いよいよ「大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK」が発売となりますが、コノ連載は少し先走って書いているので、実際に本編を聴く前に発売日が来てしまいました。そこで、公式サイトでサラリと視聴した段階でまずは書いてみます。「大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK」の内10曲がサワリだけカウントダウンで公開されておりましてですね、コレはとっても親切な事だとは思います。キチンと試聴してもらって、其れでも欲しいと云う方々に買って頂こうと云うわけですから、内容を全く知らずに購入してしまい、やれ「ロンバケ」みたいな路線ではなくて失望したなんてクレームを、事前に防ぐ為とも思えます。さて、まずは1曲目の「NIAGARA ROCK’N’ ROLL ONDO」ですが、コレは1978年頃のライヴ音源で、「ナイアガラ音頭」をロケンロールにアレンジした奇妙奇天烈な音源でした。2曲目の「ゆうがたフレンド (USEFUL SONG)」は、予想通りに2005年にとんねるずの為に書いてボツになった曲で、大滝詠一さんと鈴木慶一さんによる「冗談ぢゃねーやーず」が、1972年の「いかすぜ!この恋」以来の復活となっています。3曲目の「ポップスター」は市川実和子さんに1998年に書いた曲で、ガイドヴォーカルのデモ音源でしょう。4曲目の「うなずきマーチ」は、1982年にうなずきトリオに書いた曲で、コレもガイドヴォーカルのデモ音源でしょう。
更に5曲目の「いちご畑でつかまえて」は、1981年に聖子ちゃんに書いた曲で、これまたガイドヴォーカル音源でしょう。聖子ちゃん版と同じオケで歌っているので、セルフカヴァーとは考えられません。6曲目の「暑さのせい」は、1972年の「あつさのせい」とは違っていますが、リズムボックスを使用していて、明らかにデモ音源です。7曲目の「ピンク・レディー」は1978年の「レッツ・オンド・アゲン」でモンスター(シャネルズ)が歌っていた曲ですが、コレもセルフカヴァーではなく大瀧師匠も歌ってみたと云う感じです。8曲目の「消防署の火事」も、1978年に新井満さん用に書いた曲で明らかなデモ音源です。9曲目の「ホルモン小唄~元気でチャチャチャ」も、1976年に小林旭さんとティン・パン・アレーのアルバム用に書かれて、企画ごとボツになった曲のデモ音源です。10曲目の「あの娘に御用心」は、1975年のジュリーへの提供曲で後に大瀧師匠もセルフカヴァーしていますが、こちらはジュリー用のオケで歌っているので、ガイドヴォーカル音源でしょう。11曲目の「針切じいさんのロケン・ロール」は1995年に「ちびまる子ちゃん」のエンディングテーマとしてプロデュースして植木等さんが歌ったシェブ・ウーリー「ロックを踊る宇宙人」のカヴァーで、これまたガイドヴォーカル音源だと思われます。と云うわけで、ガイドヴォーカル音源のデモ音源ばっかりが収録されているし、そもそもノベルティ路線なので「ロンバケ」や「EACH TIME」のメロディ路線ではありませんので、ソニーや現在のナイアガラがわざわざ試聴させてくれたので、何度も云いますが、聴いてから購入するのが宜しいでしょう。
(小島イコ)