1962年10月23日は、リトル・スティーヴィー・ワンダーがモータウンで初めてレコーディングした日です。43年前(注・2013年では51年前!)の出来事です。当時、彼は12歳でした。同年にデビューしたザ・ビートルズとは同期です。当時、ジョンとリンゴは22歳、ポールは20歳、ジョージは19歳。で、繰り返しますけど、スティーヴィーは12歳。スティーヴィーの素晴らしさは、今更あたくしごときが語るまでも無いことです。兎に角、すべての音楽を愛するひとは「A Time 2 Love」を聴くべきです。「呼んだらすぐいくよ」と云ってるサー・ポールの新作(注・2005年当時だから「ケイオス」を指していると思われます)も、確かに素晴らしい。飽くなき挑戦を続けるポールに、スティーヴィーが燃えないわけがないのだよ。「PLEASE DON'T HURT MY BABY」を聴いて、此れって「WHAT'S THAT YOU'RE DOING ?」じゃないかって思ったら、「POSITIVITY」では♪Yeah ! Yeah ! Yeah !♪だし、タイトル曲では「云われなきゃ分らないギター」でポールが参加してるし、もはや切っても切れない関係になって居るなんてことは、ファンならすぐに気が付くだろう。其のタイトル曲に、あたくしはジョージを重ねて泣いてしまった。此の作品を聴いて、不満に思うソウル好きな方もいると思う。なんてったって、あまりにもコマーシャルなんだ。誰が聴いても好きになる音楽がつづくのだ。其れも、曲の繋ぎ目なしに77分あまりも。だからさ、スティーヴィーはビートルズが好きなんだよ。ロックが好きなんだよ。なんでもかんでも、音楽が大好きなんだよ。
今でこそ、カーティスやマーヴィンとあの時代を作ったなんて云われてるけど、当時の日本では、スティーヴィー以外は全く知られていなかった。彼が積極的にロックとクロスオーバー(死語)していたから、僕たちはソウルを知ったのだ。ビートルズを聴いていると莫迦にされた様に、スティーヴィーなんかはメジャーだからダメなんだって云われたんだぞ。そりゃ、僕はガチガチなソウル好きのひとには敵わない。でもね、そんな僕みたいなミーハーにも、ずっと響く音楽をやって来たんだよ。「愛するデューク」や「可愛いアイシャ」は、リアルタイムでキャンディーズがカヴァーしてたんだぞ。最新作が素晴らしいのは、正に万人が思うスティーヴィーのすべてが込められているからだ。此れがスティーヴィーだっ!って云う要素を詰め込んで、しかも現役感ムンムン。此れに文句を云ったら、彼は一体、どんなもんを作ればええんだよ?此のあたくしが云ってやるよ。ポールの新作(注・「ケイオス」)は、彼を好きなやつだけが大切に聴けば良い。でも、スティーヴィーの新作は、すべての愛するやつらに聴いて欲しい。此れが、僕たちが10代の頃にときめいた音楽だ。
(2005年10月23日)
こんな8年も前の「COPY CONTROL」時代の記事を引っ張り出したのは、気持ちが全く変わっていないからです。あたくしは「COPY CONTROL」を此処に合併統合した4年前に、多くの記事を引越ししました。でも、あまりにも「片瀬那奈ちゃんと関係ない」と非難された記事は移すのを躊躇ってしまい「500記事」ほどが御蔵入り状態となっていました。でも、やっぱり、あたくしが本当にやりたかったのは「COPY CONTROL」です。片瀬那奈ちゃんを日々記録しながら、全く関係のない話題も結構深く語ると云うコンセプトは、2004年の世界では理解されなくて「コピコン派 VS 那奈ヲタ派」と云う読者抗争となってしまい、困惑したあたくしは慌てて此処を分家させ、同時進行で両方をほぼ毎日更新して、2009年に此処へ吸収合併しました。云わば本家である「コピコン」が分家「那奈ちゃんゼンキロ」にパクリンコと食われちゃったのよさ。でも、やっぱり「コピコン」は凄かったと、自画自賛出来る様にようやくなったし、アレで好かったのだと自信を持ちました。此処の正式名称も「the diary of nana katase / COPY CONTROL ?」と改題いたしました。
今後も「日々是、片瀬那奈ちゃん」の記録は続けてゆきます。でも、益々「何じゃ、こりゃ?」と云う記事も増えるでしょう。其れでも、あたくしは胸を張って「ぜんぶ、片瀬那奈ちゃんの事を書いている」と云えます。2013年10月17日に密林ちゃんから届いてからずっと、もう8日目なのに、あたくしのCDコンポには、サー・ポール・マッカートニーの新作「NEW」が居座っていて、ずっとずっと繰り返し聴いています。もう、たぶん70回以上は聴いたと思います。でも、あたくしは未だ分らない。輸入盤だけどブックレットが付いているのだけど、英文の解説くらい普通に読めるのだけど、未だ読む気にならない。僕は、どうしても子供の頃に「アビイ・ロード」を買ってしまって「サッパリ分んない!失敗した」と思ったけど、悔しくって何十回も擦り切れる程にレコードを聴いて、なんとなく分って来た感動を忘れられない。当時の「アビイ・ロード」には解説なんてついていなかった。専門書だってほとんど無かったし、あってもウソばっか書いてあった。香月さんの「ビートルズ事典」くらいしかマトモな研究本なんてなかったのよさ。
ポールは大好きだから、新作はずっとリアルタイムで聴いて来ました。でも、こんなに聴いても分らないって、もしかしたら「アビイ・ロード」以来なんじゃないか?と思っています。確かに、スゴイし、何度聴いても飽きないどころか新たな発見もある。71歳のじじいに、こんなトンデモなアルバムを作られたんじゃ、「負けてらんないのよー!」とアスカ声で叫びたくなる程に悔しいぞ。昼に録画しておいたCSで放送されたスティーヴィー・ワンダーの2008年のライヴを流しながら、此の補足文を書いています。CDプレイヤーはポール様に独占されているけど、般若参号さんがいっぱい洋楽を持っているから他のも聴けるのよさ。丁度おなじ頃に2007年末だったかに、僕も友達と一緒にスティーヴィーを観た。だから、セットリストはおんなじ感じで、代表曲のオンパレードです。でも、本場の観客のノリが違う。スティーヴィーは、耳こそはすべてだ。なのに、日本人は遠慮しちゃって一緒に大声で歌ってくれないから、明らかにスティーヴィーは苛立っていた。だからこそ発狂して「リボン・イン・ザ・スカイ」長尺ヴァージョンなんてやらかしちゃったのよさ。でも本場の観客はスティーヴィーに煽られなくとも、最初っからノリノリで大合唱しているから、スティーヴィーも上機嫌でノリノリ、観客は老若男女色んな肌の色をした人たちが笑って踊って歌っている。アレもコレも名曲がてんこ盛りで、最後には「AS(永遠の誓い)」に乗せて、切々とメッセージを語る!「心は他人への愛に使いなさい!」って、感動して泣いちゃったじゃないか、ばかやろう!
ポールが、もうすぐ日本にやって来る。こんな幸せな空間を、日本の大会場でも出来るんだって、ポールに見せ付けてやりたいよ。勿論、ポールなんだからドームは超満員に決まっている。観客も老若男女の日本在住者だ。英国人や米国人も来るだろう。いや、日本に在住している世界中の人々が集うだろう。だけど、大半は日本人だ。ポールは、此れまでの来日公演でも、日本語を覚えたり、同時通訳字幕を使ったり、懸命に自分の意志を僕たちに伝えようとしたじゃないか。もう、僕たちは、ポールに「此処は英語圏じゃなかったんだっけ・・・」と落胆させちゃいけないんだ。アンナ情け無い事って、なかったよ。僕たちは洋楽を、ザ・ビートルズやスティーヴィーを、いったい何十年聴いて来たんだよ。もう、ポールやスティーヴィーがデビューしてから、半世紀以上も経っているんだぜ。あたくしは、今度こそ全曲、ポールと一緒に、泣きながら歌ってやる。勿論、此れまでの3回だって、たった1曲以外は全部いっしょに歌ったんだ。でも、やっぱり「LET IT BE」だけは、歌えないかもしれないナァ。だけど今回は「チャンスは2度ある」んだよん。さてと、また「NEW」をヘビロする作業に戻ります。てへぺろりんこ。
初出「COPY CONTROL」2005-10-23 に加筆 (小島藺子/姫川未亜)