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2023年03月19日

「ナイアガラ考」#57「SUNSHOWER」



1977年7月25日にパナム/クラウンから発売されたター坊こと大貫妙子先生の2枚目のソロアルバム「SUNSHOWER」は、現在でこそ「シティ・ポップの金字塔」などともてはやされていますが、発表当時は全く売れておりませんでした。コレは1970年代にビートルズやメンバーのソロアルバムなどが時代遅れだなどと云われて聴いているとバカにされたのと同じで、いや、其れ以上にナイアガラもタツローもター坊も、全部ひっくるめて聴いているとバカにされるどころか、誰も聴いていなくて理解すらされなかった記憶があって、後の再評価に関してはタツローが云う様に「40年前に云ってよ」としか思えませんし、愛聴していたファンよりも当事者であるミュージシャンは深刻な問題だったでしょう。1枚目の「Grey Skies」はSUGAR BABEの延長線上にあったター坊ですが、此の2枚目となると当時流行していたクロスオーバーに傾倒して、完全にサウンド志向となり、もう売り上げなど考えずに好き勝手やってしまい、シンガーソングライターの作品なのに歌よりも間奏などの演奏の方が長い曲まであります。此のアルバムは実質的には教授こと坂本龍一さんが全面的にアレンジを担当し、当時は無名だった教授にとっては初のプロデュース作品となっていますが、ター坊と云う人は常に新しい才能に対してオープンな姿勢をとる冒険者でもあって、後には実際にアフリカとか南極とか世界中を旅していたりもします。

当時クロスオーバーのバンドとして有名だった「スタッフ」のドラマーであるクリス・パーカーにダメ元で交渉したら承諾されて、全編に渡ってクリスがドラマーとして参加しており、もうそれだけでもクロスオーバーでフュージョンなのですが、キーボードは教授と今井裕さん、ベースは細野晴臣さんと後藤次利さん、ギターは松木恒秀さんと渡辺香津美さんと大村憲司さん、パーカッションに斉藤ノブさん、サックスに清水靖晃さん、コーラスにはター坊とタツローと云った、もうコノ上ないミュージシャンが集結していて、内容に関しても文句のつけようがない大傑作ではあるのですが、近年の再評価での持ち上げ方には「何だかなあ」としか云えません。そりゃあ、再評価もされずに埋もれてゆくよりはマシなのでしょうけれど、ター坊はSUGAR BABE時代から独特なメロディーを書く方ではあるものの、常に新たな挑戦をし続けているミュージシャンなので、其の後にヨーロピアン路線とか可愛いもの路線とかロック宣言とかアコースティック路線とかブラジル路線とか、もうアルバムごとにサウンド面では様々な音楽を作っているわけですよ。それなのに何を今更「シティ・ポップの金字塔」なんて云われても、ねえ、そりゃあター坊も「私はシティ・ポップを作っているわけではない」となるでしょう。確かに「SUNSHOWER」はター坊のアルバムの中でも特異な作品ではありますが、実際には若気の至り的な要素も含んだ実験作でもありました。

A面の1曲目「Summer Connection」と2曲目「くすりをたくさん」と4曲目「都会」ではター坊とタツローがコーラスをしていて、参加ミュージシャンも被っていたタツローの「SPACY」との類似点も多くて、5曲目「からっぽの椅子」はSUGAR BABE時代の曲であったりもするので、もしもSUGAR BABEが存続していたならば1977年には「SPACY」と「SUNSHOWER」が合体した様なクロスオーバー路線のバンドに変貌していたかもしれません。現行のCDには、シングルヴァージョンの「サマー・コネクション」とアルバム未収録の「部屋」そして松任谷正隆さんのソロアルバム「夜の旅人」でデュエットした「荒涼」の3曲がボーナストラックで収録されています。「サマー・コネクション」はポンタがドラムを叩いている別ヴァージョンで、タツローは「こっちの方がエキサイティングで好き」とか「ター坊の曲で一番好き」とまで云っています。シングルのB面だった「部屋」は、ター坊自身のお気に入りの楽曲です。スケボーに乗っているター坊が可愛らしいジャケットの其のシングルは、そりゃあ、もう、アルバムよりも売れなかったので当然すぐに廃盤となってしまい、近年にリイシューされるまでは幻のシングル盤でしたし、オリジナルはトンデモ価格でしょう。アナログ盤の「SUNSHOWER」も、オリジナルの帯付きは数年前に2万5千円位の値段が付いていました。中古で価格が高騰しても、ター坊には一切関係ないわけで、リイシュー盤で充分でしょう。しかしながら、そうなるとター坊はアナログ盤の「SUNSHOWER」を探しに日本に来た米国人を取り上げた番組に、よく出演したもんです。何度かお逢いした事がありますが、ター坊は気は強くてまっすぐなんだけれど、基本的には優しい人なんですよ。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| ONDO | 更新情報をチェックする

空想格闘メタフィクション

「千秋万歳」第1部第7章 GET BACK

其の四 TELL ME WHY(下)



「千秋万歳」序章のつづきの
「千秋万歳」第1部第1章 LED−BOOKSのつづきの
「千秋万歳」第1部第2章 LOST AND FOUNDのつづきの
「千秋万歳」第1部第3章 LOVE MIXのつづきの

西暦 2017年 西豪寺スタジアム

未亜:なるほど、ジュースで大久保千秋が怒ったわけですね!それにしても、豊原みどりは弱すぎますね!

イコ:いや、その、大久保千秋くんが強すぎるだけで、マジメ軍にも実力がある選手はいるんですよ。豊原みどりくんも勝手にブック破りをして、あわよくば勝とうなんて色気を出したから、こんな結果になったわけで、普通にプロレスをやれば名勝負になるシナリオだったんですよ。

エレナ:私でも勝てない大久保千秋さんに勝とうなんて、那奈理名光年早いわね。やっぱり、マジメ軍ってバカなんじゃないの。

未亜:マジメ軍の悪口を云うと、親衛隊の「みどり派」が怒って暴動を起こしますから、やめて下さい!ただでさえエースの豊原みどりがボロ負けして、カッカしていますから!

エレナ:暴動?やれるもんならやってごらんなさいよ。タンマリと賠償金を取ってあげますわよん。

イコ:エレナちゃんは、お金なら腐るほど持っているでしょう。

エレナ:ミック・ジャガー曰く「お金は幾らあっても足りないもの」なのよん。

未亜:それにしても、キレた大久保千秋のアルティメットスタイルでのファイトは凄かったですね!豊原みどりがヒクソンに道場破りでズタボロにされた安生みたいでした!

イコ:豊原みどりくんは、再起不能なんじゃないですかね。まあ、コレを機に、プロレスラーと主婦の二足の草鞋はやめて、子育てに専念すれば、団長も喜ぶでしょう。

未亜:団長じゃなくて、カイザーになったんじゃなかったんじゃないですか!

イコ:まあ、ウチは役者さんのファンサイトだから、役者さんの悪口は云わないんですよ。エキストラ参加とかして撮影現場を目の当たりにすると、役者さんには尊敬の念が湧いて、悪口なんか口が裂けても云えなくなるんですよ。

エレナ:もっと褒めなさい。

イコ:てかさ、大久保千秋くんがガチギレして、20分を超える激闘になるはずだったメインエベントが、たったの117秒で終わっちゃったから、グダグダした雑談になっちゃったのよさ。こんなに短い試合になるなんて、そっちこそがブック破りなんですよ。大久保千秋くんにもチャンピオンシップなんだから、もう少し冷静になってもらわないと困るんですよね。

エレナ:それにしたって、マジメ軍が弱すぎるわよ。アレじゃあ3派軍団抗争にならないから、マジメ軍は解散してもらって、アンダーから出直ししてもらって、土下座正規軍VS美月組の方がいいでしょ。

イコ:まあ、そりゃあ、オーナー様の西豪寺エレナ様がそうしろとおっしゃるのなら、マジメ軍は解散ですけれど、ただ解散させるのはつまらないでしょう。

未亜:そう申しますと!?

イコ:次期シリーズの開幕戦で「マジメ軍」と「土下座正規軍&美月組」による5対5の綱引きマッチをやって、マジメ軍が負けたなら解散で土下座正規軍なり美月組のアンダーに取り込み、万が一勝った場合は存続して3軍抗争継続にすると。

エレナ:まーた弱い者イジメ?だったら私はメンバーから外れますわよん。

イコ:いえいえ、最初から、西豪寺エレナ様、美月うららくん、大久保千秋くんの3強にはメンバーから外れてもらいます。其れでも負けたならば、マジメ軍も納得して解散してアンダーになるでしょう。

未亜:さあ、毎度お馴染みの西豪寺エレナ様とイコちゃんの談合でマッチメイクが決定した模様です!マジメ軍の存亡を賭けた綱引きマッチに御期待下さい!ところで、綱引きマッチって何ですか?

イコ:だからあ、アンタはそんな事も知らないでプロレスの実況をしておるのかい。綱引きマッチって云うのは、リング上に絡まった綱を置いて、シートで隠して分からなくして、それぞれがリング下の位置で綱の先を選んで、引っ張ってマッチした相手同士でシングルマッチをやるのよさ。一見、お客さんも誰と誰が戦う事になるのかが分からないってドキドキ感も味わえるわけですよ。

未亜:はあ、でも誰と誰が試合するかは決まっているんじゃないんですか!?

イコ:おいおい、アンタの方から夢のない話にして、どうすんのよさ。

未亜:そうですね!それでは、今回はそろそろお別れです!実況は姫川、解説は小島イコさん、そしてゲストは西豪寺エレナ様でお送り致しました!ごきげんよう、さようなら!


以 下、「ASK ME WHY」(上)につづく

DEMO 2014−8−27
MIX 2023−3−19


(小島イコ/姫川未亜)


空想格闘メタフィクション


「千秋万歳」第1部第7章 GET BACK

其の五 ASK ME WHY(上)

MUSIC !

HEY EVERYBODY 
OUT THERE !

ON 2023・4・X

SINCE 2013・11・7


DE IMAGEN NO INC. A CADA*** CON AMOR

posted by 栗 at 22:00| CHIAKI | 更新情報をチェックする

「確証〜警視庁捜査三課」(再)で内山理名ちゃん

オール・シングス・マスト・パス


ファミリー劇場 9:05〜11:00

内山理名 AS 武田秋穂

「確証〜警視庁捜査三課」の今年初めての再放送で、昨年(2022年)は8回再放送されている定番ドラマです。結構な頻度で再放送されているのは、理名ちゃんが現在は旦那さんとなった吉田栄作さんと初共演して出逢ったドラマであるからでしょうか。此のドラマは、2013年に同じTBSで榮倉奈々ちゃんと高橋克実さんのコンビで連続ドラマとして放送された作品のリメイクで、連ドラの第1話と第2話とストーリーは同じです。理名ちゃんが演じた新入りの武田刑事と、栄作さんが演じたベテランの萩尾刑事が、衝突しながらも協力して事件を解決するお話で、コンビを組んでいるので全編に渡って二人でのシーンが続きます。反発し合っていたと思ったら、捜査一課の刑事から武田刑事がバカにされると「俺の相棒を貶すな」と漢気を見せたりして、役柄を超えて惚れてしまう様な場面もあります。ラストに唐突に、ジョージ・ハリスンの曲が流れます。

本放送:2017年11月6日(TBS)

(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 11:00| RINA | 更新情報をチェックする