「ロンバケ」旋風が吹く中で、大瀧師匠は1981年10月21日にナイアガラ・トライアングル名義のシングル「A面で恋をして」をリリースしました。「Vol.1」は大瀧師匠と銀次とタツローでしたが、コノ「Vol.2」は大瀧師匠と佐野元春さんと杉真理さんで、1982年3月21日にはアルバム「NIAGARA TRIANGLE Vol.2」をリリースします。当初、大瀧師匠は3人共に共通しているリヴァプール・イディオムで行く心算が、ソニーから「ロンバケ2」を要求されて、そうしたそうです。そこで大瀧師匠は「ロンバケ」とシンメトリーとした聖子ちゃんの「風立ちぬ」A面と更にシンメトリーにして、「風立ちぬ」は「オリーブの午后」、「一千一秒物語」は「白い港」、「ガラスの入り江」は「Water Color」、「いちご畑でつかまえて」は「♡ハートじかけのオレンジ」、「冬の妖精」は「A面で恋をして」となったそうです。此のアルバムのリリースに関しては40周年記念盤の時に書いていますが、現在も入手可能なのは2022年3月21日発売の「40周年記念盤」と「VOX」の他には、1991年3月21日発売の「選書盤」と、2002年3月21日発売の「20周年記念盤」と、2012年3月21日発売の「30周年記念盤」がありましてですね、ジャケットは全て同じなので購入する時にはご用心です。
其れ以前には「ロンバケ」同様に世界初CDの20作のひとつとした1982年10月1日発売のCDがリマスター違いの3種類と、1989年6月1日発売で「A面で恋をして」をカットされた盤があります。そして「選書盤」は、オリジナル全13曲入りの廉価盤です。「20周年記念盤」は、本編13曲に6曲のボーナストラックを加えた全19曲のお徳用盤で、ボーナストラックはシングルAB面曲を網羅していて、どれか1枚を選ぶならばコレをオススメします。「30周年記念盤」は2枚組で、1枚目がオリジナル全13曲で、2枚目は全14曲(「A面で恋をして」はコーラス有り無しの2ヴァージョン)の純カラオケ音源です。「40周年記念盤」と「VOX」については前にも書きましたが、非常に不親切な構成となっております。個人的には大瀧師匠による5曲「A面で恋をして」「オリーブの午后」「白い港」「Water Color」「♡ハートじかけのオレンジ」+1曲(シングルB面「ROCK'N' ROLL 退屈男」)の6曲だけを切り離して聴く事も多くて、其れとシンメトリーにした「風立ちぬ」と合わせたアルバムを夢想して楽しんだりしております。実際に、コレの他には佐野さんは2枚組のシングル・ベスト盤しか持っていないし、杉さんは何も持っておりませんので、大瀧師匠ありきのアルバムです。特に「白い港」は、「ロンバケ」以降のメロディー系では最高傑作だと思います。(つづく)
(小島イコ)