
ビートルズが「SGT. PEPPER’S LONELY HEARTS CLUB BAND」をリリースした1967年は「SUMMER OF LOVE」と呼ばれていて、多くのミュージシャンが「トータル・アルバム」もしくは「コンセプト・アルバム」を後追いで制作するのですが、コノ時代らしいキラキラしたシングル・ヒットも数多く生まれています。それらをまとめたコンピレーション盤も数多く出ておりますが、其の中から「HAPPY TOGETHER」と「60S SUMMER OF LOVE」を紹介します。どちらもCD3枚組で60曲ずつ入っていて、今アマゾンで見たら「HAPPY TOGETHER」が新品で「505円!」で、「60S SUMMER OF LOVE」は品切れの様ですが、中古盤が「870円」でした。「HAPPY TOGETHER」は1曲8円強だし、「60S SUMMER OF LOVE」も1曲15円弱で、もう、タダみたいなもんですよ。両方買っても、ダブリはほんの少しなので、コレはもう両方買っちゃいましょう。「HAPPY TOGETHER」は、タートルズの「HAPPY TOGETHER」に始まり、モンキーズの「DAY DREAM BELIEVER」、ブラッド・スエット&ティアーズの「YOU'VE MADE ME SO VERY HAPPY」、ハーマンズ・ハーミッツの「I'M INTO SOMETHING GOOD」、サーチャーズの「SUGAR AND SPICE」、エジソン・ライトハウスの「LOVE GROWS」、トレメローズの「EVEN THE BAD TIMES ARE GOOD」、マーマレードの「LOVIN' THINGS」、ザ・マインドベンダーズの「A GROOVY KIND OF LOVE」、トロッグスの「LOVE IS ALL AROUND」と、ここまででまだ10曲目なのです。ヤードバーズの「FOR YOUR LOVE」や、アーチーズの「SUGAR SUGAR」や、ラヴィン・スプーンフルの「DAY DREAM」や、ボビー・ヘブの「SUNNY」や、ラヴ・アフェアの「EVERLASTING LOVE」や、フラワーポット・メンの「LET'S GO TO SAN FRANCISCO」や、B.J.トーマスの「RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD(雨にぬれても)」や、アソシエーションの「WINDY」や、プロコル・ハルムの「A WHITER SHADE OF PALE(青い影)」などなど、名曲がてんこ盛りです。
ジョン・レノンは、プロコル・ハルムの「A WHITER SHADE OF PALE(青い影)」が大好きで「1967年はコレ1曲で良い」とまで云っていましたが、他の同時代の楽曲にも、ビーチ・ボーイズだけではなく、当然ながら影響を受けています。ポールが書いた「HELLO GOODBYE」も、バッキング・トラックだけ聴くとプロコル・ハルムだったりします。「60S SUMMER OF LOVE」の方も、怒涛の名曲が連なっていて、ビーチ・ボーイズの「GOOD VIBRATIONS」や「I GET AROUND」と全米首位の有名曲も押さえて、トレメローズの「SILENCE IS GOLDEN」や、ボックス・トップスの「THE LETTER」や、スペンサー・デイヴィス・グループの「GIMME SOME LOVIN'」や、アーサー・ブラウンの「FIRE」や、ショッキング・ブルーの「VENUS」や、イージービーツの「FRIDAY ON MY MIND」や、牛も知ってるカウシルズの「THE RAIN, THE PARK&OTHER THINGS(雨に消えた初恋)」や、フィフス・ディメンションの「UP,UP AND AWAY(ビートでジャンプ)」や、バリー・マクガイアの「EVE OF DESTRUCTION(明日なき世界)」や、キンクスの「WATERLOO SUNSET」や、トラフィックの「PAPER SUN」や、バンドの「THE WEIGHT」などなど、目も眩む様な選曲です。1発屋のヒット曲もありますが、少なくともベスト盤位は出しているミュージシャンが多くて、まずはコノ2セットを聴いて、気に入ったバンドのベスト盤やオリジナル・アルバムへと手を広げるのも楽しいでしょう。個人的には牛も知ってるカウシルズの「雨に消えた初恋」が大好きなので、ベスト盤も買ったら、まあ、その、「雨に消えた初恋」みたいな名曲は、残念ながら他には収録されていませんでした。それから、コノ2作のコンピレーション盤には、同時代のビートルズのカヴァーも何曲か収録されていて、シルキーの「YOU'VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY(悲しみはぶっとばせ)」や、トレメローズの「GOOD DAY SUNSHINE」や、マーマレードの「OB-LA-DI,OB-LA-DA」なども聴けます。
(小島イコ)