1984年6月1日にNIAGARA FALL OF SOUND ORCHESTRAL名義でアナログ盤でリリースされた「NIAGARA SONG BOOK 2」は、前作同様に井上鑑さんがアレンジしたインストゥルメンタル・アルバムです。同年6月10日に初CD化されますが、内容はA面が、1「夏のペーパーバック」、2「恋のナックルボール」、3「ペパーミントブルー」、4「木の葉のスケッチ」、5「真夏の昼の夢」で、B面が、1「魔法の瞳」、2「ガラス壜の中の船」、3「銀色のジェット」、4「レイクサイドストーリー」、5「夏のペーパーバック (Reprise)」の全10曲入りです。前作とは違うのが、リズム隊は東京でレコーディングして、オーケストラは千葉県浦安市文化会館大ホールを借りてレコーディングされています。故に経費が掛かったので、前作はアナログ盤が2000円だったのが、2300円に値上げされています。曲目は、前述の通り、オリジナルの全9曲入りだった「EACH TIME」から「1969年のドラッグレース」を除いた8曲も選曲されていて、もう1曲は「ナイアガラ・カレンダー」からの「真夏の昼の夢」です。其の後、1989年6月1日にリマスター盤が出るのですが、「ガラス壜の中の船」と「夏のペーパーバック (Reprise)」がカットされて、「Bachelor Girl」と「白い港」に差し替えられて、「魔法の瞳」は別ヴァージョンになりました。
1991年3月21日には選書盤でオリジナルの楽曲に戻されて、2015年3月21日には「NIAGARA CD BOOK II」にオリジナル仕様で収録されて、「Bachelor Girl」は「Complete EACH TIME SINGLE VOX」へ、「白い港」は「Niagara Rarities Special (NIAGARA RARE MASTER SERIES Vol.6)」へ収録されます。此の変遷は「ナイアガラあるある」でもありますが、多分に「EACH TIME」のカラオケ要素も強く、2013年の「NIAGARA SONG BOOK」30周年記念盤に「幸せな結末」を追加して収まりが付いた事で、こっちはなくともいいみたいな話にもなったようです。大瀧師匠としては「EACH TIME」の30周年記念盤に純カラオケを入れるのは決めていたので、本当にこっちはなしにしたかったのかもしれません。しかしながら、50人近いオーケストラをホールで録音した此の「NIAGARA SONG BOOK 2」も、決して侮れるアルバムではありません。30周年記念盤が出なかったので、選書盤がまだカタログに残っている内に購入された方がいいですよ。ほとんどが「EACH TIME」からの曲なのに、1曲目が「夏のペーパーバック」になっているのは、コレ以降の本編「EACH TIME」の曲順変更への前振りだったのでしょうか。
(小島イコ)