最近はレコード盤に針を落として聴くのが億劫になってしまいまして、専らCDラジカセで音楽を聴いております。確か、六年前位に「やっぱりアナログの方が音が太くて好いぜ!」とか思って、片っ端からCDを売り捌いてしまい、気が付けば片瀬那奈ちゃんのCCCDしか遺っていない状態に近いトコまで行きました。つまり、他のCDは、ほとんどが全部アナログの復刻だったと云うわけです。あたくしの洋楽嗜好は、1960年代と1970年代で大体は止まっていますので、其れ以降は、例えばポール・マッカートニーとか昔から聴いて来た人が新作を出したから買うとか、もしくは過去のリマスター盤とかだったのでした。其れで、昔売ってしまったレコードで買い直していました。レア盤とかに拘らなければ、100円から高くても500円くらいで叩き売られていたので、ウハウハ気分でレコードばかり買っていたのですけど、前述の通り最近はCDラジカセで聴くので、またCDを買っているのです。本当に聴きたい音楽なんてそんなに多くないので、CDを売ってはレコードで買い戻すって事でもしないとレコード店に行く意味がなくなってしまったとも云えますね。
そんでもって、実はあたくしは2009年にリマスターされたビートルズの黒箱を未だに購入しておりません。「それでよくも全曲解説を書けたもんだ」と呆れられるでしょうが、発売日(2009年9月9日)に近所の有名レンタル店に行ったら提携していたとかで速攻でレンタルされていたので全部借りて iTunes に落として CDR に焼いてしまったのだ。「三千円くらいで借りられるのに、三万五千円も出してらんねぇナァ。とりあえず、音を聴いてから判断しよう」とかケチってしまいました。いえ、本当は買う心算でお金も用意していたのですけど、在る事情で前日(2009年9月8日)に名古屋に遠足しちゃってですね、使っちゃったのよさ。ま、片瀬那奈ちゃんに逢いに行ったわけだが。ビートルズより片瀬クンを選んだわけですナァ。限定と謳われた「THE BEATLES IN MONO」は買いましたけどね。おいおい、未だ普通に売っているではありませんかっ。白箱(モノ盤の箱)はコンパクトで好いけど、黒箱(ステレオ盤の箱)はデカクてエラソーだしCDの出し入れが面倒だしDVDはNHKで放送しちゃったしと思いまして、何となく買い逃していたら中古の価格がドドンガドン!と下がり、現在ではヤフオクなどでは壱万円以下で売買されているみたいです。其れで、そろそろ買おうかしらんと出掛けました。
馴染みの中古レコード店でも、壱万五千円くらいで売られていました。旧盤CDの箱なんか、7,800円でした。でも、基本的に箱物ってコンパクト・ディスクのくせにデカイ箱に入っていて置き場所とか扱いに困るのよさ。其れで、結局「通常のステレオ盤リマスターはバラで他に目ぼしいブツがない時に買おう」と、ようやく三年半掛けて決心したのです。ま、音は iTunes と CDR で聴けるし、アナログも白箱もあるんだからええじゃん。まずは、白箱に入っていない「YELLOW SUBMARINE」と「ABBEY ROAD」と「LET IT BE」を探したら、「ABBEY ROAD」が無かったのだ。「YELLOW SUBMARINE」と「LET IT BE」だけ買って帰るわけにはいきませんナァ。「7,800円だったら昔売ってしまった旧盤の箱でも買うか。逆にレアだし」とも思ったのだけど、「そー云えば、流石にビートルズ関係だけは売る前に全部 iTunes に落として旧盤も全て CDR に焼いていた」事実に気付きました。てか、上限二万円の予算で買いに行ったのに、音が在るビートルズの箱だけ買って帰るってどーなのよさ。こーゆー風にレコード店で迷って色々と物色する時間が、実は快感でもあるのです。挙句に何も買わないのもアレだからと、時には別に欲しくもないレコを買ったりもします。ま、100円だからさ。
てなわけで、CDラジカセで気軽に聴けるベスト盤を買おうと決めてですね、ビートルズとジョージ・ハリスンとリンダ・ロンシュタットと10CCとキンクスとトッド・ラングレンを買いました。商品六点ですけど、内容は「CD18枚(二枚組×4、四枚組、六枚組)」です。コレで、全部で税込み「8,400円」でした。おいおい、一枚五百円もしないのですか(約467円!)。しかも、リンダと10CCは新品だぞ。ビートルズは、赤盤と青盤のリマスター・セット四枚組で「1,800円」でした。貼付画像の輸入盤ですけど、密林ちゃんじゃ「8,800円」となっていますね。えっと、以前に見た時は「三千円以下」だった気がするのだけど、何でこんなに高くなっているのよさ。10CCは昨年出た六枚組の全盛期箱(繰り返しますが、新品)が「2,800円」で、こちらも密林ちゃんじゃ「4,279円」じゃん。コレも前はもっと安かった気がするぞ。もう、此の辺で「物凄く得した気分」に浸れます。ジョージは名盤「ALL THINGS MUST PASS」なのだけど、以前買ったリマスターは箱入りで面倒なので売ってしまい、今回はデジパック版を買いました。1,400円だってさ。安っ。箱入りを売った値段と変わらんぞ。コレは勿論、旧盤もリマスター盤も iTunes に落としてあるのだけど、表示だとどっちだか分からなくなってしまって CDR に焼く時に困っていたのです。音圧が全く違うからさぁ。
リンダは2011年にRHINOが編集した二枚組ベスト(しつこいけど新品)で、コレは密林ちゃんと変わらない価格でした。てか、二枚組で46曲入りで千円以下って何だ?リンダが一曲「21円」かよ。今時珍しく「CCCD」だったけど、安いし、どーせCDラジカセで聴くのだから別にええか。キンクスとトッド・ラングレンなんて旧盤ベストの中古だからそれぞれ二枚組で800円と600円の叩き売り状態じゃまいか。一曲「15円」なり。最近はCDも廃盤とか紙ジャケとかに高値が付いているみたいです。でも、例えばビートルズの「ABBEY ROAD」は1983年に東芝EMIがフライングで発売して英国EMIからクレームが付いて即刻発禁になったCDがあって、其れが「7,800円」とかで売られているのです。1983年のCDなんてリマスター盤が出ている現在では聴けたもんじゃありませんし、同じお店で旧盤の箱が「7,800円」で売られているのですから、他の15枚はタダですか?あたくしはコレクターではないので、聴ければよろしいのだ。そもそもCDラジカセで聴く為のソフトなのですから安い方がええに決まっているし、箱とかオマケとかいらないです。そーゆーのはデカくて見栄えもするレコードで楽しみます。ま、人それぞれです。
(小島藺子)