出演作:『HK 変態仮面』(ティ・ジョイ)
先行公開:2013年4月6日
全国公開:2013年4月13日
(片瀬那奈ちゃんの撮影日:2013年3月4日)
映像作品:DVD「HK 変態仮面」ノーマル・パック&アプノーマル・パック2種(東映)
2013年7月12日発売
2013年に最初に公開された「女優・片瀬那奈」作品は、なな、なんと、映画「HK 変態仮面」でした。片瀬那奈ちゃんは、2013年1月から3作をほぼ同時に演じ分けておられたと、思わせぶりな「マネ日記」で小出しにされていましたが、撮影順だと、映画「二流小説家 シリアリスト」 → 映画「HK 変態仮面」 → 連続ドラマ「35歳の高校生」となります。ほぼ同時期に紙面も飾った3作品ですが、片瀬那奈ちゃんがデカク取り上げられたのは、映画「HK 変態仮面」の「色丞魔喜」役でした。片瀬那奈「やりたい」SM女王!映画「変態仮面」で新境地、片瀬那奈、ボンテージで鞭打つ「変態仮面」ドSの母親 撮影は「激しすぎて…」、片瀬那奈、網タイツで悩殺 「変態仮面」でSM女王の母親役に挑戦、片瀬那奈、映画『変態仮面』でSM女王役!変態仮面の母親に!、片瀬那奈、SM女王になってムチを振るう!罵詈雑言を浴びせる!映画『HK/変態仮面』主人公の母親役で出演決定、などなど、見出しも「かたちん」が独占!世間は「はあ?きれいなおねえさんが、何やってんの?」てなもんや。一部のテキトーな報道では「片瀬那奈は余りにもイメージと異なる役柄を演じてしまったので、所属事務所が難色を示し宣伝活動はNGとなった」なんぞと書き飛ばされましたが、「かたちん」は自らデビュー時の「水着ポロリ映像」まで解禁して宣伝活動をしていましたよっ。
無論、ずっと追いかけて来た「片瀬那奈ちゃんファン」にとっては、主人公「変態仮面」の「ファンキーなお母さんでSM女王」を演じる事に、何の驚きも無かった。寧ろ「那奈ちゃんなら、やらかすに決まっているじゃん!」と大歓迎!でございました。「怪優・片瀬那奈」の愛好者としては、正に「待ってました!」と絶賛するしかないキレ捲くりな艶姿を披露して下さった。公開は後になりましたが、映画「二流小説家 シリアリスト」と併行して臨まれた作品です。「色丞魔喜」と「長谷川千夏」と云う全く異なった役柄を、片瀬那奈ちゃんは軽々と演じ分けて魅せた!正に「静(千夏)と動(魔喜)」の両極端で、それぞれの画面には描かれていない人生までも感じさせる深みの在る演技には、感服いたしました。然し乍ら、此れほどまでに異なったキャラクターを同時期にオファーされ演じ分けるには、人知れぬ相当の努力がなければ在り得ません。片瀬那奈ちゃんは、決して「天才」ではありません。類稀なる資質は充分に兼ね備えていたけれど、ハッキリ云ってしまえば「芸能界に、そんなコは星の数ほど居る」のよさ。
女優デビュー作「美少女H2 最後のデート」に出演した時の、17歳の片瀬那奈は思い上がっていました。「あたしは出来るコだから、スカウトされて水着キャンギャルにも受かって、「ヤンサン」のグラビアも、「JJ」のモデルも決まって、今度は女優かい?軽い、軽い。テキトーにやっても平気!」と、自惚れ全開!で演じた作品を観た片瀬那奈は、己の愚かさに気付いてしまったのだよ。若干17歳での、大いなる挫折!しかも、自分でダメ出し!其の時、片瀬那奈の未来は決まってしまいました。何度も語って来たけれど、片瀬那奈ちゃんの熱狂的なファンだから云うのではなく、デビュー作「最後のデート」は名作だと思います。そもそも、ドラマと呼ぶべき作品ではないのよさ。なのに、片瀬那奈ちゃんは自ら「コレは、ダメだ!」と絶望したのです。芸能界なんてヘアメイクになる為の「社会見学」程度にしか考えていなかった片瀬那奈が、覚醒してしまった!♪あれから、15年♪、僕たちは片瀬那奈ちゃんを追い続けています。「色丞魔喜」は、突然に現れたのではありません。「片瀬那奈」と名乗る「怪優」は、デビュー作での屈辱から、僅か3ヶ月後に見事に復活した本格的な女優デビュー作「GTOドラマスペシャル」から、まっすぐに現在まで繋がっています。
「HK 変態仮面」は、片瀬那奈ちゃんが御出演された中でも、最も下らなくて面白い映画です。「色丞魔喜」を演じた片瀬那奈ちゃんと、「ニセ変態仮面」をやりたい放題で演じた「平成の怪物」こと安田顕さんは、間髪いれずにドラマ「ショムニ 2013」で再共演が実現しました。「HK 変態仮面」では絡みが無かったので、大いに絡む連ドラへの期待は高まりました。実際に、那奈ちゃんもヤスケンさんも、演技のヴォルテージは全く下がっていないどころか上昇していました。ところが、結果は皆さん御存知の通り悲惨な駄作となってしまった。「壇上みき」も「星野人事部長」も、渾身のぶっ壊れ演技で魅せたのに、何故だ?史上最悪の屑ドラマ「ショムニ 2013」を観てゲンナリした方々は、是非とも映画「HK 変態仮面」を御覧になって下さい。映画もドラマも、監督のもんなのよさ。どんなに役者さんたちがハッスルしたって、所詮はコマに過ぎません。生かすも殺すも、演出と脚本なのだ。こんな事を云っちゃうと、些かマズイのかもしれないけど、片瀬那奈ちゃんは「どんなオファーでもスタッフと慎重に話し合って、納得がいけば受けます!」と明言しています。「HK 変態仮面」への出演オファーを即決で受けた片瀬那奈ちゃんは、マジで物凄いぞ。「研音バーター」とか云われる作品よりも、単身で「かたちん」が挑んだ作品の方が、ズバリ云って圧倒的に面白い!「かたちん」は「ホンモノ」です。
「色丞魔喜」の素晴らしさは、福田監督が「まさかオファーを受けてくれるとは」と語った「SM女王」と云う奇をてらった設定にあるのではありません。「変態仮面」の母親なのですからイカレているのは当然で、全てを納得した上で「怪優・片瀬那奈」は出演を即決しました。そして、其の演技が何の迷いもなく文句なしに振り切れ捲くって、面白いのです。全ての出演場面を早朝から深夜まで掛けてたったの一日で撮影されたのだけど、異様なハイテンションでの鬼気迫る演技は圧巻です。冒頭から「色丞魔喜」が登場すると、劇場内は大爆笑!片瀬那奈ちゃんの舞台挨拶がなかったのに、わざわざ2回も新宿バルト9に足を運んでパンティまで被らされた者が証言するのですから、本当です。ブログで報告がありましたが、片瀬那奈ちゃん御本人も自腹でチケットを購入して此の映画を観ました。内容から考えて、地上波でのテレビ放送はおそらく無理だし、テレビ放送が期待出来るのはCSしかないでしょう。片瀬那奈ちゃんの演技も素晴らしかったけれど、作品としての出来栄えが好かったのが、「色丞魔喜」を高評価する理由です。予想外のヒット作となり、速攻でDVD化もされましたので、是非とも御覧になって下さい。続編の制作にも大いに期待したいですし、そうなったら当然ですが「色丞魔喜」も再登板されるでしょう。
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(小島藺子/姫川未亜)