皆さん、明けましておめでとうございます。新春早々、片瀬那奈ちゃんのDVD三昧になっている未亜たんを置いてけぼりにして、あたくしはやっぱりビートルズから始めております。じっくりと「THE BEATLES IN MONO」と云う13枚組を聴いているわけですが、素晴らしいですね。ビートルズは1968年の「THE BEATLES(通称「ホワイト・アルバム)」まではアルバムをステレオとモノラルの二種で発売していました。そしてシングル盤は全部モノラルのみだったのです。ビートルズはモノラルに拘っていて、ミックスダウンにもモノラルだけに参加し、ステレオ・ミックスはジョージ・マーティン、ノーマン・スミス、ジェフ・エマリックなどのスタッフに丸投げしていたと云われています。
ゆえに、本来ならば2009年9月9日にリマスターされた時にはモノラル盤を基本とすべきでした。然し、1969年以降に発売された「YELLOW SUBMARINE」、「ABBEY ROAD」、「LET IT BE」がステレオ盤のみしか存在しない(「YELLOW SUBMARINE」にはモノラル盤も在りますが、ステレオをモノにしただけの所謂ひとつの「にせモノ」です)からなのか、ステレオ盤が市販される事になりました。それで、モノラル盤はイチオー限定と云う事で別に箱モノとして発売されたのです。あたくしが持っているのは安価な輸入盤ですが、内容は堂々と「Printed in Japan」と記載されております。そりゃ、こんな精巧な紙ジャケットを作れるのは日本人だけでしょう。
完璧に再現された紙ジャケットの美しさだけでも、一生モンのお宝と云えます。そして、肝心の音源が素晴らしいのです。モノラルの太い音で、たっぷりとビートルズが聴けます。「HELP !」と「RUBBER SOUL」は、モノラルとオリジナル・ステレオ(現行のCDは1987年にジョージ・マーティンがリミックスしたステレオが定番となっている)を収録。「YELLOW SUBMARINE」への新曲4曲と「ACROSS THE UNIVERSE」は、初めてリアル・モノラル・ミックスが収録されたのです。つまり、「ABBEY ROAD」と「LET IT BE」以外は「THE BEATLES IN MONO」で聴けてしまうわけで、えっと、それだったら「ABBEY ROAD」と「LET IT BE」もステレオで好いから、おんなじ美しい紙ジャケット仕様で収めて頂きたかったですね。
此れからビートルズを集めると思う方々には、思い切って「THE BEATLES IN MONO」を買ってですね、「ABBEY ROAD」と「LET IT BE」はバラ買いすればいいんじゃまいか。ん?其れだと「THE BALLAD OF JOHN AND YOKO」と「OLD BROWN SHOE」と「LET IT BE」のシングル・ヴァージョンが♪抜けちゃう抜けちゃう抜けちゃうの〜♪(片瀬那奈ちゃん声で)となりますね。リンゴ・スター渾身の叫び「オラ、指に豆が出来ただー!」も聴けません。だったら、もう仕方ないのでステレオ盤の「THE BEATLES BOX」16枚組も買っちゃえ!輸入盤だったら、全部でたったの三万五千円くらいで簡単に「ビートルズのすべて」が手に入っちゃうよっ。ステレオとモノラルの聴き比べも出来て万々歳!いや、まあ、そこからが泥沼なんだけどさ。
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(小島藺子)