1967年6月1日にビートルズの英国での8作目のアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」がリリースされる前に、ポールが渡米して帰国する4月11日の旅客機の中で、天然バカボンであるポールは早くも「MAGICAL MYSTERY TOUR」のアイデアを思いついてしまい、帰国後にすぐにテーマ曲を書いて、他のメンバーも巻き込んでレコーディングを始め、1967年12月26日にテレビ映画「MAGICAL MYSTERY TOUR」を放送する事になります。其のサントラ盤は全6曲で、英国では同年12月8日にEMIパーロフォンから2枚組EPでリリースされますが、米国キャピトルではEPでは売れないと考えて、サントラ音源6曲をA面に、B面5曲は既発シングルを収録したLPとして、同年11月27日にリリースしていて、現在では其のキャピトル編集盤がCDのラインナップに加えられています。セッションの模様は「ETERNAL GROOVES」からハーフオフィシャル盤の「MAGICAL MYSTERY TOUR SESSIONS」#1&#2や「EMI STUDIO SESSIONS」など何枚も出ていて、それだけ此の辺の音源は多いのですが、「ETERNAL GROOVES」盤は、毎度の事ですが、アマゾンでも買えたりしてお手軽なだけで面白味はないです。あたくしが持っているのは「SECRET TRAX」の「MAGICAL MYSTERY BOY」と、「SWEET ZAPPLE」の「Another Track of MAGICAL MYSTERY TOUR」と、「WALRUS」の「THE ALTERNATE MAGICAL MYSTERY TOUR」と、「JPGR」の「MAGICAL MYSTERY TOUR AND OTHER SPLENDID HITS」と、「DOLPHIN」の「THE ALTERNATE MAGICAL SUBMARINE TOUR AND A LITTLE MORE」と云ったところです。キャピトル編集盤を元にしたアウトテイク集が中心ではありますが、それぞれ色々と違っています。
「MAGICAL MYSTERY BOY」は2枚組で、1枚目がセッション21トラックで、2枚目がEPと「HELLO GOODBYE」のモノ・ミックスとヴィデオ盤のサントラ音源にジョージとジョンのインタビューの21トラックの合計42トラック入りで、コレは映画「MAGICAL MYSTERY TOUR」のみの選曲となっていて、1枚目には「THE FOOL ON THE HILL」のリハーサル・セッションが完全収録されています。「Another Track of MAGICAL MYSTERY TOUR」も2枚組で、1枚目がキャピトル編集盤A面「MAGICAL MYSTERY TOUR」の別ミックス全21曲で、2枚目がキャピトル編集盤B面シングル集の別ミックス全21曲の合計42曲入りで、いつも通り公式盤の別ミックスをまとめて聴けます。「THE ALTERNATE MAGICAL MYSTERY TOUR」も2枚組で、1枚目がキャピトル編集盤A面「MAGICAL MYSTERY TOUR」のデモやアウトテイクが全27曲で、2枚目がキャピトル編集盤B面シングル集のデモやアウトテイク全20曲の合計47曲入りです。2枚目はほとんどが「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」です。「MAGICAL MYSTERY TOUR AND OTHER SPLENDID HITS」は1枚ですが、キャピトル編集盤「MAGICAL MYSTERY TOUR」全11曲を曲順に2回別テイクで全22曲収録されています。「LOVE」からの音源なども含まれているので、2000年代になってからのブートレグです。「THE ALTERNATE MAGICAL SUBMARINE TOUR AND A LITTLE MORE」は2枚組で、タイトルで分かる通りに1枚目が「MAGICAL MYSTERY TOUR」EP関連曲が全23曲で、2枚目はアニメ映画「YELLOW SUBMARINE」関連曲が全23曲の合計46曲入りなのですが、1枚目の方にはEP「MAGICAL MYSTERY TOUR」関連曲の他に、ローリング・ストーンズの楽曲でジョンとポールがコーラスで参加した「WE LOVE YOU」や「SING THIS ALL TOGETHER」、更にはビル・ワイマンが書いた「SHADES OF ORANGE」をジョンが歌っているとされる音源も収録されています。
(小島イコ)