那奈年くらい前に「8の字固めのジョニー」と云う記事を書いた時に、タイトルに反してジョニー・パワーズの事を書かずに咎められました。本日「ワールドプロレスリング クラシックス」で「アントニオ猪木 vs ジョニー・パワーズ」の「NWF戦」が放送されたので、「パワーズ・ロック(8の字固め)」に関して語っておきましょう。此の1973年に行われた三本勝負で、猪木はパワーズから「2対1」で「NWF王座」を奪取し、1981年のハンセン戦で「IWGP」の為に返上封印するまで「アントニオ猪木の代名詞」と云われる数々の激闘を彩ったタイトルとなりました。やはり、猪木と云えば「IWGP」ではなく「NWF」と語り継がれております。ピーター本では「NWFベルトは一万ドル(当時、約300万円)で買った」と暴露されましたが、そもそも「プロレスのベルトなど一般社会に於いてはタダのガラクタであり、其の価値を高めたのは猪木なのです!」と、フルタチ節で云ってしまいましょう。プロレスの実況や解説って、大事だよね。最近の実況も五月蝿くて辟易しますが、引退した小橋の過去の映像が多く放送されているので観たら「ジャストミーーート!」とかギャーギャー喚き捲くる輩が酷すぎますナァ。コイツあたりが元凶かもしれんぞ。お前さんが目立ってどーすんの?まだ辻の方がマシだったナ。
さて、肝心の「パワーズ・ロック(8の字固め)」ですが、此の試合の二本目でパワーズが猪木に決めてギブアップを奪います。一見、ザ・デストロイヤーが得意の「四の字固め」とおんなじに見える技ですが、此の試合を観ると決定的な違いが分かります。「四の字固め」は御存知の通り、仰向けの体勢で相手の脚を「四の字」に固めて完成します。ところが、反転してうつ伏せ状態になると技をかけた方にダメージが生じると云うカラクリがあります。「猪木 vs 藤波」などでの「四の字固め」の反転する攻防で御馴染みですね。対して、「パワーズ・ロック(8の字固め)」の怖ろしいトコは、仰向けで技をかけ、一見「四の字固め」と思わせて、足首を決めていて、実は反転してうつ伏せになって完成する技と云うわけですよ。「四の字」風なのに、クルリンコと回って完成するから「8の字固め」なのかしらん。こーゆー脚を使った技は、是非とも片瀬那奈ちゃんにも披露して頂きたいですナァ。それにしても、遠藤幸吉の解説は全く以って、わけがわからん!桜井さんが居てくれて、本当に好かったぞ。ま、桜井さんも「パワーズはねぇ気性が激しい選手で、ルー・テーズとの試合で、テーズを椅子で殴ったんですよねぇ」とか、おっとりとした口調で語るわけだが。
(小島藺子)