活」です。昔は「きれいなおねえさん」だったのに、今では「推し活おねえさん」と化しましたが、本人が幸せならそれでいいです。

(小島イコ/姫川未亜)

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「ポールの道」#208「ULTRA RARE TRAX」VOL.1-6「UNSURPASSED MASTERS」VOL.1-7(PART 1)



ビートルズの初CD化が完了した1988年に、待ってましたとばかりに「THE SWINGIN' PIG RECORDS」からリリースされたブートレグ史上に遺る「ULTRA RARE TRAX」と、ソレを追う様に翌1989年から「Yellow Dog」からリリースされた「UNSURPASSED MASTERS」の2大タイトルが登場しました。両方共に、ソレまでは考えられなかった程の高音質ブートレグで、何者かがマスターテープをコピーしてブートレグに流出させたとしか考えられない音源集でした。1980年代に入ってから、ビートルズの音源をジョン・バレットが整理していたり、マーク・ルイソンが「レコーディング・セッション」などを書く為にビートルズの音源を全て聴いていたりしたので、そうした作業中にスタッフの誰かがコピーして流出させたのでしょう。結果的には「ULTRA RARE TRAX」は6作、「UNSURPASSED MASTERS」は7作が世に出てしまいました。「ULTRA RARE TRAX」の方は1作に10曲位しか収録されていませんが、コレが元祖なので「ブートレグの歴史を変えた名盤」です。それでは敬意を込めて、順を追って紹介してゆきます。

「ULTRA RARE TRAX」VOL.1は、1「I SAW HER STANDING THERE(TAKE 2)」、2「ONE AFTER 909(TAKE 2)」、3「SHE'S A WOMAN(TAKE 2)」、4「I'M LOOKING THROUGH YOU(TAKE 1)」、5「IF YOU’VE GOT TROUBLES」、6「HOW DO YOU DO IT」、7「PENNY LANE」、8「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、9「FROM ME TO YOU」、10「BESAME MUCHO」、11「THE FOOL ON THE HILL」、12「PAPERBACK WRITER」の、全12曲入りです。ランダムな選曲でも最初はやはり「SEVENTEEN」こと「I SAW HER STANDING THERE」の別テイクで、「ONE AFTER 909」は1963年ヴァージョン、リンゴが歌ったボツ曲「IF YOU’VE GOT TROUBLES」や、完成版の後半をフルで聴ける「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」や、ハチャメチャなエンディングまで聴ける「PAPERBACK WRITER」などなど、最初から飛ばしております。

「ULTRA RARE TRAX」VOL.2は、1「CAN'T BUY ME LOVE」、2「THERE THE PLACE(TAKE 3)」、3「THERE THE PLACE(TAKE 4)」、4「THAT MEANS A LOT」、5「DAY TRIPPER」、6「DAY TRIPPER」、7「I AM THE WALRUS」、8「MISERY(TAKE 1)」、9「LEAVE MY KITTEN ALONE」、10「WE CAN WORK IT OUT」、11「A HARD DAY'S NIGHT」、12「NORWEGIAN WOOD(THIS BIRD HAS FLOWN)(TAKE 4)」の、全12曲入りです。完成版にはないジョンとジョージの追っかけコーラス入りの「CAN'T BUY ME LOVE」や、ポールの駄作「THAT MEANS A LOT」、何故にボツにしたのか分からないジョンがシャウトするカヴァー曲「LEAVE MY KITTEN ALONE」など、アルバム「SESSIONS」に収録予定だった曲もバッチリ押さえております。

「ULTRA RARE TRAX」VOL.3は、1「OB-LA-DI, OB-LA-DA」、2「TOMORROW NEVER KNOWS」、3「A DAY IN THE LIFE」、4「YES IT IS」、5「I SAW HER STANDING THERE(TAKE 10)」、6「NORWEGIAN WOOD(TAKE 1)」、7「NOT GUILTY」、8「ACROSS THE UNIVERSE」、9「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」、10「TICKET TO RIDE」の、全10曲入りです。ジョンのカウントから聴ける「A DAY IN THE LIFE」や、ジョージのアルバム「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」用だった「NOT GUILTY」とアンプラグドな「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」、公式2ヴァージョンのどちらとも違うミックスの「ACROSS THE UNIVERSE」など、聴きどころ満載です。

「ULTRA RARE TRAX」VOL.4は、1「ONE AFTER 909」、2「A TASTE OF HONEY(TAKE 7)」、3「I FEEL FINE(TAKE 7)」、4「YER BLUES」、5「BLUES JAM」、6「NOT GUILTY」、7「GET BACK」、8「MAILMAN, BRING ME NO MORE BLUES」、9「DO YOU WANT KNOW A SECRET?(TAKE 8)」、10「ALL YOU NEED IS LOVE」の、全10曲入りです。たどたどしかった1963年版とは打って変わった1969年の「THE GET BACK SESSIONS」での「ONE AFTER 909」リハーサル音源、当時は幻の映像作品だった「ROCK'N'ROLL CIRCUS」でのダーティー・マックによる「YER BLUES」と、ヨーコさんが参加していない「BLUES JAM」、ポールが無茶苦茶なヴォーカルで叫び捲る「GET BACK」、衛星中継での生配信状態だった「ALL YOU NEED IS LOVE」など、既出音源も含めて嬉しい収録です。

「ULTRA RARE TRAX」VOL.5は、1「CHRISTMAS TIME IS HERE AGAIN」、2「BECAUSE」、3「REVOLUTION」、4「I ME MINE」、5「STRAWBERRY FIELDS FOREVER(TAKE 1)」、6「HEY JUDE(TAKE 9)」、7「MAGICAL MYSTERY TOUR」、8「WHAT’S THE NEW MARY JANE?」、9「LADY MADONNA」、10「ONE AFTER 909」、11「OB-LA-DI, OB-LA-DA / CHRISTMAS TIME IS HERE AGAIN」の、全11曲入りです。「CHRISTMAS TIME IS HERE AGAIN」でサンドイッチした構成で、アカペラの「BECAUSE」や、グリン・ジョンズがミックスした「I ME MINE」や、「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」や「HEY JUDE」の別テイク、ジョンがバカになった「WHAT’S THE NEW MARY JANE?」、更なる別ヴァージョンの「ONE AFTER 909」など、まだまだ聴かせます。

「ULTRA RARE TRAX」VOL.6は、1「COME AND GET IT」、2「HOLD ME TIGHT」、3「I'LL BE ON MY WAY」、4「STRAWBERRY FIELDS FOREVER(TAKE 7)」、5「IT'S ALL TOO MUCH」、6「12 BAR ORIGINAL」、7「I HATE TO SEE」、8「SHE'S A WOMAN(TAKE 7)」、9「WHAT’S THE NEW MARY JANE?」、10「DIG IT」の、全10曲入りです。これまたアルバム「SESSIONS」音源からポールのワンマン・レコーディングでバッドフィンガーへの提供曲のデモ「COME AND GET IT」、BBC音源からセルフカヴァー「I'LL BE ON MY WAY」、当時は未発表だったインストゥルメンタル曲「12 BAR ORIGINAL」、「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」のアコースティックな前半部のフル・ヴァージョン、ポールがアドリブで喚き捲る「SHE'S A WOMAN」、8分にも及ぶ「DIG IT」と、ハズレなしの未発表音源集でした。

コノ後に「ULTRA RARE TRAX」VOL.7とか「ULTRA RARE TRAX」VOL.8とかも出ていますが、それらは便乗して他の業者が勝手に続きをでっちあげただけなので、本当の「ULTRA RARE TRAX」と云えるのは、VOL.1からVOL.6の6作だけです。まあ、ブートレグに本物も偽者もありゃしないわけですが、コノ「ULTRA RARE TRAX」と長くなったので次回に詳述する「UNSURPASSED MASTERS」に関しては、偽者まで登場する事態となったわけで、何が凄かったのかと申しますと、コレが出るまでのブートレグは、音が悪いのは当たり前で、ジャケットも安っぽく、それなのに高額商品で、何だか怪しげな音源も含んでいたりしたのですけれど、もうそう云った紛い物はコレ以降は業者も恥ずかしくて出せなくなったわけですよ。そして、ソレは公式盤として「ANTHOLOGY」をリリースする事態にもなりました。思えば「赤盤」と「青盤」も、「LIVE AT HOLLYWOOD BOWL」も、「LIVE AT BBC」も、全てがブートレグ対策で公式リリースされたわけでして、中でも「ULTRA RARE TRAX」と「UNSURPASSED MASTERS」は、正に「革命的なブートレグ」でした。

(小島イコ)

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