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2013年08月25日

「片瀬那奈ちゃんが居なかった日曜日」

きりひと讃歌(1) (手塚治虫文庫全集 BT 43)


本日は「日曜日も頑張ります!」と片瀬那奈ちゃんが生放送で爽やかに司会を務められる「シューイチ」がお休みなので、「よし、片瀬那奈ちゃんの可愛い後輩が主演のスーパー戦隊&仮面ライダーを見てやるか。でもCSの手塚治虫劇場も見たいのよさ」なんぞと迷っていました。ところが、今週は上手い具合に朝6時から7時半まで映画「仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦」を放送するので、8時からの「三つ目がとおる」&「ブラック・ジャック」とはバッティングしておらず、まるっとぜんぶ録画予約できちゃったのよさ。流石は「かたちん」こと片瀬那奈ちゃん、いつも後輩が出ている特撮や手塚アニメを潰し捲くっている罪滅ぼしを、一気にやらかして下さった。「仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦」は地上波初放送で、ディケイド、フォーゼ、フミカス、ゴセイレッド、と云った「カタセカイ住人」が大活躍!てか、仮面ライダーとスーパー戦隊がコラボする夢の様な映画です。いえいえ、こんなもんで驚いてはいけません。此の次には「仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z」と云う、眩暈がする様な映画が公開されたのでした。

「仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦」は、なな、なんと、仮面ライダーとスーパー戦隊がヒーロー同士で対決するのだけど、こんな奇怪な作品が成立するのは、「仮面ライダーシリーズ」と「スーパー戦隊シリーズ」の原作が「石森(石ノ森)章太郎先生&八手三郎(東映プロデューサーの共同ペンネーム)」であるからです。てか、いきなりだナァで「野球仮面」が出て来て、吹き出してしまったじゃまいか。コレって、チビッ子向けだけに作ってないよね?かつてのチビッ子で今やパパになった世代もターゲットにしているとしか思えませんよっ。同一作家による夢のコラボは大昔からあって、例えば水木しげる先生の「復活! 悪魔くん(鬼太郎対悪魔くん)」とか、永井豪ちゃんの「マジンガーZ対デビルマン」や「バイオレンスジャック」などが有名です。ちなみに、永井豪ちゃんは石森(石ノ森)章太郎先生の弟子です。そして、石森(石ノ森)章太郎先生の師匠は「マンガの神様」手塚治虫大先生なのよさ。こうした所謂ひとつの「スター・システム」をマンガへ導入したのは、手塚先生です。イチバン分かり易いのが「ブラック・ジャック」で、主人公は「間黒男」ですが、毎回のゲストに過去に手塚先生が創造された多くの魅力的なキャラクターが意外なカタチで登場するのが醍醐味のひとつです。

「ブラック・ジャック」を入り口として、膨大で豊潤な目くるめく「手塚ワールド」へと踏み込んで行くのも好いでしょう。但し、手塚先生の作品は基本的に「物凄く暗い」のです。主人公は、みんな重すぎる業を背負い、悩み苦しみ、ハッピーエンドには至らないのだ。何ゆえ、そこまで主人公に辛い運命を強いるのか?と、あたくしは子供の頃から不可思議でした。手塚先生は名作「きりひと讃歌」に関して「ボクがコノ作品を気に入っているのは、作中に善人がひとりも登場しないからです」とおっしゃいました。主人公である熱血漢の医師は、教授に嵌められて顔が犬みたいになる奇病にかかり、親友だと思っていた同僚に婚約者を犯され、村で知り合い病を献身的に看病してくれた妻もチンピラに犯された挙句に殺され、自分は見世物として海外へ売られ、そこで知り合いカウンセリングして心を通わせた異常性欲者であった女も事故で失い・・・と、救い様がない展開で物語は進みます。手塚先生の作品は、全部そんな悲惨で重い話ばかりなのよさ。でも、面白いんだよナァ。何度読み返しても、心が揺さぶられてしまうのよさ。

「きりひと讃歌」にしろ「奇子」にしろ、現在出ている単行本では上下巻のたったの二冊で終わってしまうのだけど、何ゆえこんなにも深いテーマを描き切ってしまえたのでありましょうかしらん。其れを「天才だから」とひとことで片付けてしまうのは、あまりにも手塚先生に対して失礼でしょう。手塚先生は単行本化する際に連載時を大きく改変してしまうのが常でしたが、「人間ども集まれ!」など雑誌掲載時と単行本を一冊で読める復刻もされています。「人間ども集まれ!」のラストは、連載当時にはコミカルで未だ救いがある感じだったのに、単行本にまとめられた時には何とも云えない虚無感がズシリと残る悲劇となりました。そして、手塚先生は「ボクは、こういうラストの方が好きです」と、ハッキリとおっしゃった。手塚先生の作品は、途轍もなく「残酷」です。可愛らしい「ピノコ」に誤魔化されてはいけません。彼女は、奇形脳腫から「ブラック・ジャック」が作り出した「改造人間」なのですよ。無免許医うんぬんかんぬんを問う以前に、「間黒男」は完全にアタマがイカレております。デタラメにも程があるのに、何故か感動させられてしまうのだよ。手塚先生は、単なる「天才」なんぞではありません。ズバリ云って、狂っています。


(小島藺子)



posted by 栗 at 13:29| KATASEKAI | 更新情報をチェックする

「テキトーに聴くビートルズ」第25回

ポール・マッカートニー


みんな、キチンと昨晩の「粋男流儀」を録画したかしらん?当ブログ既報通り、バッチリと片瀬那奈ちゃんの「体感!スバル!」CMが、新作の「アイサイト篇 30秒」2回!旧作の「新世代BOXER篇 30秒」1回!と、合計「90秒」もタップリと流れたざんしょ?両方をフル・ヴァージョンで捕獲可能な絶好のチャンスを逃してはいけません。はあ?「24時間テレビ」なんぞを見ていたと申されますか。折角、あたくしが貴重な「片瀬那奈ちゃんのCM捕獲情報」をおせーてあげたのに、ションボリだよ。本日、片瀬那奈ちゃんが生放送で司会を務められる「シューイチ」がお休みするのは、何が原因なのか分かっているのかしらん。そりゃ、あたくしだって鬼じゃないんだから、たまには「かたちん」にも日曜日に昼まで2度寝でも3度寝でもして、のんびりと過ごして頂きたいわよ。でもさ、「シューイチ」がなくたって「かたちん」は「ショムニ 2013」の撮影があるから、「日曜日も頑張ります!」に変わりはないんざんしょ?そー云えば、「YOUPAPER ドラマ ショムニ 2013 特別版」は昨日から発送が始まったらしいので、届いたら記事にするわね。そんでもって、「チーム片瀬」の頑固さには呆れちゃうわね。何ゆえ頑なに誤植を訂正されないのかが、返す返すも「意味不明」です。其れとも「カタセカイ」には「門前中町」とか「青山放送」が本当に存在していて、あたくしには「千秋万歳」に辿り着けないのかしらん?んなわけ、ねーだろ。莫迦か、お前はっ。

「かたちん推し枕」はコレくらいにして、「あまちゃん」はアキちゃんがハッピー!になっちゃって、あたくし的には「イマイチな展開」です。アノコって、大して努力していないのに、フォーゼ先輩を親友から略奪するわ、ストーブさんやユーサクの長男とかまわりの男は全員ゾッコンになるわ、挙句の果てに太巻社長までコロリンコと陥落させちゃって、「相当なタマ」じゃん。当然の如く女性陣はみんな味方だし、余りにも恵まれ過ぎていて困っちゃうのよさ。アキちゃんが何の才能もないのに男に現をぬかしていた時に、小野寺ちゃんは必死で努力していたはずなのに、太巻の個人的な感情(天野春子に対する罪滅ぼし)でオーディションに合格なんて筋書きには、些かノレなくなっちゃったのよさ。主役なんだからハッピー!になるのは決まっているのだけど、少し早くない?えっ?コレから「東日本大震災」が起きるの?そっか、一旦ハッピー!に持ち上げて置いて、梯子を外して地獄の底に叩き落す気なのね。怖い、怖い。かつて、マライア・キャリーをディーヴァとか云って散々持ち上げて、一転してバッシングし捲くって突き落とし、這い上がって来たら再び賞賛したけど、完全なる「見世物」扱いにしちゃったみたいな感じかしらん。

手塚先生の傑作のひとつである「ブラック・ジャック」が、実は「引退への花道」として企画された事は有名な噺です。当時の手塚先生は「虫プロ倒産」などで「どん底」状態で、作風も暗くなり、編集者たちから「もう、手塚は時代遅れで、終わった!」と云われていたのでした。ならば、せめて最期にチャンスを与えようと「人気がなければ、即刻打ち切り!」との条件でスタートしたのが、「ブラック・ジャック」でした。結果は御存知の通りで、窮地に追い込まれた「天才・手塚治虫」は渾身の力を振り絞り、自らが創造したキャラクターを総出演させつつ、新たなる「間黒男」や「ピノコ」などの魅力的な主役を生み出し、毎回が読み切りで凝縮された「豊潤な物語」を描いたのです。天才を、甘く見てはなりません。ジョン・レノンもポール・マッカートニーも、世界的な名声と闘いました。ジョンは志なかばで撃ち殺されてしまったけれど、残された「ポールの苦闘」は、正に「凄まじい歴史」となりました。ポールは、ザ・ビートルズと云う自らが創造した化け物と戦い、見事に真っ向勝負で評価を得て、ようやく勝利の美酒に酔おうとしたら、「盟友・ジョン」を失ってしまいました。

亡くなったジョンは「神様」ですから、ハッキリ云って最早、ポールに勝ち目など無かった。其れでも、ポールは音楽活動を続けました。「所詮、ポールは甘ちゃんで、ジョンの思想性がある作品には敵わない」とか罵られ、デュエットで大ヒットを連発しても「スティーヴィーやマイケルに頼らなきゃ、もうヒット曲も出せない」と見当違いも甚だしい批判を受け、挙句にマイケルに自分の版権を奪われ、恩讐を越えてビートルズの楽曲をライヴで披露すれば「懐メロ・ショーのドサまわりで食っていくしかないのか」と嘲笑され、渾身の新作を発表しようとしたらレコード会社に「ビートルズの新作は、ひとつでいいんだ。空気を読め!」と却下され、「愛妻・リンダ」も亡くなり、「弟分・ジョージ」も逝ってしまい、「LIVE 8」でハブにされたリンゴには罵倒され、若手とコラボすれば「年寄りの冷や水」と貶され、スタンダード集を出せば「大金持ちの道楽」と云われ、何をやっても「元・ビートルズで偉大なるジョン・レノンの相棒」と云う重すぎる過去を全て背負いながら、今でもポール・マッカートニーは音楽活動を辞めません。ポールは、我々には想像すら出来ない程の巨万の富を持ち、寝ていても印税がガッポガッポと懐に入って来るのですよ。なのに何故、ポールは71歳にもなって3時間も歌い演奏するのか?其の理由が知りたいのなら、是非とも、来るべき11月の来日公演を体験して下さい。あたくし如きが云うのはおこがましいのですけど、内容は絶対保障いたします。「ビートルズ」とか「ポール」とかで検索されて、こんなトコまで辿り着いた方々は、観なければ「一生後悔」します!(断言)


(小島藺子)



posted by 栗 at 01:21| FAB4 | 更新情報をチェックする