未亜:銀河系777億人の片瀬那奈ちゃんファンの皆さん、こんばんは!いよいよ事実上の大久保千秋への挑戦権を賭けたシングルトーナメントは準決勝を迎えました!西豪寺エレナ様VS高瀬リコと云う好カードとなりましたが、一回戦の美月うらら戦で左肩を負傷し77分の激闘を征したエレナ様と、僅か77秒の省エネで勝ち上がった高瀬リコでは、余りにも条件が違います!小島さん、勝負は見えているんじゃないですか!?
イコ:こればかりは、やってみなければ分かりませんが、確かにエレナ様が大いに不利ですね。それにしても壇上くんの手抜きファイトはいただけませんなぁ。折角のイベントに水を挿してしまいました。
未亜:エレナ様の棄権も考えられるんじゃないですか!
イコ:いえ、先程訊きましたが、キッパリと出るとおっしゃいました。西豪寺エレナ様に二言無し。そもそもエレナ様が大久保千秋戦を熱望して実現したシングルトーナメントですからね。簡単には参ったはしませんよ。
未亜:さあ、両者の入場です!まずは青コーナーから手負いの女王・西豪寺エレナ様がガウンを付けずに臨戦態勢で入場ですが、おおっと、高瀬リコが花道の後方から襲い掛かりスパナの様なモノで殴りつけた!エレナ様、流血!頭からおびただしい量の出血で血だるまです!高瀬リコ、非情だ!大久保千秋戦の切符をもぎ取る為なら手段を選ばないダーティー・ファイトに、場内から大ブーイングが飛んでおります!
イコ:リコくんもヒドイ事をやりますなぁ。
未亜:まだゴング前のテロリズムですが、ここでゴングだ!エレナ様は花道でうずくまって立てない!そこに高瀬リコがボコボコにキック攻撃だ!さらに、アントニオドライバーだ!リングに放り投げて、スーパーフリークを炸裂だ!全く一方的!エレナ様が蹂躙されております!カウントが取られ、おおっと、カウント9で立った!エレナ様が立った!場内からは、大エレナ様コールが沸き上がっております!小島さん、スゴイ展開になりましたね!
イコ:エレナ様の打たれ強さは、一回戦の美月うらら戦でも十分に魅せてくれましたが、連戦で満身創痍状態となって、ここからどうするかですね。高瀬くんのダーティーファイトは、格闘家なのだから当然ですね。おそらく、今度は痛めている左肩を集中的に攻めるんじゃないですか。
未亜:おっと、小島さんの御指摘通り、高瀬リコはエレナ様の左肩を中心に関節技をかけております!コレはキツイ!エレナ様、ギブアップか!?
イコ:エレナ選手は、絶対にギブアップはしませんよ。「アイ・ネバー・マイッタ」を宣言していますからね。参ったした事は一度もないんですよ。
未亜:それにしても一方的な試合展開になってしまいましたね!
イコ:リコくんはね、一回戦が77秒の勝ちで、タッグの時も一方的な攻めで勝っているでしょ。修行の成果は感じられますが、攻めてばかりで防戦となった時のデータがないんですよ。エレナ様は受身の天才ですからね。リコくんの猛攻を敢えて受けているとも考えられるんです。エレナ様ほど相手の技を受ける選手はいないんですよ。
未亜:それにしても、エレナ様は一方的にやられっぱなしじゃないですか!場内からも「もうやめさせろ!」とのコールまで飛んでいますよ!
イコ:プロレスは、受けが基本の競技です。ゆえに相手の技を受け続けているエレナ様は正しいとなりますね。一方のリコくんですが、タッグ戦でもこのシングル戦でも、兎に角一方的に攻めています。パワーファイターとして戻って来た証ですけど、果たして防御や受身ではどうなるのかが未知数です。そこが気になりますね。
未亜:では、エレナ様は敢えて受けていると云う事ですか!?
イコ:ええ、エレナ様は受身の天才で参ったもしませんから、この試合はね、まだまだ分からないと思いますよ。
未亜:流血で顔面が真っ赤で赤鬼の様になったエレナ様ですが、ちょっと正視出来ない凄惨な試合展開です!おっと、高瀬リコが攻めます!リコちゃんブッチャー、リコちゃんキラーカーン、リコちゃん力道山、リコちゃんシャーコリャ、そして、アンパンアンパンメロンパン、と打撃の連打だ!対するエレナ様は、地蔵の如く技を受け捲くっても動じません!物凄い打たれ強さだ!
イコ:何度も繰り返しますが、エレナ様は参ったはしませんし、受けも柔らかいんですよ。これではリコくんが攻め疲れてしまいます。
以下、「愛して愛して愛しちゃったのよ(下)」につづく
DEMO 2014−7−19
MIX 2018−8−15
(小島イコ/姫川未亜)
空想格闘メタフィクション
「千秋万歳」第1部第3章 LOVE MIX
其の五 愛して愛して愛しちゃったのよ (下)
LET IT DOWN !
HEY EVERYBODY OUT THERE !
ON 2018・9・X
SINCE 2013・11・7
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