ポール・マッカートニー&ウイングスの2作目でポールのソロ以後では4作目のアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」は、英国では1973年5月4日、米国では4月30日にリリースされて、CD化はまずは1987年10月5日で、ソノ時のボーナス・トラックは、「I LIE AROUND」と「COUNTRY DREAMER」と「THE MESS」の3曲で、それぞれシングルのB面曲でした。次に「ザ・ポール・マッカートニー・コレクション」の一環として1993年6月7日にリリースされて、こっちのボーナス・トラックは、「C MOON」と「HI, HI, HI」と「THE MESS」と「I LIE AROUND」の4曲となりました。外された「COUNTRY DREAMER」はシングル「HELEN WHEELS(愛しのヘレン)」のB面なので、コノ時にはアルバム「BAND ON THE RUN」へ回されました。そして、2018年12月7日に「アーカイヴ・コレクション」として、アルバム「RED ROSE SPEEDWAY」がリリースされて、コノ時には以前に紹介したアルバム「WILD LIFE」も同時リリースされて、両方を合わせた「WINGS 1971-1973」もリリースされていて、ソノ箱は5万5千円もしました。「アーカイヴ・コレクション」は内容が濃くなり価格も上昇していて、先を急ぐと2020年にリリースされた「FLAMING PIE」のコレクターズ・エディション(5CD+2DVD+4LP)は、なんと12万8千円となっております。アルバム「RED ROSE SPEEDWAY」のアーカイヴ・コレクションは、「デラックス・エディション(3CD+2DVD+1BD)」と「2CDスペシャル・エディション」と「2LP」と「オリジナル・ダブル・アルバム・ヴァージョン(2LP)」でのリリースとなりました。「オリジナル・ダブル・アルバム・ヴァージョン(2LP)」は、前回紹介した初期案の2枚組を再現したものです。
「デラックス・エディション(3CD+2DVD+1BD)」は、CD1がオリジナル全9曲のリマスター盤で、CD2は前述のLP2枚組全18曲をCD1枚に収めたもので、当然ながらCD1の9曲は重複しています。CD3は、CD2のみに入っている9曲とは重複しないアルバム未収録曲を集めたもので、1「MARY HAD A LITTLE LAMB」、2「LITTLE WOMAN LOVE」、3「HI, HI, HI」、4「C MOON」、5「LIVE AND LET DIE」、6「GET ON THE RIGHT THING(Early Mix)」、7「LITTLE LAMB DRAGONFLY(Early Mix)」、8「LITTLE WOMAN LOVE(Early Mix)」、9「1882(Home Recording)」、10「BIG BARN BED(Rough Mix)」、11「THE MESS」、12「THANK YOU DARLING」、13「MARY HAD A LITTLE LAMB(Rough Mix)」、14「1882(Live)」、15「1882」、16「JAZZ STREET」、17「LIVE AND LET DIE(Group Only, Take 10)」の全17曲入りです。コノ内「LIVE AND LET DIE」はアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」のセッションでレコーディングして、アルバムをリリース後に、英国では1973年6月1日に、米国では同年6月18日に、シングルとしてリリースした映画「007 死ぬのは奴らだ」の主題歌で、再びサー・ジョージ・マーティンと組んだ傑作で、全英7位、全米2位の大ヒット曲です。DVD1は「HI, HI, HI」と「C MOON」と「MY LOVE」と「MARY HAD A LITTLE LAMB」(4ヴァージョン)のMVに始まり、TV特番「ジェイムズ・ポール・マッカートニー・TVスペシャル」がノーカットで、更に「LIVE AND LET DIE」のライヴ映像とインタビューです。DVD2とBD1は同内容で、幻の映画「ブルース・マックマウス・ショー」が収録されています。コレは、当時はお蔵入りした初期ウイングスのライヴ映像が観れる貴重な映画です。
映画で演奏されているのは、1「BIG BARN BED」、2「EAT AT HOME」、3「BIP BOP」、4「THE MESS」、5「WILD LIFE」、6「BLUE MOON OF KENTUCKY」、7「I AM YOUR SINGER」、8「SEASIDE WOMAN」、9「MY LOVE」、10「MAYBE I'M AMAZED」、11「HI, HI, HI」、12「LONG TALL SALLY」となっております。コノ時期のポールは頑なにビートルズ時代の曲を演奏しなくて、カヴァーの「LONG TALL SALLY」だけなんですが、観客の盛り上がり方が違っています。お手軽な「2CDスペシャル・エディション」は、CD1がオリジナル全9曲のリマスター盤で、CD2が、1「MARY HAD A LITTLE LAMB」、2「LITTLE WOMAN LOVE」、3「HI, HI, HI」、4「C MOON」、5「THE MESS(Live)」、6「LIVE AND LET DIE」、7「I LIE AROUND」、8「NIGHT OUT」、9「COUNTRY DREAMER」、10「SEASIDE WOMAN」、11「BEST FRIEND(Live)」、12「MAMA’S LITTLE GIRL」、13「I WOULD ONLY SMILE」、14「TRAGEDY」、15「THANK YOU DARLING」、16「1882(Live)」、17「JAZZ STREET」、18「LIVE AND LET DIE(Group Only, Take 10)」の全18曲入りで、ラフミックスなどを除けば「デラックス・エディション」のCD2とCD3からオリジナル・アルバム未収録曲は全て収録されていますので、音源だけ聴きたい方ならコレで充分に楽しめます。此のアルバムの裏ジャケットには、スティーヴィー・ワンダーに向けたとされる「WE LOVE YOU」が点字で載せてあるのですが、此のリイシュー盤でも再現されています。映像の「ブルース・マックマウス・ショー」はバンドらしいのですが、有名な「ジェイムズ・ポール・マッカートニー・TVスペシャル」の方は、タイトル通りに「ポールの独壇場」なので、リンダは兎も角、他のメンバーは面白くなかったでしょう。長くなったので、ブートレグの話は次回にします。
(小島イコ)