
1966年の8月でライヴを休止したビートルズは、1966年のクリスマス商戦にEMIパーロフォンからアルバムを求められますが、新作は間に合わず、年間2枚の契約を守る為に、現役時代では最初で最後のベスト盤「A COLLECTION OF BEATLES OLDIES」を、1966年12月10日にリリースしました。内容は、A面が、1「SHE LOVES YOU」、2「FROM ME TO YOU」、3「WE CAN WORK IT OUT」、4「HELP !」、5「MICHELLE」、6「YESTERDAY」、7「I FEEL FINE」、8「YELLOW SUBMARINE」で、B面が、1「CAN'T BUY ME LOVE」、2「BAD BOY」、3「DAY TRIPPER」、4「A HARD DAY'S NIGHT」、5「TICKET TO RIDE」、6「PAPERBACK WRITER」、7「ELEANOR RIGBY」、8「I WANT TO HOLD YOUR HAND」の全16曲入りです。何でもかんでも発売していた米国のキャピトルでは、此のベスト盤はリリースしておりませんが、ソレは既に水増しアルバムで既出楽曲ばかりだったからでしょう。英国ではビートルズはシングルをアルバムには収録していないケースが多くて、此の16曲中では「SHE LOVES YOU」と「FROM ME TO YOU」と「WE CAN WORK IT OUT」と「I FEEL FINE」と「DAY TRIPPER」と「PAPERBACK WRITER」と「I WANT TO HOLD YOUR HAND」の7曲がアルバム初収録で、「BAD BOY」はアルバム「HELP !」のアウトテイクで米国では「BEATLES Y」で既出音源でした。つまり、英国では半分の8曲がアルバム初収録であり、しかも7曲はシングルがモノ・ミックスだったので、ステレオ・ミックスは初収録でした。現在ではCD化もされていないベスト盤ですが、ソレはですね、1973年の「赤盤」に「BAD BOY」以外の15曲が収録されちゃったからでしょう。
個人的には此の「オールディーズ」が生まれて初めて買ったアルバムで、ソレは16曲入りとお徳用だったのと、「YESTERDAY」と「MICHELLE」が両方入っているのはコレと「赤盤」だけだったので、2枚組で高い「赤盤」を横目にこっちを買ったのです。ソレで次に買ったのが「ABBEY ROAD」で、ソレも16曲入り(本当は17曲入りだったけれど「HER MAJESTY」はシークレットトラックだった)で「オールディーズ」とはダブリがなかったからなんですけれど、B面のメドレーなんかは理解出来なくて「失敗した」と思ったもんです。CD化されていないけれどブートレグはあって、「SWEET ZAPPLE」の「RED OLDIES」が全30曲入りでお気に入りです。内容は、まずは「A COLLECTION OF BEATLES OLDIES」の全16曲がモノ・ミックスで入っていて、他の14曲は「赤盤」収録曲で「A COLLECTION OF BEATLES OLDIES」には収録されていない曲が全て収録されています。つまりは「BAD BOY」も含めた「赤盤」の完全盤なのです。「赤盤」のCDは全26曲入りなので、本来ならばCD1枚に収める事が可能であって、コレが其の形態で、しかも4曲も多いわけです。但し、2009年リマスターがリリースされる前のコンピレーション盤なので、「A COLLECTION OF BEATLES OLDIES」と「HELP !」以降はモノ・ミックスで、ソレ以前はステレオ・ミックスが選曲されています。ビートルズの楽曲は英国では1968年までは基本的にはシングル盤はモノ・ミックスで、アルバムはモノ・ミックスとステレオ・ミックスの2種類がリリースされていて、日本盤はステレオ・ミックスのみのアルバムが多かったのです。さてさて、此のベスト盤がリリースされる約1か月前の1966年11月9日には、ジョン・レノンが、日本人前衛芸術家の小野洋子さんと出逢ってしまいました。
さて、本日はブライアン・ウィルソンの81歳のお誕生日でありましてですね、まさか81歳にもなってブライアンが音楽活動をつづけているなんて、失礼ながら1960年代後半の世界では想像出来ない未来でした。おめでとうございます。
(小島イコ)