フジテレビ 20:00〜22:09
誰が嘘をついて誰が本当の事を言っているのか…迷宮と化す取調室。日本中を震撼させた埼玉愛犬家連続殺人事件の知られざる刑事と犯人たちとの攻防を実録ドラマ化
内山理名 AS 風間博子死刑囚
理名ちゃんが実在する風間博子死刑囚を演じる、衝撃的な実録ドラマです。風間死刑囚は残忍で非情な稀代の毒婦と認識されていて、そう云う描写をした映画もあります。しかしながら此の作品では水野美紀さんが演じる主人公の藤波詩織刑事の視点から描かれており、風間死刑囚の描写も大分変っている様です。実際の映像や関係者へのインタビューも交えてドラマは進行します。「埼玉愛犬家連続殺人事件」の犯人とされるのは、主犯が鶴見辰吾さんが演じる関根元元死刑囚と理名ちゃんが演じる風間博子死刑囚で、共犯が内田朝陽さんが演じる中岡洋介とされています。風間死刑囚は其の3人の異なる3つの供述によって、理名ちゃんが全く別の3種類の人物像を演じ分けています。芥川龍之介の小説「藪の中」を原作とした黒澤明監督の映画「羅生門」の様な展開です。中岡の供述では、風間は関根と共に殺人に関与して遺体を解体する恐ろしい女です。関根の供述では殺すのを云い出したのは風間で計画も立て、実際に殺したのは中岡で2人で解体したとなっていて益々恐ろしい女です。しかし風間の供述では、自分は何も知らず何もやっていないが巻き込まれて共犯になっていたとなります。要するに、3人共自分以外の2人がやったと云うわけです。風間はまた、関根には自分と連れ子が壮絶なDVを受けていて背中の入れ墨も強要されたと云います。しかし中岡には検察からの司法取引がされていて、それによって関根と風間が主犯となったと中岡は云い出すのです。中岡は裁判で「風間博子は無実」と証言しましたが、死刑判決が出てしまいました。番組では最後に、風間死刑囚の息子さんと共犯者の中岡さん(仮名)にも取材しました。何だか風間死刑囚は冤罪の様な気にもさせられる証言でした。理名ちゃんは、全く違う役柄を演じ分けていて凄い演技力でした。特に残虐な悪女を見事に演じ切っていて、怖い位でした。
(姫川未亜)