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2020年11月17日

空想格闘メタフィクション

「千秋万歳」第1部第5章 MOVING 

其の四 恋することのもどかしさ(下) 



「千秋万歳」序章のつづきの
「千秋万歳」第1部第1章 LED−BOOKSのつづきの
「千秋万歳」第1部第2章 LOST AND FOUNDのつづきの
「千秋万歳」第1部第3章 LOVE MIXのつづきの
「千秋万歳」第1部第5章 MOVING 其の二 恋を抱きしめよう(上)のつづきの
「千秋万歳」第1部第5章 MOVING 其の二 恋を抱きしめよう(下)のつづきの
「千秋万歳」第1部第5章 MOVING 其の三 恋する二人(上)のつづきの

西暦 2015年 西豪寺ホール
PWEタッグ王座決定トーナメント


未亜:今、タッグトーナメント決勝のゴングが打ち鳴らされました!おっと、先発は高瀬リコと西豪寺エレナ様だ!西豪寺エレナ様がいきなりだなあとばかりにコーナーを三角飛びしてのニールキック!トライアングルシューターを初っ端から炸裂させたぞ!高瀬リコ、ダウン!転げ回って山口梨香にタッチを求めるが、なな、なんと山口梨香はタッチを拒否した!

イコ:自分で何とかしろと、山口梨香くんの𠮟咤激励でしょう。一発技を食らった位でマイッタしたのでは、シングルマッチなら負けですからね。

未亜:おおっと、尚も棒立ちになった高瀬リコに対して西豪寺エレナ様がトライアングルシューターを3連発!コーナーの柏木礼奈もリングインして、頭突き!更に柏木礼奈がホークを凶器にして、高瀬リコは流血!西豪寺エレナ様と柏木礼奈が交互に高瀬リコの傷口を目掛けて頭突きとナックルパート鉄拳制裁!土下座正規軍が二人掛かりで高瀬リコを蹂躙!しかし味方の山口梨香はコーナーで動かない!1対3の様相だ!

イコ:大久保千秋くんとのタイトルマッチに相応しい選手なのか、味方である山口梨香くんも含めて高瀬リコくんに対する愛の鞭でしょう。

未亜:尚も二人掛かりで高瀬リコを痛めつける土下座正規軍の西豪寺エレナ様と柏木礼奈!2プラトン攻撃の雨アラレ!太鼓の乱れ打ちから二人でのパイルドライバー!俺ごと刈れ!そしてダブルのトライアングルシューター!ようやく山口梨香がタッチした!

イコ:もうそろそろ危ないと、山口梨香くんが判断したのでしょう。

未亜:嗚呼、しかしコーナーでうずくまっている高瀬リコを土下座正規軍のセコンドがリング下に引きずり下して数名掛かりでボコボコに蹴り捲っています!高瀬リコが集団リンチに遭っている!

イコ:大久保千秋くんとのタイトルマッチを賭けたシングルトーナメントに優勝した高瀬リコくんは、周りを全て敵に回した様ですね。

未亜:おっと、小島さんのご指摘通り、高瀬リコに群がっているのは土下座正規軍だけではありません!美月組も味方であるはずのマジメ軍までもがドサクサ紛れに乱闘に参加しているぞ!ようやくエプロンサイドに高瀬リコが生還すれば、待ってましたとばかりに山口梨香が無理矢理タッチしてリングインさせた!

イコ:正に集団リンチ状態ですね。高瀬リコくんのスタンドプレイや独りよがりなファイトスタイルが相当嫌われているのでしょう。

未亜:またしても西豪寺エレナ様と柏木礼奈による二人掛かりの猛攻が続きます!「ひとりぼっちのロンリー高瀬リコ」状態に、サー・ポール・マッカートニーも歌い出しそうだ!

イコ:♪ノーモア・タカセリコ♪ですか。随分と嫌われたもんですなあ。

未亜:顔面は流血で真っ赤な高瀬リコが何とか技を出そうとしますが、1対2では歯が立ちません!再び、トライアングルシューターの餌食になっている!

イコ:もうちょっと止めさせた方がよさそうですが、其れを決める西豪寺エレナ様がリング上で痛めつけているわけですからね。

未亜:おっと、ここでおっとり刀で救出の為にリングインした山口梨香を、柏木礼奈がドラゴンスクリューからの足四の字固めに捕らえた!試合の権利があるのは西豪寺エレナ様と高瀬リコだ!一騎打ちの様相となって、西豪寺エレナ様がトドメとばかりに変型のトライアングルシューター!

イコ:トライアングルシューターとシャイニングウィザードを合わせた技ですね。シャイニングトライアングルシューターとでも云いましょうか。これはもう、決まったんじゃないかな。

未亜:まだまだと西豪寺エレナ様が高瀬リコの長い髪をむんずと掴んで、サンダーファイヤーボム!そして、エメラルドフロージョン!これはアブナイ!全く受け身も取れなかった高瀬リコがリング中央で大の字!ピクピクと痙攣しているぞ!ここでゴングだ!カウントを取るまでもなく、高瀬リコがKO負けだ!12分21秒、テクニカルノックアウト勝ちで「西豪寺エレナ様、柏木礼奈」組の優勝です!初代PWEタッグ王座は、土下座正規軍の元に渡りました!余りにも一方的で凄惨な試合に、お客様もドン引きしております!

イコ:滅茶苦茶な試合でしたが、土下座正規軍の攻撃は厳しかったですね。味方である山口梨香くんも、甘えを許さない意思だったのでしょう。

未亜:シングルトーナメントで優勝したものの、此のタッグトーナメント決勝戦では悲惨過ぎる負け方をした高瀬リコですが、大久保千秋とのタイトルマッチは白紙に戻るのでしょうか!?

イコ:うーん、分かりませんなあ。愛の鞭とも考えられる試合でしたから「PWE実行委員会」がどう判断するかですよ。あたくしはまだ保留ですね。西豪寺エレナ様や美月うららくん辺りと高瀬リコくんがシングルでやってもらって、結果待ちにすべきとも思えます。

未亜:たった今入った情報では、他の「PWE実行委員会」の面々も「ノーコメント」だそうです!高瀬リコは、またしても念願の大久保千秋戦を逃すのでありましょうか!?おっと、リングサイドで静観していた大久保千秋が担架で運ばれていく高瀬リコに近づいた!そして、張り手を一発!小島さん、どう云う事でしょうか!?

イコ:大久保千秋くんとしては、高瀬リコくんを挑戦者として認めたと云う事でしょう。「PWE実行委員会」も「ノーコメント」なら、そう云う意味とも取れますね。

未亜:まだ確定ではありませんが、今シリーズの最終戦でのPWE王座戦のチャレンジャーは、ほぼ高瀬リコと云っても間違いではなさそうです!今回は此の辺でお開きとしましょう!解説は小島イコさん、実況は姫川未亜でお送り致しました!それでは皆さん、次回まで御機嫌よう、さようなら!

以下、「ハートのささやき(上)」につづく

DEMO 2014−8−14
MIX 2020−11−17


(小島イコ/姫川未亜)


空想格闘メタフィクション


「千秋万歳」第1部第5章 MOVING

其の五 ハートのささやき(上)

SWEET SUKER DANCE !

HEY EVERYBODY 
OUT THERE !

ON 2020・12・X

SINCE 2013・11・7


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posted by 栗 at 00:07| CHIAKI | 更新情報をチェックする